人の推しを生で見たい。皆様はそう思ったことはありますか?
先日同僚達とのグループLINEにて、「推しが出ている舞台に行って感動しました。もし興味があれば一緒に行きませんか?」とお誘いがありました。よくよく聞いたら泣いたとも言ってました。最初は断ろうと思いスルーしたのですが、2日後にふと考えました。
ちょっと待てと、泣くとはどういうことだ。そこまで感極まることがそこにあるのか。そういえば前も推しのイベントに行って泣いたと言っていた。そこに泣くほどの感動と衝撃があったのか。そう考えたら行きたくてしょうがなくなってきました。人の推しを見たい。そしてその感動を味わってみたい。ということで行きたいという旨を伝えることになりました。「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The MUSICAL- 別れの戦記」に。
皆様は「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」をご存知でしょうか?Geminiにあらすじを聞いてみました。
舞台俳優を育成する名門校・聖翔音楽学園に通う9人の少女たちが物語の中心になります。彼女たちは年に一度の聖翔祭で上演される舞台「スタァライト」の主演を目指し、日々のレッスンに励んでいます。ちなみに9人は聖翔音楽学園99期生と呼ばれています。幼い頃に「スタァライト」の舞台を見て、いつか幼馴染の神楽ひかりと一緒に舞台に立つことを約束した愛城華恋は、ひかりとの再会をきっかけに運命に導かれるようにオーディションに参加することになります。彼女たちは、夢に向かって努力する中で、挫折や葛藤、ライバルとの競争などを経験し、それぞれの想いを抱えながら成長していくというお話です。
Wiki曰くジャンルは「音楽、バトルロイヤル、青春」になります。バトルロイヤルとか騒々しいジャンルですが、それは「レヴュー」と呼ばれるオーディションの内容になります。「レヴュー」とは舞台少女たちが「トップスタァ」をかけて戦う、歌と踊りを融合させたパフォーマンスバトルです。レヴューを通して、彼女たちの秘めた想いや葛藤がむき出しになり、物語を大きく動かしていきます。一話はなんか普通の学園ものだなって思ってたら後半怒涛のレヴューで世界観に引き込まれていきます。
また、ミュージカルとアニメという二つのメディアを通して展開していくプロジェクトということで実際にミュージカルのイベントがあり、アニメと並んで作品の大きな柱となっています。ミュージカルは実際にアニメで声を演じた声優が舞台に立ちます。声優は舞台・ミュージカル俳優が多く起用されているため、アニメに負けないくらいの迫力があります。
今回見に行った「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The MUSICAL- 別れの戦記」はまさにミュージカルのイベントでした。
人の推しを見に行くにあたり、自分の推しは何かを考えました。俺の推しは誰だ。そう考えたとき、昔同僚とみんなで私の好きなバンドを見に行ったことを思い出しました。私の推し、高校生の時に兄から教わってから10数年追い続け、ライブに行き、買ったTシャツを毎日着ているあのバンド。ロックバンド「NUMBER GIRL」解散後、ボーカルの向井秀徳が自ら求める音楽を追求するために結成したバンド。そう「ZAZEN BOYS」Matsuri StudioからMATSURI SESSIONをへてやってきたZAZEN BOYS。箱推しです。
あれは2018年、ZAZEN BOYSの3代目ベースのMIYA加入初ライブが開催されるということで皆を誘いまくって恵比寿に赴きました。
私は2代目ベースの吉田一郎のラストライブにも赴いたときもあります。終盤に言った向井秀徳の「よくやった」の一言がすべてを表す最高のパフォーマンスでした。豊洲PITは泣いてました。そしてみんなで見に行ったらMIYAの加入ライブ、最序盤のSI・GE・KIでベースの弦を切ってました。それほどの激しいパフォーマンスでした。Liquid Roomは燃えていました。弦が切れた瞬間にZAZEN BOYSを任せますという気持ちになりました。後方親面。ちなみにSI・GE・KIはファーストアルバム「ZAZEN BOYS」10曲目です。ダークなベースで始まる超かっこいい曲ですみんな聴いてみて。
そんな私の話はどうでもいいんです。早口になるな。オタクを出すな。ということでZAZEN BOYSを推しとして設定しました。箱推しです。そういえばZAZEN BOYS MATSURI SESSION 日本武道館も見に行きました。素敵でした。最高でした。感動しました。語彙力は武道館に置いてきました。
そんなこんなで「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The MUSICAL- 別れの戦記」を観に行きたい。11/13に気持ちをお伝えしたところ、次の日11/14のチケットを取っていただきました。そしてチケットを取った直後に予習として手厚い布教を受けました。
公演は2部制になっており、舞台パートとライブパートに分かれています。舞台の演目「別れの戦記」はスマホ向けゲームアプリ「少女☆歌劇 レヴュースタァライト −Re LIVE−」内で聖翔音楽学園99期生が演じたものになります。なのでストーリーの説明として攻略Wikiが送られてきました。攻略Wikiなのですが、ネタバレになるから全部読むのは控えようと思っていました。しかしながら恐ろしいくらい読ませる文章になっていましてね。すっごい上手いの。1行読むごとに「え!それでそれで!」って感じで読ませるの。8割読んだあとに「最初だけ読んでください!」ってメッセージが来てたことに気が付きました。結果8割分ネタバレしてしまいました。あと1分早くメッセージに気づけていれば・・・!でも結論があっても過程が一番知りたい感じの発想なので大丈夫大丈夫そういうことです。記憶は妄想に変わって何もなかったことにしました。向井秀徳もそんなこと言ってた気がする。
ライブパートの予習はセトリを再現した同僚自作のプレイリストが送られてきました。同僚はすでに2回行ってる人です。面構えが違います。かじっておくといい3曲も教えてもらいました。あとライブはペンライトを振る都合上、キャラクターの推しカラーのおさらいのページも送られてきました。手厚い。
しかし11/13の夜に決定したので時間がない・・・!とにかくひたすらに1日中プレイリストを聞き続け、特に例の3曲は隙あればループしていました。プレイリストが終わったら自動的に別のオススメ曲に移るのですが、同じく同僚からオススメされたシャニマスの曲になることが多々ありました。アカウントを乗っ取られたかと思いました。
ちなみに私は本編はアニメも映画も履修済みです。かなり記憶に刻まれています。冷静に考えたら年単位でスタァライトの布教を受けていたことに気が付きました。ゆっくり無理させずに丁寧に手厚い布教によりついに舞台に行きたいと言わせたとしたらもう勝ちでしょう。私も10年来の友人にZAZEN BOYSと人間椅子をゆっくりと押売りせずにじっくりコトコト布教し、先日ついに「好きな曲ができて超かっこよくて最近よく聞いてる」と言ってくれました。「わかってくれたか・・・!」たぶんこういうテンションの上がり方かもしれない。ちなみにZAZEN BOYSはCOLD BEATがお気に入りと言ってました。今日もなんかありそう。COLD BEATはセカンドアルバム「ZAZEN BOYS II」6曲目です。前作「ZAZEN BOYS」からわずか8ヶ月後のリリースですが現在のZAZENにつながる著しい進化を遂げています。聞いて聞いて聞いて。
そして2人で17時に退勤し、会場の品川プリンスホテル ステラボールに向かいました。フレックスタイム最高。私は舞台を観に行くのも初めて、品川に劇場があることも初めて知ったのでもう裾をちっちゃくつかんでいたいくらい緊張してました。服装すら何を着ていけばいいかわからず前日に聞いてました。初めての舞台、かつ人の推しに迷惑をかけないようにするにはどうすればよいか。やはり襟つきの服なら問題ないはずなので「スーツですか?」と聞いたら「スーツは違う」という回答をいただきました。とりあえず襟つきのシャツを着ていきました。結果的に黒色のYシャツ、黒色のズボン、黒色のコートの全身黒色なったのですが、後で写真を見た別の同僚から「服がダサすぎる」と言われました。これは今後の課題としてこの地に書き記しておきます。全身黒脱却宣言。
会場ではチラシと特典のエコバックをもらえました。うれしい。エコバックの中には2枚のランダムでもらえるキャストのプロマイド写真と意味深な手紙が入ってました。もしかしてら手紙も書いてることが違うのかなと。ハンターハンターのヨークシンの占いみたいにキャラによって違ったり改竄されたりするのかなと思いました。全然違いました。本当に攻略wikiを8割読んだ人ですか?インプットゼロ。アウトプットは盛りまくって誤魔化そうとする人なんです。ちなみに手紙は後々感動のボディブローを喰らわせるための伏線でした。だいぶ涙腺に効きました。やるじゃん。
生まれて初めての劇場のため、着席後は一生キョロキョロしてました。小さい子供と都会に出てきたばかりの田舎者しか許されない見慣れない土地での行動です。客層ですが、20-30歳後半くらいの人が多かったです。学生服を着た人もいました。同僚曰くアニメは6-7年前の作品なので、みんな年齢的にも結構落ち着いてるそうです。ちなみにZAZEN BOYSの客層は30-40代後半が多かった気がします。NUMBER GIRL解散から22年経ってます。当時若者だったとしても強制的におっさんになります。落ち着きとかそういう問題じゃない。そもそも体が動かない。
そんなことを考えていたらついに開演です。始まりってどんなものでもテンションはぶちあがりますよね。
舞台『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The MUSICAL- 別れの戦記』冒頭映像
曲に合わせてすごい説明してくれる!って驚きました。インパクトすごいでしょ。こちらの曲はキャラクターの心情も教えてくれるので本編でここぞの時にも歌われます。The Whoのロックオペラ「Tommy」でいうところの「See Me,Feel Me」です。一部の人はわかってくれると思います。
ちなみに私の左に同僚が座っていたのですが、右隣の席に座っていた人は開始20秒くらいで目にハンカチを当ててた気がします。疲れてるのか、眠いのかなと思っていたのですが、ここぞのポイントポイントで当ててたのでおそらくすでに泣いてる可能性がありました。
キャストは聖翔音楽学園99期生が演じているため、キャストの説明が「愛城華恋 as エイラ・サントラム(キャスト:小山百代)」とちょっと複雑になっています。最初はどれが愛城華恋ちゃんかなって探していたのですが、キャラクターの性格はそのままだったのですぐに分かりました。アニメ自体メインキャラクター全員しっかりキャラが立っていたことと、多少どんなキャラか忘れていても個性などそのまま反映されているのですぐに思い出せます。中世の世界観でゴリゴリの京都弁の人とかいました。キャラ立ちすぎだろ。
また、キャラクターごとに持ってる武器がアニメと同じなので武器を見ればすぐに判断できます。武器と言えば同僚の推しである石動双葉 as ロイス・クライン(キャスト:生田 輝)の得物のインパクトの話をさせてください。アニメでは短めのハルバードでしたが、今回の公演では斧の部分がアニメの5倍くらいの大きさになっていました。槍斧っていうか戦斧。トマホーク。
斧持って現れた時の「君、写真と違くない?」感は忘れられません。中の人もでかいってXでPostしてました。間違いなくあの子だけが対人の想定をしていない武器でした。色を変えたら完全にBloodborneに出てくる「獣狩りの斧」です。おそらく仮想敵は獣でしょう。
ネタバレですが舞台はヤーナムではないです。クトゥルフ神話感は一切ないです。
舞台パート「別れの戦記」の感想ですが、はっきり言ってめちゃくちゃ面白かったです。当初はそこまで期待していませんでした。しかし実際は想像の50倍くらい力が入ってました。ストーリーの起承転結がマジでしっかりしてるし9人見せ場あるし。奇跡的な出来です。泣きそうになるシーンが幾らかあったのですが、右隣の人がすでに泣いていました。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、個人的に天堂真矢ちゃんが1番印象的でした。天堂真矢 as マリアヴェーラ・イル・ソーレ(キャスト:富田麻帆)ちゃんです。アニメでは絶対的な実力者として描かれていましたが、舞台でもそれは変わりませんでした。あの堂々とした佇まい、不敵な表情、自信にあふれた声、あれは間違いなくエースです。今回はその実力を裏付ける舞台上の天堂真矢の活躍と魅力をこれでもかと感じることができました。真矢様。
ライブですが、メインキャストが歌って踊るステージになります。ライブが始まる前に同僚がペンライトを1本貸してくれました。マジでペンライトを使ったことがなかったので説明もしてくれました。ありがてぇ。スタァライト用のペンライトは9種類の色を選ぶことができます。ハイテク。
それを同僚は6本持ってきてました。どうした。前回片手に3本を指に挟むことで計6本のペンライトで応援していた人がいたらしく、今回チャレンジということで計4本でやってみます!!とのことでした。それは無茶なのでは。と口に出そうでしたが、弊社のクレド「CHALLENGE 進化を楽しむ」の一文「挑戦にはエールを」が頭をよぎったため「がんばって!」って言った気がします。
ちなみに隣で泣いてた人はカバンからスッとペンライトを出してました。ガサゴソとかしてなかった。躊躇なし。鞄は鞘、ペンライトは刀と思えるほどでした。これから始まりますからね。戦いが。そして祭りが。周りを見たらほぼ全員ペンライト握ってました。ペンライト買おうかな。
そんな中、ここで衝撃のお知らせが。キャストの生田輝さんが舞台パートで負傷してしまったのです。
そのためライブパートでは一人椅子に座ってのパフォーマンスでした。ステージの端に座って歌っていたのですが、ほかのメンバーが駆け寄ったりとこれはこれでよかったです。怪我しながらも座りながら腕の振りで楽しませようとしてくれていたのが素敵でした。これは応援しなきゃと思わせる健気さがありました。向井秀徳だったら自分からパイプ椅子持ってきてラップきめてビール飲んでる。あいつは慣れすぎ。
曲によっては9人で歌わずに3人で歌うものもありました。ペンライトは基本的に推しの色で光らせ、推しがいないときは別の色にするのが正解だと感じました。私は基本的に今回の主演の一人である天堂真矢 as マリアヴェーラ・イル・ソーレ(キャスト:富田麻帆)ちゃんの白色で固定してました。推しの色がわかんない!って思ったら出てきたキャストの裾にキャラクター色の布がセットされてました。なんというやさしさ。でも次の曲は天堂真矢ちゃんいなさそう・・・何色にすればいいのか・・・。と、迷った時にそっと右隣の席の泣いてた人を覗いてしまいました。そこには一切の迷いなくペンライトの色を変える姿がありました。何色にするかよりもこの人が何回このミュージカルに来ているのか?のほうが気になってきました。
そんな右隣の人に圧倒され続けていましたが、ライブもめちゃくちゃよかったです。また、同僚のプレイリストのおかげでより楽しむことができました。予習って大事ですね。当たり前かもしれませんが、何も知らないで行くよりも聞いた事がある曲があるほうがライブは楽しめます。かじった3曲以外にもいい曲があったので割と乗れてました。
同僚のペンライトチャレンジですが「4本はさすがに大変だった。色を変えるときが忙しすぎた。」と言っていました。「次こそは」と家で8本持って練習をしてる姿を想像しながら帰路に着きました。指がぶっ壊れそう。しかし後日のライブでは自分に4本は持て余すと痛感し、2本で挑んだそうです。安定も正義。
こうして第一回「人の推しを見る会」が幕を閉じました。
何もかも初めての体験でしたが、舞台とはこんなにも面白いものなのだと知れたのが一番の収穫でした。人が演じ踊ってるのを目の前で観る迫力ってすごいし、目を見て観るということはこちらも一定の緊張があるんだなと感じました。いろいろとお世話になった同僚には感謝と「しっかり記事にさせていただきます!!」と約束しました。
この1か月後ですかね。ある朝、大好きなZAZEN BOYSを聴きながら通勤してたのですよ。
YouTube Musicを使っているのですが、1曲目は自分で選択し次曲からはランダムに同じようなジャンルのオススメが再生されます。なんか2回連続でZAZEN BOYSのあとスタァライト九九組が流れてきたんすよ。あれ??やっぱり俺のアカウント乗っ取られてるでしょ!!!って恐怖を感じました。ZAZEN BOYSの「ガタガタうるせぇ!Oね!」みたいな曲から「負けないで!未来を捨てないで!」は脳みそがバグったのかと思いました。忘れかけた時にぶっこむのはもう「しっかり記事にしてください」という無言の念と受けとり、この度作成させていただきました。
以上になります。よろしくお願いいたします。