こんにちは。HEROZ採用担当です!
今回は、豪華なスーパーエンジニアに1時間じっくりお話を聞かせていただきました!
CTOの井口さん、川島さん、山口さんの3名です✨まず3名のプロフィールをご紹介します😊
井口さん
2013年HEROZ入社
💻経歴:
HEROZ入社前は日本電気株式会社(NEC)中央研究所等に在籍
☗HEROZでの仕事:
取締役CTO開発部長としHEROZエンジニアをまとめ、AI革命を起こす実サービス創出に従事
川島さん
2019年HEROZ入社
💻経歴:
HEROZ入社前は官公庁系システムのシステムエンジニアとして従事
🏆受賞歴:
第一回世界将棋AI電竜戦チーム優勝
☗HEROZでの仕事:
主にエンタメ業界を対象にAIエンジニアとして従事
カードゲームのバランス調整用AIのプロジェクトで将棋AIのディープラーニングの手法も応用中
山口さん
2020年HEROZ入社
💻経歴:
HEROZ入社前は産業技術総合研究所や米NISTで光計測の研究に従事
2018年からフリーランスの機械学習エンジニアとして独立し、囲碁AI・金融・医療・材料などの分野で深層学習関連の研究開発を手がける
🏆受賞歴:
世界囲碁AI選手権3位/第2回世界AI囲碁オープン準優勝/第28回世界コンピューター将棋選手権準優勝 など
☗HEROZでの仕事:
主に金融業界を対象にAIエンジニアとして従事
時系列予測などの深層学習モデルに関連した研究開発中
Q.それぞれHEROZ入社の経緯は?
井口さん
私は以前、代表の林さん、髙橋さんと同じ会社の研究所に所属していました。二人がもうすぐ会社作るぞというタイミングで、共通の知り合いから紹介されたのがきっかけです。「面白いことやっている人がいるから会ってみないか?」って。
その後、2012年頃に当時はまだ20名いるかどうかくらいの規模で、将棋ウォーズをリリースしたばかりでしたが、「大きくなりそうだ」と思って入社を決意しました。
川島さん
私は、個人の活動として将棋AIの開発やスマホアプリの開発で機械学習を使用していて、いずれ仕事としても行いたいと考えていたタイミングでHEROZを知りました。データ分析だけではなく実際に利用できるAIのシステムを作っているというところに惹かれ入社を決めました。GPUサーバが利用できるのも魅力に感じましたね。
山口さん:
私は転職活動をしていた際に、代表の林さんから直接連絡をいただいたのがきっかけです。HEROZには知り合いも多く、将棋・囲碁などゲームAIや機械学習分野で優れた人材が多数在籍していて、エンジニアとして働きやすい環境があり入社を決めました。
Q.スーパーエンジニアのみなさんが、まだこれからつけていきたいと思う力はあるか。
川島さん:
AIといってもさまざまな種類があり、画像認識や音声認識、時系列データ予測等を幅広く知っていないとビジネスの課題に対して、適切なAIのソリューションを提案できないと思うのでより広い知識をつけていきたいです。特に実践的AIサービスを開発提供するHEROZでは必要になる力だと感じています。
山口さん:
そうですね。
ソフトウェアの技術分野は多岐に渡るので、AI関連技術だけでなく、インフラからフロントエンドまで幅広く知っておくことで、総合力を高めたいと思います。
井口さん:
二人がつけていきたい力というのが、まさにHEROZが考えるAIエンジニアに求める要件ですね。
世間でAIエンジニアというと、Pythonを使用してデータ解析しモデルをつくることができるというエンジニアだと思われていますが、
HEROZで開発提供する技術は実ビジネスで使われるサービスで解析だけを行うものではないので、サービスを提供するためには付随する技術や知識も必須になってきますね。
私自身も実ビジネスを提供するエンジニアでありたいですね。
Q.井口さんから実ビジネスを提供するエンジニアでありたいとの話があったが、川島さん、山口さんはどんなエンジニアでありたいか。
またエンジニアとしてどんなことを成し遂げたいか。
川島さん:
将棋AIで身に付けた技術を、ゲームのバランス調整に使うなど実際の課題解決に役立てていきたいですね。
ボードゲームではAIが人間を超えることができましたが、現実の問題ではまだ人間の経験や勘を置き換えられていないと感じています。
しかし、AIを使うことで課題を高速で処理したり、人に気づきを与えたりとサポートすることはできるので、そういった人をサポートできるような実践的なAIをつくりたいです。
山口さん:
私の開発してきた囲碁AIは多くの人に使ってもらいたいという思いでオープンソースとして公開しています。同じように多くの人に還元できるようなプロダクト開発をしていきたいですね。
Q.HEROZの起源でもある将棋AIについて、聞かせてください。
ディープラーニングが主流になるとマシンパワーの戦いになると思うか。
井口さん:
まあ、マシンパワーは必要になるよね(笑)
山口さん:
個人的には私もYesだと思います。
実際、囲碁AIの大会ではディープラーニングが主流ですが、一定レベルに達するまで計算コストが大きすぎ、ゼロからの新規参入がほぼ見込めない状態です。
そのため強い既存ソフトを追加学習して参加する人が多くなり、多様性が少なくなることを少し懸念しています。
実際に強豪ソフトが、それをベースにした大量のソフトに負けるという結果になる大会もあったそうです・・・
井口さん:
遺伝的アルゴリズムの研究者としては、クローンの中で予選をして、種の多様性を維持してほしいね(笑)
川島さん:
参加している大会のことをお話すると、現状、将棋AIの大会スペックで言うと趣味で個人参加が多く、企業がものすごいマシンで参加することはないので、上位陣ではマシンパワーはそれほど差がないですね。
マシンパワーが同じならモデルや学習を工夫することで勝てる可能性はあると思います。
ただし、強化学習を行うにはハードルが高いため、コンピューター将棋を盛り上げたいという思いで、dlshogiで作成した強化学習のデータセットを公開しました。
Q.AI将棋をどこまで強くしたいか。
川島さん:
現在floodgateのトップが4500点くらいで、ディープラーニングがちょうど並んだくらいなので、今後は従来のソフトを追い越して、9割勝つくらい(4900点くらい)までは強くしたいですね
山口さん:
人間のトップレベルが3200点くらいと言われていて、AIといま1300点しか差がないんですよね。
いま、最強ソフトが4500~4600点なのでハードウェア込みでプラス1000点くらいは強くする余地があると思っています。あと5年くらいあれば6000点にかかるくらいまでいけるかな?と期待しています。
井口さん:
十分強いと思っていたけどまだまだ強くする余地がありそうですね。
Q.川島さん著書「将棋AIで学ぶディープラーニング」を執筆しようと思ったきっかけは?
川島さん:
ブログで情報発信していたことと、技術書系の同人誌イベント「技術書典」で、ディープラーニングを使った将棋AIについて本を出したことがきっかけで、出版社から書籍化の話を頂きました。
山口さん:
結構分厚い本ですよね。元が同人誌とは思えない(笑)
川島さん:
見られてましたか(笑)60pくらいの本でしたが250pくらい書いてくださいと言われ、結構大変でしたね(笑)
プログラミングの本はソースコードあるからすぐに膨らみますからと出版社の人には言われましたが、毎日仕事をしながら書いていたので本当に大変でした。
Q.いま注目している技術はあるか。(by井口さん)
山口さん:
個人的にはエッジAIに注目しています。
スマートフォンやPCのCPUにAIチップが搭載されることが一般的になってきたので、AI推論環境としてのデバイスが増えることで、新たな技術領域が生まれるのではないかと期待しています。
井口さん:
わかりやすいところだと画像認識とかが一般的に使われるようになるかな?とは思いますよね。
Web会議の背景なんかもそうですが、いまはもう当たり前のように使用されていますからね。
川島さん:
割と直近の技術で、自然言語処理で使われているトランスフォーマー(Self-Attention)は、人間の脳にかなり近づいているイメージがあって、ゲームも含めた他の領域にも応用ができるんじゃないかと考えています。
エンジニア同士での話も弾み、確保していた取材時間ぎりぎりまで話し込んでいました(笑)
第一回世界将棋AI電竜戦チーム優勝のAIエンジニア川島さんについては、ぜひこちらもご覧ください😊
優勝について、感想コメントを掲載しております✍
https://heroz.co.jp/info/2020/11/24_kawashima_ai/