総合商社の情報システム部門にいながら、独学でアプリケーション開発を行い、ITの面白さにのめりこんでいったという土川さん。JDSCではプロジェクトリーダーを務めています。とある夢の実現のために、逆算して今のキャリアを選択されたそうです。
総合商社に入社し、数百拠点が関わるプロジェクトのPMを経験
ーーまず、簡単に自己紹介をお願いします。
土川です。ビジネス部門で入社し、プロジェクトリーダーを務めています。(※現在は、役割や業務はそのままにディベロップメント部門へ異動)
新卒で三菱商事に入社し、情報システム部門で経験を積んだ後、JDSCにジョインしました。
ーー三菱商事に入社された理由と、当時の業務内容を教えてください。
入社理由は、就活当時はやりたい仕事が特に定まっていなかったため事業ポートフォリオの大きな会社に行きたかったのと、優秀な人が集まるため自分のスキルを伸ばしていけると感じたからです。
1年目で情報システム部門に配属となり、連結決算に関わる会計システムの保守運用や、リプレイスのPMを担当していました。リプレイスに関しては企画からリリースまで3年以上がかかる巨大プロジェクトでして、私は開発途中からテスト直前くらいまでのフェーズで、運用後の業務設計や障害発生時の報告フローの策定等に携わりました。
グループ全社で国内外数百にわたる拠点があり、開発ベンダーの方も数多くいたので、コミュニケーションのずれが無いよう、情報を吸い上げて会計部門と連携する必要がありました。この経験は、JDSCでも非常に生きていると感じます。
社会のニーズを捉えながら、ITをより学べる環境を求め、JDSCのビジネス部門へジョイン
ーー次のキャリアを考え始めた理由は何だったのでしょうか。
何かしら実現したいと思ったときに、ITを使えばレバレッジをかけてサービスを生み出すことができると感じ、ITをより自分の強みにしていきたいと感じたからです。
ITの可能性を感じた背景としては、先ほど説明した総合商社でのPM業務に加え、独学でアプリケーション開発に取り組むようになり、いくつかアプリケーションをリリースする経験をしたことが大きかったですね。本で順番に学んでいくというよりは、作りたいものを決めて、それに必要な技術を調べることで学んでいきました。
ーー会社選びの軸はどのように考えていましたか?
社会のニーズを捉えていく機会があることを重視していました。理由は、個人で開発したものをいくつか世に出してみたものの上手くいかず、ビジネスとして成立させるために、やりたいことととニーズが合致していることの重要性を肌で感じたからです。携帯電話料金を長期的にシミュレーションできるサイトや、GISシステムで使える緯度経度を含めたデータの提供サービスをリリースしたのですが、広告を回しても、全然利用されなかったり、そもそもリンクが踏まれなかったんですね。なので、様々な業界の方と話ができて、彼らが何に対価を支払うのかを学ぶ経験が自分には必要だと思いました。
他には、商社では発注側に立っていたので、BtoB向けに開発プロジェクトがどう進むか知ることができる会社が良いと考えていましたね。
ーーJDSCに入社された決め手は何でしたか?
三菱商事時代の先輩で、当社のデータサイエンティストである杉崎さんから話を聞いたときに、先ほどの自分の軸とドンピシャだ!と感じて選考を受けました。
当社のビジネス部門は、提案して契約を取ったら終わりではなく、エンジニアやデータサイエンティストと一体となってシステム開発を進めていきます。なので、軸である「社会のニーズを捉える」、「BtoB向けのプロジェクトを経験する」の両方を満たすことができると考えました。さらに、プロダクトの原型を持っていること、つまりJDSCにやりたいことがあり、ニーズを確かめながら世に出していく、プロダクト開発の視点を持ちながら仕事ができることもポイントでした。
他にもこの軸を満たしている企業に絞って選考を受けていましたが、データサイエンスを学べることも決め手になりましたね。データ活用は可視化とインサイトを提供することの2つのフェーズに分かれていると思っていて、個人で開発していた携帯電話料金のシミュレーションサイトや、緯度経度のマッピングデータは、散らばっているデータを分析できる状態に成形する、可視化のフェーズまでのものでした。なので、データサイエンスによってデータを利用する人の意思決定をアシストする=インサイトを提供するところまで理解できれば、社会のニーズを実現するアイディアの幅が広がると思ったんです。
PMの経験を活かしながら、提案フェーズやデータサイエンスにチャレンジ
ーーJDSCに入社されてからはどのような業務に携わっていますか?
メーカーや小売会社の需要予測の精度を上げたり、発注プロセスを効率化したりするためのdemand insightというプロダクトを、ホームセンターのお客様向けに拡張開発するプロジェクトを担当しています。
発注プロセスにおいて比較的よくあげられる問題点としては、「在庫の滞留」「発注業務の効率化」という点があります。輸入品などを取り扱う場合、コンテナの手配などでも大きな業務負荷がかかることもありますし、商品ごとの最低注文数をはじめとした様々な制約条件を総合的に勘案する必要があり、担当者が手動で対応している場合もあります。
ですので、我々は機械学習のモデルを利用して販売計画の精度を上げること、数理最適化の手法によって、各種制約条件を満たした上で最適な発注を実現することを目指しています。
プロジェクトにおける私のミッションは、前任のプロジェクトリーダーから引き継いでプロジェクトを進めていくことと、プロジェクトにアサインされたときはPoCが終わりかけの頃でしたので、実際の開発の契約をいただくことでした。
ーーJDSCでの業務を通じて得られた経験や、面白いと感じている点を教えてください。
まず、提案して契約をいただくフェーズを経験できたのは良かったです。マッキンゼー等トップティアのファーム出身の方々からアドバイスを貰いながら、経営層に対しての説明やそのための資料作成までを経験し、ニーズをとらえるために必要な顧客とのコミュニケーション力が一つ上のレベルに上がったことを実感しています。結果的に、実際の開発までをお任せいただくことになりました。
チャレンジングで面白いなと感じているのは、プロダクト開発の視点も持ちながら、プロジェクトをデリバリーするところですね。開発済みのSaaSプロダクトであれば、自社で要件定義をしたものをお客様に使っていただくと思います。しかし本プロジェクトでは顧客向けの拡張開発が必要ですので、プロジェクトリーダーには、プロダクトのコンセプトは崩さないながらも、お客様の課題解決に必要な部分を取り入れ、さらにそれをプロダクト開発に反映していくという合わせ技が求められます。前職ではウォーターフォール式の開発しか経験していませんでしたが、JDSCではアジャイル開発の経験が豊富なメンバーと協力して、スピーディーにお客様と合意を取りながら開発を進めています。
また、PMは経験していましたが、データサイエンスを用いたシステムに関わるのは初めてなので、勉強することが多いですね。データ基盤を作り、機械学習や数理最適化のモジュールを組み込むので、従来のシステムの構成よりレイヤーが一層深いものになります。こちらはデータサイエンティストの方々がモデリングするのですが、コードまで見に行って理解することができる環境なのが嬉しいです。PoCから開発に進む際は、お客様のデータをお借りしてBigQuery上でクエリを叩き、分析結果をシステムのスコープを決めるために利用したこともありました。より「データから会社の姿をつかむ」感覚を得られたように思います。
他には、業務外にはなるのですが、エンジニアの方々と一緒にプロダクトをつくる部活動に入っています。エンジニアやデータサイエンティスト以外の役割で入社しても、技術をキャッチアップし、知識を高めていくことができる環境はありがたいですね。
日本の少子化を解決するために、政治の世界にデジタルで切り込みたい
ーー今後の目標を教えてください!
JDSCでは、三位一体人材になることを目指しています。
三位一体人材というのは、ビジネス×ディベロップメント×データサイエンスという、JDSCを形作る3つのスキルを兼ね備えた人材のことです。
これまでのJDSCでの経験で、ビジネス力やディベロップメント力は急速にブラッシュアップされてきているので、今後はよりデータサイエンスに力点をおいて仕事をしていきたいと考えています。
最終的には、日本の少子化をデジタルの力で解消するという夢があるんです。具体的には「若者の世論を集計・可視化する」「政治家の通信簿をつける」仕組みを作れたらと考えています。
日本は将来性がないから国外に出る、日本株よりアメリカ株に投資すべきだ、といった声が聞かれるように、日本全体に「将来が今より良くなる感覚がない」ことがすごく気になっています。未来を想像したときに、ワクワクする感覚が欲しいじゃないですか。せっかく日本に生まれたので、もう1度日本全体が上がっていく熱気のようなものが欲しいと強く思っています。そのためには、消費の減少や社会保障費の増加のボトルネックになっている少子化はまっ先に取り組むべき問題だと思っていますし、傍観するのではなく、当事者としてなんとかしたいという気持ちを持っているんですよね。
ただ、なかなか政治分野と収益化というのは相性が悪いので、ある程度自由に時間を使えるような仕事の仕方ができるようになったら、これらのプロジェクトを立ち上げたいと考えています。
ーー最後に、採用メッセージをお願いします!
大きなプロジェクトを動かしてきた経験は、JDSCに入った後も立派な武器になります。PMを本職として経験されてきた方々に、少しでも興味を持っていただけていたら嬉しいです!
より本質的な業務に集中でき、エンジニアやデータサイエンティストがすぐ近くの席にいてなんでも聞きに行ける環境は、とても成長に繋がると感じています。
是非お話を聞きに来てください!