クラシコムの中で働くメンバーが、どんなことを考え、どう働いているのかをおしゃべりするシリーズ「クラシコムを構成する人々」。第一弾は、コーポレートグループで財務経理を担当する瀬田に声をかけました。
パーソナリティは、瀬田と同期入社の人事担当 筒井です。
<プロフィール>
株式会社クラシコム コーポレートグループ 瀬田 周一郎
大学卒業後、公認会計士の資格を取得。監査法人トーマツにてIPO関連業務に従事。2016年7月クラシコム入社後は、財務経理全般を担当。
好きなもの:4ヶ月前から始めたランニング、ドラクエⅪ
仕事の相棒:12桁の電卓(ノールックで左手で打てます)
ーー私たち、入社してもう1年近く経ちましたっけ?
瀬田
おおよそ1年5ヶ月ですね。
ーーあっという間に経ちましたね〜!
瀬田
そうですね。筒井さんはもうクラシコムの主みたいになってますね。
ーーえ!そうですか!ヌシか…
今、40人の社員の中で、3分の1は入社1年弱の人たちですよね。
瀬田
この前、雇用促進税制(*)のおかげですごく税金が安くなったんですが、その額を見て会社が成長しているな〜!と実感しましたね。
*一定期間中に雇用者数を10%以上増加させるなど一定の要件を満たした事業主が法人税の税額控除の適応が受けられる制度
ーー雇用促進税制によって人数が増えたんだな〜と実感するのが、瀬田さんらしいです。
私が「人まわり」の業務、瀬田さんが「お金まわり」というざっくりとした分担ですが、もう少し詳しく言うと・・・
瀬田
何より、請求書を会計事務所に持っていくという重要業務があります。笑
月次・年次決算、出金業務、会計監査対応、金融機関対応、経費の承認、などなど、大まかに言うと、数字周りの管理部門業務の運用、構築ですかね。
細かい作業は、会計事務所さんに外注しています。
外からチェックする側ではなく、自分がハンズオンで課題解決をしたい
ーーえっと、前職は、監査法人にいたんですよね。
瀬田
そうです。入ったのはトータルサービスという部署で上場準備をメインとしつつ会計に関することは何でも支援するよという部署でした。
ただし、僕が入社したのが2007年なのですが、リーマンショックの影響で上場する企業の数が少なくなっていた時期だったので、基本的には既存業務の監査を中心にやっていました。
2013年に結婚して子供が生まれたのを機に、実家近くの埼玉の地区事務所へ異動して現場責任者として関わっていました。
ーー入社してから、場所は変われどメインでは上場関連の仕事をしていたんですね。
瀬田
といっても、とても幅広くて。例えば、不正調査の業務でドロドロした社内の権力闘争の一部を垣間見たり、鍛造製品の原価計算の導入をやったこともありました。
ーーほんとに何でも屋だ。
瀬田
クラシコムでは、経営陣が方針を定めて、それに対するリソースを調達し、仕組みを作って、それからようやく動き出すという感じじゃないですか。
でも、上場準備の会社って、だいたいそうではないんです。
よくあるのは、すごい能力のある社長が立ち上げたビジネスにおいて、売り上げだけはドンと出ている。でも、管理体制は最小人数でその場をしのいでいるというケースです。
そうなると税務には何とか対応できるのですが、会計監査においては整っているとは言い難い。そういう会社への監査業務もやってきました。
ーーじゃあ、あれも助けて、これもどうにかしてほしい、とか、やること山ほどありますね。
瀬田
そうなんですが、監査業務はあくまで決算書のチェックなんですよね。
監査クライアントに対する支援業務も、資料を作ってしまうと自己監査になるので出来ず、できることはかなり制限されているんです。
クライアントにとって良いことだと思っても、MUSTじゃなければ、工数やリソースの関係でなかなか話を聞いてもらえないような状況もありました。だから、自分が内部に入ってみて色々トライしたい、会社の実態をもっと見たいという好奇心も芽生えていて。
いつか監査法人も辞めるんだろうなぁ、なんて頭のどこかにはありましたね。
ーーへぇ〜、監査法人って、組織も大きいし給料も良いし安定しているから、みんな辞めないのかと思ってました。
瀬田
僕の知る限り、最後まで勤め上げる人はほとんどいません。大体がコンサルか事業会社へ転職します。
自分としては転職するしないに関わらず、やりがいを感じていたIPOの支援方面でキャリアを積みたいということはぼんやり見えていました。
そんな中でのクラシコムとの接点は、2015年の秋頃ですね。2年がかりで担当していたあるIPO案件の終わりが見えてきたタイミングで、この先どうするかと悩んでいたところに募集を見かけたのがきっかけです。
ーーその時、他にも検討している会社はあったんですか?
瀬田
いえ、当時は転職についてあまり考えていませんでした。実は、妻が「北欧、暮らしの道具店」のベテランファンで、たまたま見かけた募集を教えてくれたんです。
ページを読むと、おお!これは面白そうだ!と琴線に触れたのを覚えています。
「大きくなった後にどう建て直すか」ではない思考の順序
ーーどこらへんが、おお!と思ったんでしょう?
瀬田
一番は、「これからの会社を支えていく基礎となる管理体制を構築する」という点に、今までの自分の経験が活かせそうだと思ったことですね。あとは、ちょっと自分勝手ですが、もしクラシコムが上場することになれば、自分のキャリアにもハクがつくなぁと。
ーーキャリアのハク、大事!
瀬田
その当時は代表の青木さんが、管理系業務全般も担当しているとWantedlyに書いてあったのですが、本当に本人からメッセが来て、マジだったとびっくりしました。
ーー実際に会って話してみてどうでしたか?
瀬田
上場目指してないって言われました。そして、処遇が下がるということも。
ーーがーん。もともとキャリアのコアにしたかったIPOもないし、給料も下がるしって、マイナスばっかりですね。
瀬田
そうなんですよ、大事にしたかったポイント二つとも無くって、普通だったら転職しないな、なんですけど・・・なんでだろう?
ーーなんででしょうね。
瀬田
青木さんは、これから会社の規模が大きくなることを見据えて、その前に人を確保しておきたいという趣旨のことを言っていたんですよね。売上についても、供給量を制限することで会社の健全な成長を確保しているとも言っていました。
自分が今までよく見てきたような、「大きくなった後にどう建て直すか」ではない思考の順序や、あえて自制することで健全な成長を確保していることがわかって、こういう思想を持っている会社ってかっこいいなって。
ーーそれすごくわかります。私も入社して一番驚いたことの一つでした。
瀬田
あとは、いざ事業会社の中に入ってもすぐに結果出せるかわからないです、ということを面談で青木さんに正直に言ったんです。自分は今まで監査法人という立場で、外側からその会社をふーんと見てるだけ、助言しているだけだったから。
そしたら、それでいいって。最初から高い給料は払えないけど、成果は長期的に考えましょうって言ってくれて、なんだかほっとしました。
というのも、管理体制構築のプロと言われて入社した人が、短期間で会社を大きく改革するというような、かなり難易度の高い役割を背負わされて、大変そうなケースを見たことがあって。
そういう人って、往往にして給与水準が高いし、そういう目で見られることによって社内で上手く馴染めず、本人、会社ともに不幸になることが多かったように思うんですよね。
転職の場は、企業側と腹の探り合いのようになるのかなと思っていたのですが、ネガティブになりうる部分も含めて、率直にコミュニケーションできて、会社と対等に話せた感じがしました。
家族会議をして、金銭面は何とかなるでしょ、せっかくだしチャレンジしてみよう!ということになりまして、今に至ります。
ーー採用する・される、というような上下の関係ではなく、ビジネスパーソンとして対等に話せるコミュニケーションが面接でできることって、人事の私も意識したいことだなぁ。
後編はこちら→管理系担当の理想の姿は何もしないこと?クラシコムを構成する人々vol.1 財務経理担当【後編】
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