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デザインで使う人と作る会社の想いをつなぐ、スタートアップ1人目のデザイナーがSaaSのUIにかける魔法

中嶋 信博 / プロダクト開発部 チーフデザイナー

学生時代は広告デザインを専攻。オンラインゲームのパブリッシングやモバイル/PCゲームの開発会社にインハウスデザイナーとして勤務。ゲーム内のUIを設計する傍ら、継続して広告、Webプロモーションに関係するクリエイティブ制作にも携わる。直近では管理職としてデザイナーチームのマネジメントをしつつ、ゲーム開発にも利用できるAIツールの導入や開発窓口なども担当した後、2023年から当社に参画。



これまでの経歴について教えてください!

静岡から上京して、20年くらいずっとゲーム業界で仕事をしていました。

ゲーム業界の仕事を大まかに分けると、「作る人」と「売る人」がいて、最初は売る方をやっていました。例えばマーケティングとか広告とかですね。

ですが、その後はだんだんとロゴのデザインなど、ゲームの中身を作る方の仕事に切り替わっていきました。


どういう流れで作る側を担当することになったのでしょうか

当時所属していた会社は、もともと海外の開発元から販売権を買って、マーケティングして売るという会社でした。ですがスマホが普及してきた2012年頃から、Unityやミドルウェアを使うことで開発の敷居が下がっていったんですよね。

そうなった時に、自社でもできるんじゃないかということになって、自分たちでゲームを作る方向に切り替わっていきました。



ゲーム業界ではずっと同じ会社にいたのですか?

フツパーが5社目で、それまでの4社が全てゲーム業界の企業でした。

4社のうち、最初のほうは小さい会社やベンチャーで働いていて、ベンチャーにいた時には立ち上げや役員も経験したんですが、その後規模の大きい会社に転職しました。

大きい会社に転職しようと思ったのは、過去に経験がなかったというのと、それまでの会社ではそれなりの評価はもらっていたので、大きい会社でも自分の実力が通用するのかを試してみたかったというところが大きいです。

そこでは自分で手を動かしてデザインをするということを離れて、管理職も経験しました。


いろんな企業や役割を経験されたんですね。学生の時からゲーム業界に入りたいと思っていたのですか?

実は学生のときはゲーム業界に行きたいとは全く思っていませんでした(笑)
もともと自分でゲームをすごくやるわけでもなかったですしね。

広告業界に進んでCMとか街頭ビジョン、つり革広告などを手掛ける仕事をやりたいと思っていたんですが、広告会社に入社したら、その会社がゲーム事業を始めたという感じです。

それがきっかけでゲーム業界に携わることになって、そこからは流されるような感じだったんですが、振り返ってみれば20年ゲームに関わってきましたね。


AIエンジニアの和田さんもゲーム業界からの転職ですが、5歳からのゲーム好きとおっしゃっていました!ゲーム業界にもいろんな入り方があるんですね。


フツパーに入社することになった経緯を教えてください!

小さい企業のほうが自分に合うと感じたということでしょうか?

規模的なところはそこまで気になることはなかったんですけど、ゲーム以外の事業をやりたいなと思い転職活動を始めました。

これまでいろんな規模の企業や役割でゲーム作りに携わってきましたが、一旦娯楽や嗜好品の要素が多いゲーム業界を離れて、実用品というか、仕事の道具になる、実際に使う人の役に立つモノづくりにチャレンジしたいという気持ちが出てきたんです。


フツパーを知ったきっかけは何だったのでしょうか

当時使っていた転職サイトで、自分から「いいね」をしてコンタクトを取った記憶があります。

製造業といってもいろんな会社がありますが、その中でフツパーはwebのデザインやプロダクトのロゴが他の企業と全然違っていて、すごく個性的なビジュアルだったんですよね。そこにかなり惹かれました。最初に見たときに、明らかに他と違うなっていうインパクトがかなり大きかったですね。

こういう押し出し方をしている会社ってないなって思いました。


こういう押し出し方というと?

一般的な製造業のwebサイトって、清潔感や信頼性がありそうなイメージを大事にするので、綺麗な白や青を基調にして、トップページにはきれいな工場やそこに置かれている機械の写真とか、ちゃんと仕事をする会社ですよっていうかっちりした印象のものが多いと思います。

一方で、フツパーの場合は真逆の黒基調ですし、黒とオレンジってあまりない組み合わせで、製造業にしてはめちゃくちゃ激しいというか、アクティブな印象でした。

そこから、包容力があるというか、許容範囲とか間口が広い会社なのかなっていうのを連想しました。そういうデザインを採用するっていうことは、それを良しとするステークホルダーや社員がいるということで、ということはそれを受け入れてくれる土壌が一定あるんだろうなって思ったんです。


デザインで社風まで見抜くっていうのがすごいですね!

それ​だけインパクトがあったということです!


転職活動中は他の企業と迷いませんでしたか?

迷いましたね。ゲーム業界を離れると希望してはいても、ゲーム以外っていうくくりだけだとものすごく広いので、まずはそこから悩みました。

最終的な軸としては、UIを作りたい、SaaSのデザインをやりたいという思いがあったので、その二つができるということに一番ウェイトを置いて考えました。


そこに一番合っていたのがフツパーだったんですね

そうです!
求人や面談で、「UI/UXのデザイン」と「自社SaaS」というキーワードが最初の方に出てきたので、マッチするなと思いました。


UIとSaaSにこだわられたのはなぜでしょうか

SaaSやASPはこれまで技術で差別化する業界というイメージがあったのですが、最近は同様のサービスの競合が増えたり、新サービスのリリースのスピードが早くなってきたりして、新規参入した会社が頭角を現しづらい状況になっていると感じています。

そういう状況で今後差別化を図っていくには、UIやUXが大切だと思うんです。

なので、今求められているUIやUXのデザインスキルと自分がキャリアを積みたいと思っているSaaS業界がかなりマッチングするんじゃないかっていう風に思ったのが大きかったですね。

入社前から業務委託でキャッチアップをされていたと聞きましたが、その期間はどのような関わり方をしていたんですか?

内定が出てから入社までに少し期間が空くことになったので、早めにキャッチアップするための助走期間という感じでした。
自分としてもいち早く会社の内情というか、仕事の仕方とかみなさんの様子を知りたかったというのもありましたし、フツパーの方からも、デザイナーを交えて急いで作りたいものがあったということだったので、お互いに今すぐやりましょうという話になりました。

その期間は基本的にプロダクト開発部の山田さんとやりとりしていたのですが、予想していた以上にスピード感がありました。

個人の裁量が大きくて、自分からどんどん話題に参加していかないと置いていかれちゃいそうで、そこはすごく刺激を受けましたね。ここまでやっていいんだって思いました。

プロダクト開発部長山田のストーリー
社運を背負って新天地で支社設立!プロダクト開発の柱を担う凄腕エンジニアの"今" | Product Development
山田裕太郎 / 研究開発本部 プロダクト開発部 部長福井県出身。新卒でシマノに入社し、電動変速機のファームウェア開発を担当。退職後は自作センサの開発等に取り組み、2021年2月よりフツパーに参...
https://www.wantedly.com/companies/hutzper/post_articles/473418


今まで働かれていた会社とはどのように違いましたか?

今までは会議で自分が作った成果物を見せて、相手が一旦持ち帰って考えて、一週間後に修正点が来て、というテンポだったのですが、フツパーだとすぐにSlackで修正が来て、ハイ次!という感じで進んでいくのが心地良いなと思いました。

最初の3社がベンチャーだったこともあり、その辺りは懐かしいなという感じがしました。

入社したのは実は最近なんですが、その業務委託期間が2カ月くらいあったので、かなり色々やったような感覚がありますね。

今は、新プロダクトのロゴなどのデザインを作っています。


実際に希望していたSaaSやUI/UXデザインの仕事をフツパーでしてみて、いかがですか?

UIのほうは、ここまでがっつりSaaSの画面を組み立てたのが初めてのことだったので、作ったものをパッと出したときに皆さんから「いいね!」って言っていただけた時は、安心しました。自分なりにすごく考えて作ったものだったので。

今はロゴのデザインもしてるのですが、チャットで投げると部署を超えていろんな方から積極的に意見を言っていただけるので、ありがたいですね。

すごく褒めてくれるので、もっと辛口な意見も欲しいなとは思います(笑)


デザインをするときに意識されているのはどういうところですか?

ロゴ単体で良いものを作るのではなくて、アイコンになった時やLPを作ったときのことも意識して作っています。そこを意識でいていないと、単体でそれなりのものができても、後々統一感とかで悩むことになってしまうので。

あとは、ロゴのデザインだけを見せて意見を求めても決められないと思うので、LPの案も作って、製品として世の中に出たらこういう風に見えますよ、というのをイメージしてもらいやすいようにしています。

わかりやすく言うと、営業の人たちが実際にその商品を売るところまで想像できるようにやるのもデザイナーの仕事だと思ってます。


中嶋さんはフツパーで1人目のデザイナーですが、会社で初めてのデザイナーになるのは今回が初めてですか?

以前起業したときにエンジニアもデザイナーも1人の状態でスタートしたので、2回目ですね。

でもフツパーの場合は、一から自分で作るのではなく途中からの合流なので、そこが違いですね。
webサイトやLPなど、今までのデザインでできたルールがあるなかで、それをどう良くしていくかを考えていくことになります。

フツパーのデザインのルールは、現状言語化されていないですし、明確にはない状態なので、今までのサイトや資料を読み込んで、これまで積み上げてきたデザインの「てにをは」ともいうべきものをインプットしています。リバースエンジニアリングのようなイメージです。


難しそうです・・・!

そうですね、でも割とそこは慣れているんですよね。

実はデザインのクライアントワークってほとんどそういう作業なんですよ。受注してもらって会社のCI(コーポレートアイデンティティ)とかルールはこうですっていうのが送られてきて、それを見て同じように作るっていう仕事が多いので、当然それを読み取るための作業は入ってきますね。

フツパーのように、社員がデザイナーの方との関わり方に慣れていないなかで、デザインの仕事を理解してもらうのって難しいですか?

どんな会社でも、一緒に仕事をしていくなかで、こういうやり方をするんだなっていうのはお互いに慣れていくしかないですね。

技術者と一緒に働くっていうのはこれまでも日々やってきたことなので、時間はかかるかもしれませんが、お互いコミュニケーションを重ねながら形作っていければ良いなと思っています。

そのためには、どういうところを理解してもらう必要があるのでしょうか

皆さんが想像する以上に早い段階で、デザイナーもプロダクトの企画に関わらないといけないっていうのがあります。

例えば商品名やサービス名が決まってからデザインに落とし込むと、思っていたのと違うものになってしまうことも多いんですよね。

だから、何においてもデザインが必要になってから参加するのではなくて、企画の最初の段階から入っておくと、避けられたはずのエラー起こってしまうということを無くすことができるんです。

なので、次にプロダクトを新しく作ることになったら最初から入りたいですということは伝えています。


今作っているプロダクトのロゴ作成は途中からの参加ですか?

そうですね。

今回みたいに途中からやっても合わせることもできるんですよ。後から合わせるやり方もある程度は心得ているので。でも、もちろん最初からいた方が後の工程がスムーズに楽になるんですよね。

商品名を考える時にその場にいることで、このタイトルだと後々こういう懸念があるとかいうのもディスカッションできたりするので、今後はそういう環境を作れたらいいなと思っています。

ゲーム業界にいた時、プランナーだけで決めたロゴを実際にデザインにすると、本当はいかつい雰囲気にしたいのに、形にパワーがなくて可愛い雰囲気になってしまったりすることがありました。

なので、会議の時に、候補の名前を聞きながら頭の中でざっくりとデザインを作ってイメージを出せる人がいると、そこのミスマッチが防げるんです。


ゆくゆくは既存のUIとかロゴも変えていくのでしょうか?

今のフツパーのロゴもおもしろいしかっこいいので、もし変える必要があればという感じです。

課題によるんですけど、どういう売り方をするとか、どういう戦略をするかによってデザインも変わってくると思っています。もし今後フツパーの商品を統合してパッケージでやりますということになったら、Photoshopとillustratorみたいに、ある程度似た感じの見た目にしたりとか、デザインも統一感を出さないといけなかったりしますし。


これまでのゲームや広告の業界とはガラッと変わりますが、デザインの違いなどを感じる点はありますか?

社会で実用的に使われる道具のデザインと、個人の趣味などで使われる嗜好品のデザインを作ることの違いはものすごく大きいですね。

ゲームなら操作をミスしてもゲームオーバーになるだけですが、フツパーの製品は工場で使われるものも多いので安全第一ですし、設定のミスで業務に支障が出ることもあるので、かなりシビアな設計が必要になってきます。

それはデザインにも表れるんですよね。例えばゲームだと、手数を省くために、設定を変更するときに確定ボタンを押さなくてもタブを閉じたらもうOKというUIも多いんですよね。でも安全面を考えると古いやり方ではあっても確定というボタンがあった方がいいんです。

その辺は結構考えないといけないなと思ってます。ゲームとはリスクの大きさが格段に違うので。


では、製造業向けだからこその面白さはありますか?

自分はもともとインプットが好きなので、今はすごく新しい刺激があってそれが楽しいです。これまでの業界だったら製造業のUIを担当できる機会はほぼなかったんですよね、だから新しい業界のサービスやデザインをたくさん見てインプットするのが、今は素直にシンプルに楽しいです。

インプットはどのようにするのですか?

競合のサービスのサイトを見るのも大事ですが、工場の現場に行って製造業の人の仕事のやり方を知るのも大事だと思っています。まずは業界のことをもっと知りたいですね。

例えば、今日は製造業が集まる展示会があったので、それに参加させてもらいました。

前の業界にいたときに行った東京ゲームショウよりかなり規模が大きくてびっくりしました。分野もたくさんあるし、扱っている商材もAIやIoTから現場の部品まで、本当に幅広くて多様な業界なんだと思いました。製造業はものすごく活気のある業界なんだなって、行く前とはかなり違う印象を受けました。

インプットの材料として全部のパンフレットを貰おうと思って行ったので肩がいたくなるくらい集まりました(笑)

パンフレットにも製造業ならではの部分があるのですね

製品の良さやセールスポイントをまとめてお客さんに伝えるという点ではどこの業界でも同じだと思うんですが、ゲームだったら製品は出せて数点なので、プロダクトを絞って展示するんですよね。

一方で、製造業はカタログが作れるくらい一社で出す商品も多いので、情報の量も密度も桁違いだなと感じました。あとは実機を間近で見られたブースが多かったのも、すごく楽しかったです。



入社してからのギャップはありましたか?

思ってた以上にみなさん優しいですね。ベンチャーはどうしても忙しさで余裕がなくなって人のことまで気にしている暇がなくなったりすることもあると思うんですけど、さっきも話したようにすぐに試作のロゴに反応をくれたりします。

あとは今回行った展示会はもともと行く予定ではなかったのですが、インプットしたいということを伝えたら柔軟に対応してくださって、急遽参加させてもらいました。

最後に、今後の展望について聞かせてください

ゆくゆくは、開発側とと売る側のハブのような、デザイン的な部分でうまく繋いでいける仕事をしたいと思っています。

売りやすいものとプロダクトとして良いものっていうのは微妙に違ったりすると思うので、そこのバランスを取っていきたいです。

あと、入社して一番やりたかったのは、UXを上げるための土台を作るということです。開発をするにしてもいろんなフレームワークとか土台があるんですけど、フツパー用のデザインのパッケージを作って、フツパーのボタンはこれとか、UIのパーツを作っておきたいです。

そうすると誰が作っても統一感が出る仕組みになるので、新しいものをスピード重視で作るときにそれなりの画面が作れる状況になっていくと思うんです。そういう風になるようなフレームワークというかデザインの土台を作って、デザイナーが全部を作らなくてもある程度デザインされたものが出来ていく環境を作るのが目標ですね。


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