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デザインの定量化とは/AIR Design

(*本記事はガラパゴスのnoteより転載したものです。)


はじめまして。
株式会社ガラパゴス AIR Design for Marketingの事業責任者の島田です。

2021年9月1日に10.8億円の資金調達のリリースをしました。
調達資金の用途に関しては財務責任者の高橋の記事が詳しいのでこちらを御覧ください。


今回はAIR Designというサービスを通じてどんなことを実現しようとしているのかの一部を、業界でよくある課題を上げながら説明してみたいと思います。

目次

  1. AIR Designというサービスの本質はデザインの定量化
  2. 出来上がったデザインの良し悪しがわからない問題
  3. 上がってきたデザインが思っていた感じと違う問題
  4. 製造業の改善手法を活用した生産性向上
  5. 定量化がコミュニケーションのルールを作る
  6. デザインの未来について話しませんか?

AIR Designというサービスの本質はデザインの定量化

AIR Designというサービスは「デザインという営み」全体を「定量化」することを活動のコンセプトに置いているサービスです。

これは単に作られたデザイン自体を定量的に評価するということだけではなく、デザインが作られるプロセスで発生するコミュニケーションや意思決定なども含めて定量化し制御するということです。

デザインという捉えどころのないものを捉えようとする営み全体を計算可能にしていく活動とも言えます。

出来上がったデザインの良し悪しがわからない問題

デザインを扱う上で最も大きな問題は価値基準が曖昧であるということです。

担当者はOKを出して進めたけれど、デザイン経験のない部長が最後にNGを出す。結果作り直しになる。
というような業界で頻繁に起こる問題は価値基準の曖昧性から発生しています。

少なくとも個人の主観のみでデザインの良し悪しを議論しビジネスジャッジをしていくよりは効率的な世界をAIR Designは作れると考えています。

例えばモバイル環境であれば0.4秒で67%の広告バナーが文字列も含めユーザーに認知され、好き嫌いの判断まで下されます。(※PC環境では2.0秒で61%程度です)
ユーザーの脳の処理経路としては第一視覚野から分岐して腹側視覚路と背側視覚路へ進み、意味理解と好き嫌いの判断に帰結します。


ここで認知から判断までの0.4秒という時間で最初の関門になるのが「注意の獲得」になります。
数多あるコンテンツと同居する形で表示される広告では視線が向きやすい(顕著性の高い)デザインの方がクリック率が高くなります。

例えばAのデザインよりBのデザインの方が顕著性が高いスコアが出ています。実際の配信結果も約2倍のCTRでした。(※素材評価、トンマナの定量評価に関しては話をわかりやすくするためここでは排除しています。)


上記の顕著性予測はAIR Designで事前に行ったものです。このような定量化ツールがあると判断基準が恣意的ではなくなり、スムーズな意思決定が行えます。

上がってきたデザインが思っていた感じと違う問題

デザイン制作は依頼者と制作者のコミュニケーションの質によって解釈のズレが発生しやすい構造になっています。この解釈のズレによってデザインが作り直しになることが現場では多く発生しています。
こういったケースでは依頼者の「思っていた感じ」を定量化して事前に解釈ズレを無くしておく必要があります。

例えばAIR Designではそれらを定量化し制作進行をしています。


デザインのトーン&マナー(世界観)を定量化し比較し認識を合わせることによって「思っていた感じと違う」を減らすことが出来ます。

ここまで2つの事例を上げましたが、
- 素材写真を永遠に探してしまう問題
- 編集データどこにあったっけ問題
- フィードバック内容の解釈分かれる問題
- 情報足りないけど制作進行せざるを得ない問題
など他にもプランニング検討、訴求検討、コピー表現選択、レイアウト選択、素材選定など広告領域のデザインだけでも定量化が必要なテーマは数え切れないくらいあります。

デザインという営みの中で起きる構造的な課題を一つずつ定量化し最適化するための全体設計をAIR Designでは行っています。

また、アウトプットの価値基準が定量化されると作り手側に求められるスキルセットも明確になります。
デザインの定量化を進める中でデザイナーのスキルセットの体系化、定量化を進め、短期間で習得可能な仕組みも作っていく予定です。

製造業の改善手法を活用した生産性向上

デザイン業界はデジタル化は行われてきましたが、システム化、仕組み化をできる余地が多分にある業界だと思っています。
私自身はデザイン制作はものづくりだと考えていますので、先に上げた制作面での多くの課題は日本の製造業で培われた改善手法で解決できると考えていますし、実際に約12ヶ月で3倍近い生産性向上を実現することができました。


定量化がコミュニケーションのルールを作る

「デザイン」は扱ったことのない人からすると触れたくても触れられない専門的な世界に見えていると思います。
デザインがわからない(と思っている)人との共通のコミュニケーションルール(プロトコル)が定量化を進めることで作れると思っています。
経営者や別の職業、別の言語の人とも同じ価値基準でスムーズにコミュニケーションがとれる世界を作りたいと思っています。
AIR Designを通じて、もっとなめらかな世界を作っていきます。

今はまだ広告領域に限定した事業展開ですが、企業活動においてデザインが求められる局面はたくさんあります。これから調達した資金を使って様々な領域に展開を進めていく予定です。

デザインの未来について話しませんか?

私たちはまだシリーズAのステージです。ここからがフェーズ的に非常にエキサイティングです。
デザインという営みを最適化してみたい、考えてみたいという人と一緒に産業構造も変えて行きたいと思っています。
エンジニア、デザイナー、ディレクター、カスタマーサクセス、セールスなど全方位で仲間を募集していますので、まずはお話だけでもよいのでTwitterもしくはWantedlyで気軽に連絡してください。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

※注釈
デザインと言う言葉をかなり曖昧な定義で使っていますが、この記事ではVisualizeの意味合いが強いです。
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