仕事をするうえで、PR会社とビジネスパートナーとなることが多い広告代理店。そんな広告代理店から、PR会社へと転職する人が増えています。本記事では、大手広告代理店からPR会社であるマテリアルへ転職してきた3人のメンバーに、転職理由やマテリアルならではの魅力、そしてこれからのPR業界について語っていただきました。
プロフィール
竹中:大手広告代理店で約10年の勤続の後、2015年2月にマテリアルに入社。
大貫:大手広告代理店で約10年の勤続の後、2019年3月にマテリアルに入社。
長田:大手広告代理店で6年の勤続の後、2019年1月にマテリアルに入社。
①PR会社 マテリアルに転職した理由
―”提案力”と”実行力”を併せ持つマテリアルで、PRの領域を脱する挑戦を
竹中:PR会社への転職を決断したのは、経営層に近いポジションにPRエージェンシーの人間が入る時代が絶対にくると考えていたからです。PRの発祥の地であるアメリカでは、実際にPRエージェンシーは経営的な話に直接関わっていて、ターゲットとのコミュニケーションプランを考える以前に、どういうビジョンやミッションのもと事業を展開していくかというような上流のところからパートナーとして入っています。アメリカがそうなら、日本でもこれからPRの考え方が中心になる時代がくる。今後もマーケティング領域で戦い続けていくためには、そのプロフェッショナルになることが非常に重要なのではないかと思いました。その中でもマテリアルに決めた理由は、代理店時代に仕事を一緒にしているときに、仲の良さを超える一体感を感じたからですね。
大貫:私の場合、今世の中で捉えられているPRの概念を越えて、もっと広い領域にチャレンジすることができる可能性がマテリアルにはあると感じて転職を決めました。PR会社は下請け企業だと思われがちです。でも、そんな中でもマテリアルはPRやマーケティング手法を基盤としたブランドビルディングカンパニーになるということを掲げています。パブリシティ獲得=PR会社の仕事となっている会社のほうが多くて、プランニングの領域(ストーリーテリング)や、新たなチャレンジだったりに力を入れている会社っていうのは、正直少ない。プランニングをメインでしている会社はもちろんありますが、企画から一貫して露出のところまで担保しながらやっている会社はほぼないです。その「提案力」と「実行力」の両方を持っているマテリアルであれば、6兆円規模の広告マーケットに入り込んでいけるんじゃないかと思っていましたし、今でもその気持ちは変わっていません。
竹中:たしかに、提案力と実行力、ここの両輪を持ってるPR系のマーケティング会社はほとんどありません。老舗のPR会社などには実行力、つまりパブリシティ獲得やメディアネットワークの強いところは多いけど、プランニング力は劣る場合が多いです。一方プランニング力に関して、この業界は広告代理店出身のフリーのプランナーが多いので提案力が高いひともいるけど、今度は実行力が伴いません。だからこそ提案力と実行力、その両輪を持っていることがマテリアルの一番の強みだと考えています。2019年2月にマテリアルに出資したアドバンテッジパートナーズからも、そこを評価されました。会社としても、提案力の部分は今後も拡張していこうと考えています。
長田:私は、広告だけでは築き上げることのできない”双方向の繋がり”に重点を置いた仕事に挑戦したくてPR会社に転職しました。CMだったりキャンペーンだったりっていう基本的な広告案件は一通りやり切ったなって感じたときに、次は生活者とブランドの関係性が自然と構築されて自発的に広がっていくような仕事がしてみたいって思ったんです。で、それはPRかなって。実際にマテリアルに入社してみて、広告とはまた違った面白さを実感してます。
ーマテリアルの面白さは”一緒に作り上げていけるところ”。
大貫:マテリアルという会社ならではの面白さをあげるとすれば、大手広告代理店だとルール化されていたり慣習化されていることが、マテリアルの場合は良くも悪くもまだ整備されていないので、一緒に作っていけるフェーズにあることです。
長田:しかもそれが、経営層だけではなく全社員で作り上げていこうという姿勢なのが、他の会社ではなかなかないことだと思います。私が入社して2週間目くらいに、チームのMPPがあったんですけど、そこで新卒1年目のスタッフが、「ここがおかしいと思います!疑問です!」っていう意見をバンバン言ってることにも、それに上司がきちんと耳を傾けていることにも驚きました。下からすると上に直接意見を言える環境、上からすると下が感じている課題を吸い上げることができる環境、これが当たり前なのはすごいですね。だからこそ、マテリアルでは自分の意見をはっきり持っていて、なおかつそれを口にできる人はそれを活かせると思います。
②PR業界、そしてマテリアルはどう変化していくのか
ー広告とPRの垣根がなくなるトライブマーケティングの時代に突入
大貫:まず、ターゲットコミュニティの細分化が進むと考えています。今まではF1層とかM1層とかザックリ分けたターゲットに対して、ふわっとしたメッセージをあてているだけで消費活動が促進される世の中でしたが、情報入手手段の多様化によって購買の意思決定の在り方が大きく変わっています。つまり、トライブマーケティング、いわゆる細分化したターゲットにどうフィットさせてトライブ化させていくかが重要になってきています。その手段もメディアの広告枠を買うのか買わないのかっていう単純な話ではなく、あらゆる手段を幅広く持っておくことがより大切になってくると思うので、広告とPRの垣根はどんどんなくなっていくかもしれませんね。
長田:たしかに、今までは態度変容・行動変容を促すときはただターゲットにリーチしておくっていう手法が効いていたのに、リーチすることがまず難しくなっているのから大量リーチ以外の動かし方が当然大事になってきます。だから、トライブを見極めたうえで、どのような手段で何を伝えていくのかっていうコンテンツの内容がすごく重要になってくるだろうなと思います。
竹中:世の中がすごいスピードで変化しているから、今この瞬間で一番効くものは何かって常にアップデートしていかなければいけないし、そこに順応できるような人材になるのは、代理店だろうがPR会社だろうがコミュニケーションという生業の中でやっていく会社としては必須条件です。
―世の中の変化に合わせてマテリアルもアップデートを
竹中:現状だとマテリアルだけではやりきれない手段も当然あると思うんですよ。だからこそ、アライアンスを組んだりM&Aしたり、あとは外部パートナーと組んだり、適応するための拡充はやっていかなければいけません。今いるマテリアルメンバーのスキルも当然上げていきつつ、他から補完できる部分は補完する。そういう対応をしていく中で、広告代理店で働いているスペシャリストや全然違う分野、例えばデジタル領域やSNSに特化した人材に仲間になっていただければ、また違うアップデートの仕方ができると思います。
大貫:そのアップデートの連続に伴って、PR会社の立ち位置も上がっていくと我々は信じています。