新たな事業は、ほんの小さなきっかけから始まる。
明和工業は、町の鉄工所から穀物共乾施設の集塵装置の分野で大きく事業を伸ばしていました。
時は平成8年頃。常日頃、事業活動を通じて、農業関係者とよくやりとりのあった当社は、ある時、言われたことがありました。
「毎年大量に発生するもみ殻をどうにかしてほしい。」
みなさん、あまりご存じでないかもしれませんが、私たちがお米を手にするまでに多くの工程を経て、お米になっているわけですが、その途中で籾殻が多く発生しているんです。
収穫→生籾集荷→貯留・乾燥→籾摺り(この時点で玄米になる)→精米→白米 という長い工程を経て、私たちがよく食べる白米になるのですが、この籾摺りの時に、籾殻は発生します。
生籾はカントリーエレベーターやライスセンターという施設に集められます。
その生籾の量は、1つの施設で数千トンにも及ぶほどです。
全国的には、平成30年度の情報(農林水産省 作物統計)では、平成30年度のお米収穫量は、780万トン!
実は、生籾の20~25%が籾摺りした際に籾殻として発生します。
その量、なんと、200万トン!のもみ殻が発生しているんです。当時、もみ殻は利用先がないので、畑にすき込んでみたり、野焼き(田んぼでそのまま燃やす)などがされていました。もみ殻にもその後稲作に必要な栄養素を含んでいるため、野焼きは田んぼに栄養素を返すという意味でよく行われていましたが、一方で煙による大気汚染が問題となってきていました。
※現在、インドなど新興国でも野焼きによる大気汚染が問題となっており、国家レベルでの対策が急務になっています。
そういった背景があり、明和工業ならどうにかしてくれるだろう、という期待感からか、お客様から要求されました。
続く。