1
/
5

「小規模宿泊施設の再生こそ私の生きる道」-どうして私が札幌から日本全国に展開するのか?

こんにちは!代表の川村健治と申します。
私は札幌で生まれ育ち、大学入学からサラリーマン時代、15年間を東京で過ごしました。
2011年からは地元へ戻り、札幌初のシェアハウス事業者であるMASSIVE SAPPOROを立ち上げ、シェアオフィス、民泊代行事業、インバウンド向けの忍者体験道場・茶道体験教室・レンタカー事業、貸切サウナ施設FUMINO SAUNA、など様々な事業に挑戦してきました。

そして今、コロナ禍を経て、日本に横たわる観光業全体の根本的な課題に気づく中、民泊事業で培ったノウハウをベースとした小規模宿泊施設の再生・プロデュース・運営を中心とした会社に生まれ変わろうとしています。


当社の小規模宿泊施設の再生とは?
「小規模宿泊施設」とひとことで言っても、さまざまな領域があります。
ビジネスホテル、リゾートホテル、旅館、民宿、ゲストハウス、カプセルホテル、アパートメントホテル、戸建・別荘など様々です。
私たちの定義では、1棟50室未満の宿泊施設を小規模宿泊施設と定義し、民泊と聞いて多くの人が想像するような戸建一棟、アパートの1室だって、その一つであると捉えてます。



「民泊なのか?旅館業なのか?」
当社はどちらもやります。実際、2023年5月時点における当社の民泊新法に基づく物件と旅館業法に基づく物件室数の比率は、43:57です。
どのような法律の区分であっても宿泊者様にとっての素晴らしい宿泊体験を作り上げていくことには変わりありません。

私たちはこのような小規模宿泊施設の再生・プロデュース・運営を行っております。特徴は、フロント業務を無人化することによって、小規模宿泊施設が抱える「ひと」に関する問題を劇的に改善すること、そして日本全国エリアを問わず、都市部だけでなく地方でも、プロデュース及び運営を実現することが可能であるエリアフリーということです。


これは他社ではほとんどやっていない当社のユニークな特徴の一つです。

フロント業務の無人化については、また別の機会に詳しくご説明させて頂きますが、今回は、エリアフリーについてお話しさせて頂きたいと思います。

どのように、エリアフリーにたどり着いたのか?
私は、2010年、札幌初のシェアハウス事業者として起業を致しました。
東京時代に住んだことのあるシェアハウスの理想像があったため、それを再現することができれば、
「入居者様には必ず喜んでいただけるはず」という想いがあり、そして事業開始後、それはすぐに次々と現実となっていきました。多くの入居者様から感謝され、この上ない幸福感を味わった日々でした。


しかし人間というのは良くも悪くも慣れるものです。数年も経たぬうち、「川村さんのおかげで」という言葉を聞くこと、それは半ばデフォルトのような感覚となっていきました。
経営的には、取扱室数も順調に増加し、そして安定感があり、倒産する心配は一切ありませんでした。
一方で、急成長とも無縁であり、社会から置いてきぼり、そしてものすごく狭い世界の中だけでは妙に持ち上げられてるような感覚、それが2013年、34歳の私の姿でした。
そんな中で出会ったのがAirbnbでした。
「これを通じて、外国人の宿泊者がこのシェアハウスに泊まるようなことがあれば、まるでウルルン滞在記のような素敵な交流が生まれるに違いない」と、シェアハウス入居者様にもっと喜んでもらえると考え、2013年3月にシェアハウスの空室1室をAirbnbに掲載してみたのです。
今では札幌には1000を超える部屋がAirbnbに掲載されてますが、当時は、たったの1室のみでした。
掲載したその日にアメリカのAirbnbの本社から感謝の電話がかかってきたことも覚えています。
そんな始まりだったのですが、それ以来、瞬く間に会社は急拡大し、売上は、2014年から2019年の6年で20倍となったのでした。その数年間は、まさに絵に描いたような急成長企業としての日々を送り、多忙ながらも充実感と夢と希望に満ち溢れていた、そんな感じでした。


一方で、成長の痛みともいうべき組織上の問題も顕在化していきました。
そしていつしか、急増する競合、疲弊する社員、サービスの質の低下などが大きな問題として無視できない状況となり、本来であればしっかりと改善をしなくてはならないことばかりでした。
しかし、2020年オリンピックイヤーを目前に控えた状況の中、振り返りや改善などをする余裕もなく、目先の膨大な量の緊急性の高い事案に忙殺されていたのでした。

このままでは何かが崩壊するかもしれない。
そんな思いを抱えつつ走り続けていた2020年1月、コロナ禍が訪れたのでした。

超絶多忙な日々から突如として訪れた暇な日々、じっくりと思考を巡らす時間を強制的に与えられたようなものでした。アフターコロナの世界についてもあれこれと想像することができました。
そこで思ったのは、「コロナ禍も辛いけど、コロナ直前の2年間もかなり辛かったな。2度と同じ思いをしたくないな」ということでした。それを自分なりに言語化し社内に掲げたのが、『生き残れば漁夫の利』『生き残った後に必勝できる理由を作る』という2つのビジョンでした。

『生き残った後に必勝できる理由を作る』

それを語る上で重要な決断が2020年6月のリーダー合宿の中でなされました。
それは、札幌以外の案件についても積極的に、都市部だけでなく地方部の案件もやっていこうということでした。後者については社内的には地方創生型案件というカテゴリーとされ、ビフォーコロナでは、多くの相談をいただきながらも基本的には全てお断りしていた分野でした。
当時、それまで大量にあった新規案件の相談が全て消滅し、リソースに余裕があったためか、
「そういう案件であってもやれるよね」「地方創生って言葉が響きがいいよね」というような軽いノリだったような記憶があります。


そんなスタートだったのですが、実際にそれに向き合っていく中で、次々と気付かされる難易度の高さに、「こりゃ、やっぱ、やめた方がいいかも」という後悔の念、それと同時に、日本という国が抱える構造的な問題にも密接であり、社会的な意義の大きさにも気付かされるのでした。
アフターコロナになれば、札幌をはじめ、東京・京都・大阪・福岡・沖縄などの主要エリアは、
2019年の頃と同様に、瞬く間にレッドオーシャンになることは簡単に予期することができる中(『生き残っても赤い海』と私は呼んでいました)、難易度の高い地方創生系の案件は、誰もが容易にできるものではないことへの確信を深めていきました。

「容易にはできない」それは当社にとっても同じですが、その共通するポイントは以下の3つです。
 ①清掃会社やインテリア会社、工事会社・消防設備業者など協力会社がない
 ②市場動向が不透明
 ③高コスト(出張費とか)

『ストーリーとしての競争戦略』という著名なビジネス書では「一見して非合理」こそが、競合優位性獲得の上で、重要であると説かれますが、当社のエリアフリーという概念は、「一見して」ではなく「全くもって非合理」なのです。先輩経営者にビジネスプレゼンをした時は、「川村さん、このエリアフリーって強みじゃなくて弱みじゃない?」と3人くらい連続で言われたこともありました。
ピーターティールの「大勢が反対する大切な真実は何か?」という有名な問いがありますが、
「まさにこれはそれなんだ」と言い聞かせながら地道にコツコツとやっていくうちに、「あれ?こうやったら、もっと上手くできる」「ここはこの方法ならなんとかクリアできるかも」「これは絶対にあかんパターンのやつだ」と、解像度が増していきました。

例えば、以下のようなことです。

①清掃会社やインテリア会社、工事会社・消防設備業者など協力会社がない
→ 現地パートナーの探し方、協力関係を築くために必要なコミュニケーションのコツ、信頼関係の築き方などが見えてきました。協力会社自体が存在しないエリアでは、住込管理人を見つけ、その方に委ねるという方法についての経験値が急速に高まりました。

②市場動向が不透明
→ 地方であっても勝てるエリアの特徴を丹念にリサーチし、さらには実際に当社が行っている事例から得られるレビューや予約獲得動向などのデータから、いくつかの成功法則を見出すことができました。

③高コスト
→ 現地に行く回数を極力少なくしながら、高い質の業務を行うためのノウハウも次第に高まってきました。

そういう地道で泥臭いチャレンジの積み重ねの結果、2022年の秋頃には、当初に感じていた程の難しさをあまり感じなくなりました。

誰も(かつての当社も)がやりたがらないこと、面倒くさがることを真面目にコツコツと取り組んだ結果、得られたものは私が当初に想像していたよりも大きなことでした。

一例としては以下のようなことが挙げられます。

当社 :中長期的な競争優位性の源泉です。
依頼主:利益率が低いが故に自分でやるにも辛く、他に誰も運営を受けてくれない、そんな物件が高収益物件に生まれ変わります。
地域 :そのエリアで数少ない宿泊施設が保たれることで、関係人口・交流人口増加に繋がります。

そして、この行き着く先は、地方創生や空き家問題、労働人口減少、建築費高騰による不動産投資利回りの低下など日本という国が抱える構造的な問題に対する有力な解決策になるのだと確信を深めています。


もちろん、小規模ホテルの再生という事業をやってる会社はたくさんあります。例えば、星野リゾートだって広義では同じです。だけど、フロント無人型という方法でそれを実現させようとする会社はありません。

そして、私たちは、誰からも見捨てられそうな建物に新しい生命を吹き込むことができます。それはシェアハウス事業で創業して以来、私たちの魂に宿るDNAなのです。

起業して13年、今が一番、ワクワクしてるのです。

そんなMASSIVE SAPPOROのストーリーに共感する何かを感じていただけたなら是非ともご一緒しましょう!たった一度の人生です。大きな理想を実現するためにあってもいいはずです。

株式会社 MASSIVE SAPPOROからお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?
株式会社 MASSIVE SAPPOROでは一緒に働く仲間を募集しています

今週のランキング

川村 健治さんにいいねを伝えよう
川村 健治さんや会社があなたに興味を持つかも