創業から売上高の伸長は毎年150%増を達成し、医療・ヘルスケアに特化した福岡のベンチャー企業が注目を浴びています。
それが、漢方薬に特化したD2C事業で大きく成長を遂げているハーバルアイです。
先日、ハーバルアイでは初の薬剤師採用を行い、漢方を中心とした医療・ヘルスケア分野の事業スピードがさらに高まってきています。
代表取締役の橋口とハーバルアイ薬剤師の石井佳郎氏に、漢方DX化にかける想いや、漢方薬局の将来ビジョンなどについて話を聞きました。
橋口遼
WEBを中心とした健康食品や化粧品の通信販売に15年携わっている。2015年12月株式会社漢方生薬研究所(現ハーバルアイ)を創業。2016年4月にダイレクト・マーケティング・ワークショップ九州の理事に就任。現在は、数社の取締役を兼任。1つの会社や自分の所属組織にとらわれずに新しいものを創造していく「共同創造」を掲げて活動している。
石井佳郎
調剤薬局と病院で約18年調剤業務と経営に携わり、数店舗の薬局立ち上げを経験。その後2021年9月にハーバルアイへ入社。煎じ代行を中心とした漢方事業の拡大のため、漢方に関する知識の習得と人脈形成を行う。
◆漢方調剤をしない薬局が多い理由は”儲からない”
まずは石井氏が入社した経緯を伺います。
橋口と知り合った頃は、岡山県の調剤薬局で勤務していた石井氏。
橋口「知り合ったきっかけは、僕と石井さん共通の友だちのTさんという方です。もともと、Tさんにうちに来てくださいとお誘いしていたところ、Tさんのお師匠さんである石井さんを紹介してもらいました。それが2年半前になりますね。」
橋口「出会ってから石井さんを口説き続けてました(笑)。」
石井「前職では将来的に漢方するっていう話を頂いてましたが、人手不足等で漢方しない方針と判断されたのと、実家近くに帰らなければならなくなったため、退社することになったんです。ちょうどそのタイミングで、橋口さんから漢方を扱う薬局作りたいって言われていたので入社しました。」
なんで漢方をしない事業に変わったんですか?
石井「薬局経営って、漢方調剤だけではなかなか儲かりません。なので、多くの薬局が調剤薬局と漢方薬局を併設して、調剤で利益を立てている仕組みなんです。前職は経営上漢方が出来なかったのだと思います。それで、やりたかった漢方薬局開設が出来るハーバルアイに入社しました。」
岡山から福岡と、大胆な決心でしたが決め手はどこでしたか?
石井「ハーバルアイは、最初から漢方薬局の開設に向けて動いていたので、僕のやりたい事と会社の目指すものが一緒という点が大きかったですね。」
橋口「石井さんは漢方の知見が深いので、うちの事業領域には必要不可欠な方と思ってジョインしてもらいました。」
◆「漢方って、新しいことしよう!とはならない世界」
石井氏と一緒に仕事したい!と口説き続けた一番の理由は、「薬剤師プラス事業家の目線が出来るから」と橋口は語ります。
橋口「煎じ薬を薬局で処方してもらうとなると、無菌にした生薬を袋に入れて渡されるんです。昔から漢方の煎じ薬はそう処方されています。でも、自分で煎じて飲まなければならずかなり不便を感じるんです。」
「それを石井さんは、飲むゼリー等によく使われる容器(スパウトパウチ)に入れて、キャップを外すとすぐ飲める仕組みを企画していました。今度薬局やる時は、煎じのDX化(UI,UX)をハーバルアイで作りたいですね。」
石井「今までも煎じ薬を患者様の代わりに煎じて提供する機械はありました。ただ、完成品の包装は開けにくく、開ける際に漏れるなどの課題があるんです。ですから、すぐ飲めて高齢者にも開けやすい、患者様にとって使いやすいサービスにしていく必要があると考えています。この他にも漢方薬の環境整備、DX化は、将来的にまだ伸びしろがあると思うので、僕も非常に興味深いと感じています。」
煎じ以外にも、漢方は”従来のやり方のまま”が多いと両者は言います。
橋口「漢方って、そういう工夫や新しいことをしようってならないじゃないですか。」
石井「薬剤師の仕事は処方箋通りに調剤し、患者様に情報提供すること、確認して評価したことを記録する仕事。なので、それから外れることが少ない業界です。だけど、それだけではサービス業としては不十分だから、別の発想をしていきたいと思っています。」
橋口「石井さんの考えは、調剤薬局もサービス業だという目線なんですね。」
石井「薬は万全な状態じゃない人が使うので、どのような形、量がその人にとって適切かどうかを考えて、困らないようにするだけではなく、相手が喜んでもらえるように提供することが大事だと思ってます。」
◆”西洋医学的な治療の限界”が漢方キャリアのきっかけに
石井氏が漢方に触れたきっかけを伺います。
まずは何故薬剤師になったんでしょうか?
石井「僕の身内に障がい者がいて、その病気を治したいと医師を目指しましたが、血が嫌いなため薬剤師になりました(笑)。現場を知らないといけないと考えて、卒業後は調剤薬局→病院→企業というビジョンを持っていました。」
大学院卒業後、調剤薬局でパーキンソン病の在宅患者を担当し、在宅業務の必要性を認識した石井氏。
石井「調剤薬局から転職し、次は病院に勤めました。そこではパーキンソン病といった神経難病以外(癌治療や急性期医療にも従事)を経験し、急性期・慢性期治療共に、栄養療法の必要性を感じました。でも、その頃から栄養剤だけでの限界は感じていたんです。」
その後は調剤薬局の開設や、薬局長業務に携わった石井氏。
漢方を専門とする医師と仕事をする中で、栄養療法で難渋していた症例や、その他西洋医学的に治療が困難な症例に対して、漢方薬を入れることによる症状の改善を目の当たりにし、自身でも東洋医学を学び始めました。
石井「漢方じゃない一般的な治療(西洋医学的な治療)は、治らないとか良くならないとか、手段が無いことが往々にしてありました。ですが、そこで漢方を使ってみると良くなった。よくわかんないけどすごい!治らないものが治ったぞ!衝撃ですよね。」
石井「それで喜んでくれる人が増えたら自分たちも嬉しいですよね。やれることは何でもやれの精神でそうなった。最初は僕も、煎じは難しいと思ってました。でもやれば出来る。勉強すれば出来るってたくさん勉強して患者様に提供できるようになりました。」
◆「自分の知識で作った薬で患者様が喜んでもらうことを感じて欲しい」
橋口「自分が煎じた漢方を使って、治らなかったものが治ったという”成功体験”が、漢方を深く追求し始めたきっかけなんですね。」
石井「その当時は、どうして漢方だと治るのか、なんで?っていう感じでした(笑)。ですが、その疑問を解決する手段を見つけ続けるのが楽しいと思って、今も勉強し続けています。」
西洋医学的な処方薬やエキス製剤では治らない・手段が無い患者様対し、漢方には次の一手が打てるのでは、と語る石井氏。
石井「漢方はエキス製剤で大体良くなると思います。でも、漢方を深く知っていくと、ほとんどの薬局がやっていない「修治」っていう生薬を加工してから煎じるものをしたいと思うようになってきました。本来やってきていた漢方の歴史があるわけだから、それを調べて、出来る範囲で修治までこだわった薬を提供できないかと。」
橋口「こういった専門技術を、オンラインで一般購入者でも適切に購入できるようにしたいですね。」
石井「あくまで患者様ファースト。漢方は一つのサービスとして考えたいですね。どんな形であれ、漢方に関連する仕事に就こうと思っている方は、漢方薬は選択肢の一つであることを理解してほしいです。漢方薬以外にもどのような薬が使えるかを考える必要があります。漢方薬が選ばれた場合は、自分の知識を活かして患者様に喜んでもらうことを考え、患者様が改善すれば、その喜びを一緒に感じて欲しいです。」
橋口「仕組み的に患者様ってなるけど、医療業界もお客様として見てサービス業になっていくんじゃないですかね。」
石井「医療業界って患者様を治す場所ではありますが、患者様自身に治してもらうのをお手伝い場所であるとも考えています。その環境を出来るだけ困らないように提供する、喜んでもらえるように提供するといったサービスが、医療提供者側に大事なことだと思っています。」
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石井氏の経歴から今後のハーバルアイの事業展開について、たくさんお話いただいた今回の取材。
・漢方の不便さを解消し、飲みやすく注文しやすい工夫を行う。
・医療業界もサービス業として利便性を刷新していく。
上記のような従来の漢方業界では行わない一歩先の改善や工夫を行い、ハーバルアイがこれからの医療・ヘルスケア領域に展開を遂げていくことを大いに期待しています。
ハーバルアイでは漢方のプロフェッショナルである石井氏を中心に漢方薬局の新設に向けて動き出しています。
D2C企業だからこそ出来るIT技術と、伝統の東洋医学を掛け合わせた漢方薬局で働いてみたい方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
現在ハーバルアイでは薬剤師採用を強化中です。
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