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「作り手がハッピーじゃないと、読み手もハッピーにならない」、その両立を実現させるのがメディアグロースの仕事

今回のインタビューは株式会社メディアジーン プロダクト部門 メディアグロースユニットでディレクターを務める村上祐亮さんです。

ディレクター業務ほぼ未経験でメディアジーンに入社し約2年半。所属ユニットのミッションの変化に柔軟に対応しつつキャリアを重ね、この3月に新生・メディアグロースユニットのマネージャーとなった今、これまでとこれからについて語ってもらいました。

※本記事は東京都の外出自粛要請が発表される前に取材・撮影しました。

「自分がここにいるのがしっくりくる組織」と感じ、メディアジーンへ

ーーメディアジーンに入社される前は?

前職ではWeb制作会社のエンジニアでした。スタートアップ企業のコーポレートサイトやサービスサイトの制作が主な業務だったのですが、徐々にコーディングやプログラミングだけでなく、プロジェクトマネージャーとしてクライアントへのプレゼンや進行管理、品質管理なども幅広く任されているようになっていきましたね。どうすればクライアントの期待を超えられるか考えるのは楽しかったのですが、30代を目前にして、そろそろ特化したスキルを身に着けたいなと思い転職活動を始めました

ーーーメディアジーンはどういう経緯で応募されたんですか?

もともとメディアジーンが運営しているGIZMODOやlifehackerは知っていましたが、応募はエージェント経由でした。エージェントに、「自社サービスを運営している会社」と、もう一つ「自分がカルチャーフィットしそうな組織」という条件で仕事の紹介をお願いしました。

それまでの社会人経験で、「仕事が上手くいくかいかないかは、やっぱり人だな」っていうのをすごく感じていました。何社か紹介してもらって、面接を受けたのですが、メディアジーンは一番「自分がここにいるのがしっくりくる組織」でした。

ーーーそうだったんですね。ちなみにどんな職種に応募されたんですか?

募集職種はエンジニア職だったんですけど、将来的にはディレクターとしてやっていきたかったので、面接では「応募したのはエンジニアだけど、将来的にはWebディレクターへのキャリアパスも考えている」とお伝えしました。

そもそもプログラミングなどについて勉強し始めたのが遅かったし、分野に特化したスキルもなかったので、エンジニアでやっていこうと思っても、そこまで市場価値の高い人材にはなれないことには気づいていました。そして、前の会社で働いているときに、「システムの知識を持った人がWebディレクターをやった方が絶対良い」と感じることが多かったんです。ならそれに自分がなってみようかと。自分の市場価値を高めるのであればWebディレクターになる方が良い、と考えていました。


ミッションが変化し、進行管理からビジネス貢献へ

ーーー実際に入社されてどうでした?

エンジニアで入社したんですが、入社してすぐのタイミングで社内異動の関係で、GIZMODOのWebディレクターのポジションに空きが出たんです。そこで当時の上長が「そう言えば村上君、Webディレクター職に興味あるって言ってたよね?やってみない?」ってなって、「やります!」と答えて、やることになりました(笑)。

Webディレクターをやることになっても、当初やる予定だったエンジニアとしての仕事がなくなるわけでもなく、入社半年は稼働半々でやりましたがかなりきつかったんです。それで、どっちかに集中させてくれ、とお願いしたら、Webディレクターチームのマネージャーから、「それならうちの業務に専念して欲しい」とお誘いを受け、結局自分の想定より早いタイミングで、Webディレクター職に専念することになりました。

ーーー狙い通りじゃないですか(笑)? どんな点が評価されたんだと思いますか?

Webディレクターの仕事が初めてだったので、わからない中で無我夢中でやってました。なので、自分ではあんまりできてるっていう実感がありませんでした。

ただ、Webディレクターチームのマネージャーが自分の働きぶりをしっかり見てくれていたみたいです。誘われたときに、「コミュニケーションの取り方がWebディレクター向きだと思う。事業の目的を忘れず、しっかりと意見を言いつつも、他のメンバーの声もバランス良く取り入れて、プロジェクトを進めていくので、チームにいてくれるととすごく良い」と言っていただきました。自分が常日頃から心掛けていることでもあったので、うれしかったですね。

Webディレクターに専念することになって、自分のやるべきことがより明確になり、仕事がやりやすくなりました。チームのミッションにもフルコミットできるようになりました。

ーーー具体的なチームのミッションはどんなものだったんでしょう?

Webディレクター専任となったのが、チームのミッションが変化し始めたタイミングだったと思います。僕が入社したときはメディアそのものの成長、いわゆるPVをいかにして増やしていくか?が命題でしたが、その頃から「メディアが盛り上がればOK」ではなくて、「メディアの収益にどう貢献するか?」を考えていくフェーズに入りました。

僕が元々メディアジーンに入社したのは、「自社メディアの運用開発をしたい、より良いサービスが作りたい」という理由だったんですが、そこに関われば関わるほど、マネタイズへの問題意識は高まってきていたので、ユニットのミッションとのズレは無かったです。ただ、それまではビジネスに関する意識や関心が乏しかったので、「いろいろ勉強しないと!」っていう気持ちになりました。

ーーーマネタイズを意識するようになって、仕事の有り方は変わりましたか?

「Webディレクターというよりもプロダクトマネージャーのようになった」と思っています。ここのニュアンスは難しいところですが、自分の仕事がディレクション機能から、プロダクトの方向性を見据えた上で、課題抽出やその解決を図るマネジメントを司る役割に変わったかなと。

今は、GIZMODOとBusiness Insider Japanを担当しているのですが、どちらの編集部も、もともと「うちはメディアとしてこうありたい」っていう方向性を明確に出していました。それに基づき、早いタイミングから「その上で、どうマネタイズしていくか」というディスカッションを重ねられたのでとても進めやすかったです。まだまだ完全なものではないですが、実現していきたい方向性の共有はできていると思います。そこにブレが生じないように、プロダクトを考える者として、随時適切な目標設定とその実現ができるよう、データを分析したり、プロジェクトの枠組みをつくったり、技術面・運用面での問題の解消を考えたりしています。ビジネスを前に進めるためにできることは何でもしようというスタンスです。

また、僕の考え方として、いろいろな施策を展開していく中で、編集チームの考える「ありたいメディア像」と乖離した施策を提案したら誰もハッピーにならないということがあります。「作り手が楽しくないと、読み手も楽しくならない」そう考えてます。小手先で数字を稼ぐような手法っていうのは、一時的に結果が出たりしますが、多分長くは続かないし、その場しのぎに過ぎないと思っています。だから施策を考えるときは、必ずそれで「作り手が楽しんでるか?」と「読み手に楽しんでもらえるか?」の両軸を大切にしています。



オーセンティシティや信頼性を維持しつつ、ユーザーに価値を提供していきたい

ーーーメディアジーンに入社してからの2年半をどういう風に捉えてますか?

答えになってるかどうかわからないですが、ディレクター未経験からいろいろな経験をすればするほど、ますます未経験のことが増えていってる感じです。もう日々勉強して成長するしかないですよね。僕が今向き合っていることって、僕だけが未経験なんじゃなくて会社にとってもそうなこともあるし、ある意味、社会も未経験かもしれないですよね。

自分はそういう新しいことを楽しめるタイプだったんだと気づかされた2年半でした(笑)。

―――どんな人と働きたいですか?

前提として、メディアが好きで、本当に面白いメディアを作っていきたい!っていう気概がある人が良いですね。また、自分が大切にしている価値観として、今田さん(インフォバーングループ代表取締役CEO)もよく言われる「オーセンティシティ(信頼性・真正なもの)」というのがあります。メディアとして信頼性を維持しつつ、ユーザーに価値を提供する、その価値観に共感してくれる人と働きたいです。

また、ユニットのメンバーは新卒で入社した若手が多くて、彼らの吸収力には目を見張るものがあり、心強い限りです。ただ、その一方で、まだまだ外部から学ぶべきことは沢山あると思っています。なのでメディアジーンにない領域を補ってくれる人が来てくれると嬉しいですね。自社サービスの運営経験があり、マーケティングに強かったり、ビジネスの立上げ経験があったり、ちょっと違う方面だとアプリケーションサービスの経験者、UIとかUXをゴリゴリやってた人とか…欲張り過ぎですかね(笑)? もちろん、そういう人たちに新しい経験や挑戦の場を提供できる自信はあります。

ーーー最後に今後の課題とか、こういうところにチャレンジしていきたいっていうのをお聞かせください。

さっき話したように、ユニットには若手が多いので、彼らの成長についていつも考えています。うちのユニットは、みんなで一緒にプロジェクトに取組むことが少なく、各々担当するメディアがあり、そのメディアの編集部門や営業部門と一人で向き合うことが多いんです。そこをしっかりフォローアップする仕組み、いわゆるチームビルディングに積極的に取組んでいきたいです。

個人としては、これも先ほども話したように、ビジネスに関する経験や知識が乏しいと思っているので、勉強していきたいですね。マーケティングの領域とか、フレームワークとか。あと、プロジェクトマネジメントについてもしっかり勉強したいですね。自分がもう一段高い視点を持って、仕事ができれば、ユニットの若手メンバーともっともっと一緒に成長していけると思ってます。そのために、グループの事業全体を意識した仕事に取組んでいきたいです。

でも、やっぱり作るのも好きなんで、趣味でプログラムは書きたいなってのもありますね(笑)。


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