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CEOインタビュー① 大手企業での12年間の経験を活かし、新規事業に挑む

慶応義塾大学卒業後、KDDI株式会社に入社。約5年、au販路代理店営業に従事。その間、社長直下のマーケティング戦略策定プロジェクトに参画。その後、2年間海外法人営業も担当。2016年にエムスリー株式会社へ転職し、製薬会社のマーケティングに対するコンサルティング及び自社プラットフォーム活用の提案や、自社の主要サービス責任者を担う。2021年4月、家業である有限会社教育図書21に入り、現在に至る。

―事業会社での経験が長いですね。

KDDIで約7年、M3で約5年と新卒から約12年間事業会社に勤めました。KDDIではまずはコンシューマ向けに営業を行い、担当代理店の売上を伸ばすためにはどうするか、ということを常に考えていました。

社会人1年目から既存のやり方に固執せず、より良いやり方はないか考え、実行するということを繰り返し行っておりました。代理店に営業するだけではなく、実際にauショップの店頭に立ち、代理店のスタッフと一緒に販売をするということも通して、全国1位の実績をとったことも複数回ありました。

このような結果が認められたこともあり、社会人3年目で社長直下の戦略プロジェクトチームにアサインされました。当時、CMの人気ランキングなど、顧客へアンケートを取る機会があったのですが、auは3キャリアの中で最下位の項目が非常に多かったです。

その原因の一つに、各部署がバラバラの取り組みを行っているからではないかという仮説の元、全ての部門を統一するための戦略プロジェクトチームが発足され、メンバー構成は、営業部、広報部、宣伝部、CS、マーケティング部から厳選された7名、自分は営業部の1名に選出をしてもらった形になります。

自分は各戦略メッセージに関する議論を行うメンバーであると共に、auショップまわりのデータの収集や活用の検討などを行い、結果として、テレビCMの人気ランキングが1位、またMNP(モバイルナンバーポータビリティ)の純増も1位とすることができました。

海外法人担当では、英語が得意ではないので苦労はしましたが、コンシューマ向けの営業とは全く違った切り口で、世界の名だたる企業のインフラ支援を目的とした営業を行いました。

その後転職をして、コンサル出身者の多いM3に入社したのですが、それまでの自分に対し一定の自信はあったものの、入社直後は「コンサルってすげーな」という衝撃を受けました。これまではある程度考えれば直観や勢いで乗り切れることもあったのですがそれが一切通用せず、最後の最後まで詰め切る必要があることを知りました。

入社後3か月はそのギャップに苦労しましたが、やっていくうちにコンサル的なロジカルシンキングなども身に付き、経験を重ねることで、1年後には上期MVPを受賞しました。

最終的には、クライアントのCXOと協議を行いイノベーション創出を目的とした複数年のコンサルティング契約(年間10億円以上)を受注したり、担当クライアントの売上を前年比1,930%に成長させたり、主要サービスの責任者として前年比200%近い実績をあげたりと、自分自身も成長できましたし、やりがいを感じていました。

―エムスリーへ転職された理由はなんですか。

30歳になったとき、"このままでいいのか"と考えました。学生時代は30歳くらいになったら起業していたいと思っていたのですが、KDDIでの仕事が楽しくて気付いたら7年も経っていました。

ただ30歳当初、具体的に何がしたいというものもなく、そもそも何をやれば良いのかイメージが沸いていなかったのが正直なところでした。

もっと経営に近いポジションで、成長している会社でスキルを身に着けたいと思い、当時ミドルクラスベンチャーのエムスリーに入社を決めました。


―4月から家業に入られ、そこで新規事業の立ち上げをされておりますが、家業をベースにして新規事業を行いたいと思われたのでしょうか。

何も無いところからスタートするよりも、既存事業をベースとして新規事業を立ち上げる方がリスクが少ないと思っていました。ただそれは大きな間違いだったと、痛感をしております。

ここで働いてくださっている社員もいらっしゃいますし、その社員たちにはご家族もいる。自分が新規事業を立ち上げて、もし上手くいかなかった場合に、既存事業にどれだけ影響があるか、その結果、今働いてくださっている社員にどれほどの影響が発生するのか。

仮にお金はあっても、そのようなリスクも視野に入れながら意思決定をしていく必要があるので、大変責任の大きいことであると受け止めながら、事業の立ち上げを進めています。


―新規事業が始動して約3か月が経ちますが、実際どうですか。

順調です。ただ元々計画していた通りに進んでいる、という訳ではなく、壁にぶち当たりながらも一つずつ解決して、一歩ずつ進むことができているので、順調だと思っています。

―これまでと大きく異なることは何ですか。

全責任が自分にあるということです。今までは、自分で決めたことで何か失敗したとしても、1人で決めたわけではなく、会社の経営層なども含め決めたことという逃げ道があったり、そもそもそれで会社やサービスがなくなることはなかったですが、今は自分の意思決定が全てで、会社の存続に関わるので、そこの責任の大きさが全く違います。


―そのようなとき、相談できる相手はいますか。

前職の同僚や起業している友達に相談することもありますが、自分と全く同じことをやっている人はいないので、最終的には自分で決めるしかないです。

ただ、全て独断で決めるという訳ではなく、新規事業にはメンバーが7名いるので、メンバーの意見も聞きながら、意思決定を行っております。

―インターンも募集されていますね。

はい、サービスの開発が進んできていて、いよいよ世の中に広めるフェーズとなってくるので、
新規サービスの紹介、周知(UrSTUDX Evangelist)を行っていただきたいと思っています。

―どのような方を求められていますか。

新しいことにトライできる人、前向きな人が向いていると思います。あと、少しでも世の中を良くしたいと思っている人ですね。

逆に、保守的な人や言われたことしかできない人は向いていないかなと思います。スキルは不問で、とにかくマインドがあれば積極的にお願いしたいです。

―UrSTUDXのインターンで得られるものは何でしょう。

顧客対応やビジネスマナー、ロジカルシンキングなど、一連のビジネス経験を得られると思います。

また大企業やミドルクラス以上のベンチャーのインターンとの違いとしては、スタートアップの立ち上げの経験を身近で得られる機会になると思いますし、その点は学生にとって非常に重要な経験になるのではないかと思っています。

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