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「メディアを横断して最適な提案を」Gravityのデジタルプランニング

2022年に誕生した博報堂Gravityは、ファッション・ラグジュアリー・ライフスタイル領域のブランディングを得意とする広告会社です。博報堂グループ内にあった博報堂マグネットとコスモ・コミュニケーションズの2社が統合し、ノウハウ、スキルを融合することで、ブランド起点の統合マーケティングをワンストップかつ、高いクオリティで提供しています。

今回は、博報堂Gravityのデジタルプランニングを担うセクションについてご紹介。デジタルマーケティングプランニングユニットでチーフを務める山越香に、3つのデジタルユニットと、他社との違いについて解説してもらいます。

 ▼プロフィール

山越 香(やまこし・かおり) / 職種:デジタルプランナー / 2015年4月 入社

デジタル関連のプランニングに携わるメディアリレーションデザイン部所属。その中でもデジタルの課題に対してオールラウンドに最善のソリューションを提供し戦略策定からプランの設計・実行までを行う、デジタルマーケティングユニットのチーフ。デジタルの観点から統合プランニングの強化を後押ししている。

デジタルマーケティングの3つのユニット

───Gravityにあるデジタルマーケティングプランニングユニットについて教えてください。

山越 香(以下、山越):Gravityのデジタルマーケティングは、3つのユニットに分かれています。アッパーファネルにあたるのが「メディアDXプランニング」。蓄積したデータを用いてデジタルマーケティングを行い、デジタル、テレビ、雑誌、新聞など、さまざまなメディアの垣根を超えて最適なプランニングを行います。
ミドルファネルにあたるのが、私のいる「デジタルマーケティングプランニング」。戦略策定からデジタルアドを運用するためのディレクション、コンテンツの提案、ウェブサイトの制作、SNSのアカウント運用まで、クライアントやブランドのパーセプションを変化・拡大するための施策を行います。
ロワーファネルにあたるのが、Eコマース領域でのプランニングを行い実行フェーズを先導する「Eコマースプランニング」。クライアントのECサイトの売上を伸ばすために、博報堂グループ内外のリソースを駆使してPDCAを回していきます。

───山越さんはデジタルチームの発足時のメンバーでもあるんですよね。どういう経緯で立ち上げられたのでしょうか。

山越:Gravityの前身の企業である博報堂マグネットの話になりますが、デジタルチームができたのは7〜8年前のことです。世の中の潮流としてデジタルアドが増えて、専門性を持ったチームが必要になるという考えからでした。当時、私は営業のサポート業務をしていたのですが、新しいことにチャレンジしたいと思っていましたし、これからデジタルが重要になってくると確信していたので手を挙げたんです。私を含めた3人でデジタルチームを発足しました。

───3人ではじまったデジタルチームが、今では3つのユニットに分かれるまでになったんですね。やはりクライアントからのニーズがあったのですか?    

山越:2社が統合して人数が増えたこともあり、目的に応じてチームを使い分けるようになっていきました。結果に直結しクライアントからの期待も高い、刈取り型のソリューション提供に注力したいと考えて、まずロワーチャネルのチームができました。

そこから、ただ見栄えの良いものをつくるのではなく時流やユーザービリティにあわせたクオリティの高い、なおかつ計測・分析ができるデジタル視点も反映されたウェブサイトや自社コンテンツを制作したいと思い今、私のいるデジタルマーケティングプランニングチームができました。

さらに、一番新しいのが今年の4月にできたメディアDXプランニングチーム。メディアを横断してキャンペーンを設計し効果を測定したいという課題に対応するために誕生したチームです。思い返してみると、そのとき、そのときの時代の流れやクライアントの期待に応えて組織を進化させてきていますね。

メディアを横断して最適なプランニングを

───クライアントからのお題に対しては、どのように応えていくのでしょうか。

山越:クライアントから私たちのところにご相談がきた時点では、「ブランドの認知度が10%しかないから、30%に上げる施策をください」とか、「次に買いたいブランドの候補にうちの名前が挙がるようにしてください」といった、ふわっとした内容のオリエンテーションがほとんどなんです。

そこで、クライアントと丁寧にコミュニケーションをとってニーズを深堀りし、それを叶えるために、なにをする必要があるのかを逆算していきます。最終的には数字がどう動いていくのかシミュレーションを作成し、どこまで達成ができるかを試算した上で提案します。

───Gravityのようなデジタル専業ではない総合広告会社に依頼することは、クライアントにとってどんな利点がありますか?

山越:デジタル専業の会社では、基本的にデジタル以外のメディアの提案はされないと思います。もし、クライアントが他のメディアでも施策を行うことになった場合、そのメディアを得意とする広告会社を探して発注する必要が出てきますよね。

総合広告会社ではあらゆるメディアを横断して最適なプランニングを行うので、メディアによって切り分けて発注する必要がなく、一社だけでコミュニケーションが完結することができるんです。また、クリエイティブに一貫性を持たせることができるのも大きな利点ではないでしょうか。

───総合広告会社のなかでも、Gravityのデジタルマーケティングの強みってどんなところにありますか?

山越:クライアントの窓口となるビジネスプロデューサーはもちろん、コミュニケーションプランナーやストラテジックプランナーなど、得意分野の異なるスペシャリストたちと連携しているので、それぞれの強みや興味を活かした多角的な視点からの提案ができることです。

また、クライアントともGravityが運用を依頼するパートナー企業とも直接コミュニケーションがとれるので、上流から下流まで、全体を把握できていることです。

───全体を把握することで、具体的にどんなメリットが生まれるのでしょうか。

山越:そうすることで、課題解決までの道筋がクリアに見えることがあるんです。

つい最近でいうと、海外ブランドを担当したときに、クライアントからは「デジタルで何か施策がしたい」といった希望がありました。話している内容がどこか噛み合わず、丁寧に聞き取りを行いました。すると、クライアント側の担当者が外国の方だったので、日本でのブランドの認知度について、認識が乖離していることがわかったんです。クライアントは自国で認知度があるから、日本でも認知されていると思っていたのですが、私たちとしては「知る人ぞ知るブランド」といった印象でした。

そこで、デジタル上でどれくらい検索されているのか、どのように認知されているのか、といったデータを集め、まずは現状のブランドの立ち位置をお見せしました。その上で、これまでのデータやプランニングの知見を活かし、ターゲットはどういった対象なのか、ターゲットに対してどんな施策が効くのか、デジタル以外のメディアとも組み合わせることでクライアントの期待する結果に応える、知度を上げる最善の施策を盛り込んだ提案ができました。

多角的な視点をもってクライアントと直接コミュニケーションをすることで、効果的な施策にたどり着けたと思います。

成長のための学びの機会を得られる

───これまでクライアント側からのメリットを聞きましたが、働く側からすると、どんなところにやりがいを感じますか?

山越:どうしても、デジタル専業の会社さんだと、デジタルの数字だけで完結することが多いと思うんです。例えば、店舗を持っているブランドを担当していたとしても、店舗の声までは拾えません。Gravityには調査をディレクションするチームもいるので、店舗の声も拾えますし、豊富なデータを掛け合わせることでデジタルとリアルを合わせた多角的な分析ができます。その上でPDCAを回していけるのはやりがいがありますね。

また、他社だと、営業担当が窓口となり、デジタルプランナーは一歩下がる場合が多いと思うんです。でもGravityは全くそんなことはなく、営業と並走してるような感じ。デジタルプランナーがちょっと前に出すぎているときもあります(笑)

───デジタルの専門職というと、机に向かって黙々と仕事をするイメージがあったのですが、Gravityではクライアントと直接コミュニケーションをとることもあるんですね。

山越:そうですね。世の中の潮流として広告とデジタルは切り離せないですし、デジタルでできる表現の幅も広がっているので、クライアントさんからは、「デジタルの知見を踏まえた意見を聞きたい」とご指名いただくこともあります。

机に向かって黙々と作業するタイミングももちろんありますが(笑)、プロジェクトに対して多いときには10人程度のチーム制をとっているので、基本的には1人で作業するのではなく、コミュニケーションをとりながら仕事をしています。営業担当が4〜5人いて、デジタルチームが3人くらい。ストラテジックプランナーやコミュニケーションプランナーなどを合わせてひとつのチームになっています。
リアルでのやりとりはもちろん、ビデオ会議ツールなどを使うこともあり、リアルタイムでみんながざっくばらんに話せるような環境を作っています。

───デジタルのトレンドは日々変わっていく印象です。普段からどのように知識を得ているのでしょうか。

山越:デジタルの「正解」って基本的にひとつじゃないと思っています。もちろん、自分がやっていることが正解だと思ってクライアントに提案するんですが、世の中には違う考え方をする人もいるだろうし、私はいろんな人の意見を聞きたいタイプ。なので、何がトレンドで、どういうことが世の中で注目されているのかは、SNSを活用したりセミナーに参加したりして積極的に情報を探しています。
インターネットから情報を得ることもあれば、マーケティングや消費トレンドの専門誌を読んだり、ウェブメディアに課金したり。アンテナを張って、自分から情報を得るようにしています。社内には専門誌を揃えていて閲覧できますし、「こういう本が必要なんです」と相談すれば取り寄せることもできます。

───Gravityは、成長のために必要なものを会社で用意してくれるんですね。

山越:そうなんです。他にも、私は会社に相談して外部の社会人大学院の講義を受けさせてもらったことがあります。
当時の自分の能力ではマーケティングの視点が不足していると感じたので、社会人大学院の講義を受けたいと上司に話したら、通わせてもらうことができました。授業料は結構高額なんですけど、会社がお金を出してくれて。会社やグループでやっている研修とかセミナーだけでなく、理由と熱意があれば、それぞれの成長の応援をしてくれます。

Gravityのデジタルチームで働く人たち

───山越さんがチーフを務めるデジタルマーケティングプランニングチームには、どんなキャリアの方たちがいらっしゃいますか。

山越:チームには私含めて4人いるんですが、1人は子育て中の女性。営業出身でデジタル未経験だけど挑戦してみたいということで、異動してきました。1人は前職でデジタル専業の会社にいて、数字や分析が大好きなオタク気質。もう1人は不動産のデジタルの営業をしていて、InstagramとかTikTokなどのソーシャルメディアに強いメンバーです。それぞれ興味のある分野が違っていて楽しいですよ。

───それぞれの個性を尊重しながら働いているんですね。

山越:なんか動物園みたいな感じなんです(笑)。いろんな動物がいて、それぞれの個性を大切にしている。別にゾウがキリンに対して物申すこともないじゃないですか。「そういうものか」って、お互いが理解し合うというか。

───面白い例えです(笑)。山越さんはチーフとして、どういった環境作りを意識されていますか?

山越:基本的にはお互いの立場を度外視して、みんなが気負わずフラットに発言できる環境を作れるように心がけています。年次や年齢がさまざまなのですが、私が上司だから物申せないみたいな環境は健全じゃないので。

また、チームには子育て中の方もいます。小さい子を育てていると生活リズムが違ったり、子どもの急病に対応しなくてはならない場合もありますが、そんなときに「申し訳ない」と思わずに働けるような雰囲気を作るようにしています。

───デジタルチームには、どんな人に入社してほしいですか?

山越:面接のときに見ているのは、知識の量よりも、素直な人かどうか。知識が長けていても、人の意見を聞く耳を持っていないと難しいなと思う場面が多いので。「デジタルマーケティングについて語れるかどうか」みたいなことは、私はそんなに求めていないです。むしろ若い方であれば、やりたいことが明確に見えていなくて、「Instagramに関する何かをやりたい」などの動機でも、それが意外とビジネスに繋がる可能性もあるので大丈夫です。

あとは、チームで仕事を進めることに対して抵抗がない方に入社してほしいですね。そのためにはチームのために、最後までやりきる意識のある人であれば、特別なスキルがなくても歓迎します。



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