※こちらはnoteで2022年2月に公開した記事からの転記です。
2013年から提供を開始したアプリ「マンガボックス」。
有名作家の人気作から新進気鋭の話題作まで、枠にとらわれない幅広いラインナップを擁し、マンガボックス編集部オリジナル作品の『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』『にぶんのいち夫婦』はTVドラマ化、週刊少年マガジン編集部作品の『恋と嘘』はアニメ・映画化するなど数々のヒットコンテンツを生み出してきました。
今回はサーバーエンジニアとして在籍している水谷光史(みずがい こうじ)さんが登場。一般的なエンジニアに比べて、サーバーエンジニアとはいったいどのようなものなのでしょうか。また、水谷さんがエンジニアの道を歩むまでの経緯や、マンガボックスならではの特徴についてお伺いしていきます。
水谷光史(みずがい こうじ)大学卒業後、DeNAにエンジニアとして入社。セキュリティ部や開発部など、社内のいくつかの部署を経て、現在サーバーエンジニアとして活躍している。エンジニアとしての業務にとどまらず、人材管理や育成面も担当。エンジニア組織全体の管理も行っている。
マンガボックスという一つのサービスをいろんな角度から作っていける
──水谷さんは新卒でDeNA(マンガボックスは2019年にDeNAから独立)にエンジニアとして入社されていますが、そもそもエンジニアとして働こうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
水谷さん:もともと僕は誰かに楽しんでもらうために仕組みやものの見せ方を考えることが好きだったので、そういったことができる仕事をしたかったんです。大学時代に、サークルでゲームの開発をしていたことがあったんですが、とあるアプリ開発会社でそのゲームをiPhone向けアプリとしてリリースさせてもらえるご縁に恵まれました。その際、会社のメンバーにもアドバイスを貰いながら「どういうルールにしたらゲームがより白熱するか」「どういう見せ方にしたら面白さを損なわずにゲームの意図していることユーザーに伝わるか」をひたすら考えるという体験をさせてもらったんですが、それにどこまでも楽しさを感じたんです。その体験がきっかけで、仕事でもその「ユーザーの感情を純粋な『楽しい』にする」というのを実現できるようなところを探していました。ただ、当初はそれをエンジニアとして実現しようとは思っていませんでしたが……(笑)。
──どういうことでしょうか?
水谷さん:実はDeNAの新卒採用には最初ビジネス職で応募していて、1度落ちているんです(笑)。で、DeNA以外にもビジネス職で何社か落ちたときに知り合いから「プログラマーはいま売り手市場だから、その方面で就職を探したほうがいいですよ!」と言われて。で、エンジニア職でもう一度受けて見事エンジニアになれたという経緯なんです。
──最初はエンジニア志望ではなかったんですね。マンガボックスにジョインするまでにはどのようなキャリアを歩んでいたのでしょうか?
水谷さん:DeNAに入った後は新卒研修後最初の配属でセキュリティの部署に行き、会社の様々なサービスをリリース前にセキュリティ面からチェックする仕事をしていました。その後Mobageプラットフォームのエンジニアになり、いろんなゲームやサービスで利用する共通機能を作っていました。Mobageプラットフォームのチームにはエンジニアとして自立している"強い"エンジニアが多く、学ぶことが多かったですね。初めて開発の現場を担当したというのもあり、自分のエンジニアとしての土台となるサービス運用者の心構えやエンジニアリングへの姿勢はここで叩き込まれました。
その後、サービスの開発人員がほしいということでオタク向けのニュース配信アプリ「ハッカドール」のサーバーサイドエンジニアに異動になりました。ハッカドールは惜しくもアプリ終了してしまったのですが、このときの開発チームが本当に居心地良かったんです。メンバー全員が「サービスの向こうにいるユーザーにどうやって楽しいもの・その人に価値があるものを届けるか」にひたすらフォーカスして考えていたので、常にサービスについて芯を食った議論ができ、自分でもやりがいを持って機能開発を行えました。その時の経験から、ハッカドールの次にどんなことがしたいかを人事担当者に聞かれた際に「エンターテイメントがやりたいです」という話をしたところ、マンガボックスに配属されたんです。
──エンジニアといっても、いろいろな仕事があるんですね。
水谷さん:そうですね。僕は自主開発のゲームに始まり、セキュリティ、プラットフォーム機能の開発、アプリのサーバーサイド開発など、エンジニアという枠の中でさまざまな経験をしてきました。その経験があるので、マンガボックスという一つのサービスをいろんな角度から作っていけるというのが自分の強みなのかもしれません。
「技術」と「人」で、どうやって「エンタメ」を届けるか
──水谷さんは現在マンガボックスに「サーバーエンジニア」として在籍していますが、どういった業務内容になるのでしょうか?
水谷さん:主な業務としては、マンガやユーザーの情報を管理し、端末上のアプリに必要な情報を調べ上げて返すプログラムを作っています。加えてそのプログラムが動く土台となる部分の構築と、あとはセキュリティ面の担保なんかもやっていますね。エンジニアの中でも、アプリを開発しているエンジニアはそのアプリを利用しているユーザー一人ひとりに向き合うのが仕事ですが、僕たちはサーバーに集まってくるユーザー全員分の情報の管理・制御をするのが仕事です。
──具体的にはどのようなことをしているのでしょうか?
水谷さん:サーバーには、全ユーザーの端末から中央集権的に大量の情報や情報のリクエストが集まってくるので、それらを正確に・負荷を抑えて処理するよう日々対応しています。そのために重要になってくるのが「どんな情報を」「どんな構造で」持っておくかですね。マンガボックスなら「マンガシリーズの情報」「コミックス各巻の情報」「ユーザーの読んだ話」「マンガの原稿の画像データ」などの情報がありますが、うまく関連構造を作っておかないとアプリ一画面に出す情報を揃えるだけでいろんな情報を四方八方探さなければならなくなってしまうんです。探し方が複雑になるほど負荷も増えるし、ミスも出やすくなりますからね。新しい情報を扱うときは、その時実装する機能だけではなく、将来実装する機能のことも考えて情報の構造を作っています。
──将来を見据えた情報の管理もサーバーエンジニアの仕事なんですね。
水谷さん:そうですね。加えて、僕はエンジニアのリーダーとして人材の管理もしています。エンジニアチーム全体を見て、今誰が何をやっていて、どんな能力があるのか、これから何をやってもらえばいいのかなどを考えながらマネジメントをしています。サービスを開発しているエンジニアたちが、その作業に集中できるような環境づくりを、人材管理の面から行っていますね。
──サーバーと人材の2つを管理していると。
水谷さん:管理の仕方はだいぶ違いますけど、どちらもやりがいはありますね(笑)。僕の肩書はサーバーエンジニアですが、サーバーの管理以外にもプロダクトデザインや企画の壁打ち、リソースのマネジメント、マンガボックスの将来についての検討など幅広く動いています。このように職種に囚われない動きができるのは、マンガボックスの特徴なんじゃないかなと思いますね。
──水谷さんが感じる、マンガボックスならではの楽しさはなんですか?
水谷さん:マンガボックスならでは、だと2つ。まずはエンジニアの自由度が高いという点です。マンガボックスは自社開発のBtoCサービスですから、ユーザーが身近にいますし、その人達のために自分たちが「まず何をしたいか」から議論してサービスを作ることができます。議論にはエンジニアも入って、その事業に対してエンジニアからは何ができるのか発言しています。とはいえ「こんな機能がほしい」「この機能の使い勝手はこっちのほうがいい」なんて普通にシステム面以外のことも言いますけどね。
自分たち自身で何をどうやっていきたいかを考えてユーザーに提供できるところは、自社開発の醍醐味です。ただ、もちろん自由にやっている分、やっていることに対しては責任が生じます。自分たちのスキルと、ビジョンを天秤にかけながら日々サービスを作っていますね。
──なるほど。もう1つの楽しさとはなんですか?
水谷さん:エンタメの会社であることです。僕は人を「楽しませる」こと、イコール「エンターテイン」が好きなので、マンガボックスというサービスを通してそれが叶えられるのが楽しいです。エンタメ好きの技術者としては、将来的にマンガボックスならではの新しいマンガ表現や読み方・描き方が生まれる瞬間にその技術的なお手伝いができていたら最高ですね。
人が「生きていく」ためにエンターテイメントを提供する
──エンジニアは技術と向き合う仕事というイメージでしたが、お話を聞いていると、水谷さんはサービスや人の可能性を常に考えていて仕事をしているんだなということが伝わってきました。
水谷さん:僕の好きな「エンターテイン」は観客ありきなんですよ。エンジニアの中には純粋に技術を極めるのが好きな人ももちろんいるとは思うんですけど、僕の場合は技術でどう人を楽しませるかが重要なんです。今持っている手札で何ができるのか、人をワクワクさせるサービスにするにはどんな技術が必要なのか、そんなことを考えるのがとても楽しいんですよね。そのためにも将来的に使いやすいように情報の管理をしておいたり、手札を増やすために新しい技術を常に取り入れるようにしています。
マネジメントに関しては、サービスやユーザーと同様に「マネジメントする相手」も楽しませる対象だと思っています。エンジニアをどこに配置しておくのか、どんなスキルを身につけてもらうべきかなどについては、いつも「そのエンジニアにとって何が楽しいのか、幸せなのか」を基準にして考えています。それが結果的に出来上がるサービスの価値を上げることにつながると思っているんですよ。誰だっていいサービスが作れたら楽しいですからね。
──なるほど。そんなマンガボックスには、どんな人材だと活躍できると思いますか?
水谷さん:1つはサービスを考えるのが好きな人ですね。与えられたお題通りに作ることを良しとする人はあまり向かないと思います。サービスの意義から根本的にそのお題の意味を考えて真の課題をあぶり出したり、そもそも自らお題を見つけにいったりできる人は向いているのではないでしょうか。考えた結果がお題通りになったなら、それはそれで納得して進められるのでいいですし。何をすれば結果的にそのサービスがいいものになるのかを考え続けられる人だといいですね。
もう1つは、エンターテイメントが好きな人です。エンターテイメントって、人間が生存するのには必要ないんです。でも人間は生存するために生きているわけじゃない。僕は人生って楽しむためにあると思うので、「生きていく」ためにはエンターテイメントが必要です。人が「生きていく」お手伝いをしたい。そういった意味で、エンターテインメントに魅力を感じられる人だと、ユーザーに提供したいものの価値観が僕たちと近いのではないかなと思います。人に楽しさを提供したいという思いを持っている人がいたら、ぜひお待ちしております!
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