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【2020上半期MVP・準MVPへスペシャルインタビュー】 ハイパフォーマーたちの成功ノウハウとは?

2020年7月の全社総会にて、2020年上期MVP/準MVP社員が発表されました。

見事、MVPの栄冠に輝いたのはソーシャルメディア事業本部・コンサルティング部所属の秋山幸世さん。準MVPは、マーケティング本部・マーケティング部所属の朝山高至さんです。

MVP/準MVP受賞に至った二人の努力や業務上の工夫、仕事観などに迫ります。


秋山幸世 
2019年ホットリンク入社。テレアポや営業同行を経て、営業・コンサルの業務に従事。
現在はクライアントのコンサルティングや運用代行を主に行っている。
朝山高至
2019年ホットリンク入社。主に集客を目的としたマーケティング活動や、Instagramマーケティングのメソッド開発を行う。
クライアントの広告運用/コンサル、イベント企画や運営、クリエイティブ制作、ツール開発など、ほかにも担当業務多数。

松井:今回は、お二人同時にインタビューさせて頂きます。事前にある程度、書面でもお答え頂いたんですが、秋山さんと朝山さんの性格って対照的だなと(笑)。この場でリアルに回答を聞き合うことで何か感じることがあるんじゃないかと思い、同時にインタビューすることにしました。

まずは、秋山さんからお話を聞いていきますね。

秋山さんインタビュー

松井:
ホットリンク入社前は、どんなお仕事をされていたのですか?

秋山:
新卒で港湾業界の会社に入社して、植物検疫をしたり、分厚い英語の書類を読んだりしてました。入社半年くらいで頭を使わずとも仕事ができるようになってしまい、どこでも通用する人材になるべく「広告代理店」に転職しました。そこで飲食関連のフリーペーパーの広告掲載枠を売る仕事で、飛び込みやテレアポなど死ぬほどやってましたね。深夜に浅草回ってリスト掘り出ししたり、思いつく「しんどい営業像」のすべてをやっていました。その中でやりたいことがどんどんズレる感じがしたので、本質的なことができるホットリンクへ入社した次第です。

松井:
「本質的」とは、具体的にどういうことですか?

秋山:
前職では、「お店の売り上げを上げるために何をしようか」と、顧客のために広く考えて動いていました。でも私はあくまで担当媒体の営業なので、たとえ自分の担当している媒体より良いサービスをオススメしてお客様の売上に貢献したくても、それができない。

営業の本質は、自分が担当するお客様の売上アップにどう関与し、お客様が顧客に対してどういう体験をもたらすべきかまでを一緒に設計することだと思うんですが、そう考えて仕事をしていたら、私のやりたいことと会社が私に求めていることとのズレを感じたんです。

秋山:
転職エージェントさんに紹介されてホットリンクを知ったんですが、面接でソーシャルメディア事業本部の執行役員である石塚さんに言われたことが衝撃的でした。

「営業に行ったうえで、うちの商材が相手の利益にならないと思ったら、売らなくていいです」と。

「どれだけ水漏れするような穴の開いたバケツだろうが、それを売ってくるのが営業だ」と前職では教わったので、そんな素敵な世界があるのかと驚きました。ホットリンクのモットーは「お客様の売り上げを上げること、つまり真にお客様に貢献すること」なので、「ここなら本質的な営業ができそうだな」と思ったんです。

松井:
なるほど、本質的な営業ができそうということで、これまで営業やコンサルティングを行ってきたと思いますが、その中で、印象的な失敗体験や成功体験はありますか?

秋山:
失敗経験は色々あるのですが、すべては準備不足と自信のなさに紐づいてます。自信がないから、型どおりのトークから外れるのが怖くて、お客様が聞きたいことはもっとほかにあるのに、それに答えられなかったり。

準備しているつもりになっていても「これを聞いたお客様は何を疑問に思うだろう」といったところまで思慮が行き届かず、質疑応答でモゴモゴしちゃったり。

松井:
うーん。それって、準備不足「だから」自信のなさに繋がっているって感じですか? 失敗体験も経てきた秋山さんに後輩ができたとして、同じ失敗をさせないために言えるアドバイスがあれば。

秋山:
仰るとおり、準備不足「だから」自信のなさに繋がるという点はあります。でも、いくら準備を重ねようと、結局は成功体験が得られないと、自信がなくて失敗してしまうんですよね。準備不足が右肩上がりに解消されれば、自信も右肩上がりに上がっていくわけじゃない。

成功体験が得られないと、準備が完璧だろうと自信がない状態はずーっと続くので、だったら一旦、「準備は完璧!私最高!」くらいの気持ちで行って、同席してる上司かお客様にバチバチに叩き潰されたらいいと思います。


秋山:
準備不足に関しては「頑張って補いなさい」という話ですが、自信のなさの解消に関しては経験値に紐づいてくるものです。バチバチに叩き潰されたら、ちゃんと次にやるべきアクションが見えてきます。そしたら、自分が目指す状態に確実に一歩近づきますよね?

自信がなく、準備したものを発揮できず「だって私あのとき本気出せなかったし……!」と思い続けるよりずっと成功体験に近づきますし、健全です。とくに石塚さんのフィードバックは次のアクションが明確になるのでおすすめですよ。

松井:
成功体験を積むためにビビりすぎてもしょうがないと。

秋山:
はい。「チャレンジしてみなさい」って感じですね。できたこと、できなかったことを明確にひとつずつ積み重ねていかないと自信には繋がっていきませんから。

成功体験に関しては、私の初めてのメインコンサル先である化粧品メーカーさんが「Twitterから購買してくださった方が出ました~!」と連絡をくださった時ですかね。結果、Twitterからの購買数が0件の状態から毎月確実に売上が上がる状態になってます。

直近だと、担当している飲食店の案件で、あるハッシュタグを、狙ってTwitterにトレンド入りさせたことです。今までにない成功体験でした。

松井:
うんうん。今の「準備不足」というキーワードを踏まえてなんですが、ホットリンクにこれから若手社員や新卒が入ってきた時、クライアントに提案する前にどういう準備をしておくと良さそうでしょうか。

秋山:
何を売るかにもよりますが、私がやってたのは商談用のシート作りです。企業のHPやSNSから、商材の情報や企業がやりたいことをすべて洗い出していました。そのうえで「何の発信が足りていないのか」も確認し、シートに落とし込んでから商談に臨んでました。

松井:
成功体験に至るまで、そういう一種の下積みを経てきたんですね。今は、目標を達成するために取り組んでいることはありますか?

秋山:
「何故こうしようと思ったのか、その根拠が持てているか・その根拠が間違っていないか逐一確かめること」ですかね。

商談の際に「なぜこれをリツイートするんですか?」とか「引用リツイートに切り替えるのはなぜですか?」とか、粒感の小さいことをたくさん聞かれて。確かに「自分が担当者だったらわからないよなあ」と。そうしたことを聞かれてスッと答えが出てこないということは、自分の中にアクションに対する根拠がないんだなと気づきました。

それからは、上長や先輩に「何が根拠なのか」を聞いて学びつつ、「ではこれは他の案件でも同じ返答でいいのか? あそこの企業ならどうするのがベストか?」といったことも考えるようになりました。それを繰り返していたら、根拠に対する意識が強くなったという感じです。

松井:
ノウハウを辞書のように蓄積していくのではなく「他の案件だったらどう転用できるか?」という点も考えてたら、他社にも活かせるようになってきて、成功体験に繋がっていったという感じですか。

秋山:
そうですね。

松井:
下積みを重ねてMVPを取るまでに成長した秋山さんが、いま目指している理想の姿や人材像ってありますか?

秋山:
一言でいうと防御力が高い人です。

そもそも、自分のことを「人をワクワクさせるようなアイデアや発想が苦手=企画力が強みじゃない」と認識しています。企画の根拠がデータに基づいていることや、再現性のある方法でお客様の成果を上げてきたホットリンクに惹かれたのも、それが理由です。

秋山:
お客様の期待に応えることは大前提として、期待を「飛躍的に」超えていくことは苦手だと思ってます。その代わりどんなトラブルが起きようと、お客様の期待には最低限答えられるような進行ができるように心がけています。

松井:
アイディアを出すことに、苦手意識があるとはいえ、成果は出しているわけじゃないですか。どのようにアイディアは発想しているんですか?

秋山:
それは毎日の情報収集ですね。上手くいっている他社の企画があれば、その理由を洗い出したり、クチコミ@係長で分析してアイディアを作っています。インプットの量がアイディアの質になっています

※クチコミ@係長は、ホットリンクのソーシャルリスニングツールです。

志村けんさんが「誰もが思いつきそうなことを、人より鼻の差ぐらい先を見越して、現実化すればいいんだ。鼻の差ぐらいがポイント。それ以上先でも、それ以下でもだめ。」と言ってたんですね。その言葉に共感しているので、既存のアイディアに+αの要素を足すことで、身近だけど新しい切り口に見えるようなアイディアを出すようにしています。

「斬新なものを作ってやる」みたいなスタンスのアイディアマンではないことが幸いして、今はそれなりの結果が出ていると思ってます。

松井:
なるほど、ひとつ気になるのが、アイデアを出すといっても時間は有限じゃないですか。忙しくなればなるほどタイムコントロールは難しくなると思うのですがどうしているんですか?

秋山:
私はすべての案件ごとに、振り返り用の「ログ」を案件実施と同時進行でパワポにまとめてるんですね。

例えば5月に手掛けた案件では、Twitter上の「モーメント」に合わせた企画で、5月16日(※この日は「旅の日」)に話題にしてもらうことを狙ったものでした。

で、このパワポには「どこに響くように作ったのか、どのような目的があったのか」などを、実際の結果と照らし合わせて記録し、次月のアクションのヒントにもしています。これはどんなに忙しくても必ずやるようにしてます。

タイムコントロールが苦手だし、後回しにしたら絶対やりませんから。情報の鮮度が良く、自分の熱意が高いタイミングに実施するべきと考えたら、同時進行でやらざるを得ませんでした。


松井:
これはすごい。ログはお客様に見せる用ですか?

秋山:
完全に自分用のパワポです。ただ、「ここのページは皆に共有しよう」とか「この案件からはこういう観点を得られたから、使いたかったら使ってもらおう」など、チームに共有はしています。

松井:
ログを残すことを目的にしていないところが本当にすごいですよね。ログを残しつつ、新たなアイディアの切り口にしたりと、ネクストアクションに繋げるための取り組みになってる。素晴らしい。

秋山:
ありがとうございます。

松井:
根拠を持つとか、ログを残すとか、そういう取り組みを通じてお客様に貢献してきた結果、何を得られたと思いますか?

秋山:
施策を提案するために、今やるべきことが明確になったと思います。

例えば、お客様に質問する切り口が増えました。最近の出来事でいうと「インスタのライブ動員数を増やしたいんですが、どうしたらいいですか?」という質問をされたときに、多分昔だったら自分の中に解もないし、解を得るために必要な情報も分からないので「一旦持って帰ります」で終わってたんですよね。

でも最近は、「現状は何をしてますか?」「今の動員数は?」「ライブの頻度は?」「そもそもライブ配信の目的は? 日常的にユーザーと接触するためなのか、大きなバズを起こしたいのか」など、質問項目がバッと出てくるようになったのが、昔と違うところです。

お客様に対して「自分の持ち札はこれだけある。ここを聞いておけば、次の打ち手をこういう風に提案できそう」と思えるようになりました。

松井:
ありがとうございます。では最後に、今後新たに取り組もうとしていることや社員へのメッセージをお願いします。

秋山:
メインコンサルに立つことも多くなったので、チームが動きやすい雰囲気づくりもしていきたいです。

それから上期MVPは、コンサルを経験するチャンスをくれた上司や、壁打ち・ロープレに付き合ってくれた先輩方、他部署にも関わらず快く、かつ迅速に連携してくださった皆様のおかげだと思っております!

私一人ではできないことの方が多いので、下期もぜひ、各所と連携しながら仕事ができればと思っています。引き続き、よろしくお願いします。

松井:
ありがとうございました。では、朝山さんのターンに移りましょう。


互いに切磋琢磨するMVP/準MVPの二人

朝山さんインタビュー

松井:
事前の回答を見る限り、ホットリンクへの入社経緯ツッコまずにはいられないんだけど(笑)、深堀したら本題入れなくなっちゃうのでサラッと読み上げますね。

“新卒で前職の人材系スタートアップに入社し、基幹事業の求人サイトにおいて、新規顧客獲得をミッションとしたSEOやUI/UX改善を中心にやってました。

3年で成果も出せ、そろそろなにか新しいことやってみたいなと思っていたときに、Twitterでいいたかさんにランチに誘ってもらいました。

飯田橋でからあげ食べながら15分くらい話したらいいたかさんが「よし、明後日から入社して」って言って、「軽っ」ってなりましたw が、いいたかさん石塚さんの話を聞いてアーンドメディアを活用した新たなマーケティングの時代を築く一員になれると思うとすごいわくわくし、ホットリンクへの入社を決めました。”(原文ママ)

朝山:
そうそう、そういう経緯でした(笑)。

松井:
今、朝山さんが担当している業務内容や役割はなんですか?

朝山:
僕自身の業務内容でいえば、コンサル支援やクチコミ@係長のお客様になり得る人たちを集客するための施策を打ったり、Instagramのメソッド開発やInstagram支援のコンサルティングにも入らせて頂いてます。

松井:
これも事前回答の話で、「目指している理想の姿や人材像は?」という質問の回答が「特に無いどす(原文ママ)」ということでしたが(笑)、これはこれでアリだなと思いまして。

というのも、その前提にある考えが「自分の興味の赴く方向で楽しみながら仕事を続けられたらいいなと思っている」とのことなので、面白いことを突き詰めたり、そこに対してエネルギーを注げたりすることが、朝山さんにとって強いモチベーションになるんだろうなと。

朝山:
とはいえ、僕も以前は「こういう仕事がしたい」とか「こういう人間になりたい」とか、そういう考えはありました。でも振り返ってみると、自分が成果を出せたり認めてもらえたりしている領域って、自分が強く興味を持てたところだなと気づいたんです。

朝山:
正直、あまり興味を持てない領域のタスクは集中して思考を働かせたり、すぐに取り掛かったりするのが難しいんです……。でも、Instagramのメソッド作りをはじめ、自分が「これは頑張ろう」と思えたことは、面白いのでずっと考えられます。

それも意図して「仕事だから頑張ろう」と考えたり情報収集したりしているというより、「普通に興味がある」から休みや就業時間なく見ちゃってる、という感じですね。最近は、趣味なのか仕事なのか区別が曖昧になってきました。

もちろん「こういう領域は勉強しておいた方がいい」と言われると勉強しようと思うんですが、一方で「どうすれば仕事をストレスなくできるのか?」を考えると、今自分がワクワクして興味を持っていることに徹底的に取り組んでみた方が、僕の場合は結果として価値を出せている気がします。自分が楽しみながら、興味の持てるところで仕事が続けられればいいなと思うのは、そういう理由です。

松井:
なるほど。今は、どういうことに興味を持っているんですか?

朝山:
やっぱり、去年から任せて頂いているInstagramのメソッド作りですかね。

プラットフォームごとに思想が違うとか、その思想がUI設計に表れてるとか、そのUIに従って特有のユーザー行動が生まれてるとか、観察するのがすごく面白くて。観察結果を汎用的なノウハウにしていくことは、とてもワクワクします。

※UI……「ユーザーインターフェース」の略語。PCやスマホなどで見たり触ったりする部分すべてを指す(液晶画面や操作ボタン、デザイン、フォントなど)。

既に解明されていることよりも、未解明なことを見つけたり体系を作ったりしていくことにも、楽しさを感じています。

松井:
今まで、興味の対象ってどういうふうに移り変わってきたんですか?

朝山:
前職では自社サイトのUI改善やSEOのテクニカルなことをやっており、担当サイトが大規模だったので、少し改善を行うだけでも大きなインパクトが出せてたんですね。少し工夫するだけで売上にダイレクトにつながることが面白くて。その時代は、そのことをずっと考えてました。

多分、それが面白かったのは自分にとって真新しかったからじゃないかと。真新しさに対する興味でいえば、最近の対象はプラットフォームに追加される新機能です。InstagramでいえばARとかReelsとか。機能が出てくるたびに「素人の遊び感覚」で使ってみると、意外とそれがメソッド作りに役立つこともあって。

松井:
そのInstagramのメソッド作りなんですが、どういう感じでやってきたんですか?

朝山:
当初はカリキュラムのイメージが湧いてこなくて、CEOの桧野さんやマーケティング部長の室谷さんにめちゃくちゃご助言頂いて、なんとか形にできました。最初の形になるまでは、かなり時間がかかっていましたね。

桧野さんに相談すると、一気に視界が拡張される「アハ体験」みたいな感覚が得られて、すごく面白いです。これまで作ったメソッドは、クライアントに提供しつつ、一部をホワイトペーパーやセミナー、noteなどで提供し、リード獲得にも貢献できていると思います。

松井:
やっぱり、興味を持ったことに取り組むということが朝山さんにとっては重要なんですね。成果を出していくうえで、意識していることやスタンスはなんですか?

朝山:
周りに助けを求めるということでしょうか。

僕は苦手なことが多いですし、自分が「面白い」と思ったことにフォーカスしてしまいがちなので、どうしても大局的な方針が見えなくなることがあります。スキルや技術ありきでそもそもの目的を忘れたり、視野が狭くなってしまうところがあるので、そういうときはいいたかさんや室谷さんに方向性がズレていないか確認していますね。

営業側の実情がわからないときはセールスの皆さんに聞いたり。女性向け商材のことはホットリンクのbeautyチームに教えてもらいます。

文章が書けないときは野々村さんに編集してもらったり、開発周りでわからないことがあれば修平さんや本橋さん、池田さんに教えて頂いてますし、経理のことだったら渡邉さん、松井さん、大橋さんに相談して。

基本わからないことだらけなので、助けて頂いてなんとかできてると思っています。

松井:
どうしてそういう風に、人に頼れるようになったんですか?

朝山:
実は僕、入社して一か月ぐらいはほとんど誰とも会話できなかったんですよね。大橋さんに言われたんですが、「最初朝山さんが入ったときは、ずーっと黙ってパソコンに向かっている人という印象しかなかった」と(笑)。


朝山:
でも、ホットリンクの人たちみんな優しいから「意外と相談してもいいんだな」と思えるようになってから、気軽に相談できるようになりました。

松井:
関係性を築いていけば、聞けるようになりますしね。大事なことだと思います。

朝山:
あともう一個あるとしたら、秋山さんと少しかぶるんですが、情報収集ですね。

Instagramのメソッド作りのときに実感したんですが、情報を滝のように浴びなくてはいけなくて。先進事例のアメリカの状況を知りたいから、英語の論文や記事を読んだり、日本語でも論文を読んだりとか。あとは、Instagram上で何が起こっているのかも観察しました。ひたすらフォローして、観察用アカウントも作って「企業のUGCを投稿しているユーザーはどういう人なのか? UGCを投稿している人としていない人の違いは何か? なぜここに投稿している人がいるんだろう?」とか、そういうことをずっと考えてましたね。

松井:
人に頼るとか情報収集とか、そういう取り組みの結果、得られた知見はありますか?

朝山:
Instagramのメソッド作りを実際にやってみて思ったんですが、めちゃめちゃいろんなことを洗い出してみても、強力な武器として汎用的に使えるハックポイントってそんなに多くないんです。使えるハックポイントを見つけるためには、「実際にどう活用できるか?」という観点で情報に接し続ける必要があることに気づきました。


朝山:
実は、途中で壁にぶつかったんです。結局、僕はコンサルも営業も経験が浅かったので、完成形のイメージが浮かびませんでした。情報の摂取量は多くても、「形」に落とし込むことができなかった。なので、途中から桧野さんや室谷さんに相談し始めました。

情報を浴び続けているだけだと、効率が悪いんですよ。「具体的にどういうカリキュラムに落としていけるのか、どういう風に使えるのか?」というイメージが前提にないと、どの情報をピックアップすれば良いのかも判断できません。そこは実際にコンサルに入ってみたり、クライアントの要望を実際に伺うことで少しずつ見えてきましたね。

まだまだトレーニング中という感じですが、日頃から滝のように情報を摂取しながら、メソッドにどう活用できるかを考える癖はついてきたのではないか、と思います。

松井:
話は変わりますが、朝山さんから見て「今の業界のこういうところが課題なんじゃないか」とかありますか? 「アーンドメディアを活用したマーケティングの時代を築く一員になることにワクワクしている」と事前回答にあったので、マーケティングの未来に対するポジティブなイメージがあれば、聞いてみたいです。

朝山:
前職では、いわゆる「刈り取り型」といわれるマーケターだったんですね。「どれだけコンバージョンを増やせられるか、どれだけ獲得単価を下げられるか」を最重要視して、施策を打ってました。

※コンバージョン……「最終的な成果」を意味するWebマーケティング用語。

そのときの経験があったからこそいえますが、コンバージョンや検索行動の前段階のところの、「どうやって商品を知ってもらうか? どうやって特定のカテゴリで第一想起を獲得するか?」という視点って、おざなりになってしまうんです。

単純に獲得単価だけを考えると、「ソーシャルメディアは獲得効率が悪いから優先度を下げよう」となってしまうケースが多い。また、リスティング広告は出稿する企業が増えていく中で入札競争が激しくなりますし、長期的に見ると獲得単価も高騰していく一方です。これも業界の課題かなと。

あと第三者によるクチコミ施策という観点でいうと、商品自体に魅力がないにもかかわらず、アフィリエイトの単価を上げて良い評判を出してもらうようなやり方に疑問も持ってました。

朝山:
でも、ホットリンクが提唱しているアーンドメディアを活用したマーケティングは、それの対極です。

大前提として良い商品があり、その商品のクチコミを増やすことでモノを売れるようにしていく。それって正しいあり方だと思っています。そもそも商品自体がよくないとULSSASは回らない。

※ULSSASとは、SNSを活用するためのマーケティングフレームワークです。 
URL:https://www.hottolink.co.jp/service/method/ulssas/

僕、元々は生きづらさを抱えた人の支援をしたかったんですね。だから大学生のころはひきこもりの学生支援のインターンをしてましたし、今でもそういう支援は大事だと思っています。

でも、そういう人たちに対する支援ってやり方はひとつじゃないと思うんです。たとえばメンタルがしんどいときがあったとして、日常の中に良い商品やサービスがあれば、それを通じて気持ちがラクになったり人生が豊かになったりした経験って誰もがあると思います。だったら、ちょっと幸せにしてくれるような商品やサービスを市場に広げていく形で、生きづらさを抱えた人たちに携わることもできるなと思ったんですね。

なので、ひとり一人の発信によって良い商品やサービスがより多くの人に伝わり、売れていくマーケティングが当然になる時代をホットリンクで作っていきたいです。

松井:
ありがとうございます。では最後に、新たに取りもうとしていることや、自身の今後の課題を教えてください。

朝山:
Instagramのメソッドはまだ構築途中ですし、プラットフォームの仕様もユーザー行動もどんどん変わるので、常にアップデートが必要だと思います。今後も常にハックポイントを探りながら「Instagramのアーンドメディア活用」という文脈で、お客様の成功にコミットしていきたいと思っています。

さらに今後はInstagramに留まらず、さまざまなプラットフォームの思想や仕組み、ユーザー行動を理解して、ハックポイントを探していくことができたら楽しいだろうなと思っています!

――秋山さん、朝山さん、本日はありがとうございました。改めまして、MVP/準MVPおめでとうございました!

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