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フラットな組織文化 x スクラム開発 = 強い内製化組織!? になるワケ

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巷で飛び交う「スクラム」「アジャイル」といったBuzzワード。しかしこれを導入するのは言葉のポップさと裏腹に、生みの苦しみを伴う一大事業。早くから「星野リゾートの開発体制はスクラムだ!」と標榜していた、アジャイルホリックな弊社藤井氏に「星野リゾートの組織文化」と「スクラム」の関係性を聞いてみた。


◆リソース不足 x 外部依存体質 → 事件発生

今でこそ事業会社として珍しい内製化をしている弊社だが、数年前まではわずか4名とパートナーメインの体制だった。「当然、内製するような余力はない。だから、こちらが要件だけ出して、開発は外部委託に頼る状況になっていた」と内製エンジニア第一号の藤井氏は言う。その結果、さまざまな問題が起こった。最たるものは、やるやる詐欺事件。しかし、問題の根底にあるのは、リソース不足、かつ、外部依存体質という構造的な問題だったため、解決には難航した。


◆周りを巻き込む。そして巻き込む工夫から出てきた『Fポイント』

こういった構造的な問題を孕んでいるのにも関わらず、事業会社ゆえに「餅は餅屋。システム開発は社外に発注した方がいい」という考え方が社内には根強かった。しかし、前述のような問題を解決するには、やはり外部依存体制からの脱却が必要だと考えた情報システムグループは、まず社内エンジニアを1人増やして成果を出し、また1人増やしていく……という具合に、既成事実を作りながら少しずつ進めていく作戦を立てた。

藤井氏らはまず、「情報システムグループだけの問題にするのではなく、他部署も巻き込んだプロジェクトにした」という。当初はどの部署も乗り気ではない状況だったが、販売統括担当の協力を得てようやく要件の取りまとめが進み始めた。ただスケジュール決めで難航した。「スケジュール調整で分かったのは、人日や人月で工数を見積もるのは難しいことだ。そのため、人日での見積もりをやめ、作業量をイメージするために独自に『Fポイント』という制度を作った」

Fポイントは「藤井ポイント」の略だ。kintoneと連携した開発依頼フォームに入力したデータに基づいて算出される。全体会議では、Fポイントという共通の指標を見ながら開発の優先順位を付けられるようになった。


◆「カイゼン・ジャーニー」との出会い → 即、スクラム体制へ

次に取り組んだのは開発体制の整備だった。走り出しはうまくいっていたが、藤井氏に負荷が集中してボトルネックになってしまったのだ。困り果てた時に藤井氏が出会った本が『カイゼン・ジャーニー』だった。「私はこれがやりたかったんだ」と感じ、3日ほどで読破しその後の3日間で、ロールを決め、スプリントを定め、各種セレモニーを導入し、スクラムの体制を構築した。

「スプリントの期間は1週間に決めたが、やってみたところこの『1週間スプリント』はだいぶハードだった。だが、1週間で成果を出す必要があるので『この1週間でどういう成果を出すか』を皆で真剣に話し合うようになり、コミュニケーションの機会が増え、質も向上した」


◆フラットな組織文化とスクラムは相性が良い

星野リゾートは会社のあり方として『フラットな組織文化』を内外に標榜しており、意見を言い合う土壌はあった。しかしそれが故に意見の総量が多く、ゴールに向けて建設的かつ効率的に道筋を示すことに関しては常に課題があった。「その部分をスクラムのスキームがうまく解決をしてくれた。」と藤井氏は振り返る。たくさんの情報・要望もプロダクトバックログリファインメントやスプリントプランニングなどのセレモニーによって、メンバー全員の前で整理され、そして合意形成がなされた。全員で合意形成がなされていれば、あとはスプリングボードさえシェアしていれば主体性をもって開発することができた。主体性から生まれる意見に対しては自然とメンバーも耳を傾けることができ、お互いの意見をを尊重しつつ、より良いシステムに結びつくことはすぐ開発へと落とし込んだ。スクラムによって、自律的に動くチームが生まれたのである。

「『フラットな組織文化』から際限なく湧き上がる熱量を、スクラムという枠組みがうまく成型化してくれた」と藤井は言う。


◆経営層にも意識の変化が

こうしてプロセスを変え、開発体制を変え、少しずつ成果を出してきた星野リゾートの情報システムグループだが、成果が出ることで、社内に幾つかの変化が表れる。かつて『餅は餅屋』と言っていた経営層も、社外向けのインタビューなどで『IT人材を非常に重視しており、積極的に採用している。クリエイティブな目標を達成する上で、社内に優秀なエンジニアを抱えるのは極めて重要だ』と述べるなど、がらっと変わっている。

フラットな組織文化とスクラムの相性の良さから生まれる、迅速かつ的確なアウトプットが経営層の意識も変え、よりシステムに投資をしよう、という好循環を生み出している。

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