石橋さん(右)とセドナの滞在先のテラスでリモートワーク
Kaizen Platform入社前は何してたの?
リクルートのR&D部門だった、メディアテクノロジーラボ(MTL)でいろいろ面白いことを試していました。リクルートWebサービス(API)の開発運用しながら、API自体の普及啓蒙したり、CGM系のサービス作ったり、iPhone, iPad, Androidの発売に合わせて、リクルートのサービスをアプリ化してみたり。
R&D部門で活動する前は、制作システムの開発を行ってたのですが、紙からネットへの移行、インターネットの実用化、検索エンジンの登場等、メディアの激変を仕事しながら、体験してきています。
DTPに、PDF入稿、Quark Express + AppleScript、いやー懐かしい。
そんな流れのなかで、自分として、すごく衝撃的だったのが、ブログの登場とチープ革命による、運用コストの低下。
世界に向けての情報発信がブログでできちゃうし、サーバーのレンタルもお小遣い程度でできちゃう。オープンソースの開発環境も出揃い、自前でほとんどのことができちゃうようになりました。
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)を大量に買い込んで会社の役員に配ったりしてました。
そして、さらなる衝撃はiPhoneの登場。
iPhone3Gの発売からもう10年近くなっちゃうのですが、最初のiPhoneの登場の頃は、「タッチパネルなんて売れるわけないでしょ」っていう評判だった。ユーザーが増えるかどうかわからないこともあって、アプリ対応に積極的な雰囲気でもなかったのだけど、アプリの開発を全部一人でやれるという仕組みはすごく、魅力的だったのです。
しかも、アップストア経由でのプロモーションもできるし、ブログや当時はまだ、黎明期だったSNSでプロモーションも自前で可能。
「タッチパネルなんて売れるわけない」というのが常識だったこともあって、ユーザーが増えるかどうかはわからないけど、そういうものこそ、R&Dにはうってつけ。またバックエンドのAPIもすでに自分たちで開発運用していたので、アプリ側の仕様に合わせて、いくらでも機能追加できたのもラッキーでした。
最初のアプリは現Kaizen Platformのファウンダーの一人石橋さんと一緒に開発した、ホットペッパーのアプリ。
その後のスマホの勢いについては、ご存知の通りですが、2011年には、リクルートでもスマホ対応が本格化し、その際、石橋さんと一緒に書いたソースコードがいくつかのリクルートのアプリにブランチされていったのです。
その後もAndroid, WindowsPhone(そういえば、これは、流行らなかったですね)にも少し手を出しましたが、iOSとiPhone,iPadの快適な開発環境と、実行環境に魅了され、主にiOSエンジニアとして活動していました。
2011から2013年にかけては、アプリの大量リリースと、ユーザー獲得&換金化のような話が、それこそ、大量にでてきて、だんだんと、質より量な時代になってきていました。しかし、アプリ化すればなんとかなると思ったのは、やっぱり幻想で、大量アプリリリース時代はそのあたりで終焉。ユーザーが集まっても換金化できるわけでもないことに気がついた時期。
スマホアプリも、本誌やWebページと同様、ひとつのメディアとして磨きをかけてゆくことが問われるような雰囲気になってきていました。
UIやUXを磨く、改善してゆくために、当時取り入れ始められていたのがA/Bテストです。サイト全体をリニューアルしてUIを改善するという方法がそれ以前のやり方でしたが、全体のリニューアルはうまくいかなかった時のリスクが大きすぎる。
なので、一部のユーザーにだけ、新しいバージョンを提示し、効果があるかどうかを見極めながら、少しづつ改善し続けるという手法は理にかなってました。
その頃、MTLで一緒に仕事した、須藤さん(Kaizen Platform CEO)と石橋さんがA/Bテストを活用しながら、サイトの改善を行う会社(Kaizen Platformですね)を設立したということで、エンジニアとして、お誘いを受け、転職した次第です。
おっと、話の流れ的には、A/Bテスト繋がりのように、なっちゃいましたが、転職理由の大きな理由の一つは、「新しいワークスタイルへの取り組み」もあったのです。
それは、「リモートワーク」です。
リクルート時代からも、集中したいときは、密かに自宅でこもって仕事してたりしました。(今は認められていますが、当時のリクルートは要出社でした)
しかし、なんと、Kaizen Platformは、リモートワークはOKで、当時バリ島からリモートワークされている方もいました。
「大好きな仕事を、大好きなメンバーと、大好きな場所で」
これは、自分の夢でもありました。
また、グロースハッカーさんのワーキングスタイルも、場所や時間を問わないでも仕事ができること。そんな仕組みをプラットホームとして実現しようとしている。これは、挑戦したい!
軽井沢/星のや 紅葉の中でのリモートワーク
今は何してるの?
Kaizen Platformへの入社は2014年の3月なので、ことしで、丸3年がたちました。
この間、A/Bテストを実行するためのjsのメンテ、e2eによる動作保証の自動化、Ruby on Rails で実装された、API、バッチ周りの開発を主に行っていました。
去年は、Kaizen Chatというチャットアプリの開発では、APIの実装と、ハイブリッドアプリ化対応をしています。PusherというWebSocketの外部サービスも利用して、Kaizen Platformのユーザー間でコミュニケーションできるアプリとして仕上がっています(といいつつ、直したいところたくさんあるのですが、今は他のことやってます)
今、一番注力しているのは、WebサイトのアクセスLogの解析周り。
サイト改善の仮説を裏付けたり、サイトの問題点を炙りだすために、サイトに貼っていただいた、Kaizen Platformが提供する、ログ計測スクリプトを通じて集められたログを解析しています。
BigQueryに、蓄積された大量のデータを PythonのPandas, NumPyあたりで試行錯誤して、汎用化と、カスタマイズ対応を行なっています。
人がやっていることをコードに落とすという作業でもあるのですが、サイトごとの差異を一般化しつつも、ローデータは保持して、細部の確認はできるようにしておくようにしようとしています。
宮崎/シーガイア/シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート 神話の国でリモートワーク
Kaizen Platformってどんな会社?
あたらしいワークスタイルを提唱しながら、実践もしている会社です。
自分自身も、リモートワークの実践を行ってるのですが、
「大好きな仕事を、大好きなメンバーと、大好きな場所で」
について、身をもって体験しています。
インターネットとMacのおかげでほぼ、世界中どこでも仕事ができちゃうことは、予想通り可能です。
もちろん課題もあります。
やはり、雑談的、突発的なコミュニケーションがしにくいこと。
ちょっと、思いついたアイデアをすぐ共有したいときとか、ちょっと、相談したいとき、特にプロジェクトが固まってないときは、近くにいないと、進まないことが多いです。
逆に、プロジェクトのゴールが明確で、仕様も固まって実装を始めた状態だと、リモートでも全然平気。むしろ、集中できたりします。Kaizen Chatの開発を行ってた時は、チームメンバーが、福岡、愛媛、大阪、横浜(自分)、東京と分かれていたのですが、実装フェーズでは朝の進捗共有ミーティングをビデオ(zoomを使うことが多いです)会議で行うだけでうまく進んでたとおもいます。もちろん、個別の疑問はslackでやりとりしつつ、話した方が早い時はビデオで会話すれば大丈夫でした。
ただ、僕自身は、オフィスにも出社可能だし、リモートも選択可能なので、ちょっと、のんきなところはあります、ずっとリモートのみなさんには、東京オフォスでの雑談的コミュニケーションの積み重ね分のギャップの解消は課題のようです。
それらの解消のためにも、1から2ヶ月に1度は合宿等で集まるような機会が設けられています。もちろん、合宿だけやってれば大丈夫というわけでもないのですが、リモートワーク環境改善は随時おこなっていきたいです。
世の中的にも、今後、時間や場所の制約を越えたワークスタイルが減ることはないと考えています。
一歩先ゆくワークスタイルを実践し、現実化して行くのも、Kaizen Platform(あるいは、自分の)役割と考えています。
ホノルル/マラソンに参加後、帰国便のピークを避けてリモートワーク
今後チャレンジしていきたいことは?
スマホ&タブレット対応やりたいですね
対応は2方向
- スマホ&タブレットアプリの改善を行うためのA/Bテストや、ログ収集、解析の仕組みの提供
- Kaizen Platformのサービス自体のアプリ化や、スマホ最適化。現状だとPC前提なので、電車の車内でちょっと、改善効果確認とか、やりにくいですよね。ダッシュボードとかもアプリでみたいよなあ。
ML系
人生Kaizen Platform
メタボの解消とか、マラソン記録の更新とか、人間関係の向上とか
人生にも改善したいことはたくさんある。
たぶん、人間は1人なので、A/B テストは無理。じゃあ、どうするか?
なんて、考えていると楽しいです。
どうころんでも、たのしい人生になるようなPlatform、楽しそうだなあ。
金沢/美術館のカフェでリモートワーク。梅雨の時期で雨に濡れたお庭がきれいだった。