そのままではITプロジェクトは永遠に失敗する 《ITpro STORE/書籍》
情報システムは確かに動いたが、経営層とりわけ経営トップはIT投資の結果に納得していない。こうした「システムは導入できても、結果は失敗」というプロジェクトが後を絶たない。日本企業・組織の多くが、失敗の根本原因に相対していないからだ。 ...
http://coin.nikkeibp.co.jp/coin/itpro-s/book/dtl/itp051.html
今回のテーマは、
です。
Webサイトの構築、システム開発など、IT業界で受託で行われる
いわゆる「プロジェクト」と言われるものは、7割は失敗する、とか、9割は失敗する、
とか言われています。
その失敗したプロジェクトの原因を見てみると、
・合意形成がうまくいかない、対立関係を解消できない
・計画が甘い、指示・伝達がまずい
・プロジェクトのゴール、情報システムのプロジェクトにおける役割や導入の効果などをあいまいにしたままスタート
・発注側は進ちょく報告だけ受け、要件定義~開発工程は受託会社に丸投げ
といった理由がほとんどだということです。
僕もこの業界に15年いて、失敗プロジェクトも数多く経験していますが、
失敗プロジェクトは確かに、必ず上記4つのどれかに該当したと思います。
この失敗原因って、ここ5~10年で新しく出てきたもの、というわけではなく、
僕がこの業界に入った15年以上前から言われていることであり、
おそらく20年ぐらい、変わっていないんだろうと思います。
上記4つの原因が全て、受託側だけの問題なのであれば、対処のしようがあるのですが、よくみてみるとどれも発注側が絡んだ問題なんです。
失敗プロジェクト撲滅のために、受託側の業界や企業が対策活動をしたりしていますが、発注側が絡んだ問題である以上、受託側がどんなにがんばったところで、失敗プロジェクトを撲滅できるとは思えないんですよね。
例えば、上述した「9割がプロジェクトの失敗を繰り返す」の記事では、
2012年に
「さらば失敗プロジェクト」
と題して、
・要件定義手法の確立
・プロジェクト支援組織(駆け込み寺)の整備
・さまざまなルールの順守
・メトリクス(尺度)の導入
・失敗を教訓に変える取り組み
というテーマでいろいろな取り組みを行ったようですが、
2016年の今でも、プロジェクトの失敗確率はおそらく変わってないだろうと思います。
というか、ここ数年有用な統計データが出ていません。
2003年、2008年と古いデータですが、こちらの記事でレポートされています。
ここ数年で、
「プロジェクトの成功確率が上がった!」
といった記事が出ていないので、2016年もプロジェクトの失敗確率は変わっていない、と言えるでしょう。
実際、2014年、2015年に
■ゼッタイ失敗しない! 驚異のプロジェクト実行術
http://special.nikkeibp.co.jp/atcl/ITP/16/prothinkwork0526/
■ITプロジェクトは永遠に失敗する
http://coin.nikkeibp.co.jp/coin/itpro-s/book/dtl/itp051.html
といった書籍がいまだに発行されているわけですから、
失敗プロジェクトを何とかしたい、という世の中のニーズはまだまだ数多く存在している、ということだと思います。
なので、これだけ多くのプロジェクトが失敗する原因、失敗し続けてしまう原因は、
と思うのです。
じゃぁ、そのプロジェクト失敗の原因は、一体何なのでしょうか?
次回の記事でお話ししたいと思います。