「自分の創ったもので喜んでもらいたい」という軸をもち、ライオンハートの理念「笑顔創造」にビビっと来て入社を決めたおくちゃん。独特な着眼点と素直さを兼ね備える彼女は、人間としてもクリエイターとしても大成長中。クリエイティブで誰かを笑顔にしたい方にぜひ読んでいただきたい内容です。
【人物紹介】
おくちゃん
入社4年目。デザイナーチームのパワープレーヤー担当。小学4年生から絵を描く仕事を目指す。就職活動中、厄年が明けた大学4年の1月にライオンハートと出会い、「笑顔創造」という理念に運命を感じ入社。選考時に提出したポートフォリオは驚異の40ページ。
構造を理解せずにいられない。人体を描くことにハマった学生時代
ーーーいつ頃からクリエイターを目指していましたか?
子どもの頃から絵を描くのが好きで、小学4年生からは「絵を描く仕事をしたい」とブレずに決めていました。
ーーー早いですね。どんな絵を描くのが好きでしたか?
主にアニメのイラストを描いていました。風景や石膏のデッサンも好きでしたね。
小学6年生あたりからは「人体」にも興味が湧いてきて。保健の教科書に載っているような人体図を真似して描いたりもしていました。内臓の位置や筋肉の動きを調べて描くのが楽しかったんです。
ーーー独特...!人体のどんなところに魅力を感じていたのでしょうか?
そうですね、なんというか…「不思議」という気持ちが大きいかもしれません。不思議だからこそ好きなんです。例えば、自分の手をじっと見ていると「この血管、なんか気持ち悪いけど面白いな」と感じてくるんです。一度そう思ったら自分で描いてみて構造を理解せずにはいられない。「人間ってこうやって生きてるんだな」って考えながら描くのが楽しいんです。音楽ライブやダンスのライブ、演劇などにもよく行くのですが、パフォーマンスというよりは人が動いているのを観に行っている感覚です。
ーーーエンタメとして楽しむのではなく、リアルな構造を観察しているんですね!
はい。ライブだと、ミュージックビデオでは見れない動きをその場で見られるので。高校生のときはインディーズバンドを追っかけていたのですが、その人たちの歌だけではなく、ボーカルの姿勢が好きだったんです。ちょっと猫背でストレートネックで、それが良かったんですよね。ちょっと恥ずかしいですけど、そういう着眼点があると生きてて楽しいです。
制限がある中でどう表現するかがデザインの面白さ
ーーー絵を描く仕事をしたいという気持ちは大人になっても変わらなかったのですか?
そうですね。高校3年生の頃には、実際に絵画教室に通っていましたし、友達に頼まれてイラストを描いたりもしていました。高校卒業後は名古屋市内の芸術大学に進学しました。1年生の時はデザインや建築など多岐に渡って学び、2年生からデザインコースに進みました。WEBデザインも学びましたが、どちらかというとグラフィックデザインが好きでした。大きなポスターを作ったり、パッケージデザインをすることが多かったです。
ーーーデザインの道に絞ったのはなぜですか?
デザインって、大きな枠の中に少しずつ要素を選んで当てはめていくんですね。絵は一から自由に描きますが、デザインには制限があって、その中でどう表現するかということに面白さを感じていました。それに、シンプルにかっこいいなって思ったんです。
こうやって考えると、構造的であるという部分ではデザインも人体も似ているなと感じます。
デザイン科目の単位20オーバー。ポートフォリオ40ページ。
おくちゃんの学生時代のポートフォリオの一部。
ーーー大学を卒業しライオンハートに入社した経緯を教えてください。
仕事選びの軸として「自分の創ったもので喜んでもらいたい」という気持ちをずっと持ち続けていました。いろんな会社の選考を受ける中でも強く伝えていたと思います。でも全部落ちてしまって…。実は大学4年の12月まで就職が決まらず、次に落ちたらデザイン系は諦めようと思っていました。
次が最後だと思いながらWEB上で求人を探していたら、ライオンハートの求人が目に留まり「これが新卒で就職する最後のチャンスだ!」と思い応募しました。選考を受ける中で「笑顔創造」という理念が「自分の創ったもので喜んでもらいたい」という軸とがっつりハマっていると感じ、「運命だ!」と思ったんです。
ーーーりっちゃん(現在の常務取締役、当時の戦略人事兼デザイナー)から、おくちゃんを採用したのは「デザインが好きだということがしっかり伝わってきた」からだと聞きました。
そうですね、大好きです。大学時代も「デザインを学びたい」という気持ちを誰よりも強く持っていました。私の通っていた大学の科目は、共通科目と専門科目に分かれていたのですが、デザインの授業ばかり受けていたので専門科目(デザイン分野)の取得単位を卒業できる基準の20単位もオーバーして取得していました。(笑)
ーーー専門科目で20単位もオーバーするなんてかなりの熱意ですね。りっちゃんから「制作物の量や種類、クオリティが高く、学校の授業以外でも好きで制作していたことが採用の決め手になった」とも聞きました。
用意したポートフォリオは40ページくらいあったと思います。学校の先生には「多すぎると面接官に見てもらえないかもよ」と言われていたのですが。最終的には「自分が作ってきたものは全部出そう」と、課題だけでなくプライベートで作ったものも全部載せました。
ーーーその気概が伝わったんでしょうね。素晴らしいです。これまでのご自身の作品の強みや、工夫してきたポイントはどんなところですか?
繊細な表現が強みだと思っています。
また、新しいツールを積極的に使ってみたりもしていました。当時新しく出てきたAdobeのXDを使ってWebサイトのデザインを作ったり、自分で色々研究もしていました。
「私たちにとっては新人でも、お客様にとっては立派なプロだから。」
ーーーでは、入社してからはどんなお仕事をしていますか?
入社から現在まで、OJTで補助していただきながら、デザイン業務をしています。
最近では実際にお客様と会ってデザインについてのコミュニケーションを取る機会もいただいてます。
デザイナーチーム内では、チームの中のパワープレイヤーとしての役割をいただきました。この数年でよりその役割を担うんだ、という気持ちが強くなっています。
※OJTとは...
On the Job Training (オンザジョブトレーニング)の略で、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対して、実際の仕事を通じて指導し、知識、技術などを身に付けさせる教育方法
ーーーパワープレイヤー?
デザイン依頼に集中する役割です。デザイナーチームは社員3人、パート1人の4人チーム。マネージャーのりっくんが他のチームと連携を取り、あずにゃんが新人育成のためのデザインのマニュアルをまとめ、パートのきまっちゃんが制作のアシスタントをしてくれています。私はデザインが得意なので、制作に集中しています。また、最近は社内全体で1案件ごとの時間を短縮する取り組みを進めているので、制作の中で感じたことをりっくんやあずにゃんと共有ながら、ツールやルールを作ってもっと効率的に進められるようにしていこうとしています。
ーーー制作に一番携わっているおくちゃんだからこそ、リアルな意見をもとに仕組み化を進められますよね。入社から今まででご自身が成長したと思うポイントを教えてください。
ライオンハートの行動指針にもある「自責」の心を持てるようになったことですかね。
※ライオンハートの行動指針:「尊敬・素直・自責」
入社したての頃、先輩のデザイナーも交えてデザインコンペをしました。その時私は「自分が出した案よりも、先輩の案の方がいいと思う」と言ってしまったんです。「どちらのデザインがお客さまにとっていいのか」という視点ではなく、自分のスキルもまだまだだし、先輩の方がいいに決まってるという視点で考えてしまって。
そしたら上司のりっちゃんに「おくちゃんは自分が選ばれたくてこのデザイン案を出したんじゃないの?おくちゃんは私たちにとっては新人でも、お客様にとっては立派なプロだから。2度と私の前でそんなこと言わないで」って言われて。確かに相手に失礼だし、責任を人に押し付けてるかもって気づいたんです。それがきっかけで、考え方を大きく変えることができました。
ーーーりっちゃんの一言から、責任感や自信が芽生えたのですね。
そうですね、りっちゃんは、仕事だけでなく人としての成長も見てくれている第二の母のような存在。だからこそのアドバイスが本当にありがたかったです。
それ以来「自分のデザインにも価値があるんだ」と思えるようになりましたし、より前向きに仕事に取り組むようになりました。元々好きでやっていることだから、もっと前向きに考えるべきだったんですね。
ーーーなるほど。そこから自分の殻を破って、どんどん成長していますが、心境の変化はどうですか?
人のせいにしているときって、思考が停止していて何も考えていないんですよね。で、「自分がどうするか」って考え始めると自然と頭が働き始めるんです。
今ではお客様先でのプレゼンテーションや、撮影のディレクションへの同行、インターン生の指導など、デザイン以外にも主体的に様々なことを学んでいます。担当したクライアント様に自ら声をかけてコミュニケーションする機会も増えました。入社当初は自信がない状態が続いていたのですが、今は周りの信頼が自信に繋がり、自発的に動くことができるようになってきました。
ーーー「自分の創ったもので喜んでもらいたい」という当初の仕事の軸は、実際に働いてみて満たされていますか?
はい。制作物に対してお客様が良いフィードバックをくれたり、デザインを担当した企業様の採用サイトを通して「いい人が採用できた」と言われたときは「やったな!」って喜んでます。
お客様を知ることで自然とその仕事が好きになり、アイデアも浮かぶ
ーーーお仕事を通して「笑顔創造できた!」と思えた珠玉のエピソードを教えてください。
高級注文住宅を手がけている総合建築会社様のコーポレートサイトデザインを担当したことですね。そのお客様は今までクラシックな建物を得意としていたのですが、流行がモダンな建物にシフトしていることを受けて「自社でもモダンな建物を取り入れていかないとダメだよね」と方向転換することになり、リニューアルをお願いしたいという依頼をいただきました。
お客様は「どう見られるか」をすごく重視されていたので、冷静に「見られ方」にフォーカスすれば納得できるものが作れるんじゃないかと考え提案しました。もうすぐサイトが完成する段階で、楽しみにしていただいています。お客様も建築やインテリアのお仕事をされているためデザインを見る目が鋭いので、デザインを詰めていくお打ち合わせでは、自分としても学びが多く、良い機会をいただいています。
ーーーデザインを見る目の鋭いお客様の笑顔創造は、ハードルが高い分達成感も大きいですね。ライオンハートでは、笑顔創造のために目的を問い続けることを大切にしていますよね。このプロジェクトで目的意識を発揮できたポイントはありますか?
お客様から「デザイン案を3案出してほしい」とご要望があり、まずどんな方向性で3案出すのがよいかを考えました。
本来、クラシックな部分がお客様の良さでもある。それを踏まえてどうモダンにするか。「モダン」にもいろいろあるが、そのお客様のおっしゃる「モダン」とは何なのか。ディレクターのともちゃんがお客様にヒアリングしてくれた情報を整理しながら、お客様の「本来の強みはどこだ?」と考えを巡らせました。
「モダン」なデザインをポジショニングマップにして、どのあたりがお客様の目指すものと近いのかをすり合わせ、デザイン案を3つ出しました。最終的には3つの案を合体させた形が採用され、お客様の意図が汲めていたのだなと安心できました。
ーーー依頼されたことをそのまま受け取るのではなく、本当に求めているのはどんなことかを想像し、創造することが大切ですね。
はい。やっぱり自分の好みがアウトプットに出ちゃうこともあるんです。たまに「これ、おくちゃんっぽさが出過ぎてるよ」ってフィードバックされたりします(笑)。そういう時は他の人に見てもらったり、意見を聞いたりして、本当にお客様のことを考えてデザインできているかどうかに立ち返ることを意識しています。
ーーー今、仕事をしていて楽しいのはどんな時ですか?
デザインのためにお客様の情報を整理しているときも、デザイン作業自体も楽しいです。お客様の強みやビジョンを知ることで、自然とその仕事が好きになる。そうするとお客様が本当に求めていることを叶えるアイデアも浮かぶ。デザインをしている時は、手がスムーズに動く時が一番楽しいですね。
ーーーまた、お客さんだけではなく仲間の笑顔を想像し、創造するのも「笑顔創造」ですよね。社内のメンバーに向けても「笑顔創造」のために行動していることはありますか?
先輩2人と一緒に、社内の「美化委員」を担当しています。オフィスの環境をより良く、綺麗に保つために、掃除当番を決めてオフィス内を掃除する役割です。また掃除当番表に細かく掃除方法を記載して、新入社員でも掃除に取り組みやすいように工夫をしています。私はもともと綺麗好きなので、自然とそういう役割に入ることになりました。掃除をすると気持ちも晴れやかになるので、楽しいです。
ーーーご自身も楽しんでいるのがいいですね!
そうですね。「笑顔創造」はもともと自分にぴったりな理念だと思っていただけに、意識しなくても自然と自分に根付いてるみたいです。
仕事以外でも、例えば家族が何かに落ち込んでネガティブになっていたら「こういう受け取り方もできるんじゃない?」って諭すこともあって。(笑)
ーーー素敵です!
目指すは、大人っぽくて、頼られるデザイナー
ーーーご自身の伸びしろはどう捉えていますか?
視野を広げることですね。正直、自分がすごく世間知らずだと感じていて、みんなが知っていることを知らなかったりします。今まで情報をシャットアウトしてきた部分があって、それが原因だったのかも。心を入れ替えて受け入れるようになったけど、それでもまだ知らないことが多いです。何事も自分の尺度で測るのではなく、もっと周りを見て世間を知っていくことで、広い範囲の笑顔創造につなげたいと思っています。
ーーー今、おくちゃんが会社から求められていることって何だと感じていますか?
一番求められているのは「大人になること」ですね。受け身になりがちなのが、大人っぽくないって言われる一因かなと思っています。
「やらない」という選択肢を取らないことが大人になるという意味だと思います。
自主的に動いて「これが本当に求められていることなのか?」と考えながら進められることも出てきましたが、そうなれない場合との差がまだ自分の中では解明できていません。
もっと目標にコミットするために行動しなければと考えています。
ーーー最後に今後のご自身の目標を教えてください。
もっと頼られるデザイナーになる。デザインに関する質問や「どうすればもっと良くなるか」と相談が来るようになったら、頼られているんだなと感じられると思います。指示を受けるだけでなく、「どうしたらいいと思う?」と聞いてもらえる存在になるために成長したいです!