筆者はもともとライターを目指してJ・Gripに入社したわけではない。
映画が好きでPR部門に応募したのだが、タッチの差で内定者が出てしまった。選考が進む中で私の人間性をみた面接担当者の判断により、メディア部門のライターを紹介され入社に至った。
第一志望ではなかったが、今となってはラッキーだったと思っている。
この記事で、筆者がライターとして、J・Gripでいかにのびのびと仕事が出来ているかをわかってもらえたら嬉しい。
J・Gripのメディア部門とは?
まず、メディアという言葉から解説していきたい。
メディアには「仲介するもの」という意味がある。“ユーザー”に“情報”を届けるには、両者を仲介する媒体が必要であり、それがテレビや新聞などである。
筆者が在籍するメディア部門でいう“メディア”とは、主にWebメディア(Web上で情報を発信している媒体)を指す。
さて、J・Gripのメディア部門としては、主にクライアントや自社における、記事やLP(※1)内の文章、SNSの投稿内容など、広く“文章作成”を担当している。記事やLPなど検索アルゴリズムに最適化(SEO)した文章作成だけでなく、記事“案”やSNSの投稿“案”など、その事業をユーザーに認知させるためのコンテンツ作り(コンテンツマーケティング)から参加することも多い。
※1)LP…Landing Pageの略。広義では、ユーザーがそのサイトで最初にアクセスしたページのこと。ここの狭義では、商品の紹介から購入に誘導する広告用LPを指す。
次項より、SEOとコンテンツマーケティングを解説しながら、この2軸でJ・Gripメディア部門の業務を解説していく。
J・Gripメディア部門の業務内容
メディア部門の業務を大きく分けるとコンテンツマーケティング(以下、コンテマ)とSEOの2つと、+α(後述)にて成り立つ。まずは先の2つから解説していく。
コンテマとは簡単に言うと、メディアとしてどんな形で情報提供すればターゲットユーザーに届くのか、という“メディアの中身を構成する”ことである。
SEOとは、Search Engine Optimization の略であり、直訳すると、“検索エンジン最適化“。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで特定の言葉が検索された際、検索結果の上位に記事を表示させる文章を作成することを指す。
コンテマはマーケティングの一部であり、SEOは1手法である。
マーケティングにおけるコンテマとSEOの位置関係を、人材紹介サービスの事業を例に、下にわかりやすく図示してみよう。非常に簡略化しているので、あくまで概要としてとらえてほしい。
J・Gripメディア部門が、メディア運営に関わることを全般的に担当していることが分かるだろう。
次に、実際にこれまで担当した事案をさくっと紹介しながら、“+α”について解説する。
“+α”=自分にしかできない仕事
メディア部門に限らず、J・Gripではどの部門でも“+α”が重要となる。
まずは、筆者がこれまで担当したことのある案件の一部を紹介する。
・新規自社メディアのコンテマ
・新規自社メディアの立ち上げ(企画、コンテマ、記事作成、画像作成 など全般)
・自社メディア運営(記事案、取材、記事作成、画像作成 など全般)
・ホテル事業の日英SNS運用(投稿案、投稿スケジュール、投稿文作成、投稿作業)
・イベント事業の日英SNS運用(投稿案、投稿スケジュール、投稿文作成、投稿作業)
・テーマパークのSNSにおけるコンテマ
これら案件の中に“+α”がちりばめられている。筆者にとっての“+α”は、今のところ“画像作成”と“英語”である。
たとえば、筆者は絵を描いたりPhotoshopを扱ったりするため、突発的に色々なイラストや画像作成、また、映像制作の絵コンテといった、通常では外注するような仕事の依頼がよく舞い込む。コンテンツのクオリティをあげたり、自社の支出を(若干だが)抑えたりすることに貢献できる。
また、筆者は英語を扱うため、日英両方のアカウントでのSNS運用を受注できるし、資料の英訳、クライアントにおける海外のお客様の対応など、社内外で活躍できることもある。
「それってメディア部門としての業務領域超えてない?」。そんなのは愚問である。むしろ「超えずにどうする」と言い返したい。
“+α”つまり“自分だけにしかできない仕事”を増やしていかなければ生き残るすべはない。
(などと偉そうに言っているが、筆者の“α“などほぼ皆無に等しく、絶賛精進中である。)
会社員ライターの仕事とは?
次に、ライターとしての文章作成の業務にフォーカスしていこう。
ライターというと、一匹狼的なフリーライターのイメージがあるが、筆者はJ・Gripという会社に属する会社員ライターであるので、あえて「会社員ライター」と書いてみた。
全ジャンルに対応できるように引き出しを増やす
記事のジャンルは、クライアントにより様々である。
筆者が入社9ヶ月間で執筆したジャンルは、恋愛系、ビジネス系、エンタメ系、美容系などが主である。
自社のメディアの一部は比較的自由なコラムサイトなので、自分の好きなことを結構書ける。ここが会社員ライターのうれしいところの1つだ(ただし、自社のメディアを持っている会社に限る)。
(筆者の趣味全快で書いた記事。いずれも検索結果上位)
会社員ライターは自分があまり詳しくない分野の記事も、一定のクオリティで書けて初めて、“得意分野”が生まれる。恋愛系の記事しか書けないライターは、“恋愛系に特化したライター“ではなく、”引き出しが1個しかないライター“でしかない。
読み手を意識して自由自在に文体を変える
会社員ライターは、すなわちカメレオンである。
クライアントのターゲットユーザーを意識して、彼らに好まれる文体を判断し、かつ自由自在に操ることが出来なければならない。ここが会社員ライターと、自分の色を武器に勝負するフリーライターとの、大きな違いの一つではないだろうか。
会社員ライターはクライアントや自社の利益になる記事を書けなければ、自分の利益にもならない。だからどんなジャンルにも、どんな読者にも対応できるよう、日々いろんなものを見聞して自分の引き出しを増やしていかなければならないのだ。
筆者自身、自分の引き出しの少なさ・浅さを痛感する毎日だ。実務で経験を積みながら、人生経験を自分の引き出しとしてインプットしている最中である。
編集者としての指示・管理能力も必要
J・Gripで受注している記事は、社内のライターで作成する以外に、J・Gripのパートナーライターが作成する場合もある。その場合はパートナーライターに記事作成の指示を出し、納品された記事を校閲・編集し、クライアントに最終納品する。クライアントへの最終納品を遅らせないために、パートナーライターへのリマインドやサポート作業も必要だ。
会社員ライターはこのように、”編集者”としての指示・管理能力も要されるのである。
ライターと編集者を兼ねるため、文章力だけでなく、自分の裁量で物事を進める”運用者”としてのスキルを上達させられる職種と言えるだろう。指示されたことをこなす作業者と、指示を出す運用者、市場価値が高いのは果たしてどちらか、火を見るよりも明らかである。
J・Gripメディア部門の魅力
J・Gripメディア部門の魅力とは、日陰で生きてきた人間が「生きててよかった!」と実感できることだ。
前項で、「J・Gripメディア部門では“+α”が必要である」と述べた。”+α”とはすなわち、自分にしかできない仕事である。
ここでは、「J・Gripメディア部門なら人生経験のすべてを “+α”に昇華できる」と付け加えたい。
これまで行った場所、観た映画、読んだ本、プレイしたゲーム、聞いた音楽、関わった人、道に落ちていた片方だけの手袋。すべての経験が、自分にしか出せないアイデア、自分だけにしか書けない文章を構成している。
これまでの人生で、筆者の“+α”は自分を異質とするものの代表だった。世の中は、ただ好きなことしているだけで揶揄されたり、ちょっと変わった発言をすると仲間外れにされたりする場所が、非常に多い。だから異質なものを受け入れる人間を見つけにくい。
J・Gripのメディア部門とは、そうやって受け入れられずに日陰で生きてきた人間が、これまでの人生が無駄じゃなかったと、自信を持てる場所だ。
(社内で評判の良かった記事の一部抜粋)
だが、これだけでは私情をはさみすぎているので、次は冷静に述べるとする。
J・Gripのメディア部門の魅力はたくさんあるが、パッと思いつく正直なものは、
・新しいメディアの構築に1から携われる。
・取材で美味しいものをたべたり、面白いイベントに参加したり、高価なエステ体験をしたりできる。
・自分の記事が、狙い通りの検索キーワードで検索結果1位になった時、すごく嬉しい。
・自分の記事がクライアントに喜ばれた時、それにより追加で依頼をいただけた時、ものすごく嬉しい。
という点である。
(取材先の方に喜ばれその後も継続して取材依頼が来ているきっかけとなった記事)
次項では「J・Gripのメディア部門で得られたこと」も列挙しよう。
J・Gripのメディア部門で得られたこと
J・Gripのメディア部門で得られたことは以下の通りである。筆者の本音に違いないことを認識願いたい。
・ネットの記事が自分の目に留まる仕組みを知ることが出来る。
・他部署とも密接に関わりがあることで、SEOやコンテマといったライターとしてのスキルだけでなく、様々な業界の知識を得られる。
・上記により、マーケティングの仕組みを体得していける。
J・GripはWebの総合プロデュース企業であり、制作、広告、プランニング、全てを内製化している。だから、J・Gripは部署間の繋がりが密接なのだ。したがって他部署の実務にも関われる機会が多く、それだけ自分の知識の幅も広がっていく。
そこで最後に、J・Gripに入って得られたことも述べてみよう。
・良い上司に出会えたこと
「絶対ごますりだろ」、そんな声が聞こえてくる。上司にこびてなどいない。むしろJ・Gripの上司にこんなわかりやすい媚でなびくような、表面的な人間はいない。
読者の中には、「結局は”人”だよね」というセリフを聞いたことがある人も多いのではないだろうか。いくら自分のやりたい仕事でも、自分が楽しいと感じることでも、それを共にする人との間に不満が多いと、どうしても続かないのが大体の人間である。
例えばメディア部門が在籍するWebリレーション部の部長は、ブログやSNSが流行りだした当時からWeb業界に身を置き、広告はもちろんマーケティング全般における圧倒的な知識量で、社内外から厚い信頼を得ている。理路整然という言葉を体現したかのような上司で、冷静さがちょっとした畏怖を感じさせることもあるが、実は部下のことを本当によく見てくれている。ふとした時に「そういえば〇〇さん(他の上司)がほめてたよ、お疲れ。」などと言ってくれる。
また、私の指導をするメディア部門リーダーの上司は、どんなジャンルでも高いクオリティの記事を書けるライターだ。しかも管理栄養士の資格をもち、専門性の高い記事も書ける。完成度の高さとスピーディーさでクライアントとの信頼関係は強固なもので、また、社内の人間は特に頼りにしている。筆者の記事の校閲や、スケジュール管理など、すぐそばで常に筆者を気にかけてくれている。この人に記事を校閲してもらうと驚くほど読みやすくなる。
こんな上司・先輩の手を煩わせないよう、早く一人前にならなければと思う。
(エプロンくらい結べるようになりたい)
――
はじめこそライターを目指して入社したわけではないが、今はこれ以上向いている仕事なんてないんじゃないかと思っている。
仕事をしていれば、壁にぶつかるし、逃げ出したくなる時もある。自分の無力さに対する羞恥心で消えたくなる時もある。そんな時に踏みとどまらせてくれるのは、「好きだから続けたい」という仕事への気持ちと、「ついて行きたい」と思う上司であると筆者は思うのだ。
筆者にとって、J・Gripは仕事も人もそろっている場所である。