新年早々、知り合いの方が近くの山で「二日連続で雲海が見れた」とインスタグラムのストーリーで上げているのを見て、雲海見たさと正月太り解消のために山登りをしてきました。
早起きして、炊き立てのご飯でおむすびを作り、温かい緑茶を水筒に入れて、みかんを持って出発。車で山の麓に向かっている間にだんだん空が明るくなってきました。
服装は、中を着込んでその上から祖父のシャカシャカした素材に撥水加工がされているズボンを履き、兄のこれまたシャカシャカ素材に撥水加工のコートを。そしてニット帽にお気に入りの登山靴。山の地面はびちゃびちゃだったり、雪が残っていたりするので完全装備で挑みました。
山の麓には登山に使える杖が10本ほど置いてあります。いつもは使わないのですが、地面が安定しないことを考えて今回は使わせていただきました。これが登山中、大活躍!!杖を置いてくださった地域の方々に感謝です。
山に入ってまちの方を見ると、淡い空にピンクのような、オレンジのような雲が浮かんでいました。「あ、もうすぐ太陽が現れるんだろうな」とワクワクした気持ちで足を進めました。山の中は、冷たいけれど清々しい空気で満ちていました。鳥のさえずりや風で揺れる木々が奏でる音、雪の上に残る足跡。自分の鼓動もダイレクトに感じ、自然の中で“生きている、生かされている”ということを強く感じました。
太陽が現れると、山の植物たちが太陽の光に照らされ、より生き生きとした姿に見えました。しかし、光が当たっていない湿気で満ちた場所も山の香りが漂い、潤っている感じがして、どちらの山の顔も好きだな~と思います。
登山中は、自然と“今、ここ”に集中できます。過去への後悔や未来への不安などの心を乱す雑念と離れ、クリアになる感覚。これがたまらなく気持ちよく、さわやかで前向きな気分になれます。
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道の途中で心に残ったものや景色を切り取って残しておこうとスマホをバッグの中から取り出す度に、違和感を覚えました。毎回、水滴がいくつもついているのです。しかし、それは気温の差で結露が生じたのかなと呑気に考えていました。
その後、同じくバッグとコートの触れている面が濡れていることに気づきました。しかし、これも結露だろうと長い時間見過ごしていました。
そして、ついにその原因に気づく時がやってきます。
あまり喉の渇きを感じず、テンポよく山の上の方まで登ってこられたので、登山開始から一度も口にしていなかった水筒の緑茶。この冷えた山の中で飲む温かい緑茶はさぞ美味しいだろうと水筒を手にしました。しかし、重量のあるはずの水筒が、とても軽いのです。その瞬間、私は悟りました。
「ああ、今までの現象のすべては、この水筒の中に入っていたお茶のせいだったのか」と。
カバンの中を見ると、液体が溜まっていました。ほかほかのはずのおにぎりがしっかり冷め、水気を含んでいました。
スマホが濡れていたのも、コートが濡れていたのも、水筒から放出された緑茶が原因でした。なぜ、もっと早く気付かなかったのだろう…
私は神経質になって考えすぎてしまうことが多いのですが、たまに今回のように問題がちらちら見え隠れしていても楽観的に捉えて全く気にせず、後になって驚愕することがあります(笑)
しかし、いつもだったら今回のようなことがあると「オーマイガー!」と感情が高ぶって自分を責めてしまいますが、今回は違いました。もちろん、山の中で周りに誰も人がいなかったので「うぉ~~!」と叫ばせてもらいましたが、その後、そんな自分を離れて見て、面白おかしく捉えていました。
「このハプニングのおかげで、記憶に残る登山になった」
「ショルダーバッグにワンタッチタイプの水筒を横に入れるのは危険という学びを得た」
「ハプニングも自分らしいじゃん!誰かに話して笑ってもらえるネタができた」
「ときどきヘマをしてしまうけど、そんな自分も好きになればいい。自分が一番笑えばいい」
と。
せっかく起きたハプニングを楽しまないと!と思いました。これまで、起きてしまったことは仕方がないので、その事実をどう捉えるかが大切だということを学んできました。その学びが今回の事件で初めて実践できた気がします(問題がそこまで大きくなかったからかもしれないけど…)。
私に残された水分はみかんだけでした。貴重なみかんは山頂で大事に噛みしめていただきました。あのとき食べたおにぎりの食感も、舌触りもしばらくの間忘れません。(笑)
結局この日は雲海を見ることはできませんでした。しかし、その代わりにたくさんの感情や学びを確認できました。
岡山に行っても、気軽に登れる山を見つけて、お休みの日の朝などに登ってリフレッシュしたいです。岡山の山ではどんなことを感じて、どんな景色を見られるのか、今から楽しみです。
2025年初登山、大成功でした~~!!🍊