※この記事は2019年に公開されたものです
今回の社員インタビューは、前回の能瀬さんと同じく、インフォバーンのソリューション部門でコンテンツストラテジストとして活躍する宮本早織さんです。前回とはまた違った角度で、インフォバーンでコンテンツストラテジストとして働くことの魅力を感じていただければと思います。
いろいろなことに挑戦できそう、と思い入社
ーーーインフォバーンに入るまでは何をしてましたか?
旅行雑誌の出版社で編集の仕事をしていました。
高校生くらいの頃から、漠然とではありますが編集者になりたいと考えていました。自分が面白いと思ったものを、世の中に発信したいという思いが強く、就職活動は出版社を中心に受けてました。
大学卒業後に入社したのは、新聞社系列の20人くらいの出版社で、教育熱心な人が多かったんですが、一方で企画や原稿へのダメ出しも多くて、毎日「自分は本当にダメだなぁ」と感じながら仕事をしていました。最初の2~3年目は褒められた記憶がないです。ただ、やりたかった仕事なので楽しくはやってましたね。全国各地を飛び回って取材し、企画から編集、ライティングまでを一手に任されるような環境でした。
その一方で、単行本も作ってみたかったので、会社とは別に敏腕編集者主催の「出版セミナー」を自費で受講したりもしました。ただ、私は「本の作り方」を学びたかったのですが、フタを開けてみたら、「自分の書いた本を出版する方法」みたいな内容でした(笑)。「あれ、思ってたのと違うな」と思いながらも、セミナーに参加しつつ、自分が書けそうなテーマで企画書を書いたら、あれよあれよという間に話が進んで、自分の本(※1)を出版したりもしました。
ーーーインフォバーンに入ったきっかけは?
雑誌や単行本といった紙の出版を一通り経験する中で、業界のビジネスモデルのあり方を知り「はたしてこれは自分がやりたいことだったのか?」と感じたり、出版業界そのものの先行きに不安を覚えるようになりました。たしか30歳を目前にしたころだったと思います。
そんな時にNewsPicksの編集長(当時。現CCO)の佐々木さんの著書(※2)の中に、「今、紙の編集をやっている人は、デジタルを経験した方が良い」みたいな記載があり、それを見て、素直に、「あっ、これからはデジタルだ」と思い、転職活動をスタートしました。
インフォバーンは、人材エージェントから紹介されました。小林さん(現㈱インフォバーン 代表取締役CVO)のことはもちろん、ワイアードやサイゾーを手掛けていたことも知ってましたが、オウンドメディア等の企画や制作を通して企業のデジタルマーケティング施策の支援事業をやっていることは知りませんでした。面接を受けて、事業内容に興味を持ったことはもちろんですが、この会社ならこれまでのこれまでの紙の経験を活かして、デジタル領域でいろいろなことに挑戦できそう、と思い入社を決めました。
後、最初の面接官だった中村さん(現㈱インフォバーン 執行役員)が、魅力的で面白かったというのもありますね、押しが強かったのも含めて(笑)。
自分の武器が増えていく快感があります
ーーーインフォバーンに入社してからはどうでした?
最初から壁にぶつかりましたね。クライアントワークに対する認識が甘かったんだと思います。前職で雑誌のタイアップ記事等の経験があり、そこそこできるだろうと思ってましたが、既に形のある媒体がある環境と、クライアントのニーズに合わせてゼロから企画を立てて実行していく環境では、仕事を進める難易度に大きな開きがありました。
それこそ、それまでマーケティングとかデータ分析とかについて全然知らなかったですし、日々自分に足りない知識やスキルがあることに気づかされました。
また、前職では一緒に仕事をするのもデザイナーさんとかライターさんくらいでしたが、そこにWebディレクターやエンジニアといったこれまで接したことのない職種の人々、さらにクライアントの担当者が加わり、登場人物が一気に増え、交通整理が大変でした。自分のコミュニケーション能力の無さを痛感しましたね。
ーーーそこで挫けたりはしなかったですか?
挫けましたよ(笑)。
ただ、それまでは「自分のやりたいことをやりたい」とか「面白いことをやりたい」という動機に基づいて働いてきましたが、インフォバーンに入社するタイミングで、働く動機を「まず、自分のできることを増やす」に変えたんです。
インフォバーンでの仕事には、「これは自分がやりたいことか?」を考える前に、仕事を通して、自分の武器が増えていく快感があります。日々新しい知識や手法を吸収しながら、多くの人々と物事を前に進めて行く経験というのは、今までは得られなかったという実感もあります。「やりたいこと」の前に「できないこと」がどんどん見えてきて、それをクリアし続けてきて、今に至っています。
点だったものが線として繋がり、さらに先に伸ばして行く感覚
ーーー「コンテンツストラテジスト」になったプロセスは?
最初のうちは、クライアントとの会議に出て、社内に戻って打合せをして、上の人から指示を受けて、目の前のコンテンツを作ることで精一杯でした。ただ、徐々に、クライアントのニーズを汲み取り、こちらから提案して、決定したスケジュールや予算に沿って、コンテンツを制作して納品するといった一連の流れができるようになりました。
そうなってくると、クライアントやプロジェクトのメンバーと自然に「これが終わったらどんなことをしようか?」とか「来期はどういう感じで進めようか?」といった未来の話ができるようになり、ある時、それまで点だったコンテンツ制作の仕事が線として繋がって、かつ自分がそれを先に伸ばしていっているなと感じられた一瞬がありました。
思い返すと、あの時から自分の仕事のステージが変わりましたね。これからの自分の仕事は、自分でコンテンツを作ることではなく、みんながコンテンツを作り続ける土台を作ること、なんだなと思いました。点が線になり、その線を描くための面を作り続ける感覚ですかね。それが「コンテンツストラテジスト」の仕事なんだということに、後になって気づきました。
ーーー「コンテンツストラテジスト」として仕事するうえで意識していることは?
最近、一緒に仕事をするメンバーに、「宮本さんの口癖は“そもそも”ですよね」と言われて、「確かに、私“そもそも”ってよく言うわ~」と思いました(笑)。
「本質」というと大袈裟ですが、「それって何のためにやってるんだっけ?」「それをやったことでどうなるんだっけ?」と、その事象だけを見て判断するのではなく、前後のストーリーとか、そもそものプロジェクトの課題とか、その先の未来を、常に考えるようにしてるし、それをクライアントやメンバーにはっきりと提示することが、私の仕事だと思ってます。
そういった考え方の「核」となっているのは、コンテンツの企画・制作の経験なのかもしれません。常にアウトプットありきで話をするクセがついています。モノ作りががどういうことか?運用し続けるということはどういうことか?をクライアントやメンバーにもイメージしてもらえるような打合せや提案ができるように心掛けています。
課題の設定は無制限、飽きてる場合じゃない
ーーー宮本さん自身が「コンテンツストラテジスト」として仕事を続けるために工夫していることはありますか?
業務のうち20%は、「違うこと」や「新しいこと」をしようと心掛けています。自分がメインとして関わる既存の運用プロジェクトにしっかり取組みつつも、積極的に社内の他プロジェクトにも関わるようにしています。たとえば、今はインフォバーン京都のメンバーと一緒に、メディアを使って企業が社会課題を解決するための支援をする、というプロジェクト(※3)に取り組んでいます。
そこから新たな刺激を受けたり、新たな経験を重ねたりすることは、それだけでもすごく楽しいですし、そこで得たものを自分のプロジェクトに活かせれば良いなと思います。複数のプロジェクトに関わるのは大変な面もありますが、互いに刺激を与えたり、自分の新たな一面に気付いたりできるので、メンバーにも奨励しています。
ーーー今後のキャリアをどのように考えられていますか?
自分の力不足を感じる毎日ですが、インフォバーンで仕事を続けて行くということに迷いはないです。
一般的には、「やりたいことができない」とか「業務に飽きた」とかが退職理由になりがちかと思うんですが、自分の場合、さっき言ったように「やりたいことをやりたい」というより「自分のできることを増やしたい」というのが働く動機になっています。そう考えることで、結果的に武器が増えて、やりたいことができるようになってきました。
また、意識的に新しいことに取組んでいるというのもありますが、そもそも長距離走者タイプなので、業務に飽きるということはあまりなくて、同じことをやっていても景色は変わり続けます。まだまだ、インフォバーンで達成していないこともいっぱいあると思ってます。新しい大型案件へのチャレンジや人の育成など、課題の設定は無制限で、飽きてる場合じゃないですね。
向いているのは「自分なりの視点を持ちつつ、ほど良くポジティブな人」
ーーーインフォバーンの「コンテンツストラテジスト」に向いている人は?
世の中を少し斜めに見つつ、でもほど良くポジティブな人、かな(笑)。
素直であることは素晴らしいのですが、些末なところでも「なんかおかしい」「こうした方が良い」と考えられる自分なりの視点があった方が向いていると思います。ただし、ほど良くポジティブに。これ大切です(笑)。
ーーーインフォバーングループの強みは?
ときどき、クライアントから「インフォバーンって何をやってる会社なんですか?」と聞かれますが、この「何をやっているかよく分からない」が強みかなと思ってます(笑)。マーケティングの専門会社でもなくクリエイティブやコンサルティングに特化してるわけでもない。とはいえもちろん素人ではなく、様々な分野に造詣が深い人が集まっている。ほど良いバランス感覚で、クライアントのニーズに応え続けていけるのが強みかと思います。そういう意味では、長距離走に強い会社とも言えますね、私と同じで(笑)。
(※1)「美肌温泉」宮本早織 アスペクト(2013/3/22)
(※2)「5年後、メディアは稼げるか₋Monetize or Die? 」佐々木紀彦 東洋経済新報社 (2013/7/19)
(※3)大手電力会社プロジェクト 詳細はコチラ→〈 https://www.infobahn.co.jp/ib_column/11625 〉