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【撮像×AIで人を超える】光学設計のスペシャリストがAIの精度を左右する撮像について語る

山本 泰弘/エンジニア

学生時代は情報工学を専攻。動体解析やスポーツ動画像処理、医用画像処理等の研究を行い自身の小腸動画に画像処理をかける日々を過ごす。
卒業後は製造業向けの画像検査装置をスクラッチ開発する会社で勤務し、コンペでの提案からシステムの導入までを一通り経験し、産学連携で画像検査装置の共同開発も行った。
その後製造業に転職し、社内向けの海外拠点でノウハウを伝えながら外観検査装置のチームで勤務、画像検査だけでなく生産管理やIoTシステムの開発導入にも従事し、その後フツパーに入社。

前職ではどのようなお仕事をされていたのですか?

前職では主に、工場で作られる完成品や部品の外観不良を人に代わって見つけるための外観検査システムを作っていました。

そのため、システム開発の前段階であるお客様への要求ヒアリングから、ヒアリングを元にした要件定義、それに沿ったシステムの設計開発、テスト、現場への導入、保守運用など、外観検査を導入するための一貫した流れは一通り経験しています。

ですが、自分の性格的に、人が足りていない・誰もやる人がいないポジションを引き受けることが多かったので、技術営業や生産管理システムの導入をしていたこともあります。

技術営業としてお客様のところを回らせてもらっていた時は、現場に行きお客様の要求をヒアリングして提案して要件を詰めたり、システムを導入するメリット・デメリット、ロードマップや拡張性、その際の価格感の提案も行っていました。

生産管理では工場の人数や機械の数、稼働時間をもとに生産数を想定し、実際の生産数に差がないかがわかるシステムを構築し、差があった場合はどこが原因なのかを作業員へのヒアリングやIoTで収集したデータなどを元に検証していました。

基本的にどの仕事も実際の工場に行くことが多かったので、製造ラインで働いている方、その統括の方と話す機会は豊富にありましたね。なので現場を大切にするフツパーの中でも現場経験は長いほうだと思います。


幅広い経験を積み充実されていたかと思いますが、転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか。

前職では様々な仕事を一人でこなすことが多かったのでいろんな分野の仕事を学ぶことができました。そのおかげで幅広いスキルを身に着けることができたのですが、その一方で一人だとどうしてもプロジェクトのスピード感に限界を感じるようになりました。

そこでだんだんと、これまでの自分の経験を活かしながらチームでプロジェクトを進めるところで働いてみたいと思いが強くなり、フツパーに転職することに決めました。

チームで動くスタイルの企業は他にもあったと思うのですが、その中でフツパーを選んだのはなぜでしょうか

面接のためにオフィスに来てエンジニアの方とお話しをしたときに、自分より若い人たちが新しいことに挑戦しているのを見てファンになったからですね。人柄と空気感がいいなとも思いました。フツパーに入れば自分がやったことがないことができる環境に飛び込んで痛い目に遭いたいなと(笑)ここでなら成長できると思い飛び込みたくなってしまいました。



もともと画像処理をされていたとのことですが、その前段階の撮像にも興味をもったきっかけはなんだったのでしょうか?

学生の頃からデジタル画像処理を扱っていたのですが、その際は画像データがあるところからスタートでした。

就職活動の一環として画像処理の会社に見学に行くことがあったんです。そこで、事務所のなかに工場のベルトコンベアやカメラの設置を再現し、お客さんに送ってもらったサンプルの撮像環境の実験をしているところを見て、画像処理以前の画像を撮影するための環境づくりが非常に重要であるということを知りました。

それがきっかけで、画像処理以前の撮像環境の構築にも携わることのできる仕事をしたいと考えるようになりましたね。

画像認識AIにおいて、撮像はどのような役割を担っているのでしょうか

フツパーのAIに限らず、製品のキズやコゲといった不良品を見つけるための画像認識AI(外観検査システム)は、目視検査でいう人の目と脳みその代わりをしなければなりません。

カメラが人の目の代わりをして、AIが脳みその代わりをしているので、いくらAIが高性能でも不良品を判断する材料となる撮像がうまくいっていなければ不良品を見つけることができないんです。

そのため、ラインを流れてくる商品をカメラで撮影したときに、傷や焦げといった不良の部分をハッキリと映せるような撮像環境を整えることが非常に重要になってきます。

撮影は基本的に1つのラインにつき一台のカメラで行うのですが、それは人間で例えると流れて来る商品を、頭を固定し片眼かつ更に手を使わずに検査するのと同じなので、その状況でちゃんと不良を見つけるというのは結構難しいんです。

人間は首も手も動かせるし、カラーかつ両目で3Dですし、これと同じものを機械で再現しようと思ったらすごくお金がかかってしまうんですよね。

AIは最先端でなんでもできるようなイメージを持っている方も多いと思いますが、そう聞くと人間の代わりをする難しさがわかりますね。

その不利な条件で一台のカメラとAIだけで目視検査をする人の代わりになるためには、処理速度(同じ時間で検品する量)や、人には見えない不良(とても小さいものとか)の検知、疲れることなく一定に反復動作を行えるといった、足し算の力で超えていかなければなりません。

また、工場ごとに異なるラインの速度や製品のサイズ・形状など、そこに合わせてカメラの高さやシャッタースピードを変えなければならず、それによって画像の明るさもかわるため、逆算して照明や画素数も考えなくてはならないのがまた難しいところです。

AIの構築以前の撮像こそ徹底して気を配らないといけないのですね。そのなかで特に山本さんが撮像においてこだわっていることは何でしょうか。

フツパーのお客様に多い食品系の工場で撮像環境を作った経験はまだ浅いので、食品ならではの撮像の難しさを感じていますが、照明の当て方は自分の今までの経験が活かせるところだと思っています。

例えば色んな方向から照らしすぎると小さいキズが映像上では見えなくなってしまったりするので、シャッタースピードを考慮しつつ、明るくしすぎずに均一に商品を照らすことのできる照明選びにはこだわっています。

また、お客様へ入念なヒアリングを行うことは今までの現場と同様にとても重要だと感じています。

充分なヒアリングが行われないままプロジェクトを進めると、途中で追加の要望が出てきたりしてお客様にも自分たちにも負担が増えてしまうことがあるのでそこはすごく丁寧に行っていますね。

ヒアリングではイエスマンになるのではなく、懸念点はしっかりとお伝えして、それを乗り越えることで信頼関係を築いていきたいです。

そのヒアリングを元にした要求分析から、現場に合わせて不良を強調できるような照明の当て方やカメラの設置位置、シャッタースピードの工夫などをすることで、フツパーはまだ3期目のスタートアップですが撮像のノウハウは他社に引けを取らないと感じてもらえると思っています




実際に働いてみて、入社前後でギャップはありましたか?

良くも悪くも自由度が高いところですかね(笑)

例えば決済の手続きや立替など、新たにルールを作るときはエンジニアが動きやすいように柔軟に対応を検討してくれるのがとてもありがたいです。

フツパーはベンチャーというのもあって、そのあたりのルールが今までの社会人生活と比べて自由度が高いように感じます。そこがスムーズにできるのはエンジニアとしてはとてもやりやすいですね。

一方で、案件を担当する個人ごとにデータの保存方法や形式が異なっているなど、過去の案件のノウハウを共有するためのシステムづくりが思っていた以上に自由で、固まっていないのには少し驚きました。

新しい案件の参考にするために、過去の似たデータを探すことがあるのですが、データを見つけるためにはその担当者に場所を聞かなければならなかったりして苦労することがよくあるので、徐々にそういった点を統一していっています。

今後チャレンジしたいことを教えてください!

組織づくりやチームの管理をしてみたいです。

元々自分にあまり自信がなく、仕事でも大学選びでも苦手なことを克服してレベルアップできると思える道を選んできました。大学は文系の学部も受けましたが、最終的にはあえて苦手な理系にすすむことにしたんです。なので実はITも苦手で、パソコンの扱い方が分からず壊してしまったこともあったくらいです(笑)

そうやって、自分の苦手な分野や、人がやっていない分野に挑戦していくうちに撮像のシステム設計から導入までを行えるようになりました。今では昔パソコンが苦手だった経験が、現場の人が扱いやすいシステムを作るのに役立つこともあります。

これまでは一人で仕事を進めることが多かったですが、フツパーは社内外の人と連携して仕事をすることが多いので、組織づくりもチームの運営も難しいと思いますが、だからこそ、これからは自分の持つ知識をバラまいて、個人ではなくチームのレベルアップにつながることをやっていきたいですね。

1日のスケジュールを教えてください!

午前中にお客様の工場に行って午後から出社する日もありますが、1日社内にいる場合以下のようなスケジュール感ですね。上流工程から下流工程まで幅広く仕事をしています。

他には部署内の課題点抽出や意見を言いやすくなるような目的で振り返りを行って自走できるチーム作りにも取り組んでいます。

我が家は家事は全て私担当のため、合間に家事育児なんて挟ませてもらえる柔軟さがある会社で助かっています。

8:00 子供保育園送り

8:40:出社

9:00~:見積仕様書作成

11:00~:客先Web打合せ

13:00~:営業案件相談

14:00~:ハード出荷準備

15:00~:部署内振り返り

17:00~:子供お迎え~家事育児(仕事中抜け)

19:00~:システム開発

22:00頃:業務終了


フツパーで一緒に働きたいと思う人、今後のフツパーに必要な人はどんな人でしょうか

フツパーが今まで培ったノウハウに興味を持って吸収し、実践できるような人が来てくれたらうれしいですね。

フツパーが起業してからまだ3年目ということもあり、今いるエンジニアはAIや画像認識を元々専門としていた人たちではなく、模索しながら問題を解決していくなかで技術や知識を身に着けることが得意な、開拓者のような人が多いと思っています。

なので実際に案件を受けて、AIの設計から導入まで行う実績やノウハウがある今のフェーズでは、開拓者タイプだけではなくて、今までに築かれてきたAIや撮像のノウハウに興味を持ってくれる人にも入っていただいて事業拡大していけたらと思っています。




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私たちフツパーは「最新テクノロジーを確かな労働力に。」をミッションに、すべての製造業に向けて最先端で使いやすい独自のAIサービスをご提供している2020年創業のスタートアップです。 「驚くのは安さではない、AIの精度だ。」をコンセプトに、現場のリアルなデータと独自のアルゴリズムにより、製造現場に特化した実用的かつ高精度なAIを低価格でお届けしております。 画像認識・異常検知・データ分析、最適化などの高精度AIアルゴリズムモジュールを中心に、外観検査AIサービス『メキキバイト』、異常検知IoTソリューション『振動大臣』などのパッケージプロダクトを展開しておりますが、今般、創業時から収集した製造現場のデータを活用し、短期間でのシステム構築を実現する大規模モデルを開発いたしました。
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