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エージェンシーとクライアントの関係を新しく「共創」するオフィスの魅力とは。|増床記念インタビュー

マテリアルマガジンをご覧の皆様、こんにちは。マテリアルグループ広報担当の時田です。

今回のマテリアルマガジンでは、2021年7月19日より増床されたマテリアルのオフィスについて、実際にオフィスをデザインしていただいたイトーキ・デザイナーの戸高真理子様との対談を実施。オフィスのコンセプトやこだわり、さらには、日本で初めて取り入れたケナフ材を使用した什器のポイントについて語っていただきました。


■登壇者プロフィール

戸高真理子:株式会社イトーキ・ワークスタイルデザイン統括部第2デザインセンター デザイナー

オフィスをはじめ銀行や学校など人が働くさまざまな環境の設計を担当


青﨑曹:マテリアルおよびマテリアルグループ代表取締役社長

マテリアルの主要アカウントのプロモーションからPRまで多岐の領域を担当。2019年の代表就任後は、PRエージェンシーとしての新しいビジネススキームの創造、ケイパビリティの開発に従事。


寺本周子:マテリアルグループ ワークプレイスグループ マネージャー

2015年10月中途入社。入社後CD本部(コーポレートディベロップメント)にて人事総務業務に従事。


1.新たなオフィスのコンセプトは「共創空間」

[ MAKE NEW . ] を体現する場として

ーオフィスデザインの構想に込めた思いについて教えてください。

青﨑:マテリアルが考えていたコンセプトは、「共創」できる空間です。イトーキさんにこのコンセプトをお伝えして、提案してくれたオフィス像が非常にマテリアルの思いとフィットしていました。PRエージェンシーをアップデートさせ、クライアントやパートナーの皆様とより共創できる空間を目指したいという思いをオフィスデザインに投影させることで、新たなオフィス環境が出来上がります。それはイコール、マテリアルのPRエージェンシーとしての思いを世の中に伝えていくことに繋がると思っています。

ーイトーキさんがこのオフィスデザインを提案した背景について教えてください。

戸高:通常であればこちらからコンセプトを作ることが多いのですが、マテリアルさんからは事前に目指したい姿について、「こうなりたい」という提案を受けたんです。それが、「コミュニケーション空間として共存空間を作りたい。」というものでした。このコンセプトは、まさに、[ MAKE NEW . ] を体現する場として、さまざまな場面に当てはまります。オフィス全体のデザインについては、このイメージをもとに紐解いていきました。他にも、「今は“ディスタンスの時代”だけど、その先には“超交流時代”がくるはず。」という言葉も非常に印象的でした。こうした「共創」「交流」といった切り口が、「深める」「繋げる」というコンセプトに繋がっていきました。


2.新しいオフィスの魅力と“日本初”のケナフ材

ゴールイメージが合致しているからこそ思いを汲み取ることができた

ー増床プロジェクトの中で印象に残っている出来事があれば教えてください。

寺本:今回の増床は、そもそもどのようなオフィスにするのかなど、具体的な全体テーマを決めるところからイトーキさんに入っていただいて、プロジェクトの最初から一緒にオフィスを作りました。我々も増床の経験が豊富ではないので、ふわっとしたイメージをお伝えしてしまったり、無理難題をイトーキさんにお伝えすることも多かったのですが、そこをデザイナーの皆様が全て形にしてくださりました。週1での定例を設けながら進行していましたが、毎週のように新しい提案を持ってきてくださり、非常に助かることばかりでした。

戸高:ふわっとしたイメージを一緒に形にしていく。というのは実は全く珍しいケースではなく、“あるある”なんです。その中で、最も大切なことは、どういう空間を目指すのかというゴールイメージが一致していること。先ほどお話ししたように、最初の時点で、コンセプトがすっと落ちてきていて、それに対して私たちからご提案したイメージにも賛同してくれていたので、あとは、細かなディテール部分の肉付けをしていけばいいだけでした。特に、デザインに詳しくないお客様は、進行する中でイメージが徐々にずれていくことも少なくありません。そうなると、こちらからご提案したものに対して、ただ善し悪しを判断するという過程になってしまいます。大元がずれていると非常に大変ですが、今回は、最も重要な軸が1本しっかり通っていて、最終的なイメージが合致する中で、お互いの思いを汲み取りながら進行できたことは非常に助かりました。

ーデザイナーの視点からみたマテリアルオフィスのポイントや魅力は何かありますか?

戸高:今は、コロナ禍で働き方が変わっているので、コワーキングスペースとしてこれだけの面積を取るケースは少ないんです。実務的なスペースを取ってしまうことが多い中で、最初からコワーキングスペースとしてこれだけの広さを確保されたことは魅力のひとつだと思います。例えば、自由に組み合わせて座ることのできるキューブ型の椅子も設置しているのですが、こうした什器も、コワーキングスペースとしてより活用するための工夫のひとつです。

寺本:特に、細かな素材や什器にはこだわっています。進行中は、イトーキさんの什器見学もさせていただいて、本当にたくさんのサンプル・バリエーションを見せていただきました。ほんの少し色味や素材が異なるだけでも一気に雰囲気が変わるので、「こうした色味であれば喜ばれるのではないか」とか、「この素材であれば落ち着いて仕事に集中できるのではないか」など、あらゆる視点から什器を選んでいきました。今はコロナ禍ということもあり、オフィスに来て働くことが当たり前ではないので、たまに出社した際に、少しでもワクワクしながら働いてもらいたいという思いを込めています。

青﨑:オフィス全体のトーンにもかなりこだわっています。例えば、素材についても、実際に昭和期の学校で用いられていた色味を使用しています。あえて昭和らしさの残る素材を選んだ理由としては、これまで長く愛されてきた素材を取り入れることで、オフィスに訪れる方が、少しでもほっと落ち着けるような空間になってほしいという思いがあったためです。これは、エレベーターを降りてオフィスに入った瞬間、明確に魅力が伝わるポイントだと思います。

他には、使い勝手の良さにもこだわっています。リモート用会議室の確保はもちろん、集中ブースの設置や、働き方に沿った什器デザイン(キューブ椅子)など、時代に適応したオフィスが出来上がったのではと思います。

また、オフィス全体のトーンにもかなりこだわっています。例えば、デスクや椅子はもちろん、窓ガラス格子、床材や壁材などの細部に至るまでそれぞれ色味を統一させています。また、それぞれの局所が合わさった時に、統一感のある空間になるよう、実際に昭和期の学校で用いられていた色調の素材を活用するなど、厳選した色味かつ素材を使用しています。こうしたオフィス全体へのこだわりは、エレベーターを降りてオフィスに入った瞬間、明確に魅力が伝わるポイントだと思います。


業界初のケナフ材とは?色を付けるという新しい発想

ーその他にも珍しいデザインなどがあればぜひ教えてください。

戸高:おふたりが言うように、そうした細かな部分にこだわることで仕上がりのイメージが一気に変わります。例えば、床ひとつとっても、『塩ビ』といって、タイル素材ではないものを提案させていただきましたが、「ただ良いものだから選ぶ」のではなくて、「●●という空間を目指しているからこそ、この素材なんです。」という理由までをきちんと提案させていただくことが大事だと思っています。

青﨑:あとはやはりケナフ材』ですよね。実は、最初はこの『ケナフ材』が全く好みじゃなかったんです(笑)そこに色味の調整などを施して、細かなディテールも含めてゼロからオリジナルで作っていただきました。

戸高:実は、この『ケナフ材』は環境にも良い素材なんです。SDGsの取り組みのひとつとして、これからさらに力を入れていこうと思っています。どんどん注目される素材であるのは間違いないと思うのですが、最初の頃は、この『ケナフ材』に“色を付ける”という発想は全く持っていませんでした。「色をつけましょう!一緒にやってみましょう!」と青﨑さんに言っていだいて、チャレンジできたことはイトーキとしても非常に貴重な経験だと思います。事実、これから『ケナフ材』を売っていくからには、色をつけていかなければと気付かされました。実は、この『ケナフ材』は、読売新聞の地域版にも掲載していただいて、マテリアルさんに納品した什器についても掲載されています。

ケナフ材:ケナフとは、東南アジアなどの熱帯地域で広く栽培されている短期間で収穫可能な一年草です。成長が早く、収穫できる繊維も多いのが特徴です。また成長時の二酸化炭素吸収能力が高く(針葉樹に比べると約7倍)、地球温暖化の防止に貢献している植物です。マテリアルでは、こちらのスツールと天板にケナフを活用。木質ボードと比較し強くて軽いケナフボードを採用することで、持ち運びも容易です。


3.エージェンシーとクライアントの関係をより「共創」する空間として

会社ビジョンである[ MAKE NEW . ]がデザインされた造作壁

ーさいごに、これからオフィスに訪れる方やメンバーに向けて、コメントをお願いします!

青﨑:まだコロナ自体は収まっていませんが、これまで以上に、エージェンシーとクライアントとの関係を共創する場を作りたいという思いでこのオフィスを手に入れました。これからは、この環境を最大限に活用しながら、新たな形に向けて成果を出していきたいと思っています。これから訪れる皆様にも、存分にこの空間を活用していただけたらと思います!

寺本:今回、特にこだわって作った『造作壁』は、会社のビジョンである[ MAKE NEW . ]がデザインされています。オフィスの壁そのものに、会社のビジョンが入っていることはあまりないとは思いますが、この部分がくり抜きになっているため、実際にお越しくださるクライアントの方が、顔をはめてみたり、商品を置いてみたり…(笑)くり抜きになっているからこそ、ワクワクが生まれていると感じます。これこそがデザインの魅力だと思うので、皆様にも楽しみながら活用していただきたいです!

戸高:まずは、「とにかくたくさん使ってなんぼ」だと思っているので、思う存分利用していただきたいです。その中で、私たちがプロジェクトメンバーの皆様が意図した使い方とは別の魅力が生まれることもあると思っています。何より、楽しみながらアイデアを盛り込んで使っていただきたいと思います!


※2021年11月時点の情報です。

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