【Matcherインターン連載】は、Matcherで働くインターン生へのアンケートを通じてMatcherという会社を知ってもらおうという企画です。
今回お送りするのは八重樫俊祐。
ほぼ社員といっても過言ではない最古参インターン生。
創業1年半目から会社を大きくすることに貢献してきた。
大企業への入社を決めた彼が、ベンチャーで学んだ働き方とは?
こんにちは。Matcherでインターンをしている八重樫俊祐です。
卒業ということで、記事を書くことになりました。前回記事までに自己紹介は済んでるので、今回は得た学びについて、掘り下げて考えていきたいと思います。
やったことは以下の通りです。二年半の間に色々なことをしました。
・テレアポ
・記事作成
・メディア運営
・採用媒体の管理
「それを考えるのがお前の仕事だ」社員がインターン生に求めていたこととは?
以上の業務を通じて学んだことは何か。
それは読者の方に笑われてしまうかもしれない以下のエピソードが、その本質を衝いている思っています。
メディアの運営に関わっていた時の話です。社員の方にパフォーマンスの悪い記事の改善をしてほしいと言われました。
それに対する僕の返答は「どうすればいいでしょうか?」。
「それを考えるのがお前の仕事だ」と言われました(笑)。
この話から何が分かるのか。
それは社員の方が僕に期待していたことは作業の代替ではなく、思考の代替だったということです。
どういうことでしょうか?
まず整理しなければならないのは、作業と思考の関係性です。
ここで言う作業や思考は具体的にどういった振る舞いを指し、両者はどのような関係にあるのか。
僕の解釈を述べていきたいと思います。
まず作業ですが、これは具体的な指示を忠実に再現するということです。重要なのは、ここに疑問や問いを必要としないこと。言われたことを言われた通りにやるのが作業ということになるでしょう。
一方の思考とは何でしょうか。それは、目的を果たすためにどんな作業が必要になるかを考えることです。作業を当て込む枠組みを作り、それが機能するように設計することとも言えます。
この作業を秩序立たせる枠組み作りには、疑問や問いが必要不可欠です。
設定された目標に対して何が必要なので、具体的にどうすればよいのか。そもそも目的を果たす手段として、この目標を追うこと自体妥当なのかなど、必ず問いを立てなければなりません。
僕が求められていたことはこの枠組みに則り作業をすることではなく、その枠組みを作る思考だったということです。
この一見当たり前の要求が、僕にとっては非常に新鮮なものでした。
多くの場合アルバイトやインターンに思考は求められず、基本的には単純作業が求められます。
なぜか。
思考には大きな責任を伴うからです。
思考に問題がある場合、作業を正確に行っても成果が出ないわけですから、それは構造的な欠陥と言えます。組織に与える損害が大きい。
ゆえに、その担い手は作業員に比して責任が大きくなります。高次の思考を担う役職者は責任が大きく、その分給料が高くなり、学生アルバイトなどの作業員は給料が低くなるのはそのためです。
組織は各人の思考によって組み立てられた構造物ですが、物理的にそれが存在するわけではありません。ですから、修正が可能なのです。
しかし上位の思考の担い手ほど利害関係者を多く抱えており、その修正が難しいのだと思います。だからこそ責任も大きく、能力が求められるのでしょう。
先ほどの僕の話の場合、社員の方はより高次の思考に集中するために低次の思考を僕に代替させる意図があったのだと思います。それに対し僕は、作業員に徹しようとしたと言えます。
しかしMatcherでもそうだったように、もうすぐ社会人になる僕に求められるのは思考です。作業が完全に0になることはないとは思いますが、多くがテクノロジーに代替されていくでしょう。
そうなれば、組織の下層であっても単純作業をやる機会というのは著しく減少していくと思います。その意味で、組織において様々な業務に僕を配置し、小さくない責任を負う経験をさせてくれたMatcherには非常に感謝しています。
4月から大企業ですよね?ベンチャーで感じた大企業での働き方って?
と、ここまで嘘偽りなく、学んだことを書いてきました。しかし、一般論に近い話が多かったなと感じています。実はこれまで話してきたことの中にMatcherだからこそ学べたことがあるので、それについて紹介したいと思います。
先程、組織を動かすにあたり高次の思考と低次の思考があって、低次の思考を任されたという話をしました。
つまり、組織において各人がそれぞれのレイヤーで思考を担っています。このような思考の多層構造に生じるのが全体最適と部分最適の問題です。
Matcherで働いていて、全体最適の観点から部分最適を断念するという場面が多かったと思います。主な要因はリソース不足です。
僕はメディア運営においてある数字を追っていました。施策を考える中でエンジニアの力を借りればかなり改善するのではないかという仮説を持ちましたが、Matcherはリソースの限られたスタートアップ。
僕が担っていた役割は相対的に重要度が低いものだったので、エンジニアの力を借りるのは非常に難しいのが現実でした。
そこで僕はエンジニアの力を借りず若干非効率な方法を採用し、本丸の施策は諦めて自分たちの知識とリソースで行えることだけに注力しました。
それでも一定効果をあげることができましたし、僕たちが使わなかったリソースをより重要な分野に投入することで組織全体の利益が最大化されていたのだと思います。
僕の立場で理想的だったのは、自分たちにリソースを割くことが理にかなっていると説得することでした。
しかし、当時の僕はそれを行うだけの理論を持ち合わせていませんでしたし、相対的に重要度が低いことは理解できたので、全体の方針には納得していました。
このように納得感を持って仕事に臨めたのは、Matcherが小さい組織であり、組織全体の意向も施策の意図も大枠で把握することができたからだと思います。
一方で僕が入社する会社は非常に大きい企業です。社内に様々な事業を抱えています。
社内の利害関係も複雑でしょうし、社会の大きな流れに合わせて、トップが意思決定をしていくことになると思います。
近視眼的に仕事をしていては、上位の人たちによる、より大きな範囲の最適化の意図に気付けません。
全体における自分の仕事の位置づけが理解できなかったり、指示の意図が本質的な部分で理解できないかもしれないなと思いました。
結果として健全な危機感を持てなかったり、不必要な不満を持ったりするかもしれません。
だからこそ社会人になってからも、きちんと勉強し続けていかなければならないと思っています。
全体が見えてこそ全体における自分の仕事の意義を見いだせるのではないでしょうか。
全体を把握する努力をすれば、自分が見えている局所に加え、全体最適の視点を踏まえて上位者に対して建設的な提案が出来るようになるかもしれません。
こういった仮説を持つに至ったのも2年半、インターンをしてきたからこそです。
成長途上の小さい組織で責任のある仕事を任せてもらったことで見えてきたものがありました。
今後は社会人として与えられた役割で適切な思考を巡らし、組織やその先にある社会に対して資する人間になりたいと思います。
Matcher株式会社では一緒に働く仲間を募集しています