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「Gunosy Way」から「Gunosy Pride」へ。社員を巻き込んで生まれ変わった新バリューに込めた思いを、プロセスとともにお話します!

こんにちは、役員秘書の芽瑠です。この度Gunosyでは、社員の行動規範ともいえるバリューをリニューアルしました。私もイチ事務局メンバーとして熱を込めて取り組みましたので、リニューアルに至ったきっかけや完成までのプロセス、新バリューの具体的な内容について当事者目線で記してみたいと思います。

このブログが、これから初めてバリューを作ろうというフェーズの企業様や、当社と同じように刷新したいと思っているフェーズの企業様の参考になれば幸いです!

プロジェクト発足のきっかけ

当社が創業初期から運用してきたバリューは「Gunosy Way(グノシーウェイ)」と呼ばれ、約9年もの間会社の成長を支える指針として存在していました。しかし、成長ステージの移行や従業員数の増加・入れ替わりなどにより、必要とされるバリューに変化が生まれるように。また、一部のバリューにおいては言葉の解釈が独り歩きし、本来定義していた意味とは別の言葉として浸透してしまった事実もあった為、今こそテコ入れが必要と判断しました。

プロジェクトの発足時期は、2021年1月頃。大前提として「Gunosy Way」があったからこそ今日までのGunosyが創られてきたので、良い部分はそのまま継承しつつ、本来の意図からズレが生じてきたものについては刷新しようというのが大まかな方針です

旧バリュー「Gunosy Way」の内容は以下の10項目

後に記述する社員インタビューでは、「10個のうちいくつ言えますか?」という問いに対して、ほとんどの社員が1つ〜3つしか記憶していないことが分かりました。どれだけ一つ一つが良い内容でも社員に記憶され、浸透し、体現されなければ意味がありません。そこで新しいバリューは多くても5つまでにしようという方針も固まりました。また、以下のコンセプトも掲げました。

新バリューを作るにあたってのプロセス

具体的なプロセスとしては、6段階のフェーズをじっくり半年かけて進めました。決して妥協せず、クオリティ重視で進めることが全員の念頭にあった為、途中で何度か議論が延長戦に突入したことも。。。

では、各フェーズのポイントを振り返ってみたいと思います。

フェーズ1:木村(現会長)へのインタビュー

もともとGunosy Wayは、現・代表取締役会長の木村が創業初期の2012年頃に作成し、創業者らと共に浸透させていったものでした。当時のITベンチャーでバリューを掲げている企業は少なかったと思いますが、会社が成長するためには行動指針が必要不可欠であると木村は考え、企業としての価値観や、事業内容、市場環境などをもとにGunosyらしさを言語化しました。そのため作成当時の思いや、今回アップデートするにあたって大事にしたいこと、入れたい要素などをすり合わせるためのインタビューを実施。

ヒアリングを重ねる中で見えてきたのは、昔は会社がマーケットの中で生き残るためにある程度数字を追求していくことが必要だったが、今は企業として成熟し、私たちが理念としても掲げている社会的な課題の解決にどのように取り組んでいるのか?といった企業として存続する社会的意義を打ち出していかなければならないフェーズにあるということです。「新しいサービスをパパッと作ってダメならすぐ諦めたり、ちょっと儲かれば良いといったマインドではなく、時間がかかってでも他の会社が作れないようなサービスを作っていく会社でありたい。"こんなサービスがあれば世の中がもっと良くなる"というものを生み出したい」という話がとても印象的でした。

フェーズ2:福島 良典氏(創業者/元代表取締役)へのインタビュー

社会的な意義があるということは、GunosyのOB/OGからも応援されるような内容であるべき。そんな思いから創業者として長きにわたってGunosyを牽引してきた、現・LayerX CEOの福島 良典氏にもインタビューをしました。Gunosyの歴史の中で「Gunosy Way」が機能したと感じた点や、逆に裏目に出てしまったと思うこと、Gunosyらしさとは?といったテーマでディスカッション。

10個のバリューの中でも「数は神より正しい」の、迷った時にしっかり数字を見て判断する文化は成長の根幹を支えてくれた一方で、会社のフェーズが変わり成熟していくにつれて数字至上主義のような言葉の解釈に寄ってしまったことは福島さんが経営する時代から既に起こっていたと言います。

中でも印象的だったのは「会社がバリューとして掲げていることと現実がかけ離れると、社員は極端な行動をするようになってしまう。せっかく良いバリューがあっても運用されていないと逆回転し、良いバリューであればあるほど体現できてない時のインパクトも大きい」という言葉。本来は迷ったときに社員が同じ方向を向くための指針なのに、まるで正反対に作用してしまうことも現実として起こるかもしれない・・・。私たち事務局メンバーも、責任重大なミッションであると再認識しました。

フェーズ3:社員へのインタビュー

このフェーズでは、ポジションや在籍年数などが異なる約40名の社員に協力してもらい「日常のどんな場面でGunosy Wayを意識するか?」や「それぞれのバリューに対する印象」などをヒアリング。具体的には、コーポレート・セールス・エンジニア・マーケティングの4部署のスタッフの中から満遍なく選定しました。中でも中途社員からは前職のバリューについてヒアリングすることができ、各会社の独特なカラーが見え参考になりました。それから前述の通り「あなたはGunosy Wayを何個言えますか?」の問に対してはほとんどの社員が1〜3個程しか口にできず、あとは記憶にないという事実も認識することとなりました。

フェーズ4:公募によるワークショップの実施

フェーズ1~3を経てGunosy Wayの浸透具合ならびに解釈の齟齬といった課題感が浮き彫りとなり、改善すべき方向性が見えてきました。そこでフェーズ4では、公募制によるワークショップを開催し、複数人でより深いディスカッションをする時間を取ってみることに。また、トップダウンによる一方通行のバリューではなく、社員の自発的な意見も取り入れたものにしたいという考えからの開催でした。

公募制にしたのにも理由があります。それは、帰属意識の高い社員が応募してくれるであろうこと。良い組織にしていきたいという思いや、自分の意見を新しい行動指針に取り入れたいと感じている社員にこそ、ぜひ積極的に協力して欲しいと思いました。ディスカッションテーマは以下3つ。グループに分かれ、Google Jamboard(オンラインホワイトボード)にアイデアを出していくブレスト方式で進めました。




社員インタビュー同様に、在籍年数やポジションの異なるさまざまな社員が協力し、活発に意見を出し合いました。その間、事務局は各チームを巡回してワークの内容を観察。改めて社員の生の声を聞く良い機会となり、バリューの刷新有無に関わらず、部署やチーム単位で定期的に実施するのも良いのではないかとの意見がでたのは収穫でした。

フェーズ5:プロのライターを交えたワーディング案の推敲

インタビューやワークショップから得たエッセンスを抽出しながら、いよいよワーディング作業に入っていくのですが、ここで想像を絶する壁にぶち当たります。

「それっぽいワーディングが思い浮かばない。。。」(絶望)

私たち事務局メンバーがいくら頭をフル回転させて考えても、「これだっ!」というものが出てこず大苦戦。ですが妥協は絶対にしたくないということで、外部のライターさんに協力を依頼しました。初回の打ち合わせではインタビューやワークショップの結果について共有し、どんなバリューにしたいかなどをお伝えしながら方向性のすり合わせを実施。その後、役員へのプレゼンテーションに向けていくつかワーディングの候補を作成いただきました。いくら頭を悩ませても出てこなかった魅力的なワーディング案を次々とご提案いただき、これは良いものに仕上がりそう!という予感がしたことを覚えています。

フェーズ6:オブザーバーの役員陣を交えたワーディング作業(複数回実施)

複数のワーディング案を用意し、取締役4名を交えたディスカッションの場を設けてのプレゼンを実施。社員の性質的に「try&try」や「恐怖に打ち勝とう」といった少年漫画のようなセリフはあまりハマらなさそうだよね〜といった風土を鑑みた意見や「〜しましょう。」「〜する。」といった風に、言葉尻をどんな口調で締めるかでも印象が大きく変わるよね〜など、一文字一文字にこだわりながらワーディングを進めました。このフェーズ6の作業は、当初2〜3回実施して完成に持っていく想定でしたが、実際には2時間以上におよぶ議論を計4回実施。Slack上でも役員同士の活発な意見交換が行なわれるなど、見る見るうちにブラッシュアップされていきました。

そんなこんなで完成した新バリュー「Gunosy Pride(グノシープライド)」の内容発表!

まず、「Gunosy Way」から「Gunosy Pride」になった経緯ですが、

きっかけは役員陣交えてのディスカッションの場での、こんなやりとりからでした。

Way(道)を歩く私たちの目線が今つま先を見ているとしたら、今度はその目線を胸元まであげてみないか?心にPrideを持って働こうじゃないか!という強いメッセージ性に、その場にいた全員が賛同しました。

三方よし

4つの中で、唯一GunosyWayから継承されたバリュー。元々は近江商人の言葉で売り手よし・買い手よし・世間よしという三方が由来です。議論の中で、三方では足りないよねという意見が出てきたことをきっかけに、ワーディングはそのまま、内容に上司、部下、顧客、ユーザー、株主などステークホルダー全方位に善を尽くそうという思いをプラスしました。それなら八方よしはどうだろう?といった新しいワーディング案も浮上しましたが、八方覚えるのは困難であろうことから、なるべく複雑な言い回しは避け、意味を再定義する方針としました。

サイエンスで機会をつくる

「数は神より正しい」の継承としてできたバリュー。正直なところ、このバリューに1番時間を費やし、納得感が得られるまで話し合いました。創業初期から「数は神より正しい」を合言葉のようにして走ってきた結果、企業としてしっかり数字を上げて成長することができました。その一方で言葉が独り歩きしてしまい、短期的な数字を見るようになったり数字至上主義のような組織になりつつあったのも事実です。本来の意味だった、数字というファクトをベースに事業機会をつくることや、会社として今後どういうチャレンジができるかを発見するためのツールとして数字にも目を向けよう!という良い部分は残しつつ、一人歩きした場合でも間違った方向で捉えられることのないワーディングへと生まれ変わらせることができました。

百年クオリティ

今までのGunosy Wayにはほとんどなかった要素のバリュー。短期でなく長期の無形資産を積み上げていこうという気持ちから作られており「サイエンスで機会を作る」と「百年クオリティ」が両立するような意思決定ができることで、骨太かつ中長期で成長する企業になれると思います。

逆境に熱狂せよ

「迷ったら挑戦しよう」をよりアグレッシブに変化させたバリュー。会社には良い時と悪い時の波が必ずあり、たとえ悪い時でも逆境がチャンスだと思って動ける人を社内に増やしたいという願いを込めました。大変な時に踏ん張り、やり切れた時こそ成長角度が上がる。そうして個人個人が社会からも周りからも信頼されるような、そんなスタンスを持って働く人があつまる会社でありたいと思います。

まとめと今後への期待

創業当時からの大切にしていた企業文化を継承しつつ、未来のさらなる成長に向け、新しい要素も加わった新バリュー。作成に関わった人はもちろん、Gunosyに所属する社員やOB/OGの皆さんにとっても納得感のあるものに仕上がったのではないかと思います。もちろん完成させて終わりではなく、むしろここからが新たなスタート

今後はこのバリューが社員の心に浸透し、言動に現れていくような体制づくり、社員一人一人の心掛けや努力が必要になってくるのかなと思います。バリュー刷新がもたらした変化なども、今後ブログでご報告できればと思ってますので、ぜひご注目ください!

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