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ちょっと面白いAIの使い方(その2)

こんにちは!ゲーム事業の責任者をしている塚本です!
前回は、画像生成AIの「Midjouny」(テキストや画像を元に美しいイラストを生成するAIツール)と、3Dモデル生成AIの「Tripo」(3Dモデルを簡単に作れるAIツール)を使って、ゼロから3Dモデルを作ってみました!
今回はその続きとして、このモデルを実際に動かしてみたいと思います。
最後に今回使用したサービスやツールのURLも紹介していますので、是非最後までお付き合い頂ければと思います。

前回は萌えキャラの女の子をモデル化したのですが、Tripoで出力した結果は正直微妙な仕上がりでした(笑)。そこで今回は気を取り直して、擬人化された猫のモデルを新しく用意しました!この猫モデルを使って進めていきます。
※3Dモデルの作り方は、前回の記事を見て頂ければと思います。
https://www.wantedly.com/companies/ideal-architects/post_articles/926041

今回MidjounyとTripoで作成した猫のモデル。

モデルに「リグ」を通す

まずはTripoで、このモデルに「リグ」を通していきます!
リグとは、3Dモデルを動かすための骨格のようなものです。モデルにリグを設定することで、手足を動かしたり、歩かせたりすることが可能になります。

手順はとても簡単!

  1. Tripoの右側にあるメニューパネルから「リグ」をクリックします。
  2. 数秒待つと、リグの設定が自動で完了します。


リグの設定が終わると、メニューパネルに「Stand」「Walk」「Run」などのアニメーションが表示されます。これらをクリックするだけで、モデルが動く様子を確認できますよ!アニメーションがうまく動いたら次へ進みます。

モデルをダウンロードしよう

モデルをダウンロードするには以下の手順を行います:

  1. Customパネルで「Retopologize」にチェックを入れます。
  2. その下にある「game assets 3000」にもチェックを入れましょう。
  3. Formatパネルで「fbx」を選び、最後に「Download」を押します。

FBXは、3Dモデルやアニメーションデータを扱う際によく使われるファイル形式です。
Unityや他の3Dツールで簡単に読み込めるので、ゲームや3D制作の現場で重宝されています。

ただし、Tripoで出力しただけのFBXファイルでは、Unityでヒューマノイド用のアニメーションを適用できません。そのため、次のステップで修正を加えます。

AccuRigを使ってリグを調整

ここからは、Reallusionが提供する無料ツール「AccuRig」を使って、Unityで使用できる形にリグを調整します。手順は以下の通りです!

  1. AccuRigをインストールして起動します。
  2. アップロード画面が表示されたら、中央の点線で囲まれた部分にFBXファイルをドラッグ&ドロップします。
  3. モデルが読み込まれたら「Check Model」画面が表示されます。もしモデルが正面を向いていなければ、「Rotate Character」ボタンを押して正面を向かせてください。

次に右下の「Rig Body」をクリックすると、リグの自動設定が始まります。うまく設定されていない場合は、右上のサンプルを参考に、リグのポイントをドラッグして修正できます。

その後、「Rig Right Hand」ボタンを押して手のリグを設定します。手の形状を指定する画面では、今回は猫のまんまるな手なので「指の数を0」に設定します。「Next」を押せば手のリグ付けが完了です!


次にアニメーション確認画面に進むので、右の「PREVIEW MOTION」パネルからアニメーションを選んで確認しましょう。問題なければ「Export」をクリックしてモデルを保存します。

Export手順

  1. Exportポップアップで「Export FBX」を選択。
  2. 「Target Application」をUnityに設定。
  3. 「Max Texture Size」をOriginalにし、「Embed Texture」にチェックを入れて「Export」を押します。

以上でモデルファイル(FBX)の書き出し終了です。

Unityでモデルを読み込む

次はいよいよUnityでモデルを使います!

  1. Unityエディタを開き、プロジェクトを準備します。
  2. ProjectフォルダのAssetsフォルダに、FBXファイルをドラッグ&ドロップ!

テクスチャーの復活方法
読み込んだFBXモデルを確認すると、テクスチャーが消えている場合があります。

この場合は以下を試してください:

  1. FBXモデルを選択してインスペクタを開き、「Materials」タブをクリック。
  2. 「Location」のプルダウンメニューから「Use External Materials(Legacy)」を選択します。
  3. Applyボタンを押して変更を適用します。

モデルの設定
最後に、モデルがヒューマノイド(人型)であることを設定します。

  1. FBXモデルのインスペクタで「Rig」を選択。
  2. 「Animation Type」をHumanoidに変更。
  3. Applyボタンを押して変更を適用します。

アニメーションをモデルに適用する

次にアニメーションファイルを用意します。
ここではReallusionの「ActorCore」で無料のモーションを探しましょう。

  1. ActorCoreを開き、「Motion」メニューを選択。
  2. 左メニューで「Free」を選択すると、無料モーションが表示されます。
  3. 好きなものを選び、「ADD TO CART」をクリック。

カート画面で「CHECK OUT」を押し、次に「DOWNLOAD IN MY INVENTORY」を選びます。

アニメーションのサムネイルが一覧で表示されるので、目的のアニメーションの右下にある
ダウンロードボタンをクリックします。

ダウンロード画面が表示されるので「Next」をクリックします。

「Target Application」をUnityに設定し、FPSを60にしてダウンロード。

ダウンロードした.zipファイルを解凍し、FBXファイルを取り出してUnityにインポートします。
インポート後、インスペクタで「Animation Type」をHumanoidに変更します。

アニメーションをモデルに紐づける

最後に、モデルにアニメーションを設定します!

アニメーションコントローラーを作成

    • Projectウィンドウ上で右クリックして「Create → Animator Controller」を選択。
    • コントローラーを作成したらダブルクリックしてAnimator画面を開きます。

アニメーションを設定

    • モーションのFBXファイルをドラッグ&ドロップしてAnimator画面に配置します。
    • Entryと直線で繋がっていれば設定完了です。
  1. モデルに紐づけ
    • シーンにモデルを配置し、インスペクタの「Animatorコンポーネント」で先ほど作ったコントローラーを設定します。

これで全ての準備は完了です!
Unityエディタの再生ボタンを押して、モデルがアニメーションすれば成功です!


実行の結果!

Wantedlyでは直接動画を貼ることができないのでInstagramに登録して埋め込んでいます。
動画をクリックすると再生されます。

3Dモデルが自分の手で動き出す瞬間は、本当に感動的です!
今回のステップを活用して、ぜひオリジナルのキャラクターを動かしてみてください。
これから先、このモデルをゲームに組み込んだり、さらに高度なアニメーションを適用したり、どんどん可能性が広がっていきます。


今回使用したサービスやツール

最後に今回使用したサービスやツールのURLをご紹介します。

【画像生成AI】Midjouny
 https://www.midjourney.com/home

【3Dモデル生成AI】Tripo
https://www.tripo3d.ai/

【リギングツール】Accurig
 https://actorcore.reallusion.com/auto-rig/accurig

【モーション配布サイト】
 https://actorcore.reallusion.com/3d-motion

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