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カイロスマーケティングの 「読書支援制度」ができるまで 〜人事の試行錯誤日記

みなさん、こんにちは。カイロスマーケティングの人事担当です。

カイロスマーケティング株式会社は、「マーケティングを、もっと身近に。」をミッションとして、日本の社会や経済に貢献するための活動に全力で取り組んでいます。

そして、わたしたち人事部は、カイロスマーケティングの仲間が「マーケティングを、もっと身近に。」するための活動を支援、後押しすることが仕事です。

カイロスマーケティングの仲間がもっと学べる、成長できるための制度を作っていきたいと思っています。

その第一弾として、「読書支援制度」を立ち上げました。企画から制度のスタート、みなさんに利用していただくまでのストーリーを紹介したいと思っています。

会社に本棚ライブラリをつくることは、人事の本質なのか?

もともと、人事部としてカイロスマーケティングのみなさんにもっと学べる機会を提供する制度を導入しなければならないと考えていました。

そのなかでも、本に関する要望が多くあることは人事部としても理解していました。

みなさんからは、

・会社で本棚(ライブラリ)をつくってほしい。
・みんなで読んだ本を共有して勉強する機会を増やしたい。
・みんながどんな本を読んで勉強しているか知りたい。

などの声をいただいていました。

オフィスに本棚をつくることは簡単ですが、それは手段。カイロスマーケティングがもっともっと成長するために、カイロスマーケティングのみなさんがもっともっと成長できる機会をつくることがわたしたちの仕事です。たとえライブラリの話だとしても、もっと本質的に考えないといけないと思っていました。

業務に関係ある本を読んで学ぶことをどのように位置づけるか。これがカイロスマーケティングの人事の課題となりました。


コロナ禍のリモートワーク。前倒しスタートした読書支援制度

新型コロナウイルスの感染や飛沫の予防のために、カイロスマーケティングでも全社員がリモートワークをすることに決めました。また、みなさんには、休みの日もできるだけ外出を控えていただくようお願いしました。

このタイミングで、みなさんを応援できることはないだろうかと考え、みなさんの「学習したい要望のスイッチ」を応援すべく、読書支援制度をトライアルで始めることにしました。

当初の読書支援制度は、「外出をできるだけ控える効果」「読書することで仕事のアウトプットを向上させる」という2つを同時に満たせるもので考えました。カイロスマーケティングの読書支援制度は、福利厚生よりも研修・教育の色合いを少しだけ強くしたかったのです。だから、読書をしなかった人にとっても学習になるよう、社内に公開されるアウトプットを書いていただくことにしました。

<外出を控える効果>
○ 対象となる書籍は、オンライン購入であること(実店舗での購入は禁止)
○ 読書の場所は自宅であること
○ 社員同士での回し読みは禁止(コロナ感染防止)

<仕事のアウトプットを向上させる>
○ できるだけ仕事に関係する書籍であること(学習支援制度の位置づけ)
○ 500字以上の感想文もしくはまとめを書いて、購入から1ヶ月以内に社内Wikiに公開すること(社員全員が読めます)
○ 上記条件を満たしたら、書籍相当額を全額会社が負担する

でも、
<自由主義でいこう>
○ 上司から読む本を指定してはいけない。本人が読みたい本を選ぶこと(ただし推奨は歓迎)。
○ 読書時間は自由。業務時間中に読書しても構わないが、読書のために他の業務が遅れるということがないようにすること。
○ 電子書籍でも紙の本でも構いません。

という制約も入れさせていただきました。

スロースタートで始まった読書支援制度〜わたしたちの人事制度PMFへ
みんなの要望からスタートした読書支援制度。読書支援制度が始まったその日に、こんなSlackがありました。


みなさんが普段から読んでいる本、やっぱり気になりますよね。読書支援制度によって、社内のコミュニケーションもちょっぴり活性化した一瞬でした。

その後は、やっぱり読書後のアウトプットが社員全員に公開されることがネックになるかな、ファーストペンギンになるのは度胸いるかな、というわたしたち人事部の心配もよそに、20代のみなさんを中心に徐々にトライする人が増えてきました。

カイロスマーケティングのみなさんを支える制度は、わたしたち人事にとっての「プロダクト」みたいなもの。さっそく、制度がPMF(Product Marketing Fit / スタートアップの製品が市場のニーズや要望を満たした状態のこと)しているかを確認するために、みなさんにアンケートをさせていただきました。

アンケートには意外な回答がつきものです。わたしたち人事の仮説を裏切る意見もいただきました。

○ 読書後にアウトプットすることで、著者と対話できたような気がする。いつもよりしっかりと読んだ。
○ アウトプットを書くためにもう一度本を見直すことが、より学習につながる
○ 書籍代を会社に負担していただけると思うと、読書する量が増える

読書支援制度を利用しない人からは、
○ やっぱりみんなが読める感想文&まとめを書かないといけないと思うと、制度の利用を躊躇する(でも、実は業務に関係ある本は読んでいる)
○ 読書支援制度を利用しなくても、みんなが書いた感想文&まとめを読むだけでも勉強になる

読書支援制度を利用しないだろう人たちがいること、そして、その人たちにも生産性向上につながる効果をもたらすこと。ここまでは、順調に進んできたように思われました。


読書支援制度の効果を振り返る

およそ半年が経過した読書支援制度。利用状況を見てみると、

・ 読書支援制度の利用率はおよそ3割程度
・ 利用者の1人あたりの利用冊数(6ヶ月)は、平均3冊
・ 20代・30代の利用が中心となった

人事部では当初、20代が利用の中心となるかな?と想定していたのですが、思ったよりも幅広い年齢層で読書支援制度の利用が進みました。


500字でも多いかな?と思っていたのですが、みなさんなかなかのボリュームの感想文・まとめを書いてくれます。確かに、アウトプットを読んだ人にも参考になることがよくわかります。

読書支援制度がなくても本を読んで勉強していたという人からも、制度を利用してみて、

○ 文章でアウトプットすることで、読書というインプットの質が高まりました
○ 他の人の役に立つようにも書かなくてはいけない、という想いがアウトプットをしっかりしようという自分へのコミットメントになりました
○ 読書の支援を会社がしてくれると思うと、もっと本を読んで勉強しようと思った

などのコメントをいただきました。

あるチームでは、みんなで業務に関わる同じ本を、Zoom輪読会をしたそうです。読書支援制度によって、カイロスマーケティングのみなさんの学習機会になるだけでなく、コミュニケーションの機会にもつながればいいなと思っています。


カイロスマーケティングのみんなが読んだ本を一部紹介します。

マーケティングの本が多いかな、と予想していたのですが、意外とみなさん幅広い分野の本を読んでくれました。カイロスマーケティングのみなさんが読書支援制度を使って読んだ本を一部抜粋して紹介します。

● 考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法
● 良い戦略・悪い戦略
● USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか
● ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム
● ブランディング・ファースト――広告費をかける前に「ブランド」をつくる
● 「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ
● イシューからはじめよ
● セールス・イネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方
● コンサル一年目が学ぶこと
● たった一人の分析から事業は成長する 実践顧客起点マーケティング
● レガシーコードからの脱却 ―ソフトウェアの寿命を延ばし価値を高める9つのプラクティス
● オブジェクト指向でなぜつくるのか
● UNIXという考え方―その設計思想と哲学
● PHP本格入門 [上] プログラミングとオブジェクト指向の基礎からデータベース連携まで
● リファクタリング 既存のコードを安全に改善する (第2版)
● 会社を変える分析の力
● 組織は「言葉」から変わる。ストーリーでわかるエンゲージメント入門


カイロスマーケティングの人事として、読書支援制度について思ったこと(まとめ)

読書支援制度は、わたしたち人事が、カイロスマーケティングのみなさんに成長していただくための、いわゆる人事教育制度としての意味合いが半分くらいで考えていました。(残りの半分については、いつかお話できればと思っています。)

研修を受けていただくことも人事教育制度の一貫ですが、わたしたちは、みなさんに学習や成長の自由をお届けしたかったこともあります。

読書支援制度では500字のアウトプットをお願いしました。わたしたちカイロスマーケティングの人事としては、みなさんが読書した行為とアウトプットを書いていただいた行為に対して、本の代金相当の支援をしている気持ちでいます。


※ 本記事はnoteより転載しています。https://note.com/kairosmarketing/n/n834769c86014

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