ブランディングというおしごと
事務方の新人募集の採用にあたって、
その呼称が「広報担当者(ブランディング)」となっている。
広報とはなんだろうと考えて見る。
そもそもここに必要なの?広報が。
私の生業は基本的にマスに向けての作品ではない。
人口に対すると、ごく少数の限られた人たちにお裾分けする生業だ。
だから広く伝えるのではなく、
お互いに求め合っていない人が
間違って工房に入ってこないようにするための広報なんだと思う。
正しく伝えて、誤解なく訪れてもらい
気持ちよく関わってもらう。
面接をしていると、
受け身の姿勢を感じる時が多い。
私から出てきたものを
整理して相手に伝えたいという姿勢も否定はしない。
ただ、それだけだとその担当者がいる意味は半減する。
田中英一が花をみる、
素敵な黄色だなとつぶやく、
その言葉を受けて担当者が、
「田中英一が花を見て、素敵な黄色だなとつぶやいた」
と記事にする。
つまらない。
もちろん、田中英一本人になぜそうつぶやいたんですか?
と問いかけるのも甚だおかしい。
そんな野暮な説明会話したくない。
まずはつぶやくに至った背景を知るべきなのでしょう。
その上で花の先に何をみているのかを想像することが大切なんでしょう。
だからとてもイマジネーションを必要とする仕事。
担当者が私は黄色い花より青い花が好きだ。
なんて言い出したら目も当てられない。
でも、このパターンが一番多い。
工房のフェイスブックなどが荒れたように見えるのは、
その主観に埋もれているからだ。
そう考えるとこの広報の仕事は私の仕事に近い。
家具作りは私の主観の見方をのぞいていく作業だ。
経営経理ももちろん主観を入れない。
数字で主観をいれれば自分の都合のいい方向に解釈し路頭に迷うだろう。
それでも、主観は残る。
わずかな主観を読者は楽しむのだろう。