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自社プロダクトを育てるためなら、なんでもやる。「全方位型」デザイナーの覚悟とモットー

カンムでは、自らの業務領域を超えて仕事をする「越境」という言葉が、あちこちで飛び交っています。今回紹介する小山内 勝則は、まさに越境するデザイナー。SQLを書きながら、マーケター、コピーライター、PMと、必要に応じて何役もこなしています。

社内でも一目置かれるマルチクリエイターの小山内に、これまでのキャリアやカンムでの仕事のやりがい、デザイナーとして今後目指していきたいことなど、幅広く話を聞きました。

エンジニアを経て、インハウスデザイナーに。自社プロダクトと真剣に向き合う日々

──はじめに、小山内さんのプロフィールについて教えてください。

小山内:カンム入社までに4社経験しています。

新卒時はJAXAの協力会社にエンジニアとして入社。システムのソフトウエア開発やハードウエアの運用を担当しました。その後ウェブ制作会社や編集プロダクションに転職し、フロントエンドエンジニアとして勤務。4社目のデザイン制作会社ではUIデザイナーとしてアプリのデザインをしていました。さまざまな会社で多様な経験を積んでいくうちに、自然とデザイナー志向になっていった感じですね。

事業会社で働きたいと思ったきっかけは、受託業務をしていくなかでインハウスデザイナーとして働いたほうが、企業、デザイナー双方にとって業務効率が良いと痛感したから。自分としても、自社プロダクトと長期的に向き合いながらデザインしたほうがより成長につながるだろうと考えたんです。

クレジットカードには個人的にも興味があったので、カンムからスカウトメールが来たときは自然に受け入れることができました。その後、代表である八巻と面接で会い、その飾らない人柄に惹かれて、転職を決意。2018年にカンムにジョインして、今に至ります。

──あらためて、今の業務領域について教えてください。

小山内:「Pool(プール)」というプロダクトのデザイン全般です。ロゴ、アプリ、ウェブサイト、広告など、プロダクトに関わるすべてのデザインを担当しています。

デザインする際、常に意識しているのは、わかりやすさと親しみやすさです。「Pool」は、投資もできるクレジットカード。もともと敷居が高いと思われがちな「投資」を、いかに身近に感じてもらうかがデザインの肝だと考えています。

▲タイポグラフィ(左図)とロゴマーク(右図)の方向性検討の過程。当初、ロゴマーク開発も検討していた

理想は、アプリを開いた瞬間から、心理的ハードルを感じることなく「はじめてみよう」と思ってもらえるデザイン。金融業の法規制やガイドラインに準拠しながら、伝えるべき情報をできるだけ短く、わかりやすくして、いかに見る人の認知負荷を下げられるかという努力をしています。

▲最終的に“余計な主張を持たず、ユーザーの生活に馴染みやすい“と考えた現在のシンプルなロゴに着地した

誰もが越境できる環境。 “となりの仕事”を理解し合うと、物事がスムーズに運ぶ

──小山内さんは、コピーライティングにも関わっているんですか。

小山内:はい。同じく自社プロダクトである「バンドルカード」に比べ、「Pool」はリリースしてまだ日が浅く、少ないチームメンバーで業務を回すフェーズなので、自分ができることは何でもやっています。コピーライティングもウェブサイトの実装も、マーケティングも。

先日実施した「最大1万円プレゼント!“Pool”初回投資キャンペーン」では、施策立案、キャンペーンの設計、ウェブのデザインと実装、アプリのデザイン、広告制作までを担当しました。

PMやエンジニアと一緒にマーケティング施策を考えるパターンもあります。お互いが、ちょっとずつ一緒に働いている人の担当領域に踏み込んでいって、協力するスタンスで進めていますね。

──‟となりの仕事“をお互いに理解すると、物事もスムーズに運びそうですね。

小山内:コミュニケーションコストが大幅に削減できることは確かですね。

私自身はWebエンジニアの経験があるので、エンジニアと技術的な仕様についてある程度は議論できます。ですから、時間がないときはできるだけ負荷の少ないデザインに、逆に時間に余裕があるときは、工数がかかってもなるべく良いデザインにする、など状況に応じて適切な妥協とスムーズな進行ができるように調整しています。

憶測でデザインしない。客観的事実をつかめば、裁量を持てる──「事実に向き合う」カルチャー

──カンムに入社して、デザイナーとして変わったと思うことはありますか?

小山内:「ユーザーにとっては、こういうデザインが“多分”ベスト」などと憶測で判断する場面が極端に減りました

カルチャーのひとつとしてカンムが掲げているのが、「事実に向き合う」。その一環として、データベース言語SQLの社内勉強会を週に1回開催しているのですが、私がSQLを書けるようになったのも、実はこの勉強会がきっかけでした。SQLを習得し、データを基にした仮説づくりが常となったことで、デザインを構築するプロセスの精度が格段に高まったと感じています。

──「事実に向き合う」というカルチャーが社内に浸透していると「誰かの好き嫌いでデザインが決定する」ことも避けられますか?

小山内:そうですね。一般的に、客観性のあるデータは誰であっても否定しづらいもの。基本的には客観性事実を基に議論を組み立てていくのが私たちのスタイルなので、誰かの一存でひっくり返されることはないです。

この会社で「自分で何かをやりたい」となったとき、やるための根拠を客観的事実でしっかり提示できれば、とてもスムーズに話が進みます。データが足りなければ、ユーザー調査などを実施する選択肢もあります。もちろん、お金や時間をかけて調査をするには、チームが納得するそれなりの理由が必要になりますが。

デザイナーであれ、別のポジションであれ、チームを動かすための事実を引っ張ってくる“腕力”がついてくると、自分の裁量で仕事ができるようになる。”腕力”を付ける過程も含めて、それがカンムで働く楽しさのひとつですね。

──小山内さんご自身は、自ら社内に働きかけた経験はありますか?

小山内:実は……「Pool」というネーミングにするために、かなりの心血を注ぎました(笑)。

最終的に残った2案で社内投票をしたところ「フエル」というネーミングが1位。お金が増えることを期待して投資をするプロダクトなので「わかりやすくていいんじゃない?」との意見が大多数だったのですが、「お金を増やすこと」を全面に打ち出したくはなかったんです。

他の投資商品よりもリターンが大きいのではなく、今まで投資から距離を置いていた人にも目を向けてもらえるようなプロダクトにしたい……「心理的unbankedをソフトウェアで解決する」というカンムのミッションに立ち返ったときに、「フエル」という名前が自分には受け入れられなかったんですよね。

それから、急遽「フエル」は良くないということを説得するための資料を作り、メンバーへの説得を試みました。みんな分析力に長けているので、データに関して突っ込まれたりして、黒歴史的な部分は多々ありますが(笑)、主張も一理あるということで、何とか通してもらった感じです。

デザイナーとしてロゴを制作したのもはじめてでしたし、ネーミングにもこうして深く関わって。「Pool」はまだまだ成長段階ですが、とても愛着のある存在です。

本人の意気込みさえあれば、成長できる場所。もっともっとプロダクトに貢献できるデザイナーに

──小山内さんがリーダーを務めるデザイナーチームについても聞かせてください。

小山内:メンバーは私を入れて3名、ほかのふたりは「バンドルカード」を担当しています。週に1度は定例会を開催し、お互いの業務状況を把握しています。人事評価で設定した各自の目標に対して、今どのような動きをしているのかを確認する場にもなっています。

目標設定については、特定のスキルを伸ばすというよりは「デザイナーとしてカンムでどうバリューを発揮していくか」に重きを置いて策定しています。カンムには、先ほど触れた「事実に向き合う」のほかに「学習と共有」「背中を預ける」というカルチャーがあるのですが、この3つを踏まえて、デザイナーとしてどう会社の期待に応えていくか。それがチームとしてのミッションだと捉えています。

本人の意気込みさえあれば、カンムはプロダクトを成長させるための多様な経験やスキルが得られる環境です。社内の議論はオープンに行われているので、個人個人が気になるトピックを自分で拾うことができますし、私はSQL勉強会に参加することでデータ分析のスキルが身についたり、一時期マーケティング定例に参加していたおかげで少しずつマーケティングのことが分かってきたと感じました。個々人の意向に合わせて専門性を高めたり、越境したりしながら、デザイナーチームとしてバリューを高めていきたいです。

──ご自身としては、今の仕事のやりがいをどんなところに感じていますか。

小山内:自分が立てた仮説に対して期待どおりの成果が得られた瞬間、この上ない達成感を感じます。

例えば、すごく良いデザインだと思って出した画面なのに、多くのユーザーが離脱している場合。解決するために、データを参考にしながら仮説を立ててデザインし直し、テストをして数値が上がったときは、暇があれば何度もデータを見ちゃいますね(笑)。

──最後に。今後、どんなデザイナーを目指していきたいですか。

小山内:ユーザーが接する部分は基本すべてデザイナーがつくります。プロダクトの課題解決にデザイン力できちんと結果を出せる存在になりたい、という気持ちは今も昔も変わりません。

「Pool」をもっとたくさんに人に使ってもらうために、何をすべきかという問いに対する解を出し、狙いどおりの成果をもたらす。そんなデザイナーでありたいです。


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