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なぜ、MATCHAをやっているか。- MATCHAを立ち上げた経緯 (後編) -

前編を更新してから気づいたら2年ほど経ってしまいました。

株式会社MATCHAの代表をしています、青木です。


このエントリーはMATCHAを立ち上げた経緯の後編なのですが、合わせてこの2年間で起きたことを取り上げていきます。前編は、世界一周や日本を回った話、ドーハでのプロデューサー見習いについて書きました。

前編を読んでいないという方は、是非こちらで読んでもらいたいです。


なぜ、MATCHAをやっているか。- MATCHAを立ち上げた経緯 (前篇) - | MATCHA
僕は今、訪日外国人向けWebマガジン「MATCHA」の代表をやっています。株式会社MATCHA (旧:株式会社Sen)を作ったのが2013年12月3日。なぜ12月3日かというと、123と数字の...
https://www.wantedly.com/companies/matcha/post_articles/56477


後編は、下記になります。

6.世界一周後の日本めぐり

7.augment5 Inc.

8.訪日メディア「MATCHA」の着想

9.起業の準備とMATCHAのスタート

10.訪日メディア「MATCHA」のこれからについて



世界一周後の日本巡り

香川の豊島にて

海外に行った日本人が毎回言うのが、日本のことをうまく説明できなかったということ。かくいう僕も例外ではなく、世界一周の旅を終えて、日本を回ろうと決めました。

日本を世界に発信する何かをやりたい、と思いつつ、具体的に何がやりたいかが世界一周をしてわからなかったんです。だから、まず日本を知ろう思ったんですね。

ヒッチハイクで福岡まで行ったり、青春18切符で京都や金沢へ行ったり、別府に温泉に行ったり、新潟の大地の芸術祭に行ったり、香川に何度も行ったり、、日本各地をめぐりました。復学した年の夏休み、大学の土日の休みの度にどっかに行っていた気がします。

そこで思ったのは、日本ってとても面白いということ。一つ一つの県に特色があって、良さがある。日本=東京=COOL JAPAN、と当時思い込んでいた自分にとっては、衝撃的な出来事でした。

しかし、同時に感じたのが、そのような価値のある日本の文化が急速に失われているということ。日本酒の例を挙げると、日本酒の酒蔵は30年前、全国に3,200ヵ所ありました。それが今では1,600ヵ所になり、実際に動いているところは1,000ヵ所近くともと言われています。都内の銭湯もここ数十年で2000ヶ所から500ヶ所近くまで減っていってる。

人手不足や時代に合っていないことが大きな理由として挙げられます。しかし、一番の原因は「人に知られていないから」だと当時の僕は考えました。

どれだけ素晴らしい文化があったとしても、人に知られなければ、人は動きません。人が動かないとお金も動かないですし、人が交わらないことで時代ともズレてしまいます。そしてなくなっていく。

そういった日本の素晴らしい文化が残っていくべきだと思い、また、自分自身将来も日本の良さに触れ続けていきたいと思うようになりました。

でも、何をやればいいかわからなかったんです。もどかしい日々が続きました。

そんな時に友人から送られてきたのが、augment5の映像でした。



augment5 Inc.

日本をめぐり、ドーハ国際ブックフェアーに行って、日本を発信したいという思いが強くなりました。

でも、何をやればいいかわからなかったんですね。何故やりたいかはなんとなく見えていて、でも、何をやっていいかわからなかった。何故と何をいったりきたりして、人は徐々に自分やりたいことをつかんでいくんだろうと思います。

そんな時、友人の成瀬さんから「青木くん、この映像超かっこいいよ!見て!」と言われて送られてきたのが、augment5の映像でした。

映像を見て驚きました。これはなんなんだ、、と思ってしまうくらいに感動してしまって。

気づいたら朝6時くらいまでaugment5の映像を見漁っていました。で、衝動的にこの映像の会社の代表に会いたくなってしまい、朝の6時半くらいに、代表の井野さんに長いメッセージを送りました。

すぐにメッセージが返ってきて、その日にお会いしました。場所は、汐留にある電通ビルのカフェ。

そこでの井野さんの話が面白かったんです。思考が色んな次元を行き来していて、今まで会ったことがないタイプの方でした。人とは違った視座や角度で物事を見て、色んな所を飛び回っている人。

純粋に映像も井野さんもかっこいいなぁ、と思ってしまい、その翌週ぐらいのブログにaugment5の紹介記事を公開しました。


「augment5」の日本紹介映像がかっこいいと話題に | Hibilog | 青木優のインバウンド観光と日常と考察ブログ
青木 優 1989年、東京生まれ。明治大学国際日本学部卒。株式会社 MATCHA 代表取締役社長。内閣府クールジャパン・地域プロデューサー。学生時代に世界一周の旅。デジタルエージェンシーaugment5 inc.に勤めた後、独立。2014年2月より訪日外国人向け WEB ...
https://www.aokiu.com/2013/01/30/movie_augment5/

「話題に」は自分の周りで話題になったからつけたタイトルです笑


記事を公開し、FacebookやTwitterでシェアした所、爆発的にシェアされました。その次の日に、佐々木俊尚さん、村上隆さんにシェアされたんですね。

瞬く間に2万人が記事にイイネを押し、映像が世界150ヶ国、200万回再生されました。自分のブログにも数えきれないほどのコメントが送られました。映像の力に驚かされました。

自分自身この映像をみて、動いていてしまい、この映像を見たことで多くの人が感化されたんですね。現にaugment5の映像を見て映像を始めた人、地域を発信したいと思ったという人が周りに何人もいます。自分もその1人です。

こういった映像作りに関わりたいと思いました。言葉でも文章でも伝えられないことを、映像では伝えることができます。

そこから、augment5で働かせてほしいと井野さんに頼み、プロデューサー見習いとして働かせてもらうことになりました。


augment5 Inc. - More than the Truth - Google Maps Street View of Battleship Island
film production based in Tokyo. founded in 2009.
https://augment5.com/google-maps-street-view-of-battleship-island

Googleの軍艦島のストリートビューの映像制作のアシスタントをさせてもらったり、色んな所に連れて行ってもらったりととても貴重な経験をさせてもらいました。


そして、半年間ほど働かせてもらい、辞めました。

自分の性格として、積極性と受け身が両立しないことが大きかったです。

この人すごいなぁ、と思う方が上にいることで、どこか受け身になってしまい、積極性がなくなる。

そうすると、新しいアイディアも生まれにくくなって、結果も出なくなり、より身動きが取りづらくなる。人に頼れなくなり、もっと辛くなっていく。そんな負のスパイラルにハマっていました。

また、日本発信をすることを考えた時に、映像だけでは自分がやりたいことはできないんじゃないかとも思いました。どれだけ心を打つ映像があったとしても、それを広げる術がないと、映像も広がっていかない。

そんなことを考えていた時に、日本を発信するメディアのアイディアが浮かんできました。


訪日メディア「MATCHA」の着想


「自分がやりたいと、これからの時代が交わることを仕事としてやるべきだ。」

訪日メディアのアイディアが出る際に、大きな軸になったのが、先日のブログ「自分のやりたいこと」と「これからの時代」が交わるところを仕事にするに書いたこの言葉。

この言葉をくれたのがTOKYO BASEの谷社長だったんですね。尊敬する先輩経営者の一人。


自分がやりたいことが、日本の文化を海外に発信したい、残していくこと。

自分のできることがメディア運営、切り口をつけて何かを発信すること。

これから伸び、世の中として必要とされることが、日本発信(インバウンド観光)。

この3つの軸で重なったのが訪日外国人向けWebメディアです。


Hibilog | 青木優のインバウンド観光と日常と考察ブログ
青木優のインバウンド観光と日常と考察ブログ
https://www.aokiu.com/

なぜ、メディアだったか。それは僕自身がブログ「Hibilog」を運営していたことにあります。

自分がこのブログを運営して、発信して、変わっていったことが多くあったんですね。


例えば、自分が紹介したお店に人が多く入ったり。自分が旅や世界一周ヴィパッサナー瞑想についてブログで書いたことで、数えきれないくらいの人が実際にアクションを起こしてくれました。

また、augment5の映像を発信したことで、augment5の映像が爆発的に広がり、Googleからダイレクトで仕事が依頼されるようになったりしたんですね。

自分がこれは正しい、世の中に広がるべきだと思って発信したことで、誰かの何かが変わって、それによって自分も大きく変わりました。

自分自身、海外を旅したのもTwitterがきっかけでしたし、そういう意味で、メディアに対して可能性を感じていたのです。


そんな風に、今まで体験した、大学、インターン、旅、仕事、が積み重なっていきました。そして、ふとした時に、ああこういったメディアを作ろう。と頭に思い浮かんだんですね。

日本の文化や魅力を世界に発信する媒体を作ろうと。そして、発信する先に、日本の良さを残せたらと思いました。この事業の構想を思いついてからと言うものの、会う人会う人に訪日メディアの話をしていました。そんな時に、この人だ!っていう人が何人も見つかったんですね。


起業の準備とMATCHAのスタート

会社設立時に書いたブログエントリー

会社を作ろうと決めたのが2013年10月末。そこからどうやって会社を作ればいいのか、だったり、会社名何にしよう、どんなメディアにしよう、ということを考えました。

それと同時に、自分の事業アイディアを会う人会う人に話しました。数えきれないくらいの人に起業の話をして、話す度にアイディアを思いつき、自分の考えが整理されていきました。

前編に書いたとおり、12月3日に滑り込みで会社が設立しました。会社の設立日前に会って、メディアの構想を一緒に具体化させていったのが、ブログ「隠居系男子」の鳥井さん、インドネシアと日本人のハーフのリキくん、アニメイトラボの織田さん。全員Twitter経由で知り合い、会いました。今は全員会社の代表をしています。

サイト名がなかなか思いつかなくて、渋谷や新宿のルノアールで、単語カードに思いつく限りの言葉や成したい世界を並べて、組み合わせてを繰り返しました。カラーペンで書いたり、シャッフルしたりして。

1ヶ月くらい悩んで、たまたま新宿のルノアールで抹茶ケーキを見て、誰が言った忘れたのですが、「あれ、MATCHAじゃない?」となって、このサイト名になりました。


MATCHAという言葉の意味と、自分たちがやりたかったことがマッチしました。

抹茶自体、海外での認知度が高いこと。中立的で、中和的な要素がある言葉だったことが主な決め手です。(詳しくはこの記事に書きました。)

そして、1月4日に会社を作りましたという内容のブログを書いた所1ヶ月で200人近くの方から、何か関わりたいと連絡をもらったんです。そして、1日10人近くの人と会って話をし、編集者、ライター、翻訳者、デザイナー、スーパー高校生が集まりました。大体、夜になると喉が枯れてました。

近所に住んでいたデザイナーにロゴを作ってもらい、オープン前日に自分の家で6人くらいで徹夜しながらサイトや記事を作って、2014年2月3日にサイトをオープン。今も十分突っ走っているのですが、あの時はあの時で違う勢いがありました。

今、MATCHAに創業期のメンバーは数えるくらいしかいません。創業期のメンバーが離れてしまうとはよくいったもので、それはひとえに自分の力不足です。感謝と後悔が入り混じっていて、今も上手く言葉にできないですが、間違いなく言えるのは、自分一人だけじゃ絶対にこのメディアを立ち上げることはできなかったということです。


前回記事を書いてから起こったこと

▼30人を超える会社になってきました。

▼星野リゾート社と資本業務提携

▼スノーピーク社と資本業務提携

▼THE GUILD、バリュークリエイト社と資本業務提携

▼がっちりマンデーに取り上げられました。

▼CIのリニューアルも行いました。


一貫性と諦めないこと

会社を作った経緯をまとめると、自分の中で一貫性があると感じています。

「日本から世界へ」という切り口を大学で知り、世界一周をで海外における日本を見て、日本を旅をして日本の可能性を知り、カタールで日本を広げる仕事をし、augment5で日本を切り取る感性に触れました。

その一つ一つが自分に積み重なって、会社を作ったことにつながっています。


会社を続けていて大事だと思うのが、諦めないことです。インバウンドのメディアもここ5年で40~50近く生まれて、今は残っているのは4~5くらいです。

大体がオリンピックが決まって儲かりそうだから、と思って上司や社長から言われてやるのですが、当事者自身にWHYがないので辞めてしまう。

うまくいかないことなんて沢山あって、辛いことも沢山あるけれど、諦めずに続けることで今が積み重なると思うんですよね。なので、どんなことがあっても諦めずに続けていきたいと考えています。


ミッション、ビジョンの実現に向けて

「日本の価値ある文化を時代とともに創っていく」というミッションを、私達は掲げています。

日本には素晴らしい文化が沢山あります。文化とは、人の意志の形だと思っています。これを世の中に出していきたい、残していきたいという意志が結果として、文化になっていきます。そういった人の意志を、世界に届け、新たな人の流れを作り、新たな文化を創るようなことをしていきたいです。

自分たちが好きな文化が5年後、10年後、進化しながら残っていったら最高じゃないですか。

それの大きな手段として、「世界最大の訪日観光プラットフォームになる」というのを会社のビジョンに掲げています。訪日旅行者のインフラとなり、MATCHAというサービスがあるからこそ、日本に来てよかった。また行きたいという声を作っていく。

このビジョンの実現により、ミッションの実現を目指していきます。どちらも簡単なことではないですが、今後も諦めず前に進んでいきます。


最後に

ここまで読んでいただきありがとうございます。

読み直したのですが、なかなか長いですね。。

MATCHAでは今、一緒に働いてくれる方を募集しています。今、特に募集しているのはエンジニアなのですが、マネージャークラスともに、全職種的に常に門戸を開いている状態です。

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