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「社会をより良くするには?」をずっと真摯に考えていく。みんなの社会貢献への想い(think)を行動(do)に変えるきっかけをつくりつづけていきたい。

Photo by Luca Upper on Unsplash

昔から何かしらの形で「社会貢献」に関わってきた中村。学生時代に取り組んだNPO活動で知った「お金」と「取り組みが理解されづらい」課題。その後、どのようなきっかけでgooddoと出会い、なぜ入社したか。現在、どんな想いを持ってファンドレイジングに取り組んでいるかを聞きました。

【プロフィール】
中村 奈津(なかむら なつ)/ R&D マネージャー
様々なソーシャルセクターに対して支援ができることに興味を持ち、2014年にgooddoの事業立ち上げに参画。現在はR&Dとしてサービス運営やコンテンツ制作を担当。

保健室の先生を目指していたが、ボランティア活動で社会人に出会ったことをきっかけに一般企業への就職活動を開始。違う形で「教育」に関わることにした。

ずっと教育の仕事をしたいと思っていて、保健室の先生を目指していました。でも、大学時代にボランティア活動(カタリバ)に参加する中で、社会人と話すきっかけが何度かあって、社会人の楽しさや仕事のことを教えてもらったんです。それまでは学校に勤めることしか考えていなかったんですけど、「企業に勤めるのも楽しいかも」と思うようになりました。そして、教育実習に行ったことをきっかけに、「保健室にいるよりは、自分はどんどん積極的に仕掛けて行きたい性格かもしれない...」と自覚。そこから視野を広げて『教育』に関わることができる企業を探すようになりました。

就職活動を進めていく中で、企業内人材育成や海外派遣研修をしている企業に出会いました。とにかくいい人たちばかりいる環境で。利益のみを追求するのではなくて、理想やビジョンを大切に、という考え方の会社でした。運良く採用していただけたので入社を決めました。当時の社員数は50名程、私は新卒5期目でした。外資系コンサルティング会社出身の人たちがたくさんいるようなベンチャー企業でした。

入社後は営業として、大企業の人事部に対して、新人研修をはじめとした社内研修を企画営業・実施する仕事をしていました。研修は毎年何度も行われるものなので、一度、導入いただいた後、どれだけより良いものをリピートをして作り上げられるか...、が求められる仕事でした。パッケージになっている研修はいくつもあるのですが、私は研修に関わってくれる講師や企業の担当者の方に協力してもらいながら、その企業に合った新しい研修を生み出していくのが大好きでした。パッケージでも良い研修がたくさんあったのですが、自由に作ってもやっていいよ、という社風の会社だったので、売り上げを達成するために自分なりに工夫して取り組んでいました。今思うと、新規事業開発やサービス開発に近いことをしていたかもしれません。

大学時代はずっとNPOの活動に参加していた。その中で「お金がないこと」そして「周囲に理解されづらい」課題があることを知った。

- 大学2年生の時にNPOの活動に参加。高校生のキャリア教育に関わる。
大学時代は友人に誘われてNPO団体(認定NPOカタリバ)の活動に参加していました。キャリア教育の一環として、大学生と高校生が話す場を作る、という取り組みをしていました。「総合的な学習の時間(生徒が自主的に課題を見つけ出し、学んだり考えたり判断したりしながら、課題解決のための資質や能力の育成することを目的とした探究学習の授業)」を活用して、高校生一学年約240人に対して、大学生が50~80人くらいが授業をするという内容です。具体的には、大学生活のことや高校時代の過ごし方など、グループになって高校生と話す、ということをしていました。私自身は3年間で100校くらいまわったと思います。

その取り組みでは、授業毎にプロジェクトマネージャーのような立場の人がいて、学校の先生たちにコンテンツ提案をしていました。私も何度かその役割をやらせてもらいました。例えば進学校であれば、自分の行きたい大学の学部に行っている大学生に出会えるようにしたり、定時制高校だと「そもそも学校に行きたくない」という人もいたりするので、自分を好きになるきっかけをつくるようなコンテンツを考えました。私にとっても高校時代、ちょっと年上のお兄さんお姉さんと話す機会は大事な時間でした。だから彼らにとって一生に一度の時間を、大事にしたいなと思っていました。

- NPOの活動に参加して、とにかく、活動資金が足りないということに気づいた。
NPOにボランティアとして関わることにより、活動する上でさまざまな課題があることを知りました。特に印象的だったのが、予算がとにかくない、ということ。毎晩、狭い事務所で6畳間に20人位の大学生が座る場所もなくぎゅうぎゅうになりながら作業していました(笑)。当たり前なのですが、日々の活動を継続するためにはお金が必要で、出張授業をするためにかかる移動の費用(交通費)、授業に必要な資材の費用、その他諸費用もかかってきます。そうした予算もなかった時代だったので、私たちボランティアもそうですが、団体の代表の方もアルバイトをして資金をまかなっているという状況でした。

また、そういった普段の活動に対する資金も大切なんですけど、例えば、災害など有事の際など、いちはやく動かないといけない時にもお金って必要になってくると思います。でも、NPOの存在も知られていなければ、自分たちがどんなことをしているかを理解してもらうこともできない、だから、資金を集めることが難しい。当時は今よりも「NPOって怪しい」と思われていた時代なので...。

活動内容を広めることにより、資金を募ることができると気づいた。とにかく楽しんでやっていると人が集まることにも気づいた。

ボランティアの活動を続けていく中で、「活動に参加はできないけどお金を出したい」という大人に出会うようになりました。そういった方が、たまに見学に来てくれたり。「私たちの活動内容をきちんとわかってもらえたら、支援してくださるかも」と思い、その方々に価値をわかってもらおうと働きかけました。大人たちに積極的に自分が高校生に話している話をしたり、どんな変化があったかを伝えると、「確かに大人ではなく、年の近いお兄さんお姉さんという立場が高校生にとっては重要だ」と理解してくれました。

あとは、ボランティアを集めるのも自分たちの仕事でした。お金もなく、いつもボランティア集めの広報には苦労しました。高校時代の友だちに直接連絡したり、大学生が集まりそうなイベントに参加して声をかけたり、当時はmixiで発信したりしていました。今でいうSNS運用ですね。

最初は「怪しいんじゃないの?」と見ていた友達もいましたが、きちんと伝えていくと自然と参加してくれるようになって...。活動がテレビや新聞で取り上げられた時に信頼性が上がるので、しっかり切り取って伝えるようにしたりしました。また、活動自体は私はとにかく高校生のために意味があると思ってたので、人のためになることを仲間と作り上げるのが純粋に楽しかったんです。楽しくやっていると、人って集まってくるんですよね。

- 高校生のとき手話を広めたくて作った壁新聞が話題になった!
そういえば、高校生の時にも「情報を広める」ことって大事だなと思った出来事があって。ボランティア部に所属して手話を練習していたんですけど、みんなにも手話に興味を持ってもらいたくて、考えたんです。当時、オレンジデイズというドラマが流行っていたので、ドラマでよく使われていた”手話”を解説する壁新聞を作りました。そしたら、びっくりするくらい話題になって(笑)みんなが「私の名前はなんてやったらいいの?」「これを言いたい時はなんてすればいいの?」と話しかけてきてくれました。すごく嬉しかった。こうやって、何かに関わることのハードルを下げたり、みんなが興味を持つものをフックにするといいんだなって思いました。やりやすい一例を出すだけで、興味と行動が紐づけられる。行動が変わるんだなって思いました。

自分たちほどソーシャルセクターのことを考えている会社はいないと思う。ファンドレイジングを拡大していくことに本気で取り組んでいる。

- gooddoと出会い、なんて画期的なアイディアなんだ!と思った。
前職に入社して数年が経った、2013年頃。今後のキャリアをどうしていこうかなと思いはじめて。転職相談したくて、カタリバで一緒だった、セプテーニの先輩と飲みに行ったんです。そしたら、ほんと、たまたまなんですけど、下垣さんが来て(笑)まさかの出会いですよね。(下垣さん=gooddoの代表。当時はセプテーニベンチャーズに在籍。)

ちょうど下垣さんがgooddoを立ち上げるタイミングで、マーケティング×「社会貢献」をビジネスにしていくことの構想を聞きました。「good(良いこと)」を「think(想い考える)」だけではなく、「do(行動する)」人を増やしたいと聞いて、なんて画期的なんだ!自分がずっと感じていた課題を解決できる!と思い、すぐに入社することを決めました。Webマーケティングに関しては本当に何も知らない状態でしたが、とにかく何でもできることをしました。当時はサービスに登録してくれるNPO団体を集めていたので、営業経験をもとに問い合わせフォームからNPOに問い合わせたり、NPOのイベントに顔を出したりして。とにかく、自分たちの取り組みを熱心に伝えていきました。当時はNPOの中ではまだFacebookを活用する団体さえ多くなかったので、Webマーケティング自体かなり怪しまれました(笑)今は世の中的な流れの変化もあって、その頃に比べて、だいぶ、理解してもらいやすい環境になってきたと思います。

- 常に自分たちがどうあるべきかを考え、ファンドレイジングを拡大していく。
たぶん、私たちほどNPOに寄付を集めようとしている会社はないと思います。本気でファンドレイジングの規模を拡大しようとしている。そのために、とにかく、できることはどんどんしていく。(ファンドレイジング=NPOの解決したい社会課題や理想の姿に共感してもらい、金銭的に参加してもらい社会をよくしていくこと)

「社会課題」にどうしたら人が興味を持つことができるかは答えがないし、情報の切り取り方によっては間違った形で伝えることになってしまう可能性もあります。例えば、gooddoを立ち上げた2014年頃に比べると、今はSDGsなども一般的な言葉として認知されるようになって、世の中の人の受け止め方も違うんです。なので、発信する側にいる私たちは、世の中がどうあるべきか、どのように課題を伝えるべきかを、ずっと真摯に考える必要があると思っています。

もっと社会を良くしようと関わる人を増やして、社会が良く変わることへの成果を出して行きたい。今後は個人だけではなくさまざまな企業と社会貢献を広げていくことができれば、と思っています。あとは、「社会貢献」に興味をある人たちにもっともっと情報を広げ、行動に移す人を増やしていく。高校生の時や大学生の時に感じた興味や想い(think)と行動(do)の「乖離」を埋めていくことができれば、と思います。

私たちの取り組みが広がれば広がるほど、世の中がより良い方向に繋がると信じています。

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