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悩んで、読んで、学んで、活かす。Gunosyマーケター本気の推薦本、そっと教えます!

みなさんこんにちは!今年のはじめに『Gunosyエンジニアと読書』というテーマの記事を掲載したのを覚えていらっしゃるでしょうか。今回はその第二弾として、Gunosyで活躍中のマーケターはどんな本を読んでいるのか?おすすめの一冊は?そもそも読書好き?などさまざまな角度からインタビューを敢行。本が仕事や人生にもたらす影響を探ってみました。

【お話をうかがったマーケターのみなさん】
※画像左から
◎野崎さん…2019年入社。LUCRAのマーケや新規事業開発室などを経てマーケGへ。
◎眞武さん…2016年入社。マネージャーとしてマーケGを牽引。グノシーのPMも兼任。
◎渡部さん…2019年入社。グノシーやオトクルのプロモ畑を歩んだ後にマーケGへ。
◎工藤さん…2021年入社。インターン時、マーケGに所属。現在はPM見習いとして日々成長中。

人生における最初の一冊は…!?

ーそもそもみなさん、読書家タイプでしたか?

眞武:かなり読んでましたね。学生時代は本を読むのが勉強、みたいなところがあって。直接勉強に関係するものと、単純に興味のあるものをどちらもよく読みました。興味があったのは哲学ですね。

野崎:僕も小中高にかけてよく読む方だったかな。主に小説を読んでいましたね。あと、好きだったのはサピエンス全史。あれはジャンルとしては教養になるんでしょうか。そのほか歴史、科学など…いま考えると好奇心旺盛な子どもでしたね。

渡部:逆に僕は大学まではぜんぜん読まないタイプでした。月に2~3冊読むようになったのは社会人になってから。きっかけは、やはり本からの学びがダイレクトに仕事に活かせると知ったからです。

工藤:実は私も読んでませんでした。中学ぐらいまでは読んでたけど、高校に入ってからはなぜか活字が苦手になってしまって…渡部さんと同じく社会人になってからは月に2~3冊読むように。でも、いまでも正直、得意ではないかもしれません。

ーいちばん最初に読んだ本って覚えてます?

工藤:これ言うのちょっと恥ずかしいんですけど…『恋空』です。ケータイ小説が書籍化された作品ですね。小学校3年生の時だったかな。

眞武:懐かしい!『恋空』って映画化もされたよね。小6の時に観に行った思い出がいま蘇った(笑)。

野崎:僕は『霧のむこうのふしぎの町』。千と千尋の神隠しの原作です。青い鳥文庫っていう児童向け小説のシリーズをすごく覚えていますね。それとは別にハマったのが『バッテリー』。記憶に刻まれています。一時期あさのあつこさんの大ファンで。サイン会にも行ったぐらいです。

渡部:うーん、いちばん最初といわれると全く覚えていないですね。読み始めのころは小説、それもミステリー系を中心にちょこちょこって感じでした。東野圭吾とか好きでしたね。あと『君の膵臓を食べたい』なんかも読んだなあ。

眞武:僕は児童文学でしたね。『エルマーのぼうけん』とか。

渡部:エルマー…知らないですね。読んだことない。

眞武:エルマー知らないの!?『エルマーとりゅう』なんてめちゃくちゃいいよ。

学生時代に影響を受けた一冊

ー大学生の頃に読んだ本で印象深いものは?

眞武:大学時代は野矢茂樹という哲学者が好きで『哲学の謎』と『無限論の教室』のニ冊。かなり読み込んだ本です。ひたすら深く考えるところが面白いんですよね。哲学ってあてもなく考えるのではなく、ロジカルシンキングを積み重ねる学問。それに必要な論理的思考力や表現力を鍛えることができました。といっても全然難しくない。わかりやすい本です。

野崎:学生の時は焦ってビジネス書を片っ端から読んだ時期があったんですが、正直、いま考えるともっと別の読むべき本があったなと。そもそもビジネス書はビジネスパーソン向けに書かれているわけで、現場での課題へのソリューションが記されているわけですよね。だからその課題にぶつかっていない人が読んでもすごく上っ面な理解になってしまう。経験が伴わないうちから議論だけインプットしても刺さらないんですよね。

ー確かに学生向きじゃないですよね

野崎:逆に血肉になったというか、いまでも読んで良かったと覚えているのは『サピエンス全史』や『嫌われる勇気』ですね。アドラー心理学はいまでも記憶に残っています。個人差はあれど学生時代って人生に悩むというか、人はなぜ生きるのか、なぜ働くのかといったテーマでモヤモヤする時期だと思うんですよね。

眞武:どう生きて行くか、とかよくある問いだよね。

野崎:そうなんですよ。で、これは持論なんですが、あまり未来のことを考えても憂いるだけで意味がない。それよりも過去から学ぶほうが得るものが大きいと思っていて。たとえば人はなぜ生きるか、という問いに対しては、いままで人がどうやって生きてきたかを知ることで答えを得られる。モヤモヤすると短期的に実利を得ようとしがちなんですが、遠回りかもしれなくとも教養や視野を広げるほうが正しい道を歩めるんじゃないかと。

ー温故知新といったところでしょうか。一方であまり読まなかったという工藤さん、何かありますか?

工藤:私も野崎さん同様に焦ってビジネス書に走るタイプでした(笑)。ただ、ある長期インターン先の上司から薦められた『影響力の武器』はしっかりと覚えています。かなり分厚くて何度も挫折しつつなんとか読了しました。その方曰くこれ読んだら営業系の知識が付くから、時間のある大学生のうちに読んでごらん、って。

ー就活にも何かと役立ちそうですね

工藤:心理学っぽいところもあるのですが、確かに学生のうちに読んでおいたほうがいい。人の心と行動をコントロールするテクニックがたくさん詰まっているので、たとえばこの人がいまこう言ってるのって背景にはこういう狙いがあるんじゃないか、と冷静に仮説が立てられる。自分の選択肢を広げたり、詐欺とかから身を守る上でも役に立つんじゃないかと思います。

渡部:僕のおすすめはインターン期間中に読んだ『社会人一年目の教科書』。すでに仕事の現場に出ていたので、かなりリアリティを持って読めました。中でも印象的だったのは「自分の中で30%の仕上がりでいいからすぐに出せ」という教え。それまではじっくり考えて良いものを出さないと失礼だと思っていたんですが逆なんですね。短期インターンの時の礎になるんじゃないかな。

ーあとホウレンソウとかですね

渡部:そうそう、普遍的なスキルや考え方が載っているから、入社1年目に限らず役に立つのではないでしょうか。今でも大事なことが書かれているなと思います。

Gunosyに入社してからの「この一冊」は

ーではいよいよ社会人になってから影響を受けた一冊を

工藤:いちばん良かったのは『仮説思考』です。入社したての頃、未体験の課題を前に何がなんだかわからなくて、とにかく闇雲に情報を集めていました。1~2週間かけて情報収集し、選択肢が広がりすぎた結果、意思決定ができないみたいな。効率のよい仕事の進め方がわかっていなかったんですね。それで当時の上司に薦められたのがこの本です。

眞武:いわゆる網羅思考というヤツだね。

工藤:そうです。この本を読んでからは最初に自分の中で仮の正解を立てて、その上で必要な情報を取りに行ったり試したりできるようになりました。もちろんいまだに長年の経験からつい「とりあえず情報収集」ってなりかけるのですが、その都度「あ、陥ってる」と気づけるようになったのが大きな収穫かなと。

渡部:僕は一冊あげるとすると『イシューからはじめよ』ですね。入社して2~3ヶ月目だったかな。アルバイトから社会人になって、やれること、やりたいことの幅が広がって。なんでも頑張っちゃう。その結果、オーバーワークになってクオリティが下がってしまう。そんなとき上司から「生産性を上げるのが大事だよ」って言われたんです。

ーこの本は名著ですよね

渡部:ですよね。僕も読んでから仕事への向き合い方が大きくふたつ変わりました。ひとつは帯にも書いてあるんですが「根性に逃げるな」って本当だなと。自分のやらないといけないことを見極めて注力するのが大事なんだと思うようになりました。もうひとつは工藤さんと同じく仮説を立てる重要性ですね。このふたつは個人的に刺さったし、仕事にもハマりました。多少なりとも自分の生産性を上げることができたかなと。

工藤:私もついつい根性に逃げちゃってましたね(笑)。以前はとりあえず思いついたことを全部やってみようの精神で、いま思うとすごく効率悪かったですね…。

渡部:いま振り返ると大したことない作業に労力使ってたなあと思いますね。一般的にとりあえずやってみるタイプってベンチャーでは求められがちだと思いますが、とはいえ優先順位はつけるべきでしょう。そこが定まらないまま走り出すと意思決定が絶対ブレる。そのことがこの本を読めばわかるはずです。

ー野崎さんはどうですか?

野崎:この流れとはまったく異なるし、社会人になってから読んだ本でもないんですが…圧倒的にお薦めしたいのが『シールド(盾)』村上龍さんとはまのゆかさんによる絵本です。ストーリーを要約するといいこともあれば悪いこともあるという話なんだけど、メッセージとしては人間はまんなかに柔らかい部分があって、それをいろんなシールドで守っているということを伝えたいのではないかなと。絵本なので直接的には書いてないんですけどね。

ー確かにこれまでのラインナップとは異色ですね

野崎:これ読んだの小学校3年生ぐらいなんですけど、すごく好きなんですよね。学生時代のおすすめ本と同じなんですけど、どうやって生きていこうみたいなのを考えさせられる。だから今でも手にする。人生の節々で読んでいます。あとは高野悦子の『二十歳の原点』ですね。これは最近読んだエッセイです。『生命科学的思考』もおすすめ。サピエンス全史に近い。

ー野崎さんの場合、人間そのものに迫る本が多いですね

野崎:ビジネス書はおすすめされなくても課題にぶつかれば読むでしょう。それよりも僕はおすすめされないと読まないであろう本を選んできました。どうしてもベンチャー企業って似た属性の人が集まりやすいじゃないですか。あとGunosyだとみんな本当に一生懸命頑張っている。それは素晴らしいことなんだけど、それ以外の可能性に目を向ける機会って意外と少ないと思うんです。でも、もしかしたらいま目の前に見えていない道にも幸せってあるかもしれないじゃないですか。

ーなかなか深い話です…

野崎:ビジネス書ではミクロな課題は解決できても、もっと根底にあるモヤッとした想いや悩みまでは解決できなかったりしますよね。それは視野や思考を広げる本の役割じゃないかなって思うんです。だから今回本棚からひとつかみ持ってきたのはベンチャー系企業で活躍中の人がまず読んでいないだろう本。僕自身、仕事と直接関係ない本のほうが好きだし、あえて意図的に選んで読むようにもしています。

ーでは眞武さんのお薦めは?

眞武:社会人になってからのお薦めは『ダークサイド・スキル』ですね。学生時代はビジネス書や自己啓発系の本は嫌いだったんです。それは意識高い系が読むものだと(笑)。でもさすがに社会人になって、必要にかられて読むようになりました。何冊か読んだ中でいちばん自分の肌にあうのがこの一冊です。

ーどのあたりがハマりましたか?

眞武:この本の中で語られているのは一般的なスキルではなく、上手い上司の使い方とか空気を読まずに変革を起こすとか。あるいは意図的に相手とウェットな関係値を築いて動いてもらうか…ひとつひとつの表現は良くないかもしれませんが、仕事ができるミドルリーダーにとって大事な観点、そして実践的なスキルが学べる点です。

手にしたきっかけは、ちょうど入社2年目の終わりですね。マネージャーになって3〜4ヶ月経過して、なかなか上手くいかなくて思い悩んでいたときでした。当時の執行役員に薦められて読んだんです。

ー実際にマネジメントの役に立ちましたか?

眞武:いろんな部署のキーマンが誰で、誰と気軽にコミュニケーションとれる状態を作っておくと有益かという視点は役に立ちましたね。いざというときに誰に聞けばいいか、誰を頼ればいいか。それはつまり自分のスキルを拡張することになりますからね。たくさんのステークホルダーと適切にコミュニケーションがとれる関係値を作っておけばいろいろとスムーズに動く、という実感はあります。

ーマネジメント以外にも使えそうですね

眞武:そうですね、必ずしも部下がいなくても広い視野を持ってプロジェクトを進める上では役に立つ一冊かと思います。工藤さんにもおすすめしたよね?

工藤:はい、入社したての頃に紹介いただいて早速読みました。勉強になったなと思いつつも、当時はブライトサイドスキルを鍛えるのに精一杯だったから、自分ごととして落とし込めていなかった。でも今日のお話を聞いて、あらためて読み直そうって思いました。

野崎:まだダークサイドへいってないわけだよね(笑)。

読書は自分をひとまわり大きくしてくれる

ーここまで紹介された本で読みたいと思ったのはありますか?

工藤:あの、野崎さんが持ってきてくれた『あやうく一生懸命生きるところだった』ちょっと読んでみたいです(笑)

野崎:いやこれほんと深いから。面白く深いことが書いてある。このシリーズは全部面白いよ。

渡部:僕も『仮説思考』や『ダークサイド・スキル』は読んだから、今度は『シールド』読んでみたいですね。自分からは手を出さないだろうから、かえって気になります。

野崎:『シールド』は絶版だからね。Amazonで手に入るうちにぜひ。僕も昔から何冊も買っては友人に贈ってた。それぐらい素晴らしいよ。

ーマーケターとして必読の書、というものがあれば

眞武:コトラーかな。あと『顧客起点マーケティング』ですね。コトラーはマーケティング3.0と4.0あたりを読んでおけば世の中のマーケティングとはこういうものかとわかると思います。あと『伝え方が9割』とかもマーケ観点では大事かも知れませんね。

一同:ああ、確かに!

ーやはりみなさん読書家ですね。本を読むとき意識してることは?

野崎:人からお薦めされた本は絶対に読みます。本って思考と志向があらわれると思っていて。自分で手に取る本ってどうしても興味関心ある分野に限られがちなんですよね。なのでお薦めされた本を読むことで新しいエッセンスというか、視野が広がるなと。

工藤:私は読んでいる時にハッとしたことはKindleで線を引いたり、コピーしてスクラップするとかして必ず残すようにしています。あと、具体的に当てはめて自分ごと化するのを大事にしていますね。

渡部:一緒ですね。僕は読んだ本のサマリと一言感想を添えて自分のSlackに投稿しています。やはりちゃんと理解できていないとサマリ書けないし、感想を言語化することで自分の中に落とし込める。仕事に置き換えたらどう活かせるだろうとか、読みつつ考えつつ。

ーでは最後に、眞武さんにとって読書とは?

眞武:読書…ジャンルにもよりますが、自分を拡張できる機会だと捉えています。自分が主体者として体験できないことを追体験できるものなので、その意義と価値はすごく大きいなと思っていて。しかも文字ですからめちゃくちゃ想像力を駆り立てるわけですよね。それが頭の中に再現されるので鮮烈な体験になるなと。

小説は顕著ですがビジネス書に関しても、書いてあることを理解するためには頭の中で図式化したり、ビジュアライズする必要がありますよね。自分の言葉で言い直してみないことには理解が深まらない。それだけ思考力が鍛えられるわけです。自分自身の知っていることや経験したことが疑似的に拡張されるものなので。だから読書とは、知識、感情、感性含めてひとまわり大きくなれるものと言うイメージですね。

ーみなさん、本日はありがとうございました!

【みなさんのおすすめ本】
※本文中で紹介しきれなかったタイトルも記載してあります。興味のある方はぜひ!

■眞武さん

『哲学の謎』野谷茂樹 著
『無限論の教室』野矢茂樹 著
『ダークサイド・スキル』木村尚敬 著
『新釈 現代文』高田 瑞穂 著

■野崎さん

『シールド(盾)』村上龍 著 はまのゆか 絵
『二十歳の原点』高野悦子 著
『生命科学的思考』高橋祥子 著
『仕事』川村元気 著
『あやうく一生懸命生きるところだった』ハ・ワン 著

■渡部さん

『イシューからはじめよ』安宅和人 著
『USJを劇的に変えた、たった一つの考え方』森岡毅 著
『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』水野学 著

■工藤さん

『仮説思考』内田和成 著
『ジョブ理論』クレイトン・クリステンセン タディホール 他著

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