今回の記事では、HENNGEのMessaging Business Division(以下、MBD)で働く中津さん、竹村さん、原田さんの3名にお話を伺います。
MBDは、「クラウドからのメール送信を簡単に。確実に。」をコンセプトとしたクラウド型メール配信サービス「Customers Mail Cloud(以下、CMC)」を開発・販売する事業部です。
クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」を扱う事業部とは一味違った雰囲気を持つMBD。今回は3名のお話を通じて、現場メンバーの経歴や日々の仕事内容、チームのカルチャーを紐解きます。
※CMCの事業内容については、こちらの記事をご覧ください。
写真左:原田 幸治(はらだ こうじ)
Messaging DevOps Section / Deputy Section Manager クラウドサービスを提供する会社でインフラエンジニアとしてキャリアをスタートし、メール配信サービスの立ち上げなどに従事。その後、SES企業で大手企業のシステムのAWS移行を、事業会社で開発・運用部門のマネジメントおよび組織づくりを経験。2024年7月、HENNGE入社。現在はDevOps Sectionで運用側のリーダーを務めながら、クラウド基盤の開発プロジェクトのプロジェクトリーダーも担う
写真中央:中津 圭輔(なかつ けいすけ)
Messaging DevOps Section / Deputy Section Manager ニュージーランドでプログラマーとしてキャリアをスタート。帰国後、企業で経験を積んだのちにフリーランスのプログラマーとして活動し、パッケージシステムの開発を中心に様々なプロジェクトに関わる。2012年にHENNGEに入社し、SI、カスタマイズ開発、プリセールス、オンボーディングなど多岐にわたる業務を歴任。現在はDevOps Sectionにて、開発側のリーダーを務める。
写真右:竹村 隆吉(たけむら たかよし)
Sales and On-boarding Section / Deputy Section Manager データセンターおよびMSP事業者でオペレーター業務とエンジニア業務に従事した後、パッケージソフトのデリバリーやテクニカルサポートを経験。その後、OSベンダーやセキュリティサービスを展開する会社にてプリセールスおよびSIを担当し、10年にわたるプリセールス経験を積む。2024年7月にHENNGEに入社し、現在はオンボーディングとプリセールスのチームでリーダーを務める。
多様で豊富な経験を持つ、MBDの現場メンバー
──まずはじめに、皆さんのこれまでの経歴と、HENNGEに入社した経緯を教えてください。
中津:私はニュージーランドの大学を卒業後、現地で約1年間プログラマーとして働きました。その後日本に帰国し、最初は会社員として、後にフリーランスとしてプログラマーを続け、様々なプロジェクトに携わりました。特に長く取り組んだのはパッケージシステムの開発で、小売店向けの情報共有アプリケーションなどを制作していました。
その後、当時よく言われていた「プログラマー35歳定年説」の影響もあり、35歳ごろから異職種への転職活動を始めました。そこで出会ったのがHENNGEで、SI担当として入社し、今年で12年目になります。
入社後はSIのほか、お客様の要望に応じたカスタマイズ開発を行うチームのリーダーや、プリセールス、オンボーディングなど、お客様のシステムと自社サービスの連携を技術面からサポートする役割を一貫して担当してきました。
竹村:私は大学卒業後、データセンターやMSP事業者(※1)で24365のオペレーターとして働いていました。その後、Linuxを猛勉強して構築系の部署に異動し、エンジニアとして約7年働きましたが、よりユーザーに近い仕事をしたいという思いから1回目の転職を行い、パッケージソフトのデリバリーやテクニカルサポートに携わるようになりました。
それから一度業界を離れて寿司職人や山岳ガイドを経験したのですが、結婚を機にIT業界に戻り、OSベンダーやセキュリティサービスを展開する会社で、プリセールスやSIに従事しました。
その後、お客様の要望をよりスピーディに反映できる環境で、もっと製品に愛を持って働きたいという思いから転職活動を行い、メンバーが誇りと情熱を持ってお客様に製品を届けているのが伝わってきたことが決め手となり、HENNGEに入社しました。
原田:私はもともと設計士を目指していたのですが、当時は就職氷河期だったことから断念せざるを得なくなり、大学卒業後は4年ほどフリーターとして働いていました。
その後、一念発起してITエンジニアスクールのネットワークコースを修了し、クラウドサービスを提供する会社に入社しました。入社後はインフラエンジニアとして、出向先の大手企業でインフラの運用保守に4年間従事した後、自社のメール配信サービスの立ち上げに8年間携わりました。
会社の上場を見届けた後は、SES企業やレンタルサーバー事業者への転職を経験し、大手企業の基幹システムのAWS移行に関わったり、管理職として開発・運用部門の生産性を最大化するための組織づくりに注力したりと、経験を広げました。
HENNGEに転職したのは、今後はエンジニアリングマネージャーとしてキャリアを歩みたいと考えるようになったからです。MBDでちょうどエンジニアリングマネージャーを募集していたことや、過去にメール配信サービスに関わった経験が活かせそうだと感じたことが決め手となり、入社を決めました。
※1 MSP事業者とは:サーバーの稼働状況を24時間365日監視し、システムの運用・保守サービスを提供する会社。
高い要求水準に応え、社会インフラを支える役割を担う
──続いて、皆さんの現在の業務内容を教えてください。
中津:今年の10月からDevOps Sectionの開発側のリーダーになり、CMCの開発と新規プロダクトの開発に取り組んでいます。メール分野は技術のアップデートが速く、新しいRFC(※2)が次々に登場するため、常にその実装が必要になります。これまで10年以上にわたり、お客様から相談を受けるたびにRFCを読み込んできた経験を活かし、最新のRFCに基づいた機能や仕様を実装するのが私の役割です。
竹村:私は中津さんの後を引き継ぎ、オンボーディングとプリセールスのチームでリーダーを務めています。約10年間プリセールスに取り組んできた経験を活かし、CMCのプリセールスのさらなる強化に取り組むことが私のミッションです。営業と協力しながら、ユーザーのペインポイントをしっかり理解し、プロダクトを的確に提案できるチームをつくれるよう努めています。
原田:私はDevOps Sectionの運用側のリーダーとして、安定したサービス提供を実現するための体制づくりに取り組んでいます。HENNGEのような急成長企業では、事業成長に組織体制の変更が追いつかず、個々のメンバーに負荷がかかりがちです。そのため、現在はチーム内の課題を整理しつつ、タスク管理や新メンバーの採用に取り組んでいます。
並行して、クラウド基盤の開発プロジェクトのプロジェクトリーダーとして、チームビルディングにも取り組んでいます。ゆくゆくは、エンジニアリングマネージャーとしても活動する予定です。
───どのような点に、仕事のやりがいや面白さを感じますか?
原田:中央官庁や大手企業のメール配信基盤を扱う、いわば社会インフラを支える重要な役割を担っている点には、大きなやりがいを感じます。
CMCの特徴は、ワンタイムパスワードや取引確定の通知など、ミッションクリティカルなメールを届けていることです。そのため、私が以前関わっていたマーケティングメールの配信サービスと比較すると、求められる信頼性やセキュリティのレベルが非常に高いと感じます。
大量のメールを常に安定して高速に届ける必要があり、問題が発生した際には迅速な対応と徹底的な再発防止策が求められる。その点は大変でもありますが、自分の仕事の重要度の高さが感じられ、やりがいにつながっています。
竹村:昨今、フィッシング詐欺やスパムメールの増加が社会問題になるなかで、CMCを通じて企業や個人が安心してメールを利用できる環境を整えることには、大きな意義を感じています。常に新しい技術をキャッチアップし続ける必要があるのは大変ですが、同時にそれが面白さでもあります。
中津:開発の観点では、下層から上層まで、幅広い技術を扱えるのが面白いポイントだと思います。例えば、メールの送受信にはDNSをはじめとしたネットワーク技術が不可欠ですし、アプリケーション開発にはサーバーやミドルウェアの知識も必要です。フルスタックエンジニアであれば、そのスキルをすべて活かすことができると思います。
※2 RFCとは:Request for Commentsの略で、インターネットで用いられる様々な技術の標準を定めることを目的とした文書群。
開発から販売まで、すべての機能が集約されたコンパクトな事業部
──社内の雰囲気やカルチャーを教えてください。
原田:転職してきて最も印象的だったのは、メンバー間でのコミュニケーションがとても大切にされていることです。
新しいことに取り組む際や課題に直面した際には、すぐにミーティングを設定し、みんなでアイデアを出し合う文化があります。独りよがりな判断で進めるのではなく、チームで協力するスタンスが大切にされているのを感じます。
竹村:私も転職当初は、ミーティングの多さに少し驚きました(笑)。
加えて、フラットでオープンなカルチャーも印象的でした。オフィスでは、社長や役員も他の社員と同じようにフリーアドレスで仕事をしているため、気軽に話しかけやすい雰囲気があり、風通しが良い会社だと感じます。
中津:MBDの雰囲気で言うと、法務など一部の機能を除き、プロダクトの開発から販売までが一つにまとまったコンパクトな事業部なので、一体感を持ちやすいのが特徴ではないでしょうか。
また、セクション間の異動も頻繁に行われるため、垣根がほとんどなく、違うセクションの人とも気軽に意見交換を行うカルチャーがあると思います。
──どんな方がHENNGEおよびMBDに合っていると思いますか?
原田:指示を待つのではなく、主体的に動ける方でしょうか。HENNGEでは個々の裁量が大きく、手を挙げれば様々な業務にチャレンジできるので、ぜひこの環境を活かしてご自身の成長につなげていただければと思います。
竹村:原田さんの言う通り、HENNGEには個人の挑戦を後押しする文化があります。そのため、自分の枠にとらわれず、様々な分野に挑戦したいと考えている人にとっては、非常に良い環境だと思います。
また、お客様の要望を反映し、プロダクトをよりよいものにアップデートしていけるのがSaaSの醍醐味なので、プロダクトを成長させたいという熱意を持っている方は、やりがいを感じながら働けるのではないでしょうか。
中津:開発の面では、お客様目線を大切にして開発に取り組める方と働けたら嬉しいです。
真に優れたプロダクトをつくるには、お客様目線で仕事をする姿勢が不可欠だと思いますし、MBDにはそのような姿勢で働くメンバーが揃っています。技術や知識は入社後でも身につけられるので、そうしたスタンスやマインドに共感していただける方に、ぜひ仲間に加わっていただけたらと思います。
普遍的なニーズがあり、グローバルな活躍のチャンスもあるメール領域
──皆さんの今後の展望や、チャレンジしていきたいことを教えてください。
中津:開発チームのみんながワクワクするような開発をリードしていきたいです。まずはCMCの機能を補完するような新規プロダクトを開発し、1年以内にリリースしたいと考えています。その後は、3〜4年後のリリースを目指し、CMCのリニューアル開発にも取り組んでいきます。お客様の多様なニーズに応えるため、SMSやモバイル通知などのチャネルを包含した次世代のメッセージング基盤へと、CMCを進化させていく予定です。
竹村:これまでCMCは直販のみで販売してきましたが、今後はパートナーセールスにも挑戦する予定です。私はプリセールスとして、営業が開拓したパートナーに対してテクニカルアライアンスを組むなど、効果的な連携を模索しつつ、引き続き営業の目標達成を技術面からサポートしていきたいと思います。
原田:会社の急速な成長にも対応できる、生産性の高い組織体制と運用体制を構築していきたいです。そのためにも、メンバーが働きやすく成長しやすい環境を整え、採用活動にも力を入れていきたいと考えています。
──最後に、HENNGEおよびMBDで働くことを考えている方々へのメッセージをお願いします。
竹村:「メール=古いプロトコル」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、メールは依然として根強いニーズがあり、今非常にホットな領域です。今メールが注目されている理由については事業部長の記事で詳しく紹介されているので、MBDにご興味をお持ちの方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
原田:メールはLINEなどとは異なり、グローバルかつフォーマルなコミュニケーション手段です。こうした普遍的な役割を果たせるツールとして、メール以上に優れたものが今後登場する可能性はかなり低いと思います。そうした普遍性と重要度の高い分野をビジネスにしている点は、MBDの大きな魅力の一つです。
また、私たちは現在急成長フェーズにあるため、組織の体制をつくりあげるプロセスに参画したい方にとっては、またとないタイミングだと思います。ぜひ一緒に、チームづくりから関わっていただけたら嬉しいです。
中津:原田さんの仰る通り、メールはグローバルなものであり、技術の共有も国際レベルで行われています。私たちは「M3AAWG」という国際団体に所属し、世界中のISPや携帯キャリア、セキュリティベンダーと共に、迷惑メールなどの脅威に対処するための技術推進や情報共有を行っています。そのためMBDで働けば、メールの分野で国際的な第一人者になれるチャンスもあります。
現在、MBDではやりたいことがたくさんある一方で、人手が足りていません。この記事を読んで少しでもピンときた方は、ぜひお気軽にご連絡いただければと思います。
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Edit by 高野 優海
Photo by 宮本 和明