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台湾高雄のLRT

視察に出向いてました。
お目当てはトップに出したLRTと、街並みをくまなく見て回ることです。

台湾は日本のバブル期を思わせるほどの勢いで成長しているものの、日本とは異なる進化を遂げようとしています。
台北だと成長が進み過ぎているように思えたので、成長したくて力を蓄えているように感じられる高雄を選んだという次第です。

LRTについては一見何の変哲もないように見えますが、架線がなくてバッテリーで走っています。
といっても駅には架線がありますから、そこで急速充電して次の停留所まで走るという仕組みです。

これだと架線を支える電柱を建てる必要もなく、またその用地を確保する煩わしさがありませんから駅と線路用地の確保だけで済みます。
線路用地は鹿児島の路面電車のように芝生を植えてあり、ヒートアイランド対策が施されています。
これを二次交通網が絶望的なつくばのセンター地区で走らせることは出来ないかなと考えたのが、そもそもの調査の動機です。

切符の販売装置も簡単です。スイカのようにストアードフェアを持っている人は車内のリーダーにタッチし、持っていない人は下にある券売機を使うことになります。
ただ切符を買うと30圓でカードだと15圓ですから、切符を買う人はほとんどいないようです。

駅舎も基本的には低い構造でホームと社内の床を合わせてありますから、完全なバリアフリー構造です。
この一点を見ても、日本よりも後から来て先に行ってしまっていることが分かります。

扉の開閉は冷暖房効率の観点から乗りたい人が自分で開けるという仕組みで、ヨーロッパではいちいち丁寧に全てのドアを開けるということはしないそうです。

このような最新鋭だけどコストの安い地域の足は海外では標準的になっており、増殖傾向です。
日本ではLRTを造るだけでも侃々諤々の議論が必要で、費用対効果の事をとやかく言われがちです。
しかし他方でセントレア(中部国際空港)を民間会社の方式で作った時に、コストがずいぶん安く機能的に出来たということを忘れてはいけません。

知恵を絞れば安全で価値の高い仕組みが手に入るほど、テクノロジーは進化しています。
それをサイエンスシティと呼ばれるつくばで具現化したいというのが私たちの夢です。

次回の視察はゴムタイヤで走るLRTを視察してきます。
これに今回のバッテリー走行を加えれば、さらにコストが少なくて敷設できるはずです。
両方の視察が終わった段階で、国内のLRTメーカーに取材したいと思っています。

単に真似て導入するのではなく、思想を取り入れてベースにしつつ更に上を目指す。
コンサルティングでもモノ作りでもコンセプトは同じです。

私たちは自分に線を引くことなく、常に多方面から光を当てて、簡単かつ先進的な取り組みを続けていきたいと考えています。

茗渓コンサルタンツ株式会社 では一緒に働く仲間を募集しています

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