ハンサード・インターナショナル・リミテッドが本社を置く英国王室属領とは？

ハンサード・インターナショナル・リミテッドは
1986年にマン島で設立され、世界中で金融サービスを展開しています。

今回は、ハンサードが本社を置くマン島が属している英国王室属領と世界最古の議会（ティンワルド）について紹介したいと思います。

英国王室属領について

■英国王室属領とは
英国王室属領（British Crown Dependencies）とは、
イギリスの主権の下にありながら、イギリス連合王国（UK）の一部ではなく、独自の政府、法律、裁判所を持つ特別な領域のことを指します。

現在、英国王室属領には以下の3つがあります。

・マン島（Isle of Man）
・ジャージー島（Jersey）
・ガーンジー島（Guernsey）

これらの領域は、イギリスの主権のもとにありますが、独立した自治政府と法体系を持っており、イギリス議会の管轄外で運営されています。
とはいえ、国際的な防衛や外交の責任はイギリス政府が負っています。

■主な特徴
大きく3つあります。

①独自の法律と政府: 各王室属領は独自の立法府と行政府を持ち、法律を制定し、地元の問題に対処しています。
②国際関係: イギリスは王室属領の国際的な代表を務めますが、属領は独自の関税、税制、金融規制を持ち、国際金融センターとしての役割を担うことが多いです。
③経済的独立性: これらの領域は、自国の経済政策や税制を決定する権限があり、特にオフショア金融センターとしての地位を確立しているケースが多いです。

これらの王室属領は、イギリスと異なる税制や法律を持つため、投資や金融活動の拠点として世界的に注目されていますが、それでも防衛と外交においてはイギリス政府に依存しています。

世界最古の議会（ティンワルド）について

■世界最古の議会（ティンワルド）とは
ティンワルド（Tynwald）は、マン島にある世界最古の連続して開催されている議会として知られています。
その起源は979年に遡り、現存する議会の中でも最も長い歴史を誇ります。
ティンワルドは、マン島の立法機関であり、独自の政府と法体系を持つマン島の自治を象徴しています。

■ティンワルドの構造
ティンワルドは、イギリスのウェストミンスター型議会に似た二院制の議会で構成されています。

・ハウス・オブ・キーズ（House of Keys）: 下院にあたり、24人の民選議員で構成されています。
・レギスレーティブ・カウンシル（Legislative Council）: 上院に相当し、非選挙制のメンバーから構成されています。主にティンワルドのメンバーや島の政府要職者が含まれます。

■ティンワルドの役割
ティンワルドは、マン島の法律を制定し、地元の問題に対処する役割を果たします。
イギリス議会の干渉を受けず、マン島独自の法体系と制度を運営しており、政府の行政、税制、司法などを管理しています。

■ティンワルド・デイ
毎年7月5日に「ティンワルド・デイ」と呼ばれる特別な式典が開催されます。
この日は、マン島の重要な祝日であり、議会がマン島の中心に位置するセント・ジョンズの野外に設けられたティンワルド・ヒルで開催されます。
この式典では、過去1年間に制定された法律がマンクス語と英語で読み上げられるという伝統が受け継がれています。

■歴史的背景
ティンワルドの起源は、ヴァイキング時代に由来し、古代ノルウェーの影響を受けた議会制度とされています。
マン島がノルウェー王国の支配下にあった時代に設立され、その後スコットランドやイングランドの支配を経て、今日に至るまで一度も途絶えることなく機能してきました。

■重要性
ティンワルドは、その古さだけでなく、今もなお機能している点で世界的に注目されています。
長い歴史の中で、マン島の自治権を守り、地域の政治的・法的な安定を支えてきました。