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フリーランスから会社代表へ「アイキューブと出会い人生が変わった」BIZVAL代表・中田さん

百戦錬磨で規格外なフリーランスのコンサルタントが集結し、大企業からスタートアップまで実にさまざまなコンサルティング・プロジェクトを手がけているアイキューブ。

今回は、かつてアイキューブで複数のプロジェクトに携わり、その中から生まれた企業の1つである株式会社BIZVALで代表を務める中田 隆三さんにインタビューを実施しました。創業者との麹池とは、今でも公私ともに深い仲だそうです。そんな中田さんが思うアイキューブの魅力をたくさん語っていただきました。ぜひご覧ください!

株式会社BIZVAL 代表取締役
中田 隆三

2005年中央青山監査法人(現PwCあらた有限責任監査法人)に入所。
監査補助業務や内部統制アドバイザリー業務に従事したのち、オリックス株式会社投資銀行本部入社。
オリックスM&Aソリューションズ株式会社出向、M&Aのアドバイザリー業務を中堅・中小企業の売却側、
大手上場企業・中堅企業の買収側のいずれかの立場から支援、従事。
その後、アクセンチュア株式会社経営コンサルティング本部戦略グループを経て、独立。
               
フリーランスとしてコンサルティング、財務アドバイザリー、 M&Aアドバイザリーを実施後、
2014-2016リノベーションマンション事業を営む事業会社の取締役経営企画室長、常務取締役管理本部長を務め、
IPO支援、M&A活用による買収戦略立案・実行と、成長戦略の一環でのM&Aにも従事。

これまで、上場大手含め、買収側アドバイザリー25件、売却側アドバイザリー52件、
計77件(2020年4月現在)のクロージングを導いてきた。

M&A領域でキャリアを積み、独立後に人生のどん底を味わう

ーBIZVAL代表就任までの経緯を、過去のキャリアも合わせて教えていただけますか?

2005年に新卒で大手の監査法人に入社しましたが、会計の仕事が肌に合わず、1年強でオリックスに転職しました。事業投資グループに配属され、在籍中にはかなりの数のM&Aの案件を手がけました。私のビジネスのDNAのほとんどは、ここで形成されたと思っています。次に転職したアクセンチュアでは、戦略チームで金融・会計×M&Aにまつわる案件に携わりました。国内のメーカー企業が南アフリカの企業買収を行う案件を0から全て担当するなど、ここでもディープな経験をさせてもらいました。

そのあとは同級生と会社を立ち上げたり、別の友人の会社を手伝ったりと、ベンチャーの経営に近い立場で仕事をしました。色々あって一時期仕事を離れる期間を経て、フリーランスでコンサルティングの案件を受けているときに、アイキューブの麹池さんと出会ったんです。

2017年ころ、アイキューブが手がけるM&A関連の新規事業プロジェクトの話が持ち上がり、会社を作ることになりました。それが今のBIZVALであり、創業時から私が代表を務めています。

ー以前にも起業を経験されているんですね。

2012年に中学高校の同級生と起業しました。2年後にはその同級生に会社を譲渡して、また別の友人の会社のIPO(上場)準備を手伝うことになりました。経験がある方はイメージできると思いますが、IPOは地道で緻密な積み上げが重要となる業務です。約2年かけてあらゆる準備を行い、ついに上場申請の最終局面というところで問題が見つかり、申請を取り下げる結果となってしまいました。会社で管理部門を管掌していた私は、その責任を取る形で辞任しました。

ーそれは辛いご経験でしたね……!

IPO準備の業務は、実現できなかった場合には本当に苦行です。それまでも人並み以上にハードなビジネス経験を積んできた私でしたが、流石にこのときは心が折れました。それでもやはり、自分自身の部門ですし、責任というよりはやはり、私が問題を解消できないこと自体に問題があった、と今では思っています。とは言え、当時は人間不信にも近い状態で……完全に失意のどん底にいました。2〜3ヵ月間くらいは、毎日釣りをするとか無為に過ごしていました。

大手コンサルティングファーム時代とは比にならない クオリティの高さ

ー麹池さんとの出会いはどんな形だったんですか?

フリーランスとして仕事を再開してしばらくしたとき、麹池さんが人材を募集しているコンサルティング案件の話を聞いたのが最初です。場所は調布のドトールでしたね。面接という形で、案件について色々話して解散したんですが、自分としてはその時間では話し足りなくて。その日のうちに「あのプロジェクトの論点整理はこうしたらどうか」「もっとこう進化させるべきじゃないか」といった内容をまとめて、メールを送ったんです。あとで麹池に聞いたところ、そういう人は珍しいみたいで(笑)、私のことが印象に残ったみたいです。

ー初めて麹池さんと一緒にプロジェクトに携わったのは?

その後しばらくして、通信業界にまつわるプロジェクトでアイキューブの案件に参加しました。業界で後発の企業が、最大手に打ち勝つ競争戦略を立てるというプロジェクトで、私が8割・麹池さんも1割ほど関わってくれて無事にクロージングできまして。それが評価されたのか、「アイキューブのチームで継続的に一緒に仕事をしないか」と言ってもらいジョインしました。麹池さんが別で関わっているAIチャットボットベンチャーの立ち上げにも、かなり深く関わらせてもらいました。一方で、その間も麹池さんにずっとベッタリというわけでもなく、他にも複数の案件を並行して手がけていました。

ーアイキューブの案件に携わることで、ご自身に何か変化はありましたか?

麹池さんと一緒に働いたことで、コンサルタントとしての視座が一段上がりましたね。ポジションは何であれ、もし麹池さんと1年間ずっと一緒に付き添って仕事をやっていたら、3年分くらいの濃密な経験と成長が得られると思います。

資料1つのクオリティもそうだし、アウトプットのスピードもそうです。コンサルティングファームにいた時代とは比べ物にならないほど、提供するコンサルティングの質とスピードが高くなりました。大手を辞めて独立するコンサルタントの中には、1人で案件を受けていくうちに、質やスピードが少しずつ”なあなあ”になってしまうケースも見受けられます。しかし麹池さんの場合はそれがありません。代表になってからも自分が直接プロジェクトに入りますし、周りに対しても質やスピードを一切妥協しない人です。

ー他にも大手にいたときとの違いはありますか。

あとは、案件をパーツごとではなく全部持てることですね。大手にいると20代のうちはいわゆる丁稚のような感じで、プロジェクトの部分的な市場調査や資料作成しか任せてもらえないことが多いです。アイキューブでは、パートナーやディレクターが受け持つような上流の論点設定などから、自分で回すことができます。「1つの案件を3ヶ月単位で6人で回す」というような形ではなく、最初から「全部自分が1人で」持つことになるんです。

アイキューブの新規事業から会社を起業し、代表に就任

ーそして2017年にBIZVALを立ち上げることになったんですね。

そうですね。いくつか案件を手がけたあと間が空いて、半年くらいした2017年の夏に麹池さんから連絡をもらいました。M&Aのプラットフォームのようなものを、アイキューブのプロダクトとして作りたいという依頼で、それが今のBIZVALの始まりです。M&Aの売り手と買い手を、プラットフォームでマッチングするというのは分かるんですが。私が過去に様々なM&Aに関わってきて、最後は必ず価格がポイントになっていたので、プラットフォーム上で価格の試算までできる形がいいと考えました。開発はスピーディーに進み、1ヶ月半くらいでプロダクトは完成しました。12月にフルバージョンをローンチして、そのときに麹池さんから「これで会社を作らないか」という話をもらったんです。

ーかなり急な展開で進んでいきましたね。

麹池さんは「スタートアップスタジオ」というコンセプトを当時から明言していました。新しい事業を作って、スタートアップを生み出していきたいということです。ただ、私は経営側で誰かの参謀として仕事をしたことはあっても、自分が代表になって会社を率いたことはありませんでした。実は当時、サラリーマンに戻る選択肢も検討していたので、起業を打診されたときは驚きました。麹池さんはいつも唐突なんですよね(笑)。年末年始で時間をもらって考えた結果、話を受けることにしました。

「この人となら、もう1度本気でやり直したい」

ー中田さんにとって麹池さんはどんな存在ですか?

麹池さんがいなければ、今の自分はいないと思っています。それくらい尊敬していますし、お互いに信頼しあっている関係性です。

私はかつてIPOに失敗したときに人生のどん底を味わいましたが、麹池さんもまた色々な修羅場や苦い失敗経験を経てここまできている人です。自分で直接手足を動かして、事業を作り、失敗も成功もたくさん経験しているからこそ、愛情の深さが人に伝わるんだと思います。フリーランスで仕事を再開してまもなく初めて出会ったとき、「この人となら、もう1回本気でビジネスをやり直したい」と思わせてくれた。麹池さんには、そんな特別な知性・誠実さ・人間性の素晴らしさが備わっています。

ー単なる仕事のパートナーという関係を超えて、深いつながりがあるんですね。

私に限らず、周りの人たちに人生の契機・転機を与えるような人だと思います。営業力もずば抜けています。あの人なら、オムツでも戦車でも、なんでも売ってしまうんじゃないかと思うくらい。とてもロジカルなプレゼンテーションと独特な人間性の魅力で、ゴリゴリと力で持っていくわけでもなく、案件をどんどん受注していきます。あと麹池さんは、料理がすごく上手ですよ。

ー手料理をふるまってくれるんですか!

アイキューブの案件にジョインすると、麹池さんのご自宅で美味しいお料理が食べられると思います(笑)。まじめな話、アイキューブでは麹池さんや他のディレクターやマネージャーが”偉そうに”していないのは特徴的です。メンバーとの距離がとても近くて、舞い込んでくる案件もインダストリーが偏らず多様です。コンサルティングファームから独立した小規模な会社は、スタートアップだからといって必ずしも全部がオープンでフラットなカルチャーとは限りません。小さい組織の中でも、結局若手は丁稚のように一部分の仕事しか任されなかったり、特定のマネージャーが得意領域の案件しかやらなかったり……仕事の進め方や案件の実態が、大手とあまり変わらないことも実は少なくないんです。その点アイキューブはある意味変わっていて、プロジェクトに対しては非常にシビアだしストイックな一方で、人間同士の繋がりはとてもアットホームな雰囲気ですよ。

M&A後の事業成功の戦略まで 一気通貫でデザインできるBIZVAL

ーご自身が代表を務める、BIZVALの事業展開についても教えてください。

先程もお話しした通り、会社「M&Aの価値資産ができるプラットフォーム」というプロダクトから始まっており、今ではM&Aアドバイザリーや投資案件など様々な事業を展開しています。M&A業界は直近のコロナ禍にあっても活況ですね。弊社は12月が期末で、つい先日7/1に下期のキックオフを実施しました。すでに年間予算の約7割は達成しており、残りをさらにどう作るか?という状況です。

弊社のアドバイザリー事業の特徴は、売り手か買い手、どちらの立場に立つかを必ず明確にしていることです。よくある仲介として、売り手と買い手の両方からお金をもらうモデルの事業がありますが、それでは利益相反してしまいます。例えば、とある企業が主力の事業以外に第2・第3の柱となる新規事業を築く手段として、M&Aを考えている場合。弊社はそこで買い手側に対し、M&Aを手段として「どんな事業戦略を描くか」という段階から入り込むことができます。買った後の事業成功に到るまでの戦略を、一気通貫でデザインすることができるんです。

ー売り手や買い手の企業を、より本質的に支援しているんですね。

会社として、クライアントのために働くことを重視しています。売り手が会社を売った後も、前向きに事業に関わりを持てるような関係構築をデザインしています。自分たちの利益のためだけにM&Aを利用するのではなく、関わる人たちの間にシナジーが生まれて、みんながハッピーになるような価値提供をしたいと考えています。

これからBIZVALという会社を大きくしていくには、ピープルマネジメントが何より重要になります。M&Aの業界経験や会計の知識よりも、ビジネスのマインドや価値観のフィットが重要だと気づき、この下期はとにかく「教育・教育・教育」に力を入れることにしています。メンバーが増えて、関わる企業の数も増えてきました。最近では反社チェックとかディフェンシブなことにもお金を使うようになってきて、「この会社も大きくなったなぁ」と実感しています。

アイキューブで活躍しやすいのは「静かなる野心家」

ーアイキューブにマッチするのはどんな人だと思いますか?

麹池さんの下で働くのであれば、彼自身が非常に多忙なので、自走できるタフなマインドの人が合うイメージです。いちいち全部質問しないと仕事が進まないようでは、恐らく難しいですね。表面的には割と落ち着いていて柔らかい、でも内面ではすごい野心を燃やしてるような人というイメージ。あとはシンプルに「起業したい」という思いがある人がマッチすると思います。

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