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お客様に長く投資を続けてほしい。お客様のことをもっと知りたいその思いから始まったトライオート・コンシェルジュ

テクノロジーを駆使して資産運用を支援するインヴァスト証券で、ユーザーと直に接する唯一の部署であるカスタマーサービス(CS)。来た質問に対応することから一歩踏み込み、より深くユーザーを理解するために始めた新サービスが「トライオート・コンシェルジュ」だ。1対1で1時間、じっくり相談に乗ることでユーザーの不安を解消する。同時に、対話を通じて得た様々な気づきがプロダクトの改善につながっている。

従来の問い合わせ対応では答えが出ない課題を解決へ。トライオート・コンシェルジュ

トライオート・コンシェルジュ(以下、コンシェルジュ)とは、『トライオートFX、ETF』を利用中のユーザーに向けた個別相談サービスだ。予約制で最大1時間、電話またはzoomで1対1で、カスタマーサービス(CS)内のコンシェルジュ選任スタッフが顧客対応を行う。予約時に相談したい内容を書いてもらうことに加え、それまでの取引状況などを見て、そのユーザーの志向や傾向を一通り把握した上で対面する。「サポートセンターは、来た質問に答えるもので、取引ルールや一般的な操作をお伝えすることがほとんどです。対してコンシェルジュは一歩踏み込んだ形で、お取引のやり方や今後どうしていくか、といった相談を受けるものです」。こう説明するのは、コンシェルジュを担当しているCSチームの高橋綾香だ。

2021年8月にサービスを開始したコンシェルジュは、一つの問題意識から始まった。『トライオート』には、自分でオリジナルのルールを作成する「ビルダー」と、用意されたルールの中から好みのものを選択する「セレクト」の2つの取引方法がある。ユーザーの大半は、やはり敷居の低い「セレクト」を選ぶ。「ところが、選んだ後は放ってしまい、そのうち状況がわからなって止めてしまうお客様が、一定数いらっしゃったのです。決して少なくない数です。その事態を改善し、長く取引を続けてもらうにはどうしたらいいか。それを知りたいと思って、じっくりお話を聞けるコンシェルジュのサービスを始めました。お問い合わせの電話を待っているだけでは、その部分が見えて来なかったのです」と高橋。

つまり、『トライオート』は簡単に始められる一方で、たくさんある機能を使いこなせず、一定数のユーザーが止めてしまっていたのだ。その理由を想像し、仮説を立て、実際に問いかけて検証する場としてコンシェルジュのサービスを考えたという経緯だ。もちろん、第一には目の前の困っているユーザーを支援するという目的がある。が、それと同等かそれ以上に、離脱の理由を明らかにすることで、コンシェルジュを利用する人だけでなく、その後ろにいるたくさんの声なき困っているユーザーの役に立ちたいという思いがあった。こうして、現状を把握してプロダクトの改善につなげる手段として、コンシェルジュが始まった。


ユーザーとの対話から得た様々な気づきをプロダクトの改善に活かす

コンシェルジュでのやりとりは、電話またはzoomで行う。画面共有ができることから、最近はzoomを推奨中だ。利用者は、『トライオート』で取引を始めて日が浅い人から、だいぶ経験を積んでいる人まで様々だが、相談内容や困りごとには一定の傾向がある。「一つは、収益率に注目してルールを選択してしまい、細かい設定まで見ていらっしゃらない方が多いこと。相場に対してどう反応するように設定されているか。確かに煩雑でわかりにくいです。投資キャリアに関わらず、中身があまり見られていない傾向にありました。もう一点は、やはり『今後どうしたらいいかわからない』という相談です。特に今は円安傾向なので、思ったように利益を上げられていない方も少なくありません。何を間違ったか。これからどうしたらいいか。口座はどう管理したらいいか。質問は、大体この辺りに集約されます」(高橋)

立場上、助言はできない。コンシェルジュでは、現設定で継続した場合、損切りした場合、新しく設定し直した場合と、概ねこの3つのパターンを示し、この中からユーザーの志向に合致したものを、さらに掘り下げて伝えるような対応をとっている。「コンシェルジュを始めたときは、どんな形になるかわからなかったのですが、やっているうちに、徐々にパターンがわかってきて、この3つを示して相談に乗るスタイルに落ち着いてきました。お客様の『こうしたい』という希望は、ときにはご本人も見えなくなっていることがあるので、お話しながらできるだけご希望を引き出すように努めています」

コンシェルジュを担当するのはCS歴15年超の高橋と、もう一人の、やはり経験豊富なメンバーだ。熟練の技で引き出したユーザーの要望や困っているポイントは社内で共有し、プロダクトの改善につなげる。「例えば設定値を確認していない方が多い問題は、画面からワンクリックで設定やシミュレーション画面に行けるようにUIを改善しました。加えて、『収益率を全面に出すPRもよくないのでは』という話にもなり、広告の言い回しも変えるなどの対策もしました」と高橋。

数を重ねるうちに、思いのほか初歩的なところでつまづくユーザーが多いことも見えてきた。そこで『トライオート』の使い方を案内する動画などのコンテンツも、改めて作成。多くのユーザーに見てもらい、つまづくポイントをできるだけ取り除くようにした。社内には、『トライオート』に関わるすべての部署からメンバーが参加し、部署横断でつくったプロダクトチームがある。その場でこのような問題提起をして、スピーディーにPDCAを回しなら、どんどん改善を進めているところだ。


投資の選択肢を広げることに貢献。やりがいがあり、キャリアも広がるCSの仕事

コンシェルジュがスタートして1年余り。相場による影響が大きいため、「利用者の収益率が目に見えて改善した」といった目に見える結果は得にくいが、数々の改善を実施した。コンシェルジュを利用したユーザーからは感謝の言葉をもらい、リピートする人もいるなど様々な効果が生まれている。高橋は言う。「まず、利用されたお客様が『ありがとう』と言ってくださいます。『セレクト』機能しか使っていなかった方が『ビルダー』も使ってみるようになるなど、お客様の投資の選択肢を広げるきっかけには、確実になれていると思います。そもそも投資の話は、リアルの世界ではなかなか人に相談できません。不安を抱えながら投資している方が多いと思います。コンシェルジュは、直接話すことが安心感につながりますし、お客様の考えを整理し、背中を推す存在にはなれているのではと、そこは強く感じています」

そして、目の前の一ユーザーだけでなく、その後ろにいるたくさんの声なきユーザーの潜在的な困りごとの解消にもつながっている。現時点はマンパワーの問題もあり、コンシェルジュはスモールスタートの段階にある。将来的にはもう少しキャパシティを広げ、より多くの声を聞き、困りごとを発見し、サービスの改善にさらに役立てたい考えだ。

インヴァスト証券のCSは、通常の電話とメールによる顧客対応をメインの仕事としているが、このようにユーザーと直に接する唯一のサービスとして、プロダクトの改善にも重要な役割を果たしている。リリース前のテストでも徹底したユーザー目線でチェックし、開発サイドにフィードバックする。「高橋さんは『お客様が見たらこう思うだろう』と想像して、リリース前の改善につなげています。経験豊富なだけあって気づきがすごいのです」とはほかのメンバーの高橋評だ。

高橋が15年間余りにわたってCSで活躍している一方で、CSで商品知識やサービスの仕組み、社内ルールなどを学んだ後、他部署に異動して活躍するメンバーも多い。CSで身につけた知識は、どこに異動するにしても土台となるからだ。CSは、本人の志向次第で様々なキャリアが描ける部署でもある。

新しくCSに来たメンバーには、教育係が手厚く指導するほか、チーム全員が、一人立ちするまで何かとサポートする。もちろん一人立ち後も互いに助け合う。これは他部署も含めてインヴァスト証券の社風だ。高橋は言う。「社内のみんなが本当に温かいのです。インヴァスト証券は、わからないことを『わからない』と言っていい会社。わからないことを駄目と言われることはないし、むしろ『こうしたらいい』と言ってくれます」

よりきめ細かな顧客対応をするために、今後、CSは組織を拡充していく。新しいメンバーを迎え、さらによいプロダクトとするために一層の貢献をする決意だ。

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