あなたの"仕事哲学"教えてください~鴻愛会・内田~ | ★仕事哲学シリーズ★
今回の記事は不定期企画「あなたの"仕事哲学"教えてください」シリーズとして、医療領域にて最先端の取り組みに挑戦し続けている経営幹部の方をお呼びしました!仕事哲学シリーズってどんな企画だっけ?仕事...
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今回の記事は不定期企画「あなたの”仕事哲学”教えてください」シリーズとして、Genki Groupの介護領域で活躍されている経営幹部の方をお呼びしました!
Genki Groupの経営幹部の経歴や、どんな思いで事業を推進しているのか?今後の展望は?インタビューを通じて聞いていきます!
イベントで社員の話を聞く時間って「どんな想いで仕事をしているのか」「会社のどんなところが好きで仕事をしているのか」「将来的に何をしていきたいのか」など、それぞれの人の”仕事哲学”を学べるいい機会だったんじゃないかと思います。人生の先輩方からキャリアのお話を聞いて学びを深めるめちゃくちゃ貴重なチャンスでした。正直、就活中の学生さんたちがとても羨ましいです。
という発想で始まったのが仕事哲学シリーズです。
前回のインタビューでは、医療法人社団鴻愛会こうのす共生病院の内田さんにお話を伺いました。現場⇒アカデミック⇒コンサル⇒事業会社とこれまでのキャリアと共に、携わっている業務や事業への想いを聞かせていただきました。
【記事はコチラ】👇
今回インタビューするのは株式会社サンガジャパンの古川さんです!
株式会社サンガジャパン
サンガジャパンはGenki Groupの中で介護福祉事業を推進する株式会社です。株式会社のメリットを活かしてM&Aや速いスピードでの施設展開を行なっており、地域のニーズに合わせたサービスを提供しています。また、海外にも事業展開を行っています。
👆(古川さん 株式会社サンガジャパン 法令遵守責任者 内部監査室長。現在はサンガジャパンにおける法令上の内部監査、虐待防止、現場改善などに携わっている。以下、敬称略。)
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《もくじ》
●古川さんのお仕事は?
●Genki Groupの良いところ!
●将来の展望
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角中)それでは、よろしくお願いいたします。最初に現在室長として取り組まれている業務について教えてください。
古川)今年に入り、法令遵守責任者として内部監査室に就任しました。ここでは法令遵守の確認・改善、高齢者虐待および不適切ケアの防止の研修実施などに取り組んでおります。
角中)内部監査について、僕もまだ詳しく知らないので、どういった業務なのか教えてください。
古川)端的に言えば、「施設運営がしっかりとできているかを法令の観点からチェックする仕事」です。監査の業務について大きく分けると介護保険法に関わる部分とそれ以外の部分があります。介護保険法にまつわる部分だと、厚労省が定めている人員配置ができているか、ご利用者さまの介護サービス計画であるケアプランの作成・遵守がされているか、虐待や不適切ケアがされていないか、などを確認しています。それ以外の部分で言うと、現金や備品の管理体制に問題がないか、労働基準法が守られているか、などです。こちらは他の業態の内部監査でも行っている一般的なものですね。行政のリストに基づくチェックに加え、元気村グループと共同で作成したGenki Group独自のチェックリストで確認をしています。法的な部分が守れているかに加えて、Genki Groupで定めているサービスの質が守られているかもチェックしていますね。
角中)公的な保険に関わる事業なので、普通の監査に加え、介護保険法に関わる監査が必要なのですね。内部監査が十分にできていないとどういったことが起こるのでしょう?
古川)介護保険法が遵守されていないことが行政の調査で発覚すると処分を受けます。違反の度合いにより処分の重さは変わります。保険収入の減少や新規ご利用者さまの受け入れ禁止、最悪の場合は介護サービス事業所としての指定を取り消され、国からの保険収入を受け取ることができなくなります。こうなると介護事業を存続することはほぼ不可能です。国の公的な保険から収入を得ているので、法令の遵守は徹底しなければなりません。
角中)介護サービスを利用した費用は国に請求するので、そこに不備や不正があった場合は厳しい処分が科されるんですね。ちなみに、介護保険の請求はどのような流れで行われるのですか?
古川)ご利用者さまが介護サービスを受けた場合、事業者は「国保連」と呼ばれる保険報酬の支払などを担当する組織に料金を請求し、「公費(税金)」と「介護保険料」から利用料の9割が支払われます。残りの1割(収入などに応じて1割~3割負担)がご利用者さまから直接事業者に支払われます。これらが介護保険請求の基本的な流れですね。
角中)介護業界にいると1割負担や3割負担といった言葉をよく聞きますが、意味が分かりました!内部監査ではサービスが提供できているかに加え、介護保険請求について不備がないかどうかもチェックしているんですね。
古川)その通りです。今までの内部監査室の役割としては、各施設が法令遵守を実行できているかのチェックを行ない、改善点を示すものでした。今年からは私を含めて担当者が現場に行き、職員と共に改善するところまで伴走しています。
角中)僕が施設へ勉強に行っていた時期にも古川さんとお会いしましたが、現場の方々ともとても近い距離感でお話されていたのを覚えています。現場の方と関わる際に大切にしていることがあれば教えていただきたいです。
古川)コミュニケーションをとる中で、現場の小さな困りごとを拾うようにしています。現場の人が楽しく働けない施設でご利用者さまに楽しんでもらうことはできません。介護職員から施設長まで、それぞれの役割によって課題や悩みごとも多岐にわたります。現場から取締役まで様々なポジションを経験している経歴を活かし、現場に寄り添った課題解決をしています。
角中)施設長クラスの人になると、自分より上の人が施設にはいないわけで、困りごとなどを相談するのが難しい場面もあると思います。様々な経験をしている古川さんからサポートしていただけるのは現場の皆さんからしても心強いですね。
古川)そうだと嬉しいですね。今年の1月に就任し、秋田から九州までサンガジャパンの全施設を回って研修を行っています。内容も私が一方的に話すのではなく、職員同士にディスカッションしてもらう形式を採用しています。その施設でケアを行なうのは現場の職員なので。自分達で考え、言葉にして行動に移せるような研修を心がけていますね。
角中)現場の職員が自分達で考えて動けるように、というのは正にGenki Groupの理念である現場主義の体現ですね。
現場主義とは
言われたから行動したり、言われた通りに行動するのではなく、常に一人ひとりが感動を届ける「主役」として、自発的に考え行動します。ご利用者さまに感動を届けるのは、最前線に立つ他でもない「私たち」であるため、一人ひとりと、その集まりであるチームとして、ご利用者のためを想い、感動を生みだすようなサービスを自ら考え提供します。
角中)ちなみに、古川さんが今の仕事をやることになった経緯を教えてください。
古川)そもそも私が介護の世界に入ったところからお話ししますが、29歳の時にGenki Group内の病院に就職したところから始まりました。最初は訪問入浴のお手伝いをするオペレーターとして、ご利用者さまの家に行って入浴のお手伝いするのが仕事でしたね。そこから介護の基礎を習得できる資格である初任者研修(当時はホームヘルパー2級)を取得し、病院が運営しているデイケア(通所リハビリ施設)に入りました。ここから本格的に介護業界でのキャリアが始まりました。
角中)訪問介護のお手伝いとして介護業界に入り、資格を習得したことで、本格的にキャリアがスタートしたんですね。29歳から介護業界に入られたとのことですが、どういった経緯で入られたのでしょうか?
古川)介護は人生の最後まで寄り添うことができる最高のサービス業だと思っていて、この業界で働きたいと思って飛び込みましたね。元々人に喜んでもらうことが好きで、介護業界に入る前は高級旅館で働いていました。私がおもてなしすることで、お客さまが喜んでくれることがとても嬉しかったですね。そういった経緯もあり、現場の介護職員時代からご利用者さまへの接遇をとても大切にしています。
角中)人を喜ばせたい、笑顔にさせたいという思いが根底にあるんですね。実際に介護職員として入った現場はどうだったのでしょう?
古川)当時はまだ介護保険法が始まったばかりで、認知症の理解や介護の知見も十分ではありませんでした。現場に居た人はその時の最善を尽くしてくれていたとは思いますが、ご利用者さまの安全を守ることが最優先になり、生き甲斐を叶えられるような介護が十分に提供できていませんでした。ご利用者さまへのケアや声掛けに対して「これは本当にご利用者さまの幸せになっているのか?仕方ないことなのか?」と疑問に思い、身体拘束や不適切ケアをなくし、ご利用者さまが健やかに過ごせる施設をつくることを決意しました。
角中)今では当たり前の介護保険制度ですが、その歴史は2000年からスタートと意外と最近なんですよね。
古川)介護保険法を始めとする法整備が進んだことや、現場の職員がより良いケアを追及してきたことで、介護業界全体も大きく変わってきました。今はご利用者さまの安全を確保した上で、生活の質をどのように向上させていくか、その人に寄り添ったケアを提供するかということに重きを置けるようになってきたと思いますね。
角中)当時の方々の頑張りがあって、今の介護があるのですね。現場で働く中でケアに対する課題感を抱かれたと思うのですが、そこからどうしていったんでしょうか?
古川)働き始めてすぐに「身体拘束や不適切ケアはやめましょう!」と声をあげましたが、新人の介護職員の立場から現場を変えていくのは簡単ではありませんでした。そのため、まずは私自身がもっと介護について勉強して、人に教えることができるような立場になるしかないなと思いました。そこから様々な形態の施設を周り、実務と勉強を通して介護を学んでいく生活が続きましたね。がむしゃらに勉強して介護のスキルと必要な資格を取得していきましたが、この経験が大きな糧になっています。
角中)現場の経験で印象に残っているエピソードなどあれば教えていただけますでしょうか。
古川)これまでのキャリアの中で印象に残っているのは、サンガジャパンの施設の施設長になった時、全てのベットの4点柵を完全に廃止したことです。これまではご利用者さまの安全を守るためには仕方ないと考えられていましたが、施設のメンバーが一丸となってケアしていけば、ご利用者さまの動きを制限することなく安全を守ることができると信じていました。実際に4点柵を外しても事故は起こらず、働き始めてからずっと目標にしていたことを叶えられた瞬間でした。新しい介護現場の最初の1歩を作ることができた、あの喜びは今でも忘れられません。
角中)働き始めてからずっと理想としていた介護を実現することができた瞬間ですね!
古川)そこからはサンガの各施設でケアの質を高めるための取り組みを広げていたんですが、まもなく中国に日本の介護を伝えるプロジェクトが始まり、その担当に就きました。「自分が仲間たちとこれまで作ってきた介護を世界へ広げるチャンスだ!」と思い立ち、これまで海外経験もろくにありませんでしたが、単身で中国へ飛びました。
角中)今でこそGenki Groupはアジアに複数の拠点があり、多くの職員が海外に赴く機会がありますが、古川さんはその先駆けだったんですね!
古川)中国に飛んだはいいものの、もちろん中国語は話せませんし、当初は現地に片言で通訳してくれるガイドさんが1人いただけでしたね(笑)。それでも中国で研修を実施し、そこからGenki Groupとの繋がりを作ることができたのは、現地の皆さんの優しさのおかげです。分からないことだらけの環境でしたが、様々な場面で現地の皆さんに助けていただきましたし、介護に対して本気で学びたいという熱意を感じました。最終的には10か所ほどの都市を回らせていただいて、身体拘束や虐待の防止に向けた取り組み、認知症ケアについての研修や講演を担当しました。中には政府の方への研修を担当させていただいたこともあります。現地の皆さんは私の話を真剣に聞いてくださいましたし、介護への思いが国境を超えた瞬間でしたね。とてもやりがいがありました。
角中)これまで培ってきたノウハウを海外に広げることができたんですね。理想とする介護があって、それが1施設から全国の施設に、そして海外にまで伝えられることに大きな可能性を感じます。
古川)介護業界に入り、「虐待や不適切ケアをなくしたい、ご利用者さまの生きがいを叶えたい」と走り続けてきました。監査業務の担当になったことで、これまでの経験と知識を活かして自分のやりたいことに更に専念できるようになりました。サンガジャパン全体で虐待や不適切ケアがない状態を保ち、ケアの質を向上させることで、ご利用者さまの生きがいを実現できる環境をもっと増やしていきたいです。
角中)現場で働き始めた頃の想いが今の業務に繋がっているんですね。監査業務について、そして古川さんの介護に対する想いについてよくわかりました!ありがとうございます!
角中)それでは、古川さんが感じているGenki Groupの良いところを教えてください!
古川)理念を第一にしているところですね。ご利用者さまの生きがいを叶えることが大切で、様々な挑戦をする中でも軸がブレないところです。そのために多様性・個性を大切にしていて、どんな人でも活躍するチャンスを与えてくれるところが魅力だと感じています。
角中)現場の職員から本部長へ、そして海外へチャレンジされた古川さんが言うと説得力があります。
👆(サンガジャパンについて込められた思いです。※HPより抜粋)
古川)そして、理念に共感してGenki Groupに集まる人が魅力的ですね。目の前に困難が立ちはだかっても、明るく前向きに捉えて挑戦していく人が多いと思います。現在サンガジャパンではGenki Groupの他法人の方々とも色々な取り組みを進めています。領域を超えたプロジェクトや事業も、同じ思いを持っているからこそ一緒に動いていけるんだと思いますね。特にこれから入社されるような若い人達は、我々にはない柔軟な思考や新しい視点を活かしてどんどん活躍してほしいです。知識や経験はまだなくとも、熱い想いを持っている人達と一緒に働きたいです。
角中)領域を超えたシナジーはまさにメディクルードの新卒である経営幹部候補に求められている役割だと思いますので、僕も全力で取り組んでいきます。
古川)最初からスペシャリストである必要はないと思っています。理想とする世界の実現のために何が必要なのか、入ったからこそ見えてくることもあります。まずは自分の直感・やりたいことを信じて臆せずに飛び込んできてほしいですね。
角中)それでは最後に、将来の展望を教えてください。
古川)Genki Groupの取り組みを世に広げることで、いじめ・差別・虐待のない社会をつくることです。そのためにまずはGenki Groupの理念に共感し、ご利用者さまに寄り添ったケアができる介護職員や専門職のケアスタッフを増やしていきたいです。
角中)とても壮大な目標ですが、医療・介護・教育と、人間誰しもが通る3領域を中心に事業を展開しているGenki Groupなら成し遂げるチャンスがあるのではないかと思います。
古川)昨今のテレビやニュースで介護士や保育士の虐待事件などが報道されるたび、悲しく感じます。当事者を批判する声が多いですが、誰か周りに助けてくれる人・止める人はいなかったのかと思いますね。そのための仕組み・体制づくりをしていかなければならないと思いますし、Genki Groupでノウハウを作り上げ、グループ外にも輸出していけるようにしていきたいです。
角中)理想とする社会の実現のため、まずは介護領域からですね。
古川)まずは指針となる理念を伝えて、理解してもらうことが何よりも重要だと思っています。そのために、昨年から外部の研修を受講し、講師として話す力・伝える力を向上させています。まだまだ課題もやりたいことも沢山あるので、自分自身をブラッシュアップしながらとことん挑戦していくつもりです。
インタビューは以上になります!
お読みいただきありがとうございました!
古川さんのキャリアから、実現したい未来のお話を伺いました。Genki Groupの経営幹部の方々がどんな想いで事業を動かしているのかが伝われば幸いです!!
今後もこのシリーズを継続して更新していく予定なので、是非楽しみにお待ちください!!
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