順調に見えた創業
2013年創業当時。
「歴史に名を残したい」とか「有名になりたい」という願望はありましたが、成し遂げたい大きなビジョンがあるわけではありませんでした。
唯一の拘りは「良い会社だね!」と言ってもらえる会社にすること。
そんな思いもあって創業当時に設定した経営理念は「仲間に愛される会社をつくる」にしました。
今思えば「誰にも口出しされず、目標に追われることもなく、楽しく働きたい」という甘い考えでスタートしていたと思います。
創業1年目。当然のように苦労はありましたが、運良く新サービス「会場ベストサーチ」も軌道にのり、創業から2019年まで7年連続増収増益。会社の規模の割には大きな利益を上げ、社員旅行でハワイに行ったり、定期的に豪華な食事会を開催したりと、楽しく過ごしていました。
(ハワイでの社員旅行時の写真)
新型コロナウイルス蔓延という修羅場
そんな中、突然やってきたのが新型コロナウイルス。
毎月大きな利益を生み出していた「会場ベストサーチ」は大きな赤字を生み出すサービスに変貌。業績悪化に呼応するかのように会社の雰囲気が悪くなっていきました。
こんな状況であったとしても優秀な経営者であれば、明確な方針を示し、新しい組織ルールを構築し、沢山の大きな決断をして実行していたでしょう。
しかし当時の私は明確な経営方針を示せないまま、雇用調整助成金を申請するために社員に休んでもらい、あらゆる追加投資をストップするという弱気な決断しかできなかったのです。
コロナ禍で大きく事業転換させながらV字回復させる敏腕経営者に、圧倒的な経営能力の違いを見せつけられた気がしました。もっと経営者としての能力を上げたい、上げなければいけないと心から思った瞬間でした。
楽しい会社ではなく、強い会社をつくりたい
新型コロナウイルスによる影響がなくなる様子は見えませんが、社員数が半減したことで固定費が圧縮され、単月で黒字になるところまで業績が復活。少しずつ冷静に物事を判断できる状況になりました。
また同じことが起きたとしても、跳ね返せる強い会社をつくらなければいけない。
そのために社会から求められる事業をどんどん作り上げなければいけない。
古巣の「リクルート」「ソフトバンク」
憧れている「サイバーエージェント」
目標としている「アトラエ」「マネーフォワード」
着実に新サービスを増やしながら事業拡大している会社は漏れなく、多くの資金を調達し、新しいサービスに挑戦をしている。
そんなことを考えていた当時「グッドパッチ」の土屋社長がnoteで紹介していた「はてな」の近藤さんの言葉を見ました。
「IPOのメリットかーそりゃ色々あるけど、そういうのじゃないんだよなーIPOはさ、会社の成人式なんだよ。上場するって事はやっと大人の会社として認められるって事なんだよ。あと理由があるとすれば、自分の尊敬する経営者や同世代の起業家がみんなその道を通って行っているんだよね。みんな頭の良い人達がわざわざ面倒な道を選択しているんだよ。理由があるとすればそれが理由じゃないかな?」
これを読んだ私は妙に納得。
①資金がある限り会社は倒産しない。
②大きな挑戦には沢山の資金が必要になる。
だからこそ巨額な資金を調達する上場は、この2つの条件を満たす成人式だ。
回りを見渡しても自分自身が目指す会社は全て上場している。
当然私たちも通過点として上場を目指さなければいけない。
そんな使命感が芽生えた瞬間でした。
いつ上場を目指すのか?
上場させよう!と思ってから最短で上場するための事業計画の作成に取り掛かりました。
逃げ場をなくさなければやり切ることはできないと考えていた私は全社員に「上場を目指す」ことを共有。知り合いにも「上場を目指す」ことをnote・SNSを通して宣言しました。
2021年7月に宣言を記載したnote。創業から上場を決めたまでのストーリーを詳しく書いています。
ぜひご参照ください。https://note.com/notes/n44d877696021/edit
※noteを書いた当時は2025年の上場申請をターゲットにしましたが、社内の整備・売上・利益・上場時に調達したい金額感などを考えて上場申請時期を変更しています。
長引くコロナウイルスの影響で思うように進まないことも多いですが、売上のトップラインを伸ばすことはもちろん、社内の整備を徐々にスタートしています。
まだまだ社員数も小さく、売上規模も上場を目指すと言ったら笑われるかもしれませんが、私は絶対にできると思っていますし、そもそも上場は「通過点」でしかないと考えています。
本当の挑戦は成人式である上場を迎えてから。
まずは成人式を迎えるために、一緒にアイデアログを成長させてくれる方の応募をお待ちしております。