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役員インタビュー 常務取締役 前田健太郎

まずは自己紹介と、これまでの経歴について教えてください。

こんにちは、前田健太郎です。1988年11月生まれの35歳です。同志社大学卒業後は野村證券に入社し、リテール営業に5年間勤務しました。その後2016年4月から前田染工に入社し、現在は製造部の統括や総務・営業を担当しています。

野村證券での5年間のリテール営業経験は、現在の業務にどのように活かされていますか?

埼玉県で3年、北海道で2年の合計5年間でしたが、実は最初の3年間はあまり成績が良くなかったです。
何のための仕事なのかということが肚落ちしていないと動けない性格なのかもしれません。
昨年、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定にこだわった理由はそこにあります。

北海道での2年間は色々と主体的に考えられるようになり、仕事内容がしっかり肚落ちできていたように思います。
証券会社といえば株式や債券・投資信託といった商材がメインですが、相続や中小企業の利益対策といった切り口から生命保険を自分の中でのメイン商材としたことで大きく成績が伸び、支店全体での表彰や、若手キャンペーンの入賞などを果たすことができました。

新しい店で支店長に得意分野を聞かれて消去法で「保険です!」と答えたことから、保険を勉強せざるを得なくなったんですよね。
最後の方は支店の保険担当として、営業統括や先輩のお客さんに同伴して私が保険のメリットや内容を説明して契約するという状況は面白かったですね。

証券営業は決してスマートな仕事ではなく、量から質を生み出す泥臭さを経験できたことは大きいです。
また、転勤の多い大企業なので上司が代わる機会も多く、様々なマネジメントを体験できました。

野村證券で多くのことを学ばれたようですね。それでは、現在の会社での役割についてもう少し詳しく教えてください。

私は入社時は総務でしたが、途中で営業を始め、そして製造部の統括も兼ねるようになりました。
普段は気になる問題や課題を見つけては解決に向けて動くといったことが多いかなと思います。
もちろん各方面のプロではないので大体が独学になります。

幅広い役割を担っているのですね。特に独学で問題解決に取り組まれているとのことですが、具体的にどのような課題に取り組んでいますか?

ツールの導入や仕事の流れの整理といったDX関連のことは多いですね。
情報共有というかいつでもどこでも進捗が確認できる状況を作っておきたいという気持ちはあります。

メインツールであるGoogle Workspace、ITリテラシーに左右されにくいLINE WORKS、看板形式で案件の進捗共有ができるJooto、社内発注用にデータベースを使えるNotionなどを使っています。

全国にお客さんがいるため営業が一週間ほど出張に行くことが多いのですが、出張中に社内のことが確認しにくかったり、出社したときに机の上が未処理書類で山盛りになるといったことを解消したいと思っていました。

なるほど、DX関連の取り組みを積極的に進められているのですね。具体的にツールの導入によってどのような効果や改善が見られましたか?

共通して言えることは、紙の伝票を遡って繰ることはだいぶ減りましたね。
画面で検索できるようになったことはかなり効率が上がっています。

原価管理などは紙媒体でやっていると原価が上がった時に更新されず、数年前の原価がまかり通ってしまうこともあったので、中には赤字になっている物件もありました。

Google Workspaceでは特にスプレッドシートを活用しています。
原価計算ツールを作ったことにより、お客さんへの見積り提供と、管理部門の原価チェックが素早くなりました。
原価計算の時間は体感1/10くらいになったんじゃないでしょうか。

LINE WORKSはもう手放せないですね。全体の連絡もグループや個々人の連絡もほぼ全てLINE WORKSに集約されています。
それまでは留守電やメモを残したり、居そうなところに内線をかけたりしていましたのがずいぶん効率的になりました。
仕入先や得意先でもLINEを使っていることが多く、繋がると非常に便利なのですがシャドーITにもなってしまうため、SlackやChatworkではなくLINE WORKSを選択しています。

紙からデジタルへの移行で、業務効率が大幅に向上したんですね。特に原価管理やコミュニケーションの面で大きな成果があったようですが、これからさらに改善したい点や新たな取り組みはありますか?

ITの最先端を走るような会社ではないので、ちょっとレガシーになりかけているツールも含めて、全員がある程度使えるように考えていきたいと思っています。
新しく入られる方でも20~30代のデジタルネイティブ世代であれば、体感ですぐにツールに慣れるんじゃないかと思います。
紙媒体が残っているので改善の余地はまだありそうです。ツールの使用が目的になると本末転倒になってしまうので、業務の流れを改善する中で適切なツールを検討していこうと思います。

ツールの導入はあくまで手段であって目的ではない、という姿勢が重要ですね。新しいツールの導入や業務改善において、特にどのようなスキルや姿勢を持った人材を求めていますか?

ツールやアプリの使用、そして業務改善にも通じるのですが、新しいものに抵抗なくどんどん試していける人が大好きです。
やってみる前から悩んでいても何も進まないので、どんどん新しいことを進める中で最適解を探していくことが重要ではないかなと思います。
年代に関わらず、こういったスキルというか性質は重要だと思います。



なるほど、新しいものに抵抗なくチャレンジできる姿勢が重要なんですね。コロナ禍を経て、何か特別に取り組まれたことはありますか?

コロナ禍は観光物産を主軸にする当社にとって非常に厳しいものでしたが、中でも私はOEM製造を希望する新規顧客のWEB経由の問い合わせを増やすことを考えました。
以前は毎年ギフトショーという東京ビッグサイトで行われる展示会に出展して集客していましたが、毎年出展しているとマンネリ気味になってしまっている部分もあったので、コロナ禍を機に出展をやめました。

少し遡りますが、2018年頃にホームページを内製化でリニューアルしました。
以前のホームページはスマホ対応しておらず、たくさんの新規顧客を逃していたように思います。
全体的なアクセスが少ない中、OEMというタイトルのページだけはアクセスが多かったのを覚えています。
OEMに関するページを充実させる意味もあり、現在のホームページになりました。

そしてコロナ禍でもう一段ウェブを強化しようと思い、OEMの部分だけを更新しやすい別のワードプレステーマに変更し、商材をポツポツ載せていくと週に1~2件OEMの新規問い合わせを受けられるようになりました。
超ロングテールなキーワードに絞っていますが、一度つながるとリピート製造が見込めるビジネスモデルなので着実に顧客を増やしていければ良いかなと考えています。

コロナ禍を機にWEB経由での問い合わせを増やす取り組みをされていたのですね。ホームページのリニューアルやOEMの部分の強化は効果があったようですね。これからもそのようなデジタル戦略を続けていく予定ですか?

OEMブログを新規顧客の獲得にしか使えていないのがもったいないと感じています。
現在はOEMブログからの問い合わせをそのまま各営業に割り振っており、従来通りの対応をしてしまっています。
既存顧客へ該当ページのURLを送ることで、粗方の提案が済んでしまう段階まで行けるんじゃないかと思います。
営業の個人任せだけでなく、全営業にブログという下駄を履かせることができたら良いですね。

確かに、ブログを既存顧客への提案ツールとしても活用できると、営業活動の効率がさらに上がりそうですね。営業がブログを活用することで、どのような効果を期待していますか?

一人の営業が提案できる件数には限りがあります。
営業は企画提案だけでなく納期管理など他の業務もあるので、提案の部分を営業の手間を省いて増やすことが出来ればより多くの案件が期待できますね。

営業の効率を上げることで、より多くの案件を取り扱えるようになるということですね。少し遡りますが、冒頭で少し触れられたMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定についてもお聞かせください。

私は同志社中高大、野村證券と常に理念のある環境で過ごしてきました。
理念というものは不思議なもので、授業や研修で理念を学んでいるときは「そんなもの聞いてどうするの」と思ってしまったりするのですが、いざ改めて物事を考える段階になると必ずその理念が浮かんでくるんですよね。
主体的に働くようになると、いつしか組織の理念が自分の考えと合わせて自然に発されるようになってきます。

もちろんお金のために働くことも大事ですが、数多ある会社の中でなぜ前田染工で働くのか、なぜこの仕事をするのかということを自分の中で認識できれば、より良い仕事につながり、お客さんや世間に対してもプラスに働きます。
何より、迷ったり悩んだりしたときに立ち返ることのできる羅針盤があることは、社員にも経営陣にも大きな支えとなります。

もちろん人間なので意見が食い違ったりすることはありますが、そんな中でも最終的にはみんなでMVVを目指して一緒にやっていけたらいいですね。

理念が個人の考えに自然と組み込まれていくというのは、とても興味深いですね。MVVが社員全員の羅針盤となることが、より良い仕事や組織の一体感に繋がるのですね。それでは、今後の展望や目標について教えてください。

60年以上の歴史の中で、前田染工は工場からメーカーへと変わってきました。
これは成長の証であると同時に、日本国内でモノづくりを継続する難しさも表しています。

昔ながらの技法や技術を守りつつ、新しい領域にもチャレンジしていくのは前田染工のDNAです。
ちょうど今、手捺染の設備を更新しており、友禅染を後世につなげるという社会的な役目も果たしていきます。

主軸である観光物産業界は、国策もあって今後も盛り上がる業界だと思います。
新規参入も多い業界ですが、当社は同業と商売敵にならず一緒に仕事ができるという部分ではアドバンテージに取れるかもしれません。

アニメ・ゲームなどのキャラクターグッズの領域や、海外も再考したいタイミングではありますが、社内の仕組化など守りの部分をしっかり固めていきたいという考えもあります。

ビジョンにもあるように、「モノづくりの相棒」としてみんなで成長していきたいですね。

長い歴史の中で培ってきた技術を守りつつ、新しい領域にもチャレンジしていく姿勢が素晴らしいですね。手捺染の設備更新や、友禅染を後世に伝えるという社会的な役目も果たしていくということですね。これからの「モノづくりの相棒」としての成長が楽しみです。今日は貴重なお話をありがとうございました。




インタビュアー:ChatGPT 4o

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