「イードアさんは人材紹介企業というより、カメラブの人事担当ですね」カメラブ代表の高坂が信頼を寄せるのは、株式会社イードアでマネージャーを務める山川さんです。1年足らずでCxOを含む4名ものハイレイヤー層の採用に成功し、カメラブの組織拡大に寄与してくれています。
今回はハイレイヤー層採用に至るまでの様子や、カメラブが急成長フェーズでとった採用戦略について伺うために、株式会社イードア山川さんとカメラブ代表高坂の対談を実施しました。
出会っていきなり逸材が登場
山川)カメラブさんのご支援がスタートしたのは2021年11月頃でした。カメラブさんがシリーズBの資金調達をしたタイミングで事業内容を調べて面白そうな会社だと思い、代表の高坂さんに連絡をしました。
高坂)連絡をもらってからまだ1年たっていないんですね。普段は営業連絡をいただいても直接お会いできないケースが多いのですが、調達後でタイミングがよかったのと、ご提案いただいた人材例が具体的でわかりやすかったので、いい人との出会いが期待できそうだと思いました。
山川)ありがとうございます。最初にご紹介したのが現在CTO兼CDO・プロダクト部長として活躍されている大隅さんなのですが、履歴書をみたときに奇跡だなと思ったんですよ。カメラブさんに必要なスキルセットをお持ちなのはもとより、趣味にカメラと書いていらっしゃったんです。
高坂)大隅さんが面談に進んでくれると聞いたときは驚きました。ビッグデータやAIの黎明期にデータサイエンティストとして活躍していた方がカメラブに興味をもってくれたのが有難かったです。
山川)大隅さんは選考が進むなかで、カメラブの成長性や撮影体験を通した、人の人生を豊かにしていくカメラブのビジョンに共感されて入社意欲が高まっていったように思います。
採用時からオンボーディング?カメラブ独自の採用方法
山川)スタートアップ企業の支援で感じるのは、採用に対する経営者のコミットメントの重要性です。初回面接から代表者が同席するケースは最近増えていますが、カメラブさんの場合、すべての面接で代表の高坂さんが同席されていたのに驚きました。採用への本気度を感じています。
高坂)CXOクラスの採用時はなるべく自分も同席するようにしています。経営レイヤーの方は自分とのやりとりが多くなるので、入社した後のギャップがないようにコミュニケーション回数を増やしています。チームメンバーとも働くイメージがつくように、面接時からオンボーディングするつもりでなるべく面接に同席しています。
山川)改めてすごいですね。CEOがここまでコミットする会社は少ない気がしています。イードアは企業の採用面接に同席させていただいているのですが、カメラブさんはカジュアル面談よりも自然な面談をしている印象があります。企業の魅力を伝えて、信頼関係を構築する姿勢がすてきなのですが、求職者さんが企業に合うか、スキルが足りているかなどの評価も必要だと思います。「アセスメント」と「魅力付け」のバランスはどのようにされていますか。
高坂)カメラブはほぼ名の通っていないスタートアップですので、アセスメントよりも事業内容や展望などをお伝えして興味をもってもらうのが先だと考えています。興味をもってお互いの理解度が高まり「同じ未来を目指せそうだね」と自己開示できる状態になって初めて、条件面や役割について話を詰めていくスタイルです。
山川)たしかに、カメラブさんは面接で必要以上に会社を良くみせることはせず、ありのままの状態をみせている印象があります。
高坂)現実と反した姿を伝えることはしたくないので、至らない点も含めてあらいざらい伝えるコミュニケーションを心がけています。創業当初はクラブチームに近いスピード感やゆるさがあったのですが、拡大期に入りメンバーが増え続けるからこそ直面する組織課題もすべて伝えています。
幸せに働ける組織とは
求職者が面接後に「こんな人と働きたい」という会社
山川)ほかにも、面接に同席して感じるのはお会いする経営陣やメンバー皆さんの人柄が素晴らしいんですよね。候補者の方にも「この人たちと働きたい」とよく言われるんです。そういった組織になるために心がけていることはなんですか。
高坂)ありがとうございます。カメラは多くの人にとって「人を喜ばせる、楽しませる」手段になると思うんです。カメラブが目指している方向性はまさにそういった、カメラを通じて人の人生をよりゆたかにする世界観なので、働くメンバーがまずは幸せに働けることも重要だと考えて組織づくりや環境を目指しています。そういったスタンスやビジョンに共感するメンバーが入社して同質化しているのかもしれないですね。
山川)確かに選考途中で意向が上がっていくのもありますが、応募段階から既に御社の世界観に共感している方が多いと感じます。
入社後に活躍をしてもらうための「カメラブ流」組織
山川)もうひとつ特徴的だと思ったのは、カメラブさんは最初からCxOクラスのオファーをしている点です。ほとんどの企業では経営幹部採用をする場合、まずはマネージャ―や部長職として採用し、後々経営層に昇格させるケースがほとんどです。
高坂)成長過程で採用方針は変わりますが、基本的にその方の力を試すよりもポジションを用意したほうが動きやすいと思っています。企業によってオファー時の提示ポジションは様々かと思いますが、カメラブはポジションを渡してチャレンジできる環境を用意してきました。目標管理と課題管理ができれば成長も早くなりますし、挑戦できる設計です。
山川)挑戦する気持ちと同じくらい、貢献したい気持ちも大切ですよね。求職者さんも、情緒的な観点で企業を選択する人が増えています。
高坂)その人がやりたいことと、カメラブの方向性における共通点は重視していて、解像度高く将来像を思い描けるのが大切だと思っています。WILL(やりたいこと)、CAN(できること)、MAST(やらないといけないこと)のバランスが大切とはよくいいますが、CANを重視しすぎるとスキル重視になるので、WILLも大切に同じ方向を向いてその方の目指す将来像を一緒に目指せる状態が理想的ですね。
どんなことがあろうとぶれない軸と事業展開
山川)私は多くの求職者さんと面談して企業を紹介しているのですが、カメラブさんはどんなご志向性の方にもマッチする部分を訴求することができ、魅力ポイントの引き出しが多いと感じます。
たとえば、BtoCで一般ユーザーを対象とした事業から、大手企業や行政とのアライアンス事業を展開するBtoC向け事業も展開しています。社会課題の解決や地方創生、教育の取り組みもされているので、色んな角度から求職者さんに提案ができます。ここまでの事業展開は創業当初から構想があったのでしょうか。
高坂)事業が広がっていく期待はもっていたものの、具体的には想像していなかったですね。
コロナ禍によって人々の関係が希薄化する一方で、人生100年時代とも言われています。余暇時間の増加など時代背景もある中で、ヒトがより豊かに生きる支援をしたいという思いから、「カメラと人の新たな関係をつくり心が動く景色を次の世代へ。」というパーパスを定義しました。改めて、カメラのレンタルではなく体験を生み出す方向が明確になりました。
山川)「モノ」だけではなく「コト」「トキ」という体験価値を生んでいるのは本当にすてきだと思います。自分自身も過去の写真を見返すことで元気になったり、友達といつまでもつながったりできると感じます。
カメラブさんの採用面接に同席していると、パーパスの話がよくでます。パーパスが浸透しているからこそ事業拡大しているんだなと思います。今後の事業展開についても教えてください。
高坂)撮影したくなる瞬間を増やしていきたいです。カメラは多くの人にとって思い出を残す手段だと思います。笑顔になる瞬間を増やしたいので、体験の場をつくる事業を展開します。カメラ以外にも笑顔になる物、体験サービスを増やしていく予定です。すでに地域の撮影に必要な移動手段として電動バイクなどのレンタルを開始しており、今後も撮影と相性のよい体験領域を拡大予定です。
山川)カメラレンタルからスタートして、もっと撮りたくなる瞬間をつくっていく姿勢が全くぶれないですよね。
高坂)仮にどれだけ利益に直結する事業があってもパーパスからそれる事業はしないですね。仮に拡大が目的になって事業展開をしたら、今の組織では力が入らないと思いますし、今が最適解です。組織と事業がセットになっていると思います。
イードアは人材紹介企業というよりも、カメラブの採用担当
高坂)イードアさんはいちエージェントではなく信頼できるカメラブの人事部だと思ってます。これだけ幹部の採用ができたのは間違いなく山川さんのおかげです。山川さんのカメラブに対する理解が深いので、カメラブの企業文化に合う人を紹介してもらっていますし、選考時に既に求職者が魅力に感じて頂いている状態を創ってくれるので採用工数的にも大変助かっています。経営陣や役職者の採用によって、人事制度や各部署の基盤が強固になっています。
山川)ありがとうございます。イードアとして目指す立ち位置が実現できているのは本当にうれしいです。スタートアップは投資家から出資をうけて短期間でリターンを出すという、スピードが大変重要です。そのなかで採用、育成、事業推進をするとなると、採用効率を高める必要があります。イードアは紹介からの採用率が高いので、その強みが生かせてお役に立てたかなと思います。
いい志向性を持っている人がカメラブさんと出会うと、よりその方の魅力が強化されています。今後もカメラブさんの魅力を伝えながら企業成長に寄与できる人材のご紹介や、HRを始めとする様々な経営課題解決に携われたらと思ってます。