今回インタビューしたのは、IoTエンジニアの大賀譲さんです。
幼い頃のある経験からAIに興味を持つようになり、2017年に当社にジョイン。現在は、クライアント企業とともに、映像解析AIを活用したソリューションを展開するための実証実験を行っています。
「この会社に入って初めて、仕事が楽しいと思った」と笑顔で語る大賀さん。「楽しい」と思うポイントはどこなのか、仕事のやりがいや大変なところ、今後の展望などを伺いました。
大賀 譲(おおが ゆずる)
2017年11月にフューチャースタンダードに入社。コンサルティング部に所属し、クライアント企業のネットワーク設定やAIカメラの設定構築・サポートを行う。
「コンピュータと会話してみたい」幼い頃の体験からAIに興味を持つように
ーーフューチャースタンダードに入社する前は、どんな仕事をされていたんですか?
前職はSIerで、システムエンジニアとして17年ほど勤務していました。導入や検証周りの業務が中心でしたが、携帯基地局制御装置の試験やAWSを用いたクラウドインフラの整備、防犯カメラの営業や販売後の設定など、幅広く色々なことをやっていましたね。
ーー転職を考えたのはどういった理由からなんでしょうか。
どの仕事もあくまでも「お客様のビジネスのお手伝い」でしかなくて、その先にいるエンドユーザーの姿が想像しにくいところにフラストレーションを感じていたんです。お客様の喜ぶ姿が見える距離感で、もっと自分事として捉えられる仕事をしたいと思って、転職を考えるようになりました。AIに興味があったので、そういった分野を扱っている会社を中心に、転職先を探していました。
ーーAIに興味を持つようになったきっかけは何ですか?
子どもの頃、NECのPC-6601という、合成音声機能を持つパソコンが家にあったんです。パソコンがしゃべる様子を見て、すごくびっくりしたのを覚えています。そのときの経験から、「コンピュータと会話してみたい」という思いをずっと持っていました。
前職時代には、合成音声ソフトを使って会話ができる仕組みを作り、技術系の展示会やイベントに出展もしました。ただ、遊んでくれたお客さんは喜んでくれるんですけど、自分としては決まった受け答えしかしないからつまらないな……とも思っていたんです。
そこで、「AIとセンサーを組み合わせる必要があるのでは?」という考えに行きつきました。
コンピュータからすると、現状は目も見えず耳も聞こえないまま、音声データの文字列だけが飛んできている状態。目や耳のように、周囲の環境をとらえるためのセンサーをAIと組み合わせることで、もっと相互的な会話ができるようになるんじゃないかと思うようになったんです。
ーーセンサーとAI……まさに、フューチャースタンダードが扱っている領域ですね。
そうなんです。転職を考えているという話を知人にしたときに、「こんな会社があるよ」と紹介してもらい、社長の鳥海と会って話をしたのがきっかけですね。事業内容を聞いてみたら、自分の興味の方向と会社の事業内容がちょうど合致したので、「ここだ!」と思いました。
AIそのものにフォーカスするのではなく、AIを活用するためのプラットフォーム事業を展開しているというのも、独自性があって面白いなと思いました。また、前職でカメラを扱っていた知識も活かせるので、力になれる部分もあるのではと思い、入社を決めました。
お客様の漠然とした課題を整理し、最適解を導き出す
ーー現在の仕事内容を教えてください。
映像解析AIを利用して、新しいサービスやビジネスを展開したい企業様と一緒に実証実験を行うのが主な仕事です。
具体的には、クライアント先に訪問して、「欲しいデータや結果を得るためにはどうすればいいか」をお客様と考えながら、ネットワーク設定やAIカメラの設定構築、カメラの設置場所の選定などの各種サポートを行っています。
エンドユーザーは、小売店・アパレル・飲食・公共交通機関・銀行など多岐にわたっていて、課題も様々です。個別の課題に取り組みながら、業種問わず実用化できそうな実験結果が得られた場合には、ソリューションとして展開していくこともあります。
ーーエンドユーザーはどんな課題を持っているんでしょう? 具体的な事例があれば教えてください。
「これまで人力で行っていたものを自動化したい」という要望が多いですね。すでにシステムで管理されているだろう、と思っていたものが実は人力で行われているケースは意外と多いんです。
たとえば鉄道会社でいうと、線路の枕木がゆるんでいないかのチェックに関して、これまで人が目視で確認していたものを自動化したい、という要望がありました。
あとは、踏切の中に人が閉じ込められていないかどうかを自動検知できるようにした例もありましたね。もともと防犯カメラは付いていたんですが、すべての踏切を人が24時間ずっと監視するわけにもいかないので。
世の中には、我々が認知できていない課題がまだまだたくさんあるはずなので、解決のお手伝いをしていけたらと思っています。
ーー仕事をする中で、大変だと感じる部分はありますか。
かなり手広く色々な分野に触れるので覚えることが多くて、最初のキャッチアップは少し大変でしたね。ネットワークの知識はあったのでそこは問題なかったんですが、たとえば電子工作はやったことがなかったので、電線を繋げてはんだ付けをして……というのは、この会社に入って初めてやりました。
あとは、お客様は基本的には、漠然とした状態で課題をご相談されるケースがほとんどなんです。システム的な側面から見たらけっこう無茶な要望だな、ということもよくあります。お客様の要望を叶えつつ、どうやって現実的なラインに落とし込むかを考えるのは難しいですね。
ただ、どちらも難しい反面、やりがいを感じる部分でもあるんです。新しい知識が得られるのは楽しいですし、お客様の漠然とした課題を整理して、最適解を導き出すのも面白い。
前職ではある程度やるべきことは決まっていたので、もっと自分の裁量で決められたらと思うことも多くて。当社は個人の裁量に任せられる部分が大きいので、やりがいを感じますね。
AIは人が楽をするためのパートナー。もっと気軽に使えるものにしていきたい
ーーお話を聞いていると、大賀さんはご自身で裁量を持って動いたり、新しい知識を積極的に学んだりするのが好きなんだろうな、という印象です。
意識したことはありませんが、きっとそうですね。手前味噌ですけど、この会社に来て初めて「仕事ってこんなに楽しいのか!」って思ったんです。決まった枠で仕事をしたい人には向かないかもしれませんが、自分にはこの会社のカルチャーがすごくフィットしています。
自分が個人的にやっていることと仕事の内容がリンクしているのも、楽しいと思う理由のひとつかもしれません。
趣味で3Dモデルのキャラクターと会話できるような仕組みを作っているんですが、そのままだとキャラクターが常に正面を向いているんです。でもそれだと「会話している感」が足りないな、と思っていて。そこで、映像解析の技術を用いて、人がいる場所を座標として取得して3Dモデルに認識させられれば、キャラクターの顔を人がいる方向に向けることができるんじゃないか? みたいなことは考えます。
そのレベルであれば、既に世に多くあるのですが、そこに話している人の年齢や性別、感情といったパラメータを増やしていくことで、どんどん進化していく。そしていつか、人間以外の知性としてのコンピュータと会話できる時代が来るんじゃないか。そういった夢は感じますね。
そんなふうに仕事をする中で、「これは参考にできるな」と思うことは多いですね。仕事と趣味の相乗効果で、自分のできることがどんどん増えていく感覚があります。
ーー最後に、今後やっていきたいことを教えてください。
AIはまだまだ「すごいことができそうだけど手が届かない存在」と思われているので、もっと誰もが気軽に使えるものにしていきたいですね。
プラットフォームを用意するだけでみんなが勝手に使ってくれるわけではないので、「映像を解析するとこういうことがわかって、こんな風に役立てることができる」と示したり、使ってもらえる仕組みを作る必要があると思っていて。現状は具体的な案件に注力していますが、将来的には仕組みづくりにもコミットしていきたいです。
「AIが仕事を奪う」という文脈で語られることもありますが、AIは人が楽をするためのパートナーなんです。自動化できるものはどんどんAIに任せられれば、人は人にしかできない、もっと創造的なことに時間を使えるようになります。そう考えると、すごくワクワクしませんか? 多くの人に、もっとAIのことを知ってもらいたいし、気軽に利用してもらいたい。そのために、色々なアプローチをしていきたいと思っています。
Wanted!!
株式会社フューチャースタンダードでは一緒に働く仲間を募集しています