こんにちは。エムスリー人事我如古(がねこ)です。
今回は、2023年8月にばんくしさんこと河合さん(VPoE)と山崎さん(取締役/CTO/VPoP)で撮影した1on1動画をご紹介します。
河合さんがエムスリーのエンジニア組織にVPoEとして戻ってきた理由・魅力を語りつつ、その魅力となる文化をどのように作ってきたか山崎との対談を通してお伝えしたいと思います。
エムスリーに復帰した決め手
山崎:帰ってきたばんくしこと河合さん、帰ってきてみてどうですか?
河合:やっぱり心地いいし楽しいですね。課題も大きく、面白いところばっかりですね。
山崎:何社も本当にオファーがあった中で選んでもらえて本当に嬉しかったです。ぜひその決め手を教えてほしいです。
河合:よくある話ですが、エンジニア組織は技術に傾いている、もしくはビジネスやプロダクトに傾いている、どちらかに寄ってしまうんですよね。このバランスを取るのがなかなか難しいと感じています。
それを実現できたらエンジニアとしてもビジネスマンとしても楽しい組織になるだろうなと思っていたのですが、実現するためにはどうやるんだろうって考え始めると「エムスリーは結構実現できてたな」と思ったのです。
エンジニアとして楽しいがビジネス面も成長できるのがエムスリー。ここが実現できていることが外から見ても感じました。極意を学びながら、実現に近づけていく。一番いい場所はエムスリーでした。
ばんくしこと河合俊典 自己紹介
山崎:今更ですが、河合さん自己紹介してもらえますか?笑
河合:エムスリーのVPoEの河合です。「ばんくし」とう名前でX(Twitter)フォロワー3万人くらいいます。エムスリーに3年半在籍していました。AI・機械学習のチームに入った後他の会社に浮気してしまって出て行ってしまったんですけど、戻ってきてVPoEとして色々とやっています。
山崎:本当に嬉しいですよね。エムスリーを卒業した人が要職で戻ってくれる。河合さんもVPoEとして戻ってきてくれるって本当に嬉しいですね。
エムスリーにエンジニア組織の特色とその魅力について
山崎:エムスリーのエンジニアリンググループは100人位しかいません。どういう組織、どういう魅力があるか教えてください。
河合:エムスリーのエンジニア人数は少ないですね。あとプロダクトも数多いし、選ばれている技術の幅も広いですよね。ベンチャー企業だと一つのプロダクトに対して、特定の技術で勝負していく会社が多いと思います。縛ると良いのはエンジニアとしてわかりますが、縛らないことで自分で意思決定ができたり、自分と他の意見を織り交ぜる練習ができ、技術的なトレーニングになる。エンジニアリングとして成長出来るのは魅力です。
山崎:エムスリーエンジニアのメンバーのギークさはどう思いますか?
河合:みんなのギークさは楽しいポイントですね。
山崎:TechBlogやTechTalkという社内の勉強会を300回近く開催していて、YouTubeに動画公開してて、TechBlogやTechTalkを見た候補者の方とかがが「ギークですね」と言ってくれますね。
河合:部活の空気が一部にありますね。
山崎:コンピューター系のクラブですね。アレ系サークルも含めて 笑
河合:「色々な好き」があり、お互いリスペクトしあっていますね。TechTalkの話だとVimを改造する人や画像認識をやっている人もいれば、パン祭りスキャナーもいたりと。
山崎:私はもりもりが好きです。Gopherがくるくる回ったりするのも好きです 笑
河合:技術の無駄遣いですね 笑
あれを一緒に楽しめるのが大事で、そういう人たちがビジネスに挑んでいるのは楽しいんだなと思いますね。
山崎:私はオタクが世界を変えると思っています。やはり世界を変えてきたのはオタク達で、いい意味での「オタク」=「ギーク」という言葉を使っています。
ビル・ゲイツも相当オタク、スティーブ・ジョブズとかスティーブ・ウォズニアックも相当なオタクだろうし、グーグルの二人もオタクですよね。今の世界の時価総額ランキングを見ても、オタクが世界を動かしてると感じます。オタクのパワーがビジネスと融合した時に何かが起こる。そういうのは信じてやっています。
河合:最近の流行で二極化するパターンがあると思います。技術オタクがすごいと言っている人とビジネスやプロダクトにコミットしてこそだと言う人、どっちが優秀かの話をしがちだと思います。エムスリーはそうではなく、どっちも組み合わせが大事だと感じます。
山崎:両方できた方がいいですよね。ビルゲイツもオタクかつビジネス優秀だし、スティーブジョブズ&ウォズニアックもオタクかつビジネスすごいですし、その二つをあわせ持つのが大事ですね。
河合:ギーク×ビジネスのハイブリッドをしていきたいです。エムスリーはハイブリッドだと思いますが、この文化を作った背景を聞きたいですね。
エムスリーのビジネスとエンジニアリングのバランスについて
河合:昔、私がソフトウェアを始めた頃は技術偏重でエンジニアが技術をする組織でした。近年少しずつビジネスもプロダクトもやることが増えてきました。
エムスリーは先取りしてハイブリッドの組織を作ったと思いますが、ハイブリッドが未来を変える・ギークが世界を変えると思った瞬間とか何故そう思ったかを聞きたいです。
山崎:答えは「そういう風にやっているから」です。エンジニアもビジネスを大事にするべきで、「人の役に立つものを作ってこそエンジニア」という考え方を積極的に発信していますね。
エンジニアの起源は色々言われていて、エンジンを作ってた人がエンジニアですね。語源としては車のエンジンからエンジニアって言葉が生まれたとされています。車を作っていたいのは何なのを遡っていくとどうやら戦車に行き着くみたいで、投石車など原式的な武器で戦っていた時に武器を作る人たちがエンジニアと言われているようです。
私は平和主義なので、一般化して話すと、「何か役に立つものを作る人」がエンジニアと呼ばれていたらしいです。そもそもエンジニアの仕事は誰かのために役に立つものを作る。エムスリーのエンジニアには人の役に立つものを作ってもらいたいです。その考えがビジネスで売れるものを作る、役に立つものを作れば対価に交換されビジネスになっていく。
より大きな困りごとを解消すれば、より大きい対価が得られ、大きなビジネスになる。そのため「人の役に立つものを作る。誰かが使えるものを作ること」が重要だと思います。
河合:ビジネスのサイクルに集中し過ぎると、今度はエンジニアリングが楽しくなくなってきます。ここが一番難しいです。
山崎:私もエンジニアなのでその点はわかりますね。エンジニアがビジネスに近寄っていくことは、自分たちの力で役に立つものを作り、対価に交換していく。それを意識することは大事なことです。
一方で、行き過ぎると、ビジネスサイドから「考えなくていいんで、手だけ動かてくれ」「言ったとおりにやって」というケースがありえます。ただ、その中で重要なのが、期待を更に超えていいものを作る事」が大事だと思っていて、ギークな人は要求に大きく応えていいものを作るので、その時も言われた以上のものを作るとか、言われた以上のスピードで作るのが大切だと思いますね。
河合:大きなビジネスの期待を超えるための組織開発や文化作りといった話でしょうか?
山崎:そうですね。エンジニアのギークさは発揮しどころで、昔からそうだと思うんですよね。最初の武器を作る話で、「こういう武器を作ってほしい」という依頼が来る。フワッときたり、時には詳細すぎる形で依頼が来たと思うのです。そこに対して「こっちの方が良い」という提案とか工夫はエンジニアがしてきた。
「ビジネスサイドが考えた通りに作ってください」という職場で働いてるエンジニアはエンジニアの本領を発揮できてないのかもしれません。「ビジネス的に役に立つものを作っている限り、自由にやっていいです。」そのバランスですよね。
河合:エムスリーはそんな感じですよね。
山崎:「どこまで工夫していいか?」と聞かれれば、「どこまでも工夫していいですよ」と。ビジネススタイルの期待に応えている限りは自由にやってもらっています。
エムスリーは色々なプロダクト、サービスがあるので、自分たちで言語から選び、クラウドプラットフォームもフレームワークもライブラリー選定も自分たちで行います。技術的意思決定はチームでやっています。
河合:山崎さんCTOだけと技術的意思決定やってないですよね。
山崎:ほぼやってないですね 笑。
これからはフルクラウドにしていくとか、号令が必要な意思決定はみんなを鼓舞するためにやっていますが、そこは楽しいじゃないですか。みんなに早い段階で味わってほしいですね。
エムスリーエンジニアは100名くらいしかいない中、プロダクトは60もあるような状態で事業も30以上あるような状況なので、100名近くを19チームに分割し、1チームあたり5,6名の編成でやっています。その5,6名で全部決めてほしいですね。それが醍醐味だと思っていますし、そういった裁量がないと工夫の余地も生まれにくい。優秀な同僚たちと技術的裁量を持ち、打席に多く立つことを実現したいのが一番大きいですね。
河合:意思決定できるって楽しいんですよね。そこが一番工夫のしがいがあると思います。
最も重要なキーワードは”工夫”
河合:山崎さんと1on1する中で好きなワード第1位は「工学は工夫を学ぶことだ」です。そこの工夫の余地がエンジニアとして一番力を入れられ、その上でよりインパクトの大きな期待を超えていく。このサイクルを回すのが一番良いなとエムスリーに戻って痛感させられています。
山崎さん:「工夫」は最も重要なキーワードですね。どこかの大学の工学部のキャッチフレーズだった気がしますが、それがどこか今はちょっと分からないんですけど、エンジニアリング=工学ですよね。「工学は工夫を学ぶ。だから工学だ」と言ってる人がいて、コレだなと思って使うようになったのですが、もしかしたら今は私がオリジナルになっているかもしれません 笑
エムスリーの多様性とは?
河合:エムスリーに戻ってきて色んな人と1on1をして思ったのが、バックグラウンドや技術の好みは様々です。その人たちがお互いリスペクトし合ってやってるのが、エムスリーの好きなところの一つです。この多様さやユニークさは大事にしているポイントでしょうか?
山崎:大事にしてます。エムスリーのエンジニアリンググループの採用方針は、”ギークかつスマートな人”。そういう人であればどんな方でも大歓迎。こうでなきゃいけないっていうのは、できるだけ排除したいです。
決まりを作ってしまうと、考え方の多様性が失われてみんなで同じ考え方をするようになるんだと思うんですね。しっかりとした軸のギークかつスマートの範囲内なら、色々な人に来てもらっていいと思います。
「ビジョナリーカンパニー2」という本の中で「誰をバスに乗せるのか問題」=「誰バス問題」と言われている面白い問題があります。明確なビジョンやゴールについてくる人より、それが変っても活躍していける人、真のエンジニアを求めています。だからそのギークかつスマートという人が、エムスリーのエンジニアリンググループにおける「誰バス問題」の答えなのかなと思いますね。
河合:なるほどです。
山崎:はい、ということで今日もやってきましたね !こちらの動画はエムスリー公式テックチャンネルで掲載されると思いますので、皆さんこちらにある、いいねボタンとチャンネル登録、通知のベルマークを忘れずにポチポチポチとして頂きたいと思います笑。
河合:概要欄にはTwitter(X)も載せてありますのでフォローをよろしくお願いします笑。
山崎:じゃいね!
河合:ありがとうございます!
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