きっかけは本当に単なる興味から
良い意味で言えば会社が軌道に乗って落ち着いて、悪く言えば伸び悩んでた6年目の2014年。
32歳の僕は次のビジネスの種を探すのにやっきになっていた。
「Deep Learning?? 機械学習とは別のものなの?」
テクノロジーは大好きで、最先端なものはもっと好きだった。
詳しく知りたくて一気に学べるかなと思って、湯川塾という私塾に勇気を持って参加したのが2015年の1月。
まだまだ有名になる前のPFNの西川さんや東大の松尾さんが少人数のメンバーに直に最先端のDeep Learningを教えてくれるという、今考えたらめちゃくちゃ贅沢な時間を過ごした。
刺激をがっつり受けた僕は会社に戻って、社内でDeep Learnignの勉強会を開始した。知れば知るほどその可能性に没頭していった。
大手広告代理店D社さんとの雑誌画像解析プロジェクトや、F社さんとのコールセンター自動化プロジェクトなど、いくつかDeep Learningを社会実装していくうちに、出来ることと出来ないことが段々わかってきた。
そして、僕が最も興味を抱いたのが、「画像生成」の技術。
もしかしたら、機械がデザインをする未来がくるんじゃないかと本気で思い始めた。
限定された空間であれば機械でもデザインができると思って、開始したのがロゴの自動生成のプロジェクト
LogoのAIだから、LAIと名付けた。
AIのプロジェクトとは言え、こんな感じで、「そもそも」を知る所から始めた。
コツコツと長い旅路が始まった。
はっきりと未来が見えた役員合宿
LAIプロジェクトが社内で始まってから半年後の2016年12月。
僕ら取締役の3人は千葉の安い宿にいた。役員合宿をするためだ。
初日が終わり、来期の方針なんかもそれっぽくまとまり、2日目の朝、散歩をしながらふわっと未来を想像してた。
12月なのに風は寒すぎず散歩が心地よかった。
ふと周りを見渡すと、田舎町。人もまばら。そして、今でもなんでそんな考えに至ったのか分からないんだけど、ガーーーンと思いついた。
「母ちゃんがロゴ作れる未来って、めちゃくちゃワクワクしないか?」
高齢化が進み、労働人口が減っていく日本。一方でデジタル化は加速し、その供給増加を求められるデザイン産業。
デザインのデの字も勉強したことがない、老人(ごめんね)の部類に入るウチの母ちゃんがLAIを通じてロゴを作り、それが誰かの手に渡り喜ばれる世界。なにこれ、ハートウォーミングでめっちゃ良いじゃん。この時、目指すべき世界観のほんの一部がはっきりと見えた気がした。
僕の決意はこんな感じで固まった。
Part 2へ続く、、、