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「おしゃれなオフィスで自由に働きたい」という思いからフリーランスに。コワーキングスペースの店舗設計からプロジェクトマネジメントを担当


小原木 康之(おばらぎ やすゆき)
電気工事の設計/施工管理の会社を経て、オフィスの設計デザイン事務所へ転職。大手からベンチャーまで幅広い規模のオフィス移転プロジェクトでプロジェクトマネージャー(PM)を務める。「いいオフィス」への参画と同時にフリーランスとなり、新規店舗の設計やPMを担当しながら、場所にとらわれない自由な働き方を実践中。二児の父。

新規コワーキングスペース立ち上げのプロジェクトマネジメントを担当

ー小原木さんは「いいオフィス」でどのような業務しているのでしょうか。

コワーキングスペースの新規店舗開設に伴う全体をとりまとめるPM(プロジェクトマネジメント)や、店舗の機能やレイアウトを考える設計デザイン、工事全体のマネジメントをするCM(コンストラクションマネジメント)が、主な業務です。

いいオフィスの新規店舗開設は直営店舗とFC店舗の2種類あり、担当する業務範囲が異なります。直営店舗の場合は、コンセプト作りから内装デザイン、施工までゼロから施主側として主体的に携わっていきます。

一方、すでにコワーキング立ち上げが決まっていて、「いいオフィス」に加盟していただくFC店舗の新規開設の場合、オーナーさんの方で既にコンセプトを考えていたり、既存のデザイナーさんがいることが多く、その場合はアイディアや、コワーキングスペースとしての設計思想をアドバイスし、設計監修のみを担当していることが多いです。

自由な働き方を求めて会社員からフリーランスに転身

ー小原木さんはどういった経緯で「いいオフィス」にジョインされたのでしょうか。

前職の設計デザイン会社に勤めていた際、「いいオフィス」の方との商談に同席する機会があり、「いいオフィス」の働き方に魅力を感じたのが最初のきっかけです。

私がジョインしたのは昨年の11月頃でコロナ騒動の中で、在宅ワーク、時差出社が続き、自分の理想とする働き方についても考えることが多くなっていた時期でした。当時1年ほど前から「いいオフィス」のことは知っており、その時にはまだ数店舗だったにもかかわらず、1年後に100店舗以上に拡大しており、急激に店舗数が増えていることに勢いを感じたことと、メンバーはみんなフリーランスでフルリモートで働いているということを聞いて、当時感じていた理想とする働き方が「いいオフィス」であれば実現できると感じました。

当時働いていた会社は毎日朝9時に朝礼がありましたが、電車が混む時間に毎日出社をすることも含め、自分にはその必要性が感じられずにいました。自分の業務内容に合わせて、時間と場所を自由に選択する働き方ができれば、毎日混む時間に電車に乗らなくてもよく、ミーティングも時と場合に合わせてオンラインで行い、集中して作業したいときは自宅や自宅近くのコワーキングスペースで作業し、リアルコミュニケーションが必要な時だけオフィスに行くというような、より効率的な働き方が理想と思っておりました。

その時間と場所を自由に選択できる働き方をいいオフィスのメンバーが自らそれを実証実践し、そういった働き方が広げていくためにもコワーキングスペースの事業を行っているということを聞いて、迷うことなくジョインすることを決めました。

ー会社員からフリーランスに転身するにあたってご家族の反応はいかがでしたか。

とくに否定されることはありませんでした。理解されたというよりは、収入など生活面に影響が出なければやりたいことをやれば良いのではといった感じでした。

会社員のメリットを、安定や定年まで働いて退職金をもらうことだと考える人は多いと思います。しかし今の時代、会社員であっても将来どうなるかの保証がなくなってきています。

個人的には会社員でもフリーランスでも家庭があっても、毎月きちんと収入が得られているのであれば、大差ないのではと思っています。

ー実際にフリーランスになってから半年以上経ってみて何か変化はありましたか。

時間的な制限がなくなり、家族のために使う時間が作りやすくなりました。

例えば、いま子どもが小学生なのですが、保護者が朝の通学時間に交差点で旗を持ち子どもたちを誘導する旗あげ当番に参加しています。

以前の会社であれば出勤時間に間に合わず出来なかったことが、フリーランスになり朝の時間を有効に使えるようになり、出来るようになりました。

ー実際に「いいオフィス」にジョインしてみて感じたいいところや改善点があれば教えてください。

「いいオフィス」は契約上、業務委託でフリーランスの集まりです。にもかかわらず仲間だと感じられるコミュニケーションや、頼ったり教えてもらえる環境があるところが「いいオフィス」のいいところだと感じます。

最初は全員フリーランスと聞き、互いに干渉し合わない個々の集まりで孤独になることを少し不安に思ってました。実際はコミュニケーションがしっかり取れ、困ったことや至らない点があれば代表や先輩方が話を聞いてくれたり、時には厳しくご指摘頂く事もありますので、孤独になることは全くなかったです。

今後改善していく必要があると感じているところは、この1-2年で世間的にもフルリモートで働く人は増えましたが、まだ「いいオフィス」内であっても新しい働き方に対して経験の浅い人が多いです。

「いいオフィス」もまだ実証実践中の段階。ツールはオンラインなのにやり方がアナログな部分もあります。ツールや社内ルールなどはまだまだ改善の余地があると思います。

コストを抑えつつ、利用者の満足度が高いコワーキングスペースを作ることへの苦労

ー「いいオフィス」で仕事をする中で、印象に残っていることは何かありますか。

前職で行っていた企業のオフィスを作ることと、「いいオフィス」で担当しているコワーキングスペースを作ることはまったく違うものであることが印象的でした。

企業のオフィスは直接お金を生むことがありません。そのためいかに従業員が使いやすくなるかが重要視されます。

一方でコワーキングスペースは、スペースに対して利用者様がお金を払い使う場所になります。コワーキングスペースはいかに利用者様の満足度を高め、コストを抑えて、利益を生み出せるスペースにするかを意識して設計する必要があります。

従業員か、利用者かどちらも仕事がしやすい空間を提供することは同じですが、利益を生み出さなくてはいけないというミッションがコワーキングスペースにはあり、そこが大きな違いです。

改修費や什器調達などのイニシャルコストはなるべく抑えながら、安っぽくならない工夫と品質とコストのバランスをとり、いい空間を作るかが重要となり、そこのコストパフォーマンスに対する要求は前職で経験してきたオフィスの作り方では全く通用しない部分が多く、今も常に苦戦してます。

いかにコストを抑えながら働きやすく、居心地のいい空間を作り上げていくか。作り方や、素材、デザインなど、自分自身もっと学んでいかなければいけないなと感じています。

ー「いいオフィス」の一員として働く中で、楽しかったことや辛かったことはありますか。

楽しかったことは、全国各地への出張が増えたことです。全国に拠点があるため、コロナ前には新店舗視察等で月に1回程度の頻度で出張がありました。

これまでは都内中心であまり出張がない仕事をしていました。今はいろいろな場所に行けて楽しいです。

忙しくて大変な事は仕事なのでいろいろありましたが、辛いと思ったことはあまりないです。強いて言えば、費用を抑えるためにネットで購入したイスを、手作業で数十脚ほど組み立てたことです(笑)。

ー「いいオフィス」はさまざまなバックグラウンドの方がいる中で、小原木さんは前職から設計デザインや施工管理をされてきたとのことですが、業種の違いからくる苦労は何かありましたか。

共通言語の違いにつまずきました。「いいオフィス」のメンバーにはWeb関係の人が複数人いて、ミーティングでも聞きなれない横文字や略語がたくさん飛び交っており、最初の頃はネット検索しまくってました。逆に私自身は建設業界に長くいるため、一般用語と専門用語の区別がつかず、気をつけていても専門用語が出てしまいコミュニケーションロスが生まれることがあります。

それから施工会社の方と話す時は建設や内装の専門用語が飛び交うため、通訳のような形で「いいオフィス」メンバーに説明することもあります。

もう一つは、前職と同じ内装設計の仕事と言えど前までは受注側の立場で、今は発注側の立場になるという事です。要望がきちんと伝わっているか、それが反映されているかを確認する大変さもありますが、発注者側の立場になって一番苦労していることが、「決める」という事です。

これまでは受注側として「決めてもらう側」でしたが、「いいオフィス」では発注側として「決める側」になり、社内での決裁の取り方や説明の仕方など、決めるという事の大変さを痛感しました。この辺はまだ改善していかなければいけないところで、自身だけでは判断しきれないことも多いので、なるべく効率的にプロジェクトを進められるように社内でも毎週定例を設定し、小まめに確認をとり進めるようにしています。

2021年7月に新オープンした南越谷の店舗で設計のマネジメントを担当

ー今年の7月にオープンした南越谷のプロジェクトはどういった役割分担で、小原木さん自身はどのような担当をされていたのでしょうか?

自分が「いいオフィス」に参画した2020年の11月時点で、すでに南越谷のプロジェクト化はほぼ決まっており、家賃などをビル側と協議しているところからプロジェクトへ参加しました。

役割としてはPM(プロジェクトマネージャー)です。設計デザインは外部のデザイナーさんにご協力頂き、要望と確認を密に行いました。

具体的にはビル側との協議や、デザイナー、各施工会社との打合せや定例会、プロジェクト全体の工程管理や予算管理、細かい要望を施工会社さんに伝えたり、図面のチェックバック、ファニチャーの選定などを行っていました。

ー南越谷の店舗を作る際、どのようなコンセプトでつくりましたか。

地方都市ならではの広い面積を最大限活用し、導線や各エリアに余裕を持ったスペース配分と、平面上のスペースだけではなく、最大4mの天井高を生かした、拡がりのある空間づくりを意識しました。

あとは、会員同士で生まれる自然なコミュニケーションの活性化、植栽やアートを配置して、集中しつつもリフレッシュのできるバランスの良いスペースづくりを目指しました。

南越谷の特徴は、元々フィットネスジムとして運用されていた物件に居抜きで入ったという点です。コストを抑えるため、極力そのまま使えるところは活用して、必要なところだけを新しく作る設計にしました。

フィットネスジムとコワーキングスペースはまったく別の空間ですが、その中でも共通で利用できるものを照らし合わせ、受付、一部の個室、トイレ、照明器具など残せるものはそのまま活用して表層材だけ更新していくことを前提に話を進めました。

ー今回のプロジェクトを進めるにあたって苦労したことは何かありますか。

コワーキングスペースに置く家具の選定に一番苦労しました。

大手家具メーカーの家具から選ぶと、お洒落で一定品質の家具を揃えられますが、大幅にコストオーバーしてしまうため、安くておしゃれな家具をいろいろ探して、実際に店頭に見に行ったり、インターネットで探したりました。

インターネットでの選定は写真で良さそうなものを見つけても実物は品質があまりよくないものがたくさんあります。とくにイスはコワーキングスペースで一番使われる家具ですし、座りごごちがよく壊れにくいしっかりした物かどうかをよく見なければなりません。すべてお店や倉庫まで足を運んでかなり時間をかけて選定しました。

「どこでもいい世界」を実現するための場所をつくる

ーいいオフィスの「どこでもいい世界」という理念は小原木さんの中でどのように捉えられていますか。またこの理念を実現するためにどんなミッションを掲げていきたいですか。

「いいオフィス」の理念である「どこでもいい世界」実現するための「場所」を作ることが、私にできることだと思います。

今後店舗数をさらに加速して増やしていくためには、たくさんのFC店舗のオーナーさんのご協力が必要です。そのオーナーさん達が、時間やコストをかけて「いいオフィス」を作りたいと思える見本となる店舗が南越谷のような店舗になります。見た目のデザイン性だけではなく、リードタイム、コスト感、コワーキングスペースとしての設計思想、家具の選定、など、すべてにおいてプロフェッショナルである必要があり、その「いいオフィス品質」を作っていく事が私のミッションです。

強い責任感を持ち自分にはないスキルを持った人と働くことで、より良いコワーキングスペースづくりを目指す

ー小原木さんが「いいオフィス」で一緒に働いてみたい人の特徴は何かありますか。

やはり「責任感の強い人」でしょうか。

自分の時間を犠牲にできる人というと語弊はありますが、責任感と自分の時間を天秤にかけた時に責任感の方が勝ち、やりきれる人が、仕事で結果を出せる人なのかなと思います。

あとは自分にないスキルをもつ人と働いてみたいです。具体的にいうと自分は元々デザイナーではないため、色柄のセンスにあまり自信ないので、インテリアデザインが得意な人に是非ジョインしてもらいたいです。

ーデザイナーの中でも、どんな方が「いいオフィス」に向いていると思いますか。

やはりコワーキングスペースは店舗自体で収益を生まなければいけないため、コストを抑えてかつ、デザイン性の高く、働きやすい環境を作ることに興味がある方、そして新しいものを作ることに楽しさを感じれる方が向いていると思います。

あとは、いいオフィスのコワーキングスペースはクラフト感がある店舗が多く、そういったいいオフィスらしさを今後も大切にしていきたいと思いますので、自ら手を動かしてDIYすることが好きな方も向いていると思います。

フリーランスの働き方に不安を抱いている人こそ、まずは一歩踏み出す勇気を

ー最後に、今後「いいオフィス」に入ってくるメンバーにメッセージをお願いします。

会社員として働いている人が抵抗を感じるのは、フリーランスの働き方に対する不安だと思います。そんな方に会社員からフリーランスに転身した私が伝えたいのは、「フリーランスも会社員も大して変わらない」ということです。

実際にフリーランスになってからもチームとして組織で働けていますし、わからないことがあればサポートしてくれる仲間もいます。

フリーランスに対する不安は仕事が安定しないところだと思いますが、いざとなれば会社員に戻れることを頭の片隅に入れておいてほしいです。

今の時代フリーランスになることがブランクになるとは限りません。迷いがある方はぜひ飛び込んでみてください!自由に働ける良さを実感できると思います(笑)


撮影場所

いいオフィス南越谷
〒343-0845 埼玉県越谷市南越谷1-15-1 南越谷ラクーン4F
JR武蔵野線「南越谷駅」/ 東武スカイツリーライン「新越谷駅」徒歩3分
[Googleマップで開く]
店舗ページ:https://e-office.space/minamikoshigaya/
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