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エンジニア200名から7名の会社に転職してみたら

自己紹介

テクノロジーグループの冨田です。
直近はコーポレートサイトのリニューアル、ドメイン変更のインフラ面を担当していました。

過去のブログもご覧いただければと思います。

地道にシステム統合した話|Kurashicom Tech Blog|note
テクノロジーグループの冨田です。前回は 情シス の話でしたが、今回はアプリケーションの話です。 「北欧、暮らしの道具店」のお客様向けのWEBシステムは3つのアプリケーション/リポジトリに別れていました。 - CMS- 旧世代アプリケーション- 新世代アプリケーション 木村、 岩橋、 ...
https://note.com/kurashicom_tech/n/nea368c0becc4
WEBエンジニアがMDMを導入してみた|Kurashicom Tech Blog|note
はじめまして 2020年8月に入社した冨田です。 前職では大手不動産ポータルサイトでネイティブアプリやバックエンドの開発を行っていましたが、フロントエンドやインフラも含めて1つのチームで開発してみたいと思い転職しました。 最近は「北欧、暮らしの道具店」のiOS/AndroidアプリでWidget機能を追加したのですがAPIを担当しました。アプリはぜひ使ってみていただければと思います。 ...
https://note.com/kurashicom_tech/n/n0e2d3b86c0e2

今年40歳。高専を卒業してエンジニア歴20年近くになります。

1社目は新卒で従業員数100名程度の独立系SIerに入社しました。
高専を卒業する際どういう会社に入ればよいか見当もつきませんでした。SIerであれば様々な業界のシステムを経験できるだろうと思い入社しました。
最終的には6年半務め、プロジェクトマネージャーも経験させていただきました。

2社目は自社サービスに携わりたいと思い転職したところ、SESが中心の会社でした。従業員数20名程度の会社で半年ほどお世話になりました。

3社目では今度こそ自社サービスに携わりたいと思い、当時マザーズに上場しており不動産ポータルやSNSを運営する企業に転職しました。
入社当時は従業員は500名、エンジニアは50名くらいだったと思います。ビジョナリーで、上場もしておりこんなにもホワイト企業ってあるんだと思い入社しました。
代表が自ら運営する経営塾にも参加させていただいたり、自分のアイデアで新規事業にチャレンジさせていただいたり、ガラケーからiOS/Androidにシフトする際にネイティブアプリの開発にも携わることができました。
入社してすぐに東証1部に指定替えとなり、退職までの11年半で従業員数も1500名、エンジニアも200名、3倍くらいに会社の規模は大きくなっていました。

こんなバックグラウンドをもちつつ、2020年8月に4社目となるクラシコムに入社いたしました。
現在クラシコムは従業員数85名、エンジニアは7名。いままで経験してきた中で一番エンジニアが少ない会社です。

上場・非上場、業界や商流の違い、私自身の好み、スタンス、目指すキャリア、目標の持ち方の違いがあるので一概には比較できませんが、クラシコムに入社してみての感想をお伝えできればと思います。

なぜ決めたか

面白そう、ワクワクする、変わっているけどそれを成立させている戦略、ポジショニングもまた面白い

ECなのに読みもの、ドラマ、ポッドキャストを公開していて、入社当時映画を公開する予定という話を聞いて今後も面白いことができそうな予感がしました。

また、自社の広告宣伝にお金を使うよりも、良いコンテンツを作る人件や制作にかかる費用の方へシフトさせていました。広告はストックできない一方、コンテンツ、映画などの知的財産はストックできるという戦略が面白いと感じました。(アプリのプロモーションは実施しています)
逆にクラシコムは広告費をいただいて読みものやドラマにスポンサーがついて、タイアップしていたりもします。

普通のお店やECでも取り扱っている商品もありますが、オリジナルブランドの商品もあり値下げ競争に陥りにくい構造もあります。
また、ロングテールのECとは違い、どちらかというとテレビやラジオの通販番組に近く商品を公開、再入荷したらすぐに売れてしまうことが多く、在庫回転率が高く感じます。
争いに巻き込まれないポジションの戦略、広告やSEOの施策に追われず、同業他社との機能の同質化に悩まされないでお客様に純粋に提供したい価値や自分たちの働き方を改善する施策に注力できる環境を作っているように感じました。

「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社クラシコム 2021年度「ポーター賞」を受賞。 | クラシコム
ポーター賞は、日本企業の競争力を向上させることを目的とし、独自性のある戦略によって競争に成功した日本企業を表彰する2001年7月に創設された賞で、本年が21回目となります。賞の名前は、競争戦略論と国際競争力研究の第一人者であるハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授に由来しており、一橋ビジネススクール国際企業戦略専攻(一橋ICS)が運営しています。 公式HP: ...
https://kurashi.com/news/10898

個人としてはジェネラリスト思考

親、先生、上司、妻から目標を聞かれることがあると思います。
私自身は目標を持つことが苦手で、目標を持ちたいと思ったことがありませんでした。
でも、「こうありたい」というものはありました。

  • 面白くありたい
  • 楽しくありたい
  • 困っている人を助けたい

エンジニアとしてある程度キャリアを積んでマネージメントかスペシャリストの二択しかありませんでした。
一応前職ではスペシャリストとして主にアーキテクトのようなことをしていました。
アーキテクトの仕事も好きですが、エンジニアリングは課題を解決するための1つの手段でしかないため、広く引き出しを持っていたいとも思っています。
お医者さんでいうところの総合診療科のように分野をまたいで広く課題を解決をしたいと思っていました。

クラシコムは評価ではなくキャリブレーション

スキルマップやロードマップがあると透明性が高くなり、評価する側、評価される側、マネージャー間での行き違いは発生しにくくなります。
駆け出しのエンジニアにとってはスキルマップは何を習得すれば良いのかわかりやすいです。
反面、その時の仕事で必要とされるスキルと、次のレンジに上がるのに必要とされるスキルが違うこともあります。(これは上司のアサインの腕次第かもしれませんが)
ある程度キャリアを積んでしまうとロールモデルがいなくなり、目標、スキルマップやロードマップ、マイルストーンを作れなくなる、作るのに苦労するなと感じます。

クラシコムでは目標を設定する面談や評価をする面談はなく、マネージャーとのキャリブレーションしかありません。
その時必要とされるスキルと自分の持っているスキルや伸ばしたいスキルがマッチすれば良いです。

評価ではなく、期待値をすり合わせる。クラシコムのキャリブレーションという人事制度について | クラシコム
こんにちは、人事の筒井です。 2021年は、前半は 映画『青葉家のテーブル』が様々なメディアに取り上げられ、10月には企業の​​​​戦略の独自性と収益性の高さを評価する ポーター賞を受賞したり、 NewsPicksにて「世界観企業クラシコム」という特集 が1週間に渡って公開されるなど、クラシコムのユニークなビジネスにスポットライトが当たりました。 ...
https://kurashi.com/journal/11687

どうだったのか

人数による違い

エンジニア7名なのにリポジトリや運用の時間が多い状態でした。
今はリポジトリを統合して入社時よりも改善はしましたが、まだ道半ばの状態です。
インフラもAWS OpsWorks、Elastic Beanstalk、ECS/Fargateなど複数の実行基盤を利用していましたが、ECS/Fargateに統一しました。
また、ポッドキャストや画像の入稿、商品のカテゴリ変更などの定期的な運用に時間が割かれていました。
直近では入稿をシステム化して運用の時間を減らしています。

7名しかいないため特にチームも別れておらずチーム間での調整に時間を割かれない点は良いです。
エンジニアの人数が多いとOSSを利用したり、貢献する割合が高いかなと思います。
クラシコムはエンジニアの人数も少ないため、自分たちでメンテナンス、運用する必要がないSaaSやSaaSが運用しているプロプライエタリソフトを利用する割合が高いと思います。

職種による違い

前職だと職種が別れて分業していました。
社内にスペシャリストがおり、専門的な部分はその人にお任せしたり相談できました。
クラシコムは人数が少なくそれぞれの得意分野はあるものの、専門でやっているわけではありません。
ただ、インフラ、SRE領域においての技術顧問がおりいつでも相談可能なため大企業と遜色なく働けます。

コロナ禍前からリモートワーク前提の働き方だった

クラシコムでは2018年からリモートワーク可能な状態でした。
入社してから求人記事のための写真撮影やチームビルディングのために数回出社した程度で、基本的にはフルリモートで働いています。
コロナ禍が突然終わったとしても成果を最大化できるのであれば、リモートワークを選択可能な状態です。

フレックスにリモートワーク...クラシコムの「はたらき方」って?
こんにちは。人事の筒井です。 先週から、 2019年秋のスタッフ募集 をスタートしています。 そこで、いつもはオフィスの様子を紹介している「今日のクラシコム」ですが、今回は仕事の話をお届けします。 私は、人事という仕事柄、定時退社やフレックス、リモートワークなどの自由なワークスタイルに関する質問をよくお受けします。制度は柔軟だなと思う反面、実際は ...
https://hokuohkurashi.com/note/184597
社員の2割がフルリモート入社。1年間取り組んだオンボーディングを振り返ります。 | クラシコム
こんにちは。人事の金です。 クラシコムもリモートワーク中心の働き方になってから1年以上が経過するので、その間の新入社員のオンボーディングや社内コミュニケーションについて振り返ってみたいと思います。 クラシコムがフルリモートワークに移行したのは昨年の2月下旬。 現在は、リモートワークをベースに、取材や撮影など必要に応じて出勤するスタイルを取っていて、日々の出勤率は全体の1割程度です。 ...
https://kurashi.com/journal/11124

繁忙期やプロジェクトの進め方の違い

会社の規模が小さいため人事異動はほとんどありません。
大きい会社だと大規模な人事異動が年に数回あり、人事異動までにプロジェクトを終わらせるようなスケジュールの組み方をしてしまったり、引き継ぎが必要になるかなと思います。

業種が違うので繁忙期も違います。

不動産業界だと人事異動や進学による新生活需要が発生する1-3月、9月がトラフィックが多いです。
また、繁忙期に合わせて認知を獲得するためプロモーションを展開しますが、プロモーションの前までに他社との差別化をする機能を作っておく必要がでてきます。

クラシコムの場合、インテリア、キッチン用品、食器も取り扱っているため新生活需要もありますが、ファッションやコスメなども取り扱っているため不動産ほど波は顕著ではないと思います。
人気の商品が再入荷したときにトラフィックが多いことはあります。
母の日、クリスマスなどに向けて商品を用意することはありますが、繁忙期やプロモーションに向けて特別に機能をリリースする必要はありません。

まとめ

クラシコムは風変わりな会社です。(※個人の感想です)
キャリブレーションや人事異動は規模が小さいから成立している側面もあると思いますが、規模が大きくなっても良いところを残していきたいです。
興味を持った方、気になることがある方、ぜひカジュアル面談を。

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