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みんなの本棚<6棚目/選者 太田 優輝さん>

リレー形式で様々なメンバーから、おすすめ本を3冊選書してもらうシリーズ企画「みんなの本棚」。6人目の選者は、松本祐太郎さんからバトンを渡されたUNIT1プランナーの 太田 優輝(おおた ゆうき)さんです!
ぜひ、みなさんのインプットにお役立てください。

UNIT1プランナーの 太田 優輝(おおた ゆうき)さん

▼プロフィール紹介
2021年に新卒入社。UNIT1のプランナーとしてBtoB企業を中心に展示会、プロモーション、イベントのプランニングを手掛ける。趣味は美術館に行くこと、パフェを食べること、いい感じの本屋を巡ること。

普段から読書を嗜んでいると同期の松本くんから評されてバトンが回ってきましたが、積読ばかりが増えていく毎日です。好きな本屋は青山ブックセンター(表参道)、かもめブックス(神楽坂)、SUNNY BOY BOOKS(学芸大学)。ビジネスに全く関係ない本ばかり読んでいるので、ビジネスに全く関係ない本を紹介します。

目次

  1. 1.「心」とは何か、をわかりやすく語りほぐす
  2. 「生成と消滅の精神史」(下西風澄 【著】)
  3. 2.人間はデザインによって進化してきた
  4. 「我々は人間なのか?」(ビアトリス・コロミーナ/マーク・ウィグリー【著】)
  5. 3.”ことば遊び”の真骨頂
  6. 「文体練習」(レーモン・クノー 【著】)
  7. 4.次の選者について

1.「心」とは何か、をわかりやすく語りほぐす

「生成と消滅の精神史」(下西風澄 【著】)

生成と消滅の精神史 終わらない心を生きるソクラテスが心を神から切り離して以後、人類の心は何度も作り直されてきた。そもそも心とはなんであったのか? 学問領域を大胆honto.jp

「心」とは何か、という壮大かつ身近な疑問に対して、ソクラテス、デカルト、カント、ハイデガー、メルロ・ポンティなどの西洋哲学や、万葉集、古今和歌集、夏目漱石といった日本文学といった人類の叡智を引用しながら、AIの成長著しい現代の視座で語る一冊です。
哲学というと難解な言い回しで分かりづらいイメージがありますが、この本では著者自身の言葉(しかも文体が美しい)で語られており、わかりやすいのはもちろんのこと、楽しく読み進められる本です。哲学の流れを知ることができるので、「哲学が気になるけど誰から読めばよいのか分からない!」というような方にもおすすめ。個人的にはメルロ・ポンティやフランシスコ・ヴァレラといった身体と関連づけて心を捉える考え方が合うなと感じました。読後感もよく、ここ数年読んだなかで一番おもしろかったといえる本です。

気になった方はインタビューもどうぞ↓

「心」はひとつの「発明」である。科学と哲学、文学から「心」と「意識」の現在をひもとく|下西風澄昨今、「心」のあり方や捉え方に、大きな変化が生じつつあります。 メンタルヘルスは多くの人々の関心事となり、身体的のみならずdesilo.substack.com

2.人間はデザインによって進化してきた

「我々は人間なのか?」(ビアトリス・コロミーナ/マーク・ウィグリー【著】)

我々は人間なのか? デザインと人間をめぐる考古学的覚書き我々は人間なのか? 今、デザインに求められるのは、この問いだ−。第3回イスタンブール・デザイン・ビエンナーレの準備をしてhonto.jp

打製石器、建築、義足、コンピューター。人間がデザインしてきたあらゆるものを通して、逆説的に「人工物によって人間はどのようにデザインされてきたのか」について考察する一冊です。一見突飛なテーマに思えますが、道具を作ることによって人間が類人猿から分岐したことを考えると、たしかにデザインやものを作ることは人間の本質であり、その変遷を辿ることは人間の進化を辿ることであるといえるような気もしてきます。デザインや人工物(アーティファクト)という視点から、人間とはどのような存在なのかを問いただす内容はとても刺激的で、”コルビュジェの家の中心にはトイレが置かれていた”、”ニューヨークの専門職の若者の80%はベッドの上で仕事をしている”など、不思議なエピソードにも事欠きません。第三回イスタンブール・デザイン・ビエンナーレ(2016年)の解説書であるという背景を持ち、装丁や図版も美しいので眺めているだけでも面白い本です。

3.”ことば遊び”の真骨頂

「文体練習」(レーモン・クノー 【著】)

文体練習他愛もないひとつの出来事が、99通りものヴァリエーションによって変幻自在に書き分けられてゆく。20世紀フランス文学の急進honto.jp

「S系統のバスのなか、混雑する時間。ソフト帽を被った二十六歳くらいの男、帽子にはリボンの代わりに編んだ紐を巻いている。首は引き伸ばされたようにひょろ長い。ーーー」何の変哲もないパリの街の一風景を、「隠喩」「英語かぶれ」「女子高生」「アナグラム」など99通りの書き方で書き分けるという、詩のような物語のような不思議な本です。
なんでもない光景でありながら、99通りの言葉という表現方法によってシリアスにも面白おかしくも難解にも平易にもなるさまは、まさしく言葉遊びの真骨頂。言葉ってこんなに遊んでいいんだ、と元気づけられさえします(原書はフランス語なので、翻訳した方もすごい)。
この面白さは実際に手にとらないと伝わらないと思うので、本屋さんで見かけたらぜひ手にとって見てみてください!

追伸
なんだか似た色合いの本ばかりになってしまいました。笑

4.次の選者について

次のバトンは、U2 デザイナーの諸戸 里帆さんに渡します。
業務では全く関わったことがないのですが、”「文体練習」を読んでいる”ということを知り、それだけの理由で突然話しかけたことがある、「文体練習友達」です。今回も突然の依頼に快諾していただきました!

>>それでは、次回もお楽しみに!

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