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都市計画と立適

この週末は大阪大学で都市計画学会がありましたので、その参加のご報告と感想を。

じつは各自治体は立適(立地適正化計画)というものを順次こしらえていってます。
これは「将来に人口減が起こってもサステナブルな行政サービスを維持できるように、街を機能的にかつコンパクトにしていきましょう計画」といったところでしょうか。
かといって日本人は新しいもの好きで、ビルダーやマンションデベは空き地を見つけては新築をせっせと建てて群がる人がいるのはおなじみの光景です。

ですが将来的に人口減になるのは間違いなく税収もそれだけ下がりますから、同じようなサービスが提供される筈はあません。
もっと効率化させてという声も聞こえてきそうですが、企業の効率化の最たるものは全員を業務委託者にしてしまうこととすれば、そんな厳しいところは嫌だという声が聞こえてきそうで、絞ってばかりでは効率が下がります。
それに働き方改革はIoTの発展と共に人を分散させる可能性を秘めていますから、コンパクト化の計画を立てておくのは重要なことです。

じゃあコンパクト化とは何を指すのか?
簡単に言えば同じ市内でも「なるべく都心部に住んでね」ということですから、厳しく言えば辺縁部の切り捨てというか魅力のない人口密集度合いの低い場所では行政サービスがイマイチになるかもということです。
今でも空き家問題という、魅力のない中途半端な住宅地は空き家目立つようになり防犯や景観上の問題になるという課題も出てきていますが、これも先を読んだ対策をしないとコンパクト化の支障になるかもしれません。

でも自動運転の技術がそこまで来ているよね!?という疑問もあるかもしれません。
けど人口密度の低いエリアを自動運転で結べば回送時間も必要ですし、それを短くすれば台数が必要になります。ではそのコストを誰が負担するのかといえば、利用者に転嫁するしかない訳です。
若いうちはいいでしょうが、年を取ってから移動に時間もコストも必要になるというのは些か厳しいでしょう。

この学会では分析は進んでいるものの、そういったことに陥らないための抑止策の具体については語られていません。
でも、法律系の学会へこれを持ち込めば恐らく実態に肉薄するだろうなと感想を持ちました。学際的といういい言葉があるのですが、理系と文系はやはり交わり難いのかなと。

私でも冒頭に書きました乱開発を、法を造ることで何とか止めさせればいいと思うくらいですから。
それと空き家が問題ならば所有者に対して、行政にタダで寄贈するか売却するかを選択を迫ればいいことですし、行政は寄贈を拒否できなくすればいいのです。
意地が悪い言い方になりますが、歯抜け地を順次更地化すればゴーストタウン化が著しくなりますから、自然に街は縮小していくでしょう。ただ更地化する費用や、草ぼうぼうではなくもう少し考える必要はありますが。

ここの最適解は、文系と理系の中道を行くウチの会社から是非編み出したいなと思います。

ところで、写真はエクスカーションで乗った水上バスです。
大阪はここのところ川を往来する船が増えてまして、その実態と都市景観を見るためのものでした。
感想としては、水辺の変化が著しくて面白くなっています。

昔から商人の力が強く、現在ある800以上の橋のうち官製橋(公儀橋)の歴史を持つものは僅か3本しかないというのは驚きです。その商人力が少しずつ息を吹き返していると実感しました。
大阪は不景気と永らく言われていますが、その出口もまもなくかなぁと。

都市空間を語るとき、工学のほかに経済学や法学の知識もあると幅が広がり地に足がつくのではないかなぁと改めて思った次第です。

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