百戦錬磨で規格外なフリーランスのコンサルタントが集結し、大企業からスタートアップまで実にさまざまなコンサルティング・プロジェクトを手がけているアイキューブ。
数多くの優秀で、多様な人財がアイキューブのコミュニティに参加し、オモシロイ化学反応が起きる。お互いが刺激し合いながら、それぞれが自分の事業を立ち上げて成功を収めていく「型にはまらない輪」。アイキューブは今、そんな人財コミュニケティの輪を通じて、人財輩出企業とも言えるような実績を着実に積み重ねています。
全部で3本立てのインタビュー。Vol.1では、代表・麹池(きくち)の大学時代からアクセンチュアを辞めて独立する時期までの経緯を語っています。スタートアップからエンタープライズまで、彼に関わるあらゆる人たちが魅了されてしまう秘密は何なのか?ぜひご覧ください!
株式会社アイキューブ
代表取締役 麹池貴彦
<プロフィール>
アクセンチュア株式会社Communication & High Tech部門にて主にSCM領域のコンサルティング業務に従事。2004年に独立し、社員数10名程度でシステム受託開発サービスの提供を開始。2008年に株式会社アイキューブとして株式会社化するとともに、システム受託開発からコンサルティングサービスにシフトし、自身は事業開発支援、事業戦略立案から業務設計までを担当。システム領域は協業メンバーと適宜チームを組成することで幅広いコンサルティングニーズに対応している。現在は、スタートアップスタジオ機能をアイキューブとして担い、様々な新規事業展開を実施、株式会社BIZVAL立上げも自社内にてパイロットしたのち会社化、同社取締役を兼任している。
学生時代からスーツを着てフルタイムでコンサルティング
ー新卒でアクセンチュアに入社されたんですよね。選んだ理由は何でしたか?
入社自体の理由としては、いわゆる「大手コンサルティングファームで経験を積みたかった」というものなんですけど、そもそも就職活動開始早々に就活に疲れてまして……。
「このボールペンを僕に売ってください」とか、新卒採用の面接って色々とむちゃぶりのような質問とか多いじゃないですか。そういうのに疲れてしまって(笑)。もういいかな、と。
大学3年の終り頃になると、周りはみんな就活しだすじゃないですか。なので、自分も「とりあえずやらなきゃ」的に始めたんですけど、大学4年生になった4月の時点では就活自体止めちゃったんですよね。
ーえ?まだ内定が出る時期ではないですよね(笑)?
最初は割と真面目にやったんですよ。人並みに資料請求したりエントリーシートを書いたり。そんな真面目にやってた初期のころ、母校である早稲田大学が主催する「zaiya.com」という起業イベントに参加した際、とあるネットコンサル会社の社長と出会いまして。規模こそ小さいですが、NRIやマッキンゼー、外資IT起業などの出身者が集まってできた企業で、大学4年生になった2000年4月からは、そこでコンサルタントとしてアルバイトを始めたんです。
アルバイトと言っても、ちゃんとコンサルティングの仕事を任されていて、毎日スーツを着てフルタイムで働いていました。大手航空会社のWebサイト分析や、大手保険会社のWebサイト新規構築の案件、社長が雑誌に連載している記事のゴーストライターもやっていました。
そうやって経験を積むうちに、このコンサルファームから「うちに就職したら?」というオファーをもらっていたんですね。このオファーをもらった当時、アクセンチュアにも一応エントリーはしている状態でした。ただ、アクセンチュアの筆記試験合格の結果が届いたとき、就活に必要な書類一式を紛失してしまっていて(笑)。「もういいや・・・」と諦めてたんですよ。
そうしたら、後日アクセンチュアの採用担当者から、「説明会会場に書類を忘れてますよ」と連絡があったんです。その電話で「どうします?受けます?」と言ってもらったんで、受けたら内定をもらえたという(笑)。
バイト先のこともあったので最初は悩んだんですけど、「一度、大手を経験してみようかな」と。これが、アクセンチュアへの入社の経緯です。
退職・独立のきっかけは家族への思い
ー入社経緯からしてユニークですね。入社後はどんなプロジェクトに携わりましたか?
3年間在籍していて、通信・家電業界のサプライチェーンマネジメント(SCM)のコンサルをメインで担当しました。最初の1年は、Oracle EBSの導入プロジェクトに従事し、当時まだ日本では導入実績のないテンプレートをローカライズするという案件に携わりました。設計はカナダ・アメリカ、開発はインドといったように、グローバルなチームでしたね。私はそのとき英語はほとんどできなかったんですが、アルバイト時代から既にコンサルファームで資料作成等をがっつりやっていたこともあって、「なんか新人で資料書けるやつがいる」っていうのがバレてまして(笑)。入社してすぐPMOメンバーとしてアサインされることになりました。
おかげで、TOEICは1年間で550→760まで点数がUPしました(ただ、上達したのは読み書きだけで、しゃべりは相変わらずダメだったので会議がいつも辛かったです……。)
このプロジェクトで、SCMの基本的な論点やプロジェクトマネジメントで押さえるべきポイントを一通り習得したんじゃないかと思います。
ー2年目以降はどんな仕事を?
2年目に入るタイミングというのが、ちょうどプロジェクトが佳境に差し掛かったタイミングで、実際にシステムを利用する熊本工場にジョブサイトが移転するという話が出てきました。そのとき妻は第一子妊娠中だったため、「長男の出産間際に東京を離れることは勘弁してほしい」と、そう素直に伝えてプロジェクトを降りることを決断しました。
ーご家族を第一に考えての決断だったんですね。
それ以降は、大手家電メーカーさんを中心に短期の案件を転々としました。子どもの事情で突然休むこともあり、そういう社員に長期案件を与えにくかったんだろうと思います。会社としての意向は理解しつつも、仕事としては物足りなさを感じていました。
「やっぱり辞退しなければよかったのではないか」と、思ってしまうこともあったり……。もやもやする時期が結構続いていました。
そんな「やり切れない」感じが仕事で続いていたこともあって、学生時代にコンサルのバイトをしていた企業での副業を始めたのもこの頃です(今でこそ、副業は珍しくないとは思いますが、当時はあまり無いことでした)。
結果、この副業が会社にバレまして、「そんな中途半端でどうするんだ。どっちかに専念しろ!」と言われ、「そうですね。専念したいので退職します!」って、なってしまいまして(笑)。
実は、このころアクセンチュアで担当していた案件自体、「火消し」的なトラブル収拾が多かったため徹夜で作業することも多く、ハードワークも変わらず続いていたんですよ。多忙で家に帰れないことも多く、家族との時間もまともに取れる状態ではありませんでした。
そんな日々が続いていたある朝、出勤のために家を出るとき、2歳になる息子の僕を送り出す目が、明らかに父を見る目じゃない気がしたんです。「おじちゃん、また来てね!」みたいな。
「家にいる時間が短すぎて、父親だと思われてないんじゃないか・・・。」
そう、感じてしまいました。
仕事のことで悩んでいたのもありましたが、アクセンチュア退職の後押しになったのはこういった家族のこともあったと思います。仕事のやりがいはもちろん、家族との関わり方も見直したい、と。それで退職を決意しました。
ヒアリングしたその場で 超高速の戦略立案
ー退職後はすぐ独立されたんですよね。
2004年、退職と同時に有限会社を作って、資料作成でも何でも業務委託で請け負ってとにかく事業を回していました。
当時は、正直なところ何の計画もなくて。妻に聞いたら貯金も20万円しかなかったんですよね。「会社作るから全部ちょうだい」と言って、それを資本金にして会社も設立しました。その資金も登記費用で全部消えてしまいました(笑)。
起業してそうこうしているとき、たまたま知り合いにシステム開発を依頼されたのがきっかけで、同級生のエンジニアと自分の弟も誘って開発の受託事業を始めることになりました。現在は上場している美容業界の企業さんの業務システムを手がけるなど、売上も会社として落ち着きを見せるレベルまで持っていくことができるようになりました。
ー最初に立ち上がった事業はシステム開発だったんですか。
はい。ただ、私は自分が直接開発を手がけることはできませんし、それをやり続けるモチベーションもありませんでした。2007〜2008年の期間は、そのモヤモヤを抱えながらもとにかく仕事をこなしていましたね。知り合いの経営者から打診されてキッチン用品販売店の副社長をやってみたり、そうしている間にも社員が数人独立していったり……。
対人関係でもかなり神経をすり減らしてしまい、一緒に働く「人」の重要性を痛感したのもこの頃です。その後も、何度か思い知らされることはありましたが(笑)。
ーアイキューブは、システム開発会社を経て創業することになったんですか?
そうですね。開発の受託事業は解散して、2008年に有限会社を株式会社に鞍替えする形で株式会社アイキューブを立ち上げました。この頃から、ざっくりではあるんですけど、自分の中で大きく10年区切りでキャリアプランが立っていて、それは今も変わらないです。
25〜35歳:コンサルティングを中心に様々な事業に関わって経験を積む
36〜45歳:自分で事業を立ち上げる事業家として成功を収める
46〜55歳:次世代の育成に取り組む
35歳になる2013年頃までは、自分のコア領域であるコンサルティングの切り口から事業に携わると決めていました。1人でコンサルティングを請け負いながら、他のコンサルタントの人たちと企業案件をつなぐエージェント事業のようなこともアイキューブを設立してからはやるようになりました。
ー麹池さんと一緒に働いた方に話を聞くと、会議や商談での切り口の斬新さに皆さん驚かれています。
そこは確かに私の強みだと思います。話している相手が関わっている事業や担当業務を、会議中に話しながら全部トレースして、「それならこっちの方向に進むべきでは」という戦略立案をその場でアドリブで行います。そのプロセスをすごい高速でやっているイメージですね。あとは、極度の完璧主義者、とも言われます。最近は多少我慢していますけどね……そうはいっても完璧を求めすぎると物事がなかなか前進しないので。きっと、僕はプレイヤーでいることが好きなんですよね。マネージメントは向かないんじゃないかな、なんて思ったりします(笑)。
Vol.1のインタビューはここまで。次回以降は、今のアイキューブが大事にする「人」を軸にした新規事業開発のポリシーに迫ります。
>> 【Vol.2】体当たりの失敗が成功の連続に変わる|「人」を見つめるコンサルティングファーム
>> 【Vol.3】“紙書きコンサル”との圧倒的な差|アイキューブというハイエンドなコミュニティ
会社や団体を複数運営しながら、新規事業立ち上げやコンサルティングもこなすような優秀な多数の人財が、人生を通してゆるやかに繋がり続けるアイキューブには、不思議な魅力が満載です。ご興味をお持ちいただいた方からのエントリーをお待ちしています!